秋晴れ

なにも見えなくなったら極彩色の幻ばかり
目について仕方ないからひとまず飛びついた

発熱が脳を苛んで視界がぼやんでいる西瓜の種
命と息が銀メダル 茹だる卵、元には戻れな

あぶれた感情を押し込めておく皿を洗ってない
なんだ皆とは違うらしい それが嬉しい夜は越えてしまった日々を

肌寒くなった台所には飲みかけのペットボトル
根が腐れかけてるからでも朝は寝てたから二週間くらいこのまま

秋晴れじゃ天は高くて死が遠いような感覚がする
それが却って死にたいとかではなく何もかも知らないままでいたい

あぶく満つこの部屋を舞う埃や諸税を払ってない
wander 銀河からこの惑星へと 喜ばしい意味も嫌う間に

あの細くて弛んだ糸を張り詰めて研ぎ澄ませて赤ぎれの指で触って
ほら遠退いてく理解という名の街に向けて
もっと平易な言葉で語って

あぶれた感情を押し込めておく皿を洗ってない
あぶく満つこの部屋を舞う埃や諸税を払ってない
荒ぶれる道を望んでないし体はもう秋を感じてない
外は寒いが誰も入れるな
それが正しいとは思えないでいるだけの日々を健やかに
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