青さを抱きしめながら一歩ずつ進む

 2024年10月30日に“SPYAIR”がニューシングル「青」をリリースしました。タイトル曲は、TVアニメ『青のミブロ』のSPYAIRが手掛けるオープニングテーマ。誰しもが通る青い時代を渡って、大人になっていく変化や決意が込められた楽曲となっております。さらに、カップリングには「ジャパ二ケーション (Live at EX THEATER ROPPONGI 2024.5.5)」と「ROCKIN’ OUT (Live at EX THEATER ROPPONGI 2024.5.5)」が収録!
 
 さて、今日のうたではそんな“SPYAIR”のMOMIKEN(Ba.)による歌詞エッセイを3週連続でお届け! 今回は第1弾です。綴っていただいたのは、今作のタイトル曲「」にまつわるお話。デモを聴いたとき、最初に降りてきたフレーズ。青という色で広がる様々なイメージ。そして曲に込めた想い…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください!



SPYAIRのMOMIKENです。普段は歌詞以外の言葉をなかなか文字に起こすことはないので、こういう機会をもらえてワクワクしています。とはいえ、そんな自分がいきなり上手に文章をつらつらと書けるわけでもないのでお手柔らかに読んでいただければと思います笑。
 
今回は先日リリースした新曲「青」について話していこうと思います。
 
この曲は年初にUZから曲のデモを受け取って、一聴した瞬間にサビの<青く 青く 澄んだ>という言葉が降りてきました。普段はあまりそういう事は無いのですが、今回はTVアニメ『青のミブロ』への書き下ろしという事で、書き始める前からある程度イメージしていたものがふっと言葉として降りてきたのかもしれません。
 
青という色は、若さや未熟さだけでなく、成長の可能性や新たな始まりの象徴でもあると思います。自分たちが経験を積む中での不安や葛藤、そして希望は、まるで青い深淵の海や大きく広がる青い空のように、無限の可能性を感じさせてくれます。
 
サビのワンフレーズが降りてきた瞬間、この「青」という曲では、若さからの成長を描きたいと思いました。はじめは何もわからず戸惑い、悩む日々が続くけれど、時間と共に自分が本当に大切にしたいものや目指すべきものが見えてくる。若さの中にある未完成の部分、まだ形が定まらない自分の色が、次第に深みを増していく過程を表現しています。
 
青の色は、鮮やかなライトブルーから深いネイビーまでさまざまなトーンがありますが、これが成長を象徴しているようにも感じます。明るい青が持つ希望や夢、暗い青が表す重みや責任感、どちらも成長に必要な色合いです。挑戦とともに変化する自分に気づき、若さの中で得た青さを抱きしめながら一歩ずつ進む。その過程が、この曲「青」に込められた思いです。
 
余談ですが、自分が高校生の時に『青のミブロ』の原作者、安田剛士先生の作品で『Over Drive』という自転車の漫画を読んでいました。20年以上も前の話です笑。
 
20年以上も前の事ですが、10代の青い時代というのは昨日の事のように思い出せます。歌詞を書こうと机に向かった時にそんな日々をふと思い出し、懐かしみながらも、一読者だった自分が今こうして先生の作品に携われているという事実が誇らしく思えて、いつも以上に歌詞制作に集中することができました。
 
ここまでで色んなものが混ざった自分の青ですが、今の色合いは気に入っています。これからもそう言い続けられるように歩みたいなとも。
 
さて、いかがでしたでしょうか? なんだか取り留めなくなってしまった気もしますが笑。次回は今年、SPYAIRの活動に転機をくれた楽曲「オレンジ」について話していきます。お楽しみに。
 
<SPYAIR・MOMIKEN>


◆紹介曲「
作詞:MOMIKEN
作曲:UZ

◆ニューシングル「青」
2024年10月30日発売
 
<収録曲>
ジャパ二ケーション (Live at EX THEATER ROPPONGI 2024.5.5)
ROCKIN’ OUT (Live at EX THEATER ROPPONGI 2024.5.5)
青 (Anime Size) ※期間生産限定盤のみ収録
青 (Instrumental)