お前はなにで世界一か?

 2023年7月26日に“坂口有望”がNew Single「URL」をリリース!タイトル曲はTVアニメ『ホリミヤ -piece-』エンディングテーマ。伝えたくても伝えられない一途な想いを“URL”というキーワードからストーリーに仕立て、切なさが入り混じった感情をポップなバンドサウンドにのせたラブソングとなっております。さらにカップリングには3月に配信した「下克上」に加えて、新曲「せかいいち」を収録!
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“坂口有望”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第2弾です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「せかいいち」にまつわるお話。自身に投げかけられた「お前はなにで世界一か?」という問いかけ。それに対し今、音楽で伝えたいひとつの答えとは…。



どれだけ努力した人が世界一になれる? 努力だけじゃ足りない? じゃあどうすりゃいいのよ。東京オリンピックで活躍するアスリートの選手たちを見て、考える。TVの向こうの人々は、本当に同じ世の中を生きてきたんだろうか。色んな提議はあるかもしれないが、いわゆる「世界一」が認定されるのが、このオリンピック。英才教育、天才肌、努力型。そのどれもを持ち合わせたような、彼らが私に投げかけてきたのは「お前はなにで世界一か?」である。
 
私は、点数や判断基準のない芸術家であるので…とかっこつけたところで、もう一人の冷酷な自分がつっこむ。「お前は世界一にはなれないよ。」と。おいおい、そんなストレートに言ってくれるなよと落ち込みつつも、その冷酷なアミを救ってあげたいとも思った。そうして「せかいいち」という楽曲の制作がはじまった。
 
伝えたいことはただ一つだった。結論から言えば、「誰かにとっての世界一」ならば、それはもうとても幸せなことなんじゃないかと。
 
ほとんどの人間は世界一になることはできない。そんなの当たり前だと、あえてここでは言い捨ててしまうけれど、それでもきっと誰かの、世界一の娘だったり、世界一の息子、世界一の親友、世界一の恋人、世界一の先輩etc...なのだと思う。
 
わたしは、このことに気づいたとき、胸を張って生きてみようと思えた。誰もが申し訳なさそうに生きている時代だからこそ、一人でも多くの人に届けたい。
 
先日、リリース前の未発表曲の状態で、インストア予約イベントにて、この曲を披露した。その時、この曲が持つパワーを実感し、また、この曲は自分の真骨頂的一曲だと思った。
 
世界一になることはできないという絶望の中から希望を見出す。「有望」という名前は、決して有望株や将来有望など前途洋洋の意味だけではない。まだ望みは有るのだと信じて、世の中に歌い広めること。私の使命なんだと思っています。本名であり、芸名。改めて、坂口有望と申します。

<坂口有望>



◆紹介曲「せかいいち
作詞:坂口有望
作曲:坂口有望

◆New Single「URL」
2023年7月26日発売
 
<収録曲>
1. URL
2. せかいいち
3. 下克上
4. URL(Instrumental)
5. せかいいち(Instrumental)
6. 下克上(Instrumental)