恐れずに出逢いたい、これから先にいるさよならたちに。

 2023年10月18日に“Reol”がニューアルバム『BLACK BOX』をリリースしました。今作には、TVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』エンディングテーマ「切っ先」などの既発曲に加え、MONJOE、Geek Boy Al Swettenhamらがサウンドプロデュースした新曲や、YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』で披露された「第六感 - From THE FIRST TAKE」など全13曲を収録。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな“Reol”による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、収録曲「さよならのすゝめ、今日のつづき」にまつわるお話です。あなたにとっての誰かや何かとの“別れ”を思い浮かべながら、この歌詞とエッセイを受け取ってください。



さよならだけが人生だ、ということばがある。このことばを辿ると古くは中国唐の時代、干武陵の漢詩「勧酒」の一節であると出てくる。はるか昔からずっと、人間は別れを経験し別れについて考えてきたのだとよくわかる。
 
別れ、ということばをきいて思い出すのは。昔の恋人、先生、あの頃の友人、この道、季節、あの人の顔。できることなら今も繋いでいたかった何かとのお別れを繰り返して、そしてその度に前を向こうとして、わたしたちは今日という日に辿り着き息をしている。
 
出逢うということはいずれお別れをするということなのだとは知らずに後悔を募らせて。こんな思いをするのは二度とごめんだと思ったり、経つ時間がそれを忘れさせたりした。
 
人は忘れる。忘れてしまうことは一見悲しいことであるように思えるが、この上なく救いでもある。さよならをしたあの日に、少しずつ忘れていく温度に、一抹の淋しさを覚えながらあの別れとは何か、今もまだ考えているところ。
 
後悔を重ねていくということはそれほどに、惜しめるほどの何かに、誰かに、出逢えた人生でもあるということ。恐れずに出逢いたい、これから先にいるさよならたちに。

さよならのすゝめ、今日の続き

<Reol>



◆紹介曲「さよならのすゝめ、今日のつづき
作詞:Reol
作曲:Reol・MONJOE・Hiromu(INIMI)

◆ニューアルバム『BLACK BOX』
2023年10月18日発売

<収録曲>
01. Final Call
02. TAKE OFF
03. SCORPION
04. 綺羅綺羅
05. -Neo Nostalgia-
06. secret trip
07. さよならのすゝめ、今日のつづき
08. 切っ先
09. -#000000-
10. DDD
11. 煽げや尊し
12. 赤裸裸
13. 第六感 - From THE FIRST TAKE