その人は初対面の頃から印象は最悪だった。

 2024年9月11日に“Half time Old”がニューアルバム『私の風采』をリリースしました。今作には、TVアニメ『シャドウバース』OP主題歌「灯火」、東海テレビ開局65周年記念ドラマ『江戸からきたキラくん』主題歌「革命の音」、「モラトリアムカレソ」「透明(にされた)人間」「stand by me」「トリノフライト」に、新曲4曲を加えた全10曲が収録されております。
 
 さて、今日のうたではそんな“Half time Old”の鬼頭大晴による歌詞エッセイを2回に渡りお届け。今回は第2弾です。綴っていただいたのは、収録曲「SENPAI NO UTA」にまつわるお話。自分の“尊敬する先輩枠”にはどうしても入れられない、入れたくない、あのひとのために作った新たな先輩枠とは…。ぜひ今作と併せて、エッセイをお楽しみください。



先輩って何をもって先輩と呼ぶのだろう。
 
学生時代には部活の先輩達は直接敬える点がいくつもあったし間違いなく先輩だった。
でも、その他上の学年の人達もなんとなく先輩と呼んでいたし、学生時代は歳上=先輩で成り立っていた。
学校という枠組みの中では分かりやすく学年という階級があったからだろう。
 
バイトを始めた時、先に働いていた同い年は先輩だった。
先に働いていた分仕事を知っていたし、直接教えてもらう機会もあったから同等の仕事ができるようになるまでは先輩の感覚があった。
 
そんなずっとなんとなくの感覚の中で培われてきた先輩という概念を根本から見直さなければならない時がきた。
 
どこの誰なのかはこの先も一生言うことはないだろうけど、その人は初対面の頃から印象は最悪だった。
チラホラと他で話を聞くことはあったが、その日初めて直接会って話す機会があった。
最初からタメ口なのに何か違和感はあったが、まぁ歳上だし。ということで気にも留めなかった。でも、そこから先の態度は先に言ったどの先輩達よりも先輩だった。まさしく先輩面。
僕はその人のことを殆ど知らないし、今まで何を成してきたのかを自慢げに話す姿は滑稽にすら見えた。
 
特技:お酒を呑むこと
 
みたいなその人のことを何一つ敬えないまま、勝手に僕の先輩枠に土足でズカズカと入り込んできて、胡座をかきながら安酒をかっ食らうような人間を僕の尊敬する先輩枠に居座らせるのはどうしても許せない。ので。新しく用意したfxxkin先輩枠に入れてあげようと思う。
 
<Half time Old・鬼頭大晴>



◆紹介曲「SENPAI NO UTA
作詞:鬼頭大晴
作曲:鬼頭大晴


◆ニューアルバム『私の風采』
2024年9月11日発売
 
<収録曲>
01. フラミンゴ
02. 灯火 
03. モラトリアムカレソウ
04. いつかの太陽
05. 革命の音
06. 透明(にされた)人間
07. SENPAI NO UTA
08. ハルアレ
09. stand by me
10. トリノフライト