雨の船宿

寒くないかと 背中から
そっと抱かれて 海を見る
もう少し もう少し
離さないでと なみだぐむ
明日は他人に なる仲だから
雨の船宿 揺れる水面と恋ごころ

きっと男は 鳥なのね
許す女は 海かしら
雨の音 雨の音
すこし悲しい こもりうた
ふたりこのまま 消えようなんて
雨の船宿 白いカモメも濡れてます

ぽつり遠くの 灯台は
ひとり生きてく 私です
今夜だけ 今夜だけ
あなた甘えて いいですか
明日は他人に なる仲だから
雨の船宿 夢のすき間でしのび逢い
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