目にかかる髪の毛と
かきわけた指
壊れそうでどこか
寂し気な背中
頼りない太陽を
滲ませながら
微笑んだ その横顔
見つめていた
いつの間にかその全て
視界に入ってくるの
心が波打つ痛みに
どうして気づいてしまったの
「プロローグ」/Uru
そんな“禁断の恋”を描いた儚くも美しいヒューマンラブストーリーに寄り添うのが、この歌。冒頭から、いつの間にか<私>の視界に入ってくるようになっていた<その全て>が、丁寧に、繊細に伝わってきますね。本当の気持ちが映る瞳を、隠すかのように<目にかかる髪の毛>も。そっと後ろを向けば<壊れそうでどこか 寂し気な背中>も。
また<微笑んだ その横顔>に滲むのは<頼りない太陽>ですが、熱は十分<私>に<心が波打つ痛み>を与えます。何故なら、その太陽はまるで、静かに燃え上がる<あなた>の真っ赤な恋心そのものだから。そして、その光景を見つめながら、きっと<私>もまた自分の中に同じ“熱く真っ赤な恋心”があることに<気づいてしまった>のです。
あなたを探してる
隠した瞳の奥で
誰にも見えぬように
行き場もなくて彷徨いながら
あなたと見る世界は
いつでも綺麗だった
空には一つだけ
淡く光る 小さな星が
残ってる
「プロローグ」/Uru
サビでは“熱く真っ赤な恋心”が求めるままに<あなたを探してる>という想いが溢れ出します。ただし<あなた>が<目にかかる髪の毛>の奥に本当の気持ちを秘めているように、自分も<隠した瞳の奥で 誰にも見えぬように>ひっそりと恋い慕うのです。これは周りの人々から「幸せ」とは言われがたい恋。味方のいない二人。行き場もない二人。
だけど<あなたと見る世界は いつでも綺麗>で、他の何にも変えがたいもの。その幸せな記憶の実感だけが、いろんなものを失い、先の見えない真っ暗闇のなかでも<淡く光る 小さな星>として残って、二人の心を照らすのではないでしょうか。むしろ、暗闇が濃くなればなるほど、たった一つのかすかな希望は輝きを増して見えるような気がします。
破れそうに膨らんで
真赤に熟れた果実は
誰かの摘む手を待っている
ねえ、それは 私だった
あなたが溢れて行く
抑えた胸の数だけ
隠せない「始まり」を
次から次へ手の平に伝えていくよ
風は冷たいのに
染まった心は赤いままで
あなたに触れたいと思ってしまった
どうして二人出会ったの
「プロローグ」/Uru
さらに、最初は<頼りない太陽>が表していた“熱く真っ赤な恋心”ですが、歌が進むにつれ<破れそうに膨らんで 真赤に熟れた果実>や<染まった心は赤いまま>といったフレーズで、いっそう“赤”が熱く鮮やかに描かれていくのです。好きな人の<摘む手>を待っていた数だけ、本当の気持ちを<抑えた胸の数だけ>、想いを<次から次へ手の平に伝えていく>数だけ、<あなたに触れたいと思ってしまった>数だけ、お互いにどんどん“熱く真っ赤な恋心”を育てていったのでしょう。
痛くて苦しくて
それなら見えないように
どこかへ飛んでいけ
そう思うのに
あなたを探してる
何度も名前を呼んで
空には一つだけ
淡く光る 小さな星を
浮かべて
「プロローグ」/Uru
このように幕を閉じてゆく歌。もう、最後のサビでは<誰にも見えぬように>と周りの目を気にすることもせず、一心に<あなた>を求めて<何度も名前を呼んで>いるのがわかりますね。希望という名の<小さな星>もただ<残ってる>のではなく、空に<浮かべて>探しております。たとえ<痛くて苦しくて>も、それでも…と覚悟を決めた。それがUru「プロローグ」のラストシーンなのではないでしょうか。
そんなラストシーンは、まだこの恋の「プロローグ」=序章です。ここからどんな未来が待ち受けているのか。どんな明日を作ってゆくのか。どうか<小さな星>を失わずに二人が歩んでゆけますように、と願わずにはいられません。今、切ない恋をしているというあなたも是非、心を重ねながら歌声を聴いてみてください…!
◆紹介曲「プロローグ」
作詞:Uru
作曲:Uru
◆7th Single「プロローグ」
2018年10月30日配信リリース
2018年12月5日CD発売
初回生産限定盤 AICL-3611~2 ¥1,800(tax in)
通常盤 AICL-3613 ¥1,200(tax in)