いろいろわかる… 藤井香愛 インタビュー!
いろいろわかる… 藤井香愛 インタビュー!「私、なんか、めっちゃ泣いて…」3歳から歌手になりたいと思い 2018年に 29歳でデビュー! 昭和のキャッチーなポップス系歌謡曲を歌い継ぐ歌謡曲歌手! 6作目となる最新曲『純情レボリューション』が 2024年 4月24日に発売! 耳に残るマイナー調アップテンポの歌謡曲! インタビューの最後に、直筆サイン色紙 の 読者プレゼントあり! Fujii Kawai 藤井 香愛 (ふじい かわい) 6th Single 『 純情レボリューション 』 ★ 2018年『東京ルージュ』で ソロ歌手としてデビューして 6年! ★ 昭和のキャッチーなポップス系歌謡曲を歌い継ぐ歌謡曲歌手! ★ 明るくヌケの良い低音域に、印象的な高音域の歌声が魅力! ★ 6作目となる『純情レボリューション』は マイナー調アップテンポの歌謡曲! ★ 一度、聴いたら覚えてしまう、耳に残るサビ始まりの曲! ★ 響きが より 豊かになり、説得力が増した歌唱! ★ 3歳から歌手になりたいと思い、 2018年に 29歳でデビュー! ★「私、なんか、めっちゃ泣いて…」 【公式】藤井香愛「純情レボリューション」MV(2024年4月24日発売) 藤井香愛 新曲『純情レボリューション』発売記念 インターネットサイン会 @楽園堂 (2024年4月29日) ■ シングル リリース情報 藤井香愛 『純情レボリューション』 【タイプA】 シングル CD / Digital 2024年 4月24日 発売 TKCA-91561 ¥1500 TOKUMA JAPAN COMMUNICATIONS <収録曲> 1 純情レボリューション (作詞:及川眠子 / 作曲:幸耕平 / 編曲:萩田光雄) 2 うらはら (作詞:及川眠子 / 作曲:幸耕平 / 編曲:萩田光雄) 3 純情レボリューション(オリジナル・カラオケ) 4 うらはら(オリジナル・カラオケ) 5 純情レボリューション(半音下げカラオケ) 6 うらはら(半音下げカラオケ) 藤井香愛 『純情レボリューション』【タイプB】 シングル CD / Digital 2024年 4月24日 発売 TKCA-91562 ¥1500 TOKUMA JAPAN COMMUNICATIONS <収録曲> 1 純情レボリューション (作詞:及川眠子 / 作曲:幸耕平 / 編曲:萩田光雄) 2 最後のわがまま (作詞:及川眠子 / 作曲:幸耕平 / 編曲:佐藤和豊) 3 純情レボリューション(オリジナル・カラオケ) 4 最後のわがまま(オリジナル・カラオケ) 5 純情レボリューション(半音下げカラオケ) 6 最後のわがまま(半音下げカラオケ) 各配信サイト 『純情レボリューション』歌詞を見る 『うらはら』歌詞を見る 『最後のわがまま』歌詞を見る 藤井香愛 徳間ジャパンコミュニケーションズ 藤井香愛 オフィシャルサイト 藤井香愛 オフィシャルブログ 藤井香愛 各配信サイト 藤井香愛 歌詞一覧 ■ キャンペーン情報 藤井香愛『純情レボリューション』発売記念 CDショップ五番街 インターネットサイン会&隠しパネル抽選会 日時: 2024年 6月1日(土)18時 開始予定 配信: 五番街 YouTube チャンネル 詳細/参加購入 最新 イベント/コンサート/キャンペーン情報 藤井香愛 『純情レボリューション』発売記念インターネットサイン会 2024/6/1 18:00~ ■ コンサート / イベント 情報 東京演歌ライブ なかの Vol.231 ~夏盛り!歌謡パレード!!~ 開催日時: 2024年 7月24日(水)13:00 開場 / 13:30 開演 開催会場: 東京「なかのZERO」小ホール チケット: 2,500円(税込)全席指定 <出演> 永井みゆき、山口ひろみ、中西りえ、水城なつみ、藤井香愛、門松みゆき 詳細/チケット予約 藤井香愛 最新 イベント/コンサート/キャンペーン情報 ■ レギュラー番組情報 「藤井香愛のkawaiiらじお〜第四章〜」 毎週 日曜日 朝 5:00 〜 5:15 東海ラジオ 東海ラジオ 東海ラジオ radiko で 聴く ■ いろいろわかる… 藤井香愛 インタビュー! たとえば、山口百恵 や 中森明菜 といった「歌謡曲」を歌っていた歌手も、最近では「演歌・歌謡曲」と言われることが多い。1970年代から80年代、いわゆる「昭和歌謡曲」と言われる曲の中には、もちろん演歌調の曲もあるが、「昭和歌謡曲」をリアルタイムで聴いてきた人たちにとって「歌謡曲」というのは、基本的にはポップスがベースになったものをイメージする。だから、山口百恵 や 中森明菜 らを「演歌」とひとくくりにして「演歌・歌謡曲」と言われてしまうと、どうしても違和感を感じる。時には、さだまさし や 南こうせつ、イルカ といったフォーク系のシンガーソングライターも「演歌・歌謡曲」の歌手として分類されていることもある。 ジャンルという考え方は、極めて曖昧なものではあるが、つまりは、ジャンルではなく、ある一定の年齢以上の人が好んで聴く音楽は、今では、すべて「演歌・歌謡曲」と呼ばれるのだろう。 そういう意味で、若手の演歌系歌手が多い中、「演歌」ではなく「昭和歌謡曲」の延長線上にある「ポップス系歌謡曲」を歌い継ぐ若手の「歌謡曲歌手」は貴重で、今、男性歌手であれば、新浜レオン、そして、女性歌手では、藤井香愛(ふじい かわい)が異彩を放っている。 藤井香愛 は、2018年 7月4日に、シングル『東京ルージュ』(作詞:岡田冨美子 / 作曲:弦哲也 / 編曲:川村栄二)でソロの歌手としてデビューし、今年、2024年の 7月でまる 6年になる。 デビューシングル『東京ルージュ』と、続く 2ndシングル『TOKYO迷子』(作詞:さくらちさと / 作曲:伊藤薫 / 編曲:馬飼野俊一)は、いずれも演歌調の歌謡曲だったが、3作目の『その気もないくせに』(作詞:千家和也 / 作曲:幸耕平 / 編曲:萩田光雄)以降、作曲を 幸 耕平(みゆき こうへい)が担当するようになってからは、「昭和歌謡曲」の延長線上にある、耳に残るキャッチーなポップス調の歌謡曲を歌っている。 2022年に発売された 4作目のシングル『一夜桃色』(ひとよ ももいろ)(作詞:及川眠子 / 作曲:幸耕平 / 編曲:坂本昌之)では、その年の「第64回 輝く!日本レコード大賞」で「日本作曲家協会選奨」を受賞している。 そして、通算 6作目、幸 耕平 が作曲を担当したポップス調の歌謡曲 4作目となる最新シングル『純情レボリューション』(作詞:及川眠子 / 作曲:幸耕平 / 編曲:萩田光雄)が、先日、2024年 4月24日に発売された。 新曲『純情レボリューション』は、マイナー調、アップテンポのポップス調の歌謡曲で、冒頭のサビからはじまる「♪ダメよ 逃がさない イヤよ 返してよ」が耳に残る。誰もが知る「国民的ヒット曲」や「その年の流行歌」といったものが生まれにくくなった現代だが、たとえば、1980年代であれば、そういうヒット曲になっていてもおかしくないような曲だ。 デビュー以来、公式プロフィールには「印象的な低音とハスキー・ボイスが魅力」と書かれているが、藤井香愛 は、中音域から高音も特徴的で魅力がある。新曲『純情レボリューション』は、そういう高い声の魅力がよく出ている曲だ。 さらに、前作『夢告鳥』(作詞:及川眠子 / 作曲:幸耕平 / 編曲:坂本昌之)までと比べて、歌声の響きが大きく変わり、説得力が増している。チカラが抜けて、より豊かな響きで歌っているから、歌詞やメロディの良さがより伝わってくるし、高く張ったときの声の良さもより際立っている。 そのビジュアルから、一見、ツンツンしていて、冷たそうな印象を受ける人もいるかもしれないが、実際の 藤井香愛 は、素直で、真面目で、やさしく、あたたかい雰囲気の人だ。そのゆったりとした口調からは、落ち着いた雰囲気と、クレバーさを感じさせる。 <もくじ> 1 歌の印象が大きく変わった『純情レボリューション』 〜「イメージチェンジで "新生・藤井香愛" っていう感じですね…」〜 2 最初の録音から 1ヶ月の猛特訓を経て録りなおし 〜「これはもう本当にチャンスをいただけたと思って…」〜 3 カップリング曲の『うらはら』と『最後のわがまま』もポップス調 〜「ひとつひとつが伝わる歌い方ができるのかなって…」〜 4 3歳から歌手になりたいと思っていた 〜「それがなんか子供ながらに快感で…」〜 5 カラオケ「DAM」のガイドボーカルを100曲以上担当 〜「"歌える喜び" みたいなのは感じてはいなかったですね…」〜 6 オーディション不合格も、わずか 1年で歌手としてソロデビュー 〜「私、なんか、めっちゃ泣いて…」〜 7 コロナ禍を経てのデビュー 7年目 〜「ちょっとなんか悔しい部分もあるので…」〜 1 歌の印象が大きく変わった『純情レボリューション』 〜「イメージチェンジで "新生・藤井香愛" っていう感じですね…」〜 ーー 2024年 4月24日に発売された 藤井香愛 の通算 6作目となる最新シングル『純情レボリューション』(作詞:及川眠子 / 作曲:幸耕平 / 編曲:萩田光雄)は、マイナー調、アップテンポのポップス調の歌謡曲で、サビからはじまる曲だ。冒頭から何度も繰り返される「♪ダメよ 逃がさない イヤよ 返してよ」が耳に残り、一度聴けば、そこを覚えてしまう。 藤井: ありがとうございます。で、しかも、サビから始まるんで、もう刷り込まれていきますよね……(笑)。 藤井: 実は、もう1曲、ちょっとバラードっぽい曲とかも(新曲候補で)あったりしてたんで、結構、この『純情レボリューション』の攻めた感じがまた雰囲気が違うくて、「こっちはこう来るのか」って思ったんですけど、「サビ始まり」っていうのも初めてでしたし、聴いたときは、すごくワクワクしました。 ーー 2018年にソロ歌手としてデビューし、2020年に発売された 3作目の『その気もないくせに』(作詞:千家和也 / 作曲:幸耕平 / 編曲:萩田光雄)以降、作曲を 幸 耕平(みゆき こうへい)が担当しはじめてから、楽曲の雰囲気が変わった。今回の新曲『純情レボリューション』まで 4作連続で、「昭和歌謡曲」の延長線上にある、耳に残るキャッチーなポップス調の歌謡曲を歌っている。 ーー デビュー以来、公式プロフィールには「印象的な低音とハスキー・ボイスが魅力」と書かれているが、藤井香愛 は中音域から高音も特徴的で魅力がある。新曲『純情レボリューション』は、その高い声の魅力がよく出ている曲だ。前作までと比べて、歌声の響きが大きく変わった印象を受ける。チカラが抜けて、より豊かな響きで歌っているから、とくに高く張るときの声の良さがより際立っているし、歌詞やメロディの良さもより伝わってくるから、結果的に歌の説得力が増している。 藤井: あっ、うれしい〜。ありがとうございます。いや、もう「変わったな」って言っていただけるのも、もうまさに狙い通りで……(笑)。この曲を発売する前に、(幸耕平)先生とも……、(幸耕平)先生にはいろいろとプロデュース的なこともしていただいてるんで、「"藤井香愛 変わったね" って言わせないと駄目だよ」って言われてて……(笑)、だから、作戦成功です……(笑)。今回は、歌声も、見た目も、ビジュアル全て込みで、イメージチェンジで "新生・藤井香愛" っていう感じですね。 藤井: あの……、デビュー当初とか、あとデビューする前っていうのは、もうプロフィールにあるように、私も「低音」「ハスキーボイス」っていうのを意識して歌っていたんですけど、3作目(のシングル『その気もないくせに』)から 幸 耕平(みゆき こうへい)先生に書いていただいてまして、で、ちょうどレッスンしていただき始めたのが 2019年なので、デビュー 2年目からなんですけど、幸(耕平)先生に初めて歌を聴いていただいたときに、「低音も、もちろん持ち味としていいんだけど、キミは中音域から高音の声も、もっと響きが良くなればすごくいいから、そこを作っていけば絶対に売れるから」って言っていただけたんです。 藤井: だから、そこから、歌う曲のキーも上がりましたし、あとレッスンでは、低音はもちろん温存しつつも、中音域から高音の、しかもこの「響き」がよく聴こえるように、「聴いてて心地いいなって思うような歌声になるように」っていうのを、もうこの 5年間、もうず〜〜っと練習してきて、レッスンしていただいてたんで、今、そうやって言っていただけて、なんか報われた気持ちです……(笑)。 ーー とくに、たとえば、「♪うんざりだわ」「♪みくびらないでね」の部分など高く張る声を、チカラで強く押すのではなく響きで歌っているから、結果的に、心地よく力強く聴こえるし、藤井香愛 の声の特徴、魅力がより際立っている。 藤井: あっ、ありがとうございます。うれしいです。だから、その「響き」っていう部分が……、やっと日々のレッスンで響くようになってきたからこそ、今回は、この曲を歌うときに(幸耕平)先生からは、「もう、うまく歌わなくていいし、別に音程とかも、もはや気にしなくていいから、感情をちゃんとぶつけて、しかもセクシーに恥ずかしがらずに歌って」っていうふうに言っていただけたんです。 2 最初の録音から 1ヶ月の猛特訓を経て録りなおし 〜「これはもう本当にチャンスをいただけたと思って…」〜 ーー 『今夜は離さない』(橋幸夫・安倍里葎子)、『ジュリーがライバル』(石野真子)、『乱れ花』(大月みやこ)、『女人高野』(田川寿美)などや、最近では、純烈、市川由紀乃、竹島宏 ……らのヒット曲を手がける作曲家 幸 耕平(みゆき こうへい)のところに、藤井香愛 はデビュー 2年目からレッスンに通っている。 藤井: はい、めちゃめちゃ通ってます。今は新曲を発売してちょっと忙しいんですけど、基本的には、週1ぐらいです。レコーディング前とかは、週2とか。持ち歌はもちろんそうなんですけど、番組で歌うカバー曲の「キー出し」からレッスンまで。テレビで歌う曲はとくに必ずレッスンしていただいてます。 ーー 幸 耕平 は、もともとパーカッション・プレイヤーだったこともあり、歌のレッスンでは、背中を叩きながらリズムを感じさせるようにすることもある。 藤井: はい、叩かれます……(笑)。でも、幸(耕平)先生の「肩たたきマシーン」があったらいいのにって思うくらい、本当に、やってもらうと、やっぱり「リズムのノリ」が変わりますね。 ーー 一度で覚えてしまうサビの「♪ダメよ 逃がさない イヤよ 返してよ」の部分だが、それらをより印象的にしているのは、藤井香愛 の歌い方だ。なかなか、文字で表現するのは難しいが、普通に「♪ダメよ」とか「♪イヤよ」と歌っているわけではなく、「♪ん ダメよ」「♪ひ イヤよ」という感じだ。それらが、藤井香愛 らしさとして特徴的だから、より耳に残る。レコーディング前に、そういう歌い方のイメージを作って録音に臨んだのだろうか? 藤井: いや……、それが、最初、全然できなくて……。なんか……、私、(通信カラオケ「DAM」の)ガイドボーカルの仕事をデビュー前にやっていたので、やっぱり譜面通りというか、教科書通りの歌唱みたいなのが……、それは、本当にガイドボーカルだったらいいんですけど、やっぱり歌手としてはあんまり良くないところで、直していかなきゃいけないところなんですけど……。やっぱり、この歌もそういう感じで最初歌ってしまっていて、最初に歌ったときは、なんかもう「全然つまんない」って(幸耕平)先生からも言われてて、で、この「♪ダメよ」とか「♪イヤよ」のところが、「全然、ダメでもないし、イヤでもない」って言われました。 藤井: なので、「♪ん ダメよ」とか「♪ひ イヤよ」のところも、それこそ、最初、音符通りに「♪ダメよ」って歌ってたんですけど、ひとつずつ(幸耕平)先生からのレッスンで、「♪ダメよ」じゃなくて「♪ん ダメよ」だよって言われて……。 藤井: で、そういうところから始まり、いろいろ感情の乗せ方とか、リズムとか、あと言葉の発音の仕方とかも細かくレッスンしていただいて、レコーディングに挑んだんですけど、なんか OK テイクになったときに、しっくりこなかったというか、「ここまでか……」と思ったんですよ。なんか、なんだろう……、上手くは歌えてるんだけど、(幸耕平)先生からレッスンで言われてたことができてた感じがしないというか……、「もう、今、ここまでしかできない」っていう限界は出せてたんですけど……。で、(幸耕平)先生も、まあ、仕方なく OK っていう感じだったんですよ。 藤井: そしたら、1週間ぐらいしてから、(幸耕平)先生の方から、「やっぱり、レコーディングもう 1回やり直さない?」って言っていただいたんです。でも、今回、この 1回目のレコーディングがかなり苦戦したんで、なんか本当に心の中では「あれをまたもう1回やるのか〜 しんどい〜」と思ったんですけど……(笑)。 藤井: それに、スタジオを借りるお金もかかるし、「どうしよう……」とかも思ったけど、でも、やっぱり、自分でも「あんまり納得してなかったものが世に出るのか……」って思ってたから、いやこれはもう本当にチャンスをいただけたと思って、そこから 1ヶ月ぐらい猛特訓してもらって、録り直しました。 藤井: それで、その 1ヶ月の間、(幸耕平)先生のところに通いに通いまくって、1回、基本的には 1時間半のレッスンなんですけど、もう 3時間ぐらいとかやっていただいたりしてました。で、(幸耕平)先生ともう一人、サポートしくれている先生がいるんですけど、その先生はギターでレッスンしてくれたりして、幸(耕平)先生は、たまにコンガを叩きながらだったりとか、あと、普通に、口でレッスンしてくださるんですけど、そのときは、ギターと(幸耕平)先生のコンガと一緒にレッスンしていただいてて、3時間ぐらいレッスンしてると、ずっと集中してるから、私も汗だくだし、顔真っ赤だし、先生たちも必死にやってくださるから、「はい、じゃあもう今日はここまで」ってなったときに、先生もコンガの上で「はぁ〜っ」ってグッタリしてて……(笑)、私も、1回しゃがんで立とうとしたら、もう立てないみたいみたいな……(笑)、っていう 1ヶ月間を経てのこの『純情レボリューション』なんです。 ーー それほど 幸耕平 も一生懸命にやるということは、期待の大きさの表れだ。「もっと良くなる」と思ったからこそ「録りなおそう」と言い、1ヶ月間レッスンをした。しかし、幸耕平 による指導はあったものの、実際に歌うのは 藤井香愛 で、これら「♪ん ダメよ」「♪ひ イヤよ」は、藤井香愛 から出てきたものだし、藤井香愛 にしかできない歌い方だ。この歌い方だからこそ、より印象的で耳に残る。 藤井: ありがとうございます。あっ、そう……、あと、もうひとつ変化みたいなのがあって……、その 1ヶ月の間に、髪を切ったんですよ、イメージ作りのために。髪を切ったのと、あと、この衣装が出来上がってきたっていうのと、あと振りがついたっていうので、なんか、だんだん作品のイメージが自分の中でも固まってきたみたいなところがあって、(2回目のレコーディングでは)すごくイメージしやすくなったんです。 藤井: だから、もうこの衣装で、あの 菊地(ヒロユキ)先生がつけてくださったセクシーな振りをやりながら、「♪ダメよ 逃がさない」って(普通に譜面通りには)歌えないじゃないですか。だから、やっぱり、ちょっと踊りながら歌ってみたりしたら、この「♪ん ダメよ」ができました。 ーー 2回目のレコーディングは、スムースに進んで、出来上がりも満足できるものになった。 藤井: あっ、はい、そうですね。だから、本当に数回くらいかな……、3回ぐらい歌った中で、できました。「よかった〜」って思いました……(笑)。昨日、ひさびさに、1回目の方の録音を聴いたら、「よかった〜、これが出なくて」と思いました……(笑)。 3 カップリング曲の『うらはら』と『最後のわがまま』もポップス調 〜「ひとつひとつが伝わる歌い方ができるのかなって…」〜 ーー 最新シングル『純情レボリューション』は、ジャケット写真とカップリング曲の違う「タイプ A」「タイプ B」の 2形態で発売された。それぞれのカップリング曲『うらはら』(作詞:及川眠子 / 作曲:幸耕平 / 編曲:萩田光雄)と『最後のわがまま』(作詞:及川眠子 / 作曲:幸耕平 / 編曲:佐藤和豊)は、曲調は全く違うが、いずれもいい曲だ。 藤井: そうなんです〜。ありがとうございます〜。 ーー 「タイプ A」のカップリング曲『うらはら』は、マイナー調ミディアムテンポのハネ系・ファンク調のポップスという感じで、サビの最後の「♪ああ 愛は言葉とうらはら」「♪ああ 愛は笑顔とうらはら」が耳に残る。Aメロの低い声も魅力的だ。 藤井: ありがとうございます。これも、だから、『純情レボリューション』のカップリング曲っていうことを前提で、歌い方とかも、『純情レボリューション』を聴いたあとに『うらはら』を聴いても違和感のないような歌い方っていうのを意識しました。 ーー リズムが難しい曲で、16ビートを感じながら歌わないとうまく歌えないが、リズムの乗り方がいい。 藤井: ありがとうございます。そうですね、リズムもありつつ、サラッと歌うっていう……。でも、やっぱり、日々のレッスンの中では、「やっぱり、リズムはまだまだだな」って思ってます。 藤井: 『うらはら』は、アレンジが出来上がったときに聴いて、本当に、「え〜! 今のこの演歌・歌謡界で、こんなおしゃれな曲があっていいのか」っていうくらいおしゃれで、すごく嬉しかったですし、本当に、演歌・歌謡曲のくくりからは外れてるというか、いろんな世代のいろんなジャンルの方にも受け入れてもらえる曲なんじゃないかなって思いました。 ーー 『うらはら』は、完全にポップスと言っていいと思うし、『純情レボリューション』も『うらはら』も、1980年代〜90年代くらいの女性歌謡曲歌手が歌っていた感じの現代版だ。 藤井: そうですね。結構、昭和の歌謡曲とかが好きな方からは、そういう歌謡曲の要素もやっぱりあるから、「すごく懐かしさもある」っていうふうに言っていただいてます。 藤井: で、なんか、(今回のシングル曲 3曲を作詞した)及川 眠子(おいかわ ねこ)先生が、Twitter(X)で、「今回、この曲の作詞をしました」っていう紹介をしてくださったときに、「どこか昭和を感じさせて、でも決して古くない、そんな作品に仕上がってます」っていうふうに書いてくださいました。 ーー 高橋洋子『残酷な天使のテーゼ』『魂のルフラン』や、「Wink」の『愛が止まらない 〜Turn It Into Love〜』『淋しい熱帯魚』、やしきたかじん『東京』…… などのヒット曲をはじめ、1980年代後半から多くの歌謡曲の作詞を手がける 作詞家の 及川 眠子 は、藤井香愛 の 4作目のシングル『一夜桃色』以降、作詞を手がけ、今回の『純情レボリューション』で 連続 3作目となる。 ーー そして、「タイプ B」のカップリング曲『最後のわがまま』(作詞:及川眠子 / 作曲:幸耕平 / 編曲:佐藤和豊)は、マイナー調の王道ポップス・バラードで、1990年代の 今井美樹 や 竹内まりや のアルバムに収録されている曲のように聴こえる。「メロディ、アレンジ、切ない歌詞」いずれの点でも、そういう雰囲気がある。 藤井: ありがとうございます。これもいい曲なんですよ〜。実は、「竹内まりや さんとか 今井美樹 さんとかのラインになれたらいいな」ってちょっと思っていて……、あと、髙橋真梨子 さんとか……。やっぱり、男性はもちろんですけど、女性でわりと高齢の方っていうよりかは少しもうちょい下の世代の方からもすごく支持されてるじゃないですか。あと、本当に、女性にしかわからない女心みたいなものを歌われているので、すごく憧れる歌手ですね。 藤井: 『最後のわがまま』は、本当に、歌詞も「心のうち」を語っているという感じで……。なんか、(及川)眠子 先生がいろいろ経験されてるんだなっていうのを感じる詞ですね……(笑)。 ーー Aメロの歌声がいい。ヌケの良い明るい響きの歌声だから、メロディの良さも、歌詞の切なさもより伝わるし、もともと持っている声の良さがよく出ている。 藤井: ありがとうございます。これも、もう『純情レボリューション』と同じくらいの時間をかけてレッスンしていただいたんで、なんか、「もう歌えないかも……」って思うぐらい、挫折しそうになるぐらい……(笑)。だったんですけど、やっぱり、バラードだから緩急もつけなきゃいけないし、でも、その緩急がわざとらしくなっても伝わらないし……。 ーー バラードの場合、間の取り方が難しいし、感情を入れすぎると押し付けがましくなり、聴いている人の感情が入る余地がなくなり、結果、伝わらないものになってしまう。 藤井: そうですよね。独りよがりみたいになりますもんね。なんか、「自分が歌ってて気持ちよくなっちゃ駄目だよ」って言われてて、「人が気持ちよくないといけないから、そういう歌い方をするように」って言われてて……。あと、私、結構、言葉を意識しないと、たとえば、「♪静かにドアを開け ひとり夜に消える」とか、ちゃんと言葉の意味を意識して歌わないと流れちゃうんです。だから、「静かに」「ドアを」「開け」「ひとり」って、そういう歌い方を、今も意識しながら歌ってるっていう感じですね。 ーー そういう、話すように、喋るように言葉をメロディに乗せているから、より歌詞が伝わってくる。 藤井: そうですね、はい。なんか、「落ち着いて歌う」っていうことを、最近、考えていて……、なんか、喋り方とかも、今までは、結構、早口で……、なんか、声が低いんで、あんまりそういうイメージないかもしれないんですけど、緊張しちゃうと、結構、早口でパパパパッて、声もなんかちょっとうわずっちゃったりして……。私、歌もわりとそれと同じ感じで、「なんか流れちゃってるな」と思って。 藤井: で、今、喋り方とかも、やっぱりこの曲でもう一段階「大人の藤井香愛」になりたいと思っているので、もう少し年相応に落ち着いて話せるようになったらいいなと思ってます。だから、頭の中で考えながら言葉を言っていけば、もっとゆっくり話せるし……。 藤井: だから、歌も同じかなって思っていて、なんか「次はこの歌詞だから、このメロディだから、口を動かして声を出さなきゃいけない」って思わないで、「詞をひとつひとつ感じながら歌っていく」みたいな歌い方をすれば、ちゃんとひとつひとつが伝わる歌い方ができるのかなって。 ーー 歌う時に、気持ちの余裕のようなものも生まれるのだろう。 藤井: うん、うん、そうですね。だから、今回のカップリングも、『純情レボリューション』もすごく勉強をたくさんして成長できたなって思います。 4 3歳から歌手になりたいと思っていた 〜「それがなんか子供ながらに快感で…」〜 ーー 東京に生まれた 藤井香愛 は、小学校 2年生のころから、歌手を目指し、ダンスレッスンやボイストレーニングに通っていた。 藤井: はい、やってました。もう 3歳ぐらいから歌手になりたいと思ってましたから。両親が演歌とか歌謡曲が好きで、家で演歌・歌謡の番組とか、かかってたんですよ。『歌謡コンサート』だったり『演歌の花道』とか、常にテレビで流れていたので、演歌・歌謡も聴き馴染みがあって、で、家族でカラオケをよくしてたんですね。親戚が集まったりするとカラオケするみたいな。 藤井: 歌が子供の頃から好きだったんで、歌うと、やっぱり拍手をもらえるから……(笑)、それがなんか子供ながらに快感で、なんかもう「歌手になりたい!」って。そのときは、『おどるポンポコリン』(B.B.クィーンズ、1990年)とか『千恵っ子よされ』(岸 千恵子、1985年)とか歌ってましたね……(笑)。 藤井:『千恵っ子よされ』は、親戚で誰かが歌ってて覚えたんだと思います。それで、「♪千恵っ子 よ〜さ〜れ〜 ハッ!」っていうのを 3歳の私が歌うと、「ワァ〜!」ってなるんですよ……(笑)。もう最高な気分だと思って、それから、ずっと歌手になりたいと思ってました。 藤井: で、ボイストレーニングは、歌手になりたいから始めたっていうのがあるんですけど、ダンスは、その当時、私、安室奈美恵 さんと「SPEED」さんがすごい大好きで、「歌って踊れる歌手」になりたくて、「アクターズスクール」とかがもう全盛期の頃だったんで、「アクターズスクール」に入りたいとか思ってたんで、だから、とりあえずちょっとダンスも習ってみようっていうので、近所のスクールに通ってました。 ーー そういう両親の影響もあり、安室奈美恵 や「SPEED」といった J-POP だけでなく、歌謡曲も好きだった。 藤井: で、えっと……、母がよくカラオケで歌ってたんですけど、 『ラヴ・イズ・オーヴァー』(欧陽菲菲、1979年)とか、『恋人よ』(五輪真弓、1980年)とか、あと『長崎の夜はむらさき』(瀬川映子/瀬川瑛子、1970年)とかですね。だから、もう、安室奈美恵 さんの曲と同じくらい、自分の中ではスタンダードとして受け入れていました……(笑)。 ーー 中学に入ると、山口百恵 の歌と出会い、好きになった。 藤井: あっ、(山口)百恵さんは、中学 1年ぐらいの時ですね。ある方から、「(藤井)香愛ちゃんの声って、(山口)百恵さんの歌がすごく合うと思うから聴いてみたら」って言っていただいて、「TSUTAYA」で CD 借りたらハマってしまって……(笑)。 藤井: 一番最初は、やっぱり、『プレイバック Part2』(1978年)を聴いて衝撃を受けて、「"馬鹿にしないでよ" って歌っていいんだ」みたいな……。で、そこからどんどん聴いていくと、『美・サイレント』(1079年)とか『横須賀ストーリー』(1976年)とか、そういうかっこいい曲もあるし、あと『夢先案内人』(1977年)とかそういう曲とかもあったり、いろんなジャンルの曲を歌っていて、どの曲も歌い方とかも違うんだけど、やっぱり「百恵さんワールド」があるみたいなところが、すごく中学生ながらに憧れてました。 藤井: で、歌ってた当時の百恵さんもやっぱり 10代とかだったし、「私も、これからもっと頑張れば、10代のうちにデビューして百恵さんみたいな歌が歌えるのかな」とか思いながら、毎日、聴いてました。友達とカラオケ行っても『秋桜」(コスモス、1977年)とか歌ったりして……(笑)、みんな「ん?」って感じで……(笑)。 ーー しかし、中学 2年生の時に、それまで続けていたボイストレーニングやダンスレッスンをやめてしまう。 藤井: 反抗期だったからです……(笑)。自分で「行きたい」って言ったんだけど、なんか、「決まった時間にこれに行かなきゃいけない」とか、「親にお金を出してもらってる」とかがなんかイヤになっちゃって……(笑)、全部、投げ出して……(笑)。 藤井: でも、「歌いたい」とかそういう気持ちはあったんで、結局……、私、中学は私立の女子中に行ってたので、そのまま高校も上がれるはずだったんですけど、芸能活動禁止の学校だったんです。なので、「芸能活動のできる学校に行きたい」って思って、中学生のときにいろんな学校を自分で調べて、資料請求して、で「東放学園高等専修学校」を見つけて、親にプレゼンして、「習い事やめちゃったけど、やっぱりやりたいからここに入学させてください。もう1回入学金かかっちゃうけど」って……。そのまま行けば入学金かからない学校だったから、「ちょっと申し訳ないけど、入りたいです」って言って入れてもらいました。 ーー そうして、歌手、俳優、ダンサー、声優などの音楽・芸能タレントや、クリエイターを目指せる専門的な高校である「東放学園高等専修学校」に進学した。高校 2年のころには、渋谷のセンター街で、当時、絶大な人気のティーン・ファッション雑誌のモデルとしてスカウトされ、2005年から、卒業後の 2008年まで読者モデルも経験した。 藤井: はい。でも、そのときは、もうどこにも所属していなくて、お小遣い稼ぎみたいな感じでした。で、高校のときも、引き続き、歌謡曲も聴いてましたし……、学校で「ストリート・カルチャー」って授業を選択してたんですけど、ヒップホップ系の専攻だったんですね。だから、私は歌を歌うし、他の子はブレイクダンスをやるし、DJ をやるし、ラップをやるしとか、いろんなことをやる人が集まっていて……、だけど、ジャンルは、R & B とか、ヒップホップ系だったんで、わりとそういう曲も聴いてました。なので、Beyonce(ビヨンセ)とかも聴いてましたし、あと、ラップ……、Snoop Dogg(スヌープ・ドッグ)みたいなのとかを聴いたりして踊ったりしてました。 5 カラオケ「DAM」のガイドボーカルを100曲以上担当 〜「"歌える喜び" みたいなのは感じてはいなかったですね…」〜 ーー 2007年3月に高校を卒業してからは、モデルやタレントに、ガールズバンドなども所属する大手プロダクションに所属した。 藤井: はい、高校を卒業してからですね。それは、友達と音楽イベントみたいなのに行ってたときに、プロダクションの方にスカウトしていただいて、それで入ることになりました。 ーー 所属後の 2008年、19歳の時には、プロ野球「東京ヤクルトスワローズ」のダンスチーム「DDS」(現在の「Passion」)のメンバーになった。 藤井: はい。「DDS」は、私が所属していた事務所のメンバーで構成されてるんですけど、「(東京)ヤクルトスワローズ」のダンスと歌のチームっていう感じです。 ーー そして、その後に結成された、「東京ヤクルトスワローズ」の公認サポーターソングを歌うダンスボーカルユニット「DAD'S」ではメインボーカルを担当し、2008年 8月19日に CD『Love in the Paradise / Swallows Paradise』(作詞:Shoko / 作曲:水島康貴、Brand-New Music)が発売された。たとえば「MAX」のような、ロック系のダンサブルな曲だ。 藤井: ああ、そうです。「SPEED」の曲を作っている方が書いてくださったんですよ。神宮(球場)で、毎試合(試合の前に)歌ってました。球場で歌う時は「♪Take me Swallows」なんですけど、球場以外で歌う時は「「♪Take me 今すぐ」なんですよ。で、そのころのファンの方で、今も応援してくださってる方もいます。 藤井: でも、やっぱり「ソロで歌いたい」っていうのがあったので……、あと、ジャンル的にもちょっとアイドルっぽくて、「ちょっと違うな……」っていうのはありました。活動としては、「部活みたいで楽しいな」っていう感じだったんですけど。 藤井: だから、なんか 3万人とかのお客さんの前で毎日歌えてても、なんかちょっとピンとこないというか、"歌える喜び" みたいなのは感じてはいなかったですね。「球場を盛り上げたい」っていう気持ちでやっていたっていう感じですね。まだ、ハタチとかだったんで、普通に「なんか楽しい、ワーイ」みたいな感じでしたね……(笑)。もう何も考えずにただ楽しんでいたっていう。 ーー 「東京ヤクルトスワローズ」のダンスボーカルチームをやりながら、通信カラオケ大手「DAM」(第一興商)のガイドボーカルも歌っていた。カラオケボックスなどで、「ガイドボーカル ON」にすると流れてくる、覚えるためのお手本となる歌の録音だ。 藤井: はい、そうですね。実は、高校時代からやってたんです。もともと、そのガイドボーカルをやってた方から紹介していただいて、ちょこちょこ……。まあ、学生時代はそんなにいっぱいはできないんで、1ヶ月に 1曲とかしかできなかったんですけど、卒業してからは、結構、コンスタントに歌ってました。100曲以上はやりましたね。なので、今でも、「DAM」に入ってますね……(笑)。 藤井: でも、結構、クセとか(オリジナル歌唱の本人に)似せて歌わなきゃいけないので、大変ですね。あと、結構、2〜3日前とかに連絡来るんで、急なんです。知らない曲とかだと覚えて歌わないといけないんですけど。 藤井: で……、逆に、最近、「私の曲を誰かが(ガイドボーカルで)歌ってるのかな?」と思って、聴いてみたことあります……(笑)。だけど、「似せて歌う」っていう部分では、自分のやつを聴いたときに、「私、こんな歌い方してるのかな?!」みたいな……(笑)、結構、大げさにやってくれてるんで、不思議な気持ちでした。「いままで、大変、失礼しました」って思いました……(笑)。私の場合、チェウニ さんとか、門倉有希 さんの曲とか多くて、大袈裟に真似して歌ってたんですけど……、なんか……、「申し訳ないな」っていう気持ちです……(笑)。 藤井: ほかにも、岩佐美咲 さんのデビュー曲(『無人駅』)とか、Ms.OOJA さんとか、西田あい さんとかも歌いましたし、あと、髙橋真梨子 さんとか、弘田三枝子 さんとかも、ガイドボーカルが入ってなかった曲とかもあったので、歌いましたね。 ーー さらに、ライブハウスでも歌っていたことがある。 藤井: あっ、それは……、実は、高校時代から作詞とかはしていたんです。友達と曲作って、学校の文化祭に出て何かパフォーマンスをすると単位がもらえるっていうことだったので。昔からそういう創作活動はしていたんですけど、プロダクションに入って「DDS」を 1年で卒業したんですけど、そのあとは、ずっと曲を作って、ライブハウスで歌うっていう活動をしてました。 藤井: で、たまに、なんか、当時、50代ぐらいの男性のバンドの方に混じって、ジャズとか歌ったりとか、あとは自分の曲も演奏していただいて歌ったり、ちあきなおみ さんの曲とかをちょっとジャズ風にアレンジしてもらって歌ったりしてました。自分で主催したライブとかは、自分で、全部、最後にお金を集金してバンドの方に振り分けたりとか……(笑)、そういうのもやってましたね……(笑)。 6 オーディション不合格も、わずか 1年で歌手としてソロデビュー 〜「私、なんか、めっちゃ泣いて…」〜 ーー そういうカラオケ「DAM」のガイドボーカルや、ライブハウスでの活動はしていたが、その後、フルタイムでのアルバイトを始めた。 藤井: デビューまでの最後の 5年間は、「オープンハウス」っていう不動産会社の渋谷店でアルバイトしてました。最初は事務で働かせていただいてて、最後の方は受付とか、バイトなんですけど社員さんのようにクレーム対応とかもしてました。 藤井: そのころも、歌手になりたいと思ってたんですけど、1日8時間を週5日で働いてたんで、くたびれちゃうし、「もう歌のこと考えるヒマない」みたいな感じで……。だから、もう、このまま「オープンハウス」で正社員になろうかなとか……、だけど、なんか、モヤモヤしてたから、ずっとアルバイトでいたっていうのもあって……。 藤井: それで、あるとき、親友と話してて……、その親友も、結構、フラフラしてたんですけど、ネイリストになったんですね。ずっと私もネイルをやってもらってて、もう完全に手に職をつけて、なんかバイト代だったら今まで私が稼げてたのに、その子はもう社員になってネイリストでガンガン稼ぎ始めて、いろいろ将来について話してたら、「香愛(カワイ)それでいいの?」って言われて、「香愛(カワイ)の歌が好きだから、歌は諦めて欲しくないんだけど」って、中野の居酒屋で言われて、私、なんか、めっちゃ泣いて……(笑)。 藤井: それで、「わかった。じゃあ最後にもう 1回頑張ってみて、それで駄目だったら諦める」って言って、次の日、オーディション雑誌を買って、履歴書 10枚ぐらい書いて、もう一斉に送って、その中のひとつが、(現在の所属レコード会社の)「徳間ジャパン(コミュニケーションズ)」のオーディションだったんです。 藤井: だから、そのときは、演歌・歌謡に限らず、いろんなジャンルのオーディションを受けたり、事務所のオーディションだったりとかも、全部、いっぺんにバーッと送って、で、「徳間ジャパン(コミュニケーションズ)」のオーディションの最終選考に残りましたっていうメールが、ちょうどバイトに向かう電車の中で来て、飛び上がりましたね……(笑)。 ーー そうして、29歳のとき、「徳間ジャパンコミュニケーションズ」と「ラジオ日本」が主催したオーディション『2017年 徳間ジャパン×ラジオ日本 オーディション 歌姫、歌彦を探せ!!」で、約 2500人の応募者の中から 12人のファイナリストに選出された。 藤井: はい。そのときに送った音源は、ガイドボーカルで歌ってた曲で、チャン・ウンスク さんの『赤坂レイニーブルー』(2012年)っていう曲です。それがなんか自分の中ではすごくうまく歌えてたっていうのと、あと、声質にすごく合ってたかなっていうので送りました。もう、ガイドボーカルで歌ったときの音源をそのまま送りました……(笑)。 ーー 最終オーディションの「全国決勝大会」でも、チャン・ウンスク の『赤坂レイニーブルー』を歌ったが、最終的に賞を穫ることはできなかった。 藤井: 落ちました〜。でも、あとから連絡をいただいて、2週間後くらいだったかな、「ある事務所(現在の所属事務所)の社長から声がかかってるけど、どう?」って言ってもらえて……。もう、だから、その連絡が来るまでの 1〜2週間は、もう、ガックリきちゃって、「やっぱり、もうこれで正社員になるしかないんだ……」って思ってました。 ーー オーディションの「全国決勝大会」(2017年8月26日)が行われて、わずか 1年足らずの 2018年7月4日に、シングル『東京ルージュ』で歌手デビューした。29歳11ヶ月のときだった。 藤井: そうですね、1年も経ってないですね。もう、そこからはトントン拍子だったので、騙されてるのかと思いました……(笑)。だって、今まで、ず〜っと歌手になりたくて、何十年も、3歳からやりたくて、小学生のときなんか、私、小6までにデビューできるって思い込んでたし、小6までが無理なら中学生、中学生が無理なら高校生、ってどんどん思ってたのが、まさか 30歳でデビューするって……。だから、本当に、半信半疑でデビュー日を迎えました。 藤井: で、デビュー日が、NHK ラジオの生放送の『きらめき歌謡ライブ』の生出演だったんですよ。だから、「うわっ、なんか、こんな NHK の生放送で、生バンドで、しかも、お客さんもいて、歌手みた〜い!」と思って……(笑)、感激しました。 藤井: で、両親と兄と、あと、叔母が見に来てくれて、歌ってて「すごい親孝行できた!」と思って、終わったらもちろん待っててくれて打ち上げだろうなと思って母に電話したら、「もう帰っちゃった」って……(笑)、「え〜っ!」みたいな……(笑)。で、お兄ちゃんだけなんとか捕まえて、そのあと、祝杯をあげて、「本当にデビューおめでとう」って言ってもらえて、実感したっていう感じですね。 7 コロナ禍を経てのデビュー 7年目 〜「ちょっとなんか悔しい部分もあるので…」〜 ーー 今年、2024年7月4日で、歌手デビューしてからまる6年となり、今年は 7年目に入る。 藤井: そうですね〜、最初の 1年、2年くらいは、本当に、もう右も左もわからず駆け抜けてきて、だけど歌える喜びは常にあったんですけど、幸(耕平)先生のところに通い始めて、3年目で『その気もないくせに』(2020年4月22日発売)をいただいたタイミングで、コロナだったんですよ〜。だから、それが、すごく悔しくて。 藤井: やっぱり、なんか、『その気もないくせに』にすごく手応えを感じていて、すごくキャッチーですし、これもう、なんだろう……、「スナックとかカラオケで歌う曲の定番になるんじゃないかな」って思ってたのに、カラオケボックスとかも、全部、お休みだったじゃないですか。そう、だから、すごいがっくしきちゃって、結構、精神的にしんどかったときもあったんですけど……。 ーー しかし、その後、2022年(令和4年)には、4作目のシングル『一夜桃色』(ひとよ ももいろ)で、その年の「第64回 輝く!日本レコード大賞」で「日本作曲家協会選奨」を受賞した。 藤井: あっ、そうですね。あと、そのコロナ禍で時間があるから、もう「レッスンしまくり」みたいな感じで……(笑)、その勉強できる時間ができたっていうのも、今、思えば、今の『純情レボリューション』にもちゃんと繋がってるのかなって思いますし、あと、『一夜桃色』(2022年)で「レコード大賞」で賞をいただけたっていうのもそうですし……。 藤井: だから、振り返ってみると、なんか本当に、ちゃんと、その時その時のために積まれてきたものがあるんだなっていうのがあって、だから、まあ、2022年で『一夜桃色』があって、去年 5周年になって、また、だんだん、少しずつですけど、ちゃんとホップステップできているので、今年、いよいよジャンプになる年になったらいいなって思いますね。 ーー 最近、好きで聴いている音楽を聞いた。 藤井: う〜ん……、演歌・歌謡系の曲は、お仕事で聴くことが多いので、一旦ちょっと置いといて……、結構、デビューしてからず〜っと J-POP から離れていたので、最近は iTunes の日本のランキングを結構上から聴くようにしてみてます。 藤井: 最近は……、あのちゃん……(笑)、あとは K-POP は意味はわかんないですけど、聴いててやっぱ楽しいとか……。あとは、「ずっと真夜中でいいのに。」とか、声も不思議だし、曲作りも、なんかよくわかんない楽器使ったりしてるじゃないですか。それこそ、『SONGS』だったかな、なんか NHK の番組で特集を見たんですけど、「え〜っ、こうやって音を出してるんだ」みたいなので、結構、興味が湧いて、アルバムとか聴いたりしてますね。 藤井: で、演歌歌謡だと、だいたい、いつも聴いてるのは、ちあきなおみ さんと、山口百恵 さんと、中森明菜 さんが多いですかね……。 ーー 最後に、今後、どういう歌手になっていきたいかを聞いた。 藤井: そうですね……、あの……、やっぱり「演歌歌手」っていうくくりってわかりやすいじゃないですか。だけど、「歌謡曲歌手」って、なんかあんまりピンとこないというか、あんまり使われないっていう……。私は「演歌歌手」ではないので、「歌謡曲歌手」としてちゃんと認識してもらえるように、歌謡曲の良さっていうのもちゃんと歌で伝えていける存在になれたらいいなと思います。「歌謡曲の歌手と言えば 藤井香愛」って言っていただけるような歌手になりたいです。 藤井: あとは、演歌・歌謡曲っていうと、結構、ご年配の方が聴く曲のイメージがあると思うんですけど、やっぱり、昭和歌謡も、今、世界でブームになっていたりとかもしますし、だから、「もっと幅広い世代の方に受け入れてもらえる歌謡曲」っていうのを歌っていきたいなと思います。 藤井: でも、私と同年代とか、下の世代のお友達とかにすると、(「演歌」も「歌謡曲」も)やっぱり同じ括りになってしまうみたいで、聴き馴染みもないから……。私が歌手になりたいってず〜っと言ってたんで、友達も、もちろん私が歌手を目指してたことも、歌手になったことも知ってるんですけど、「なんでこのジャンルなの?」って言われるんですよ。「なんでこのジャンルなの?」って言われるってことは、なんかあんまりやっぱりピンときてないから、歌謡曲とかにピンときてないから、「なんでこのジャンルなの?」って言われちゃうんだなっていうのが、ちょっとなんか悔しい部分もあるので、もうちょっとスタンダードなものにしていけたらいいなと思います。 (取材日:2024年 5月8日 / 取材・文:西山 寧) ■ 読者プレゼント! 藤井香愛 直筆サイン色紙 を 3名様にプレゼント! X(旧 twitter)で、大人の歌ネット(@MUSICGUIDE1003)を フォロー&下記リンクの投稿をリポスト(リツイート)して頂いた方の中から、抽選で3名様に、 カワイちゃん が 持っている 直筆サイン色紙を プレゼントさせていただきます。 締め切りは、2024年 6月 17日 (月) まで! 投稿(ツイート)はコチラ! 【ご注意ください】 当選された方には、x(twitter)の DM(ダイレクトメッセージ)にて、ご連絡させていただきます。 (せっかくご当選されたのに連絡の取れない方がいらっしゃいます。) また、「大人の歌ネット @MUSICGUIDE1003」を名乗る偽アカウントからプレゼント当選のDMが送られてくる事例が発生しています。 公式アカウントは「@MUSICGUIDE1003」です。 締切前に、当選者を決めたりご連絡することはありません。 DMでアカウント登録やクーポンを配信することはありません。 偽アカウントからDMが届いても、個人情報を入力したり、リンクをクリックしないで下さい。 ■ 藤井香愛 シングル ディスコグラフィ Debut Single『東京ルージュ』(2018年 7月4日 発売) 2nd Single『TOKYO迷子』(2019年 7月24日 発売) 3rd Single『その気もないくせに』(2020年 4月22日 発売) 3rd Single 新装盤 両A面『鳴かない鳥』(2021年 3月10日 発売) 4th Single『一夜桃色』(2022年 1月12日 発売) 5th Single『夢告鳥』(2023年 1月11日 発売) Uta-Net「大人の歌ネット」インタビュー 一覧 Uta-Net「大人の歌ネット」トップ