努力も孤独も報われないことがある、だけどね、それでもね。

Mrs. GREEN APPLE
努力も孤独も報われないことがある、だけどね、それでもね。
2019年1月9日に“Mrs. GREEN APPLE”がニューシングル「僕のこと」をリリースしました。この曲は『第97回全国高校サッカー選手権大会』応援歌として書き下ろされたもの。今の時期、ちょうど受験のためにラストスパートをかけて勉強しているかたも多いでしょう。今日のうたコラムでは、そんなみなさんに届いてほしい歌詞をご紹介いたします。 僕と君とでは何が違う? おんなじ生き物さ 分かってる でもね、僕は何かに怯えている みんなもそうならいいな がむしゃらに生きて誰が笑う? 悲しみきるには早すぎる いつも僕は自分に言い聞かせる 明日もあるしね。 「僕のこと」/Mrs. GREEN APPLE まず、冒頭で投げかけられる<僕と君とでは何が違う?>という問い。どうして<僕>はそんなことを訊くのでしょうか。誰にどんな答えを求めているのでしょうか。おそらくこれは、単なる質問ではありません。だって<僕>はどうせみんな<おんなじ生き物>であり、大きな差なんてないはずだと、最初から頭では<分かってる>から。 だけど<おんなじ生き物>だからこそ怖いのです。自分だけが<何かに怯えて>いて、自分だけが“みんなとはぐれている”気がして、どこかで<おんなじ>じゃないことを恐れている。それゆえに「他のひとと何が違う? 違くないよね? みんなも同じであって」と自分自身の拭えない不安に語りかけ、向き合っているのだと思います。 そして<僕>が怯えている<何か>とはきっと“失敗”でしょう。勝ち負けも然り、他者の目にどう映るかということも然り。ただし<僕>には“失敗”に怯える弱さを知っている“強さ”があるんですよね。だからその<何か>に打ち勝つための言葉を、おまじないのように<いつも僕は自分に言い聞かせる>のです。誰が笑ったってがむしゃらに生きようよ、悲しみきって諦めんなよ、たとえ今日失敗したって<明日もあるしね。>と。 ああ なんて素敵な日だ 幸せと思える今日も 夢敗れ挫ける今日も ああ 諦めず足宛いている 狭い広い世界で 奇跡を唄う 「僕のこと」/Mrs. GREEN APPLE ああ なんて素敵な日だ 誰かを好きでいる今日も 頬濡らし眠れる今日も ああ 嘆くにはほど遠い 狭い広い世界で 僕らは唄う 「僕のこと」/Mrs. GREEN APPLE そんな戦う日々を、幸せと思える今日を、夢敗れ挫ける今日を、誰かを好きでいる今日を、頬濡らし眠れる今日を、丸ごと称賛し、包み込むのがこの曲のサビ。応援歌ですが、決して“頑張れ”というワードは使われません。ただただ、すべての今日を<素敵な日だ>と肯定してくれる。それだけでなぜか全心を支えられている気持ちになりませんか? 僕らは知っている 奇跡は死んでいる 努力も孤独も 報われないことがある だけどね それでもね 今日まで歩いてきた 日々を人は呼ぶ それがね、軌跡だと 「僕のこと」/Mrs. GREEN APPLE さらに、終盤では<奇跡は死んでいる>としても、<努力も孤独も 報われないことがある>としても、それよりも<今日まで歩いてきた>確かな<軌跡>の方がずっと大切なのだと、支えてくれた全心をまた明日へと押し出してくれるのです。勝ち負けが終わりじゃない。失敗が終わりじゃない。そう上向きな気持ちにさせてくれるのです。 僕と君とでは何が違う? それぞれ見てきた景色がある 僕は僕として、いまを生きてゆく とても愛しい事だ 「僕のこと」/Mrs. GREEN APPLE だからこそ、このように幕を閉じてゆく歌。冒頭では<おんなじ>じゃないことを恐れていた<僕>が、ラストでは<それぞれ見てきた景色がある>と“違い”を愛おしく思い<僕は僕として、いまを生きてゆく>のだと胸を張って宣言しております。1曲の中での希望的な変化が伝わってきますね。 人生が上手くいかないときにも、頑張らなきゃいけないときにも、勝負の日の前にも、必ずその心の味方になってくれるのが、Mrs. GREEN APPLEの「僕のこと」です。是非、歌詞をじっくり噛み締めながら聴いてみてください…! ◆紹介曲「 僕のこと 」 作詞:大森元貴 作曲:大森元貴 ◆ニューシングル「僕のこと」 2019年1月9日発売 初回限定盤 UPCH-89399 ¥1,700+税 通常盤 UPCH-80509 ¥1,200+税 <収録曲> 1. 僕のこと 2. 灯火 3. Folktale