少しぶっきらぼうだけど実は優しい彼に、一瞬で恋に落ちる彼女。一方、まっすぐな彼女に次第に惹かれてゆく彼。ただし、二人は夏休みが終われば離れ離れになってしまう関係です。でも、そう思えば思うほど加速してゆく恋心。果たして、期間限定のこの恋の行方はどうなるのでしょうか…。尚、タイトルの『青夏』という言葉には【青春よりも、もっと青くて熱い】という意味が込められているんだとか。
涼しい風吹く
青空の匂い
今日はダラッと過ごしてみようか
風鈴がチリン
ひまわりの黄色
私には関係ないと
思って居たんだ
夏が始まった
合図がした
“傷つき疲れる”けどもいいんだ
次の恋の行方はどこだ
映画じゃない
主役は誰だ
映画じゃない
僕らの番だ
「青と夏」/Mrs. GREEN APPLE
さて、そんな青く熱くピュアな物語とリンクし、運命の夏恋を鮮やかに彩るのが主題歌「青と夏」です。みなさんのなかには、夏なんて嫌い。夏を楽しんだことなんてない。夏の恋なんて想像できない。そう思っている方もいるでしょう。歌の主人公である<私>も今まではそのタイプだった模様。でも、どうやら今年の夏だけは違います。夏とは無縁だった自分が今は<私には関係ないと思って居たんだ>と“過去形”になっているのです。
だからこそ<涼しい風>や<青空の匂い>、<風鈴がチリン>と鳴る音、<ひまわりの黄色>の眩しさなど、夏の気持ちよさに心が動いているのでしょう。そして、感じたそれらすべてが特別な<夏が始まった合図>になるのでしょう。これまでは“傷つき疲れる”からと、自分で勝手に引いていた線を越えて<次の恋の行方はどこだ>と走り出そうとしている、ワクワクとトキメキが楽曲の疾走感に乗って伝わってきます…!
風鈴がチリン
スイカの種飛ばし
私にも関係あるかもね
友達の嘘も
転がされる愛も
何から信じていいんでしょうね
大人になってもきっと
宝物は褪せないよ
大丈夫だから
今はさ
青に飛び込んで居よう
「青と夏」/Mrs. GREEN APPLE
歌詞を読み進めていくと、先ほどは<私には関係ないと思って居たんだ>と言っていた彼女が、今度は<私にも関係あるかもね>といっそう前向きに。さらに、夏が始まった合図に<スイカの種飛ばし>も加わりました。とはいえ、きっと彼女はまだ“青夏”デビューする直前です。だからこそ日々の中で<友達の嘘も 転がされる愛も 何から信じていいんでしょうね>と戸惑う場面も多々あるはず。
しかし、サビ部分をよく読んでみると、この歌には<私>の他に<僕>という存在があることに気付きます。少しずつ成長し“青夏”に飛び込もうしている<私>を見守り、<大人になってもきっと 宝物は褪せないよ 大丈夫だから>と、エールを送っているのです。しかも<私>だけにじゃなく、他人事でもなく、この曲を聴くひとりひとりに<映画じゃない 僕らの番だ>と「一緒に夏を全力で楽しもう!」と笑顔で呼びかけている。それがMrs. GREEN APPLE「青と夏」の魅力なんです。
夏が始まった
恋に落ちた
もう待ち疲れたんだけど、どうですか??
本気になればなるほど辛い
平和じゃない
私の恋だ
私の恋だ
「青と夏」/Mrs. GREEN APPLE
やがて歌の終盤。最初は<私には関係ないと思って居たんだ>、中盤では<私にも関係あるかもね>ときて、ついに<私の恋だ>というフレーズにたどり着きました。彼女は、本気になればなるほど辛くなるとしたって、日々が平和じゃなくなるとしたって、思いっきり“青夏”に飛び込んだのです。何故なら、かけがえのない<私の恋>をしたから。二度、繰り返される<私の恋だ>という想い。一度目は自分の胸の内で確かめるかのようであり、二度目は胸を張って宣言しているかのようですね。
夏が始まった
君はどうだ
素直になれる勇気はあるか
この恋の行方はどこだ
映画じゃない
愛しい日々だ
恋が始まった
合図がした
今日を待ちわびた なんて良い日だ
まだまだ終われないこの夏は
映画じゃない
君らの番だ
映画じゃない
僕らの青だ
映画じゃない
僕らの夏だ
「青と夏」/Mrs. GREEN APPLE
さて<私>の勇気を見届けた<僕>は今度、わたしたちリスナーに向けて、改めてメッセージを放ちます。<君はどうだ 素直になれる勇気はあるか>と。映画『青夏 きみに恋した30日』を劇場で楽しんだ後は<映画じゃない 僕らの青>を、<映画じゃない 僕らの夏>を、悔いなきようたっぷり堪能し尽くしましょう…!
◆7th Single「青と夏」
2018年8月1日発売
初回限定盤 UPCH-89376 ¥1,700(税抜)
通常盤 UPCH-80493 ¥1,200(税抜)
<収録曲>
1. 青と夏
2. 点描の唄(feat.井上苑子)
3. ア・プリオリ