さかいゆう
“本当の自分”にアクセスできるツール。
2025年3月19日に“さかいゆう”が8thオリジナルアルバム『PASADENA』をリリースしました。今作は、メジャーデビュー前にLAと渋谷で切磋琢磨した2000年代の音楽的ルーツに立ち返り、そのLAと東京で4曲ずつ制作されたHip Hop/R&Bフレイヴァー溢れる新曲8曲に、昨年配信のみでリリースされたNY録音の3曲をボーナストラック収録した全11曲入り。
さて、今日のうたではそんな“さかいゆう”による歌詞エッセイを3日連続でお届け!今回が最終回です。綴っていただいたのは、収録曲「 アイのマネ 」にまつわるお話。時折、夢と現実があやふやになる自身が、それらを分ける唯一の方法とは。そして、自身にとっての音楽とは…。ぜひ、歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。
昔から独りが好きな子ども、
というより、一人じゃないとやりたい事が何にもできないな、と考える子どもだった。
そして、時折、夢と現実があやふやになる感覚、それは今も続いている。
空を明らかに飛ぶ事ができるし飛び方も色々ある。
夢の中で夢だと気づいた事がないゆえに、夢もまた現実と全く同じように過ごす。
それはもはや、もう一つの現実で、完全にパラレルワールド。
ただ、自分にとって、夢と一応現実と言ってる状態を分ける唯一の方法は、空を飛ぶか飛ばないかだったりする。
今、これを書いている時に、不思議と空を飛べる気にはなれないが、夢の中では完璧に現実として空を飛んでいる。
僕にとってはfantasyの世界もまさに現実であり、寧ろ、今この、モノを書いている時間を過ごしている現実の世界の方が、なんとなくしっくり来ないような不可解で不自然で不快な出来事が多く、
はたして本当に現実なんだろうか、なんて途方に暮れる事もある。
それぞれにそれぞれの全く異なる世界に生き、
それぞれが思う自分像を演じ、一応の法律や常識や空気で、
なんとか誤魔化しながら同じ世界で共存している、ような気がする。
それは、何かの真似事に近い。
僕にとって音楽は、この、真似事でなんとか過ごそうと努力している“本当の自分”にアクセスできるツールとも言える。
美しい音楽に触れた時、頭ではなく心や魂が喜ぶ。
自分の歌や演奏も然り、奏で歌いながら、同時にリスナーでもある。
あの感覚がほんの少しでも欲しくて音楽を止められないでいる。
今まで、「愛は微熱」「愛の出番」など、
愛という言葉の意味を正しく理解できているとも到底思えない自分が書いてきたが、
愛に似たような感情や行為は一応理解しているつもりだ。
いつも愛について書く時は、また何らかの真似事をしようとしている本当の自分に問いかけてみる。
お金と愛、演じている自分、自分探し、凡庸なテーマではあるが、この曲の作詞は楽しかった。
<さかいゆう>
◆紹介曲「 アイのマネ 」 作詞:さかいゆう 作曲:Shingo Suzuki・さかいゆう
◆8thオリジナルアルバム『PASADENA』
2025年3月19日発売
<収録曲>
1. PASADENA
2. Definitely
3. Gotta Get Up feat. magora
4. 甘くない危険な香り
5. アイのマネ
6. What About You feat. Kダブシャイン
7. 諸行無JOY
8. Understanding feat. PUSHIM
9. 縄文のヒト
10. 虫
11. 蘇州夜曲