道連れ

全部奪っていって
痛くても構わないから
刹那を私に喰らわせて

どうぞ漁っていって
泣いては吐いてを繰り返す
無様な私を美味しく頂いて

飼い慣らした筈の過去が
睨み付けて
私の傷を 罪を 晒し上げる

攫って 犯して 満たしていて
廃になるまで抱いて
嗤って 叱って 汚していて
何処までも清く…

もっと触っていて
貪り食う様に引っ掻いて
痕が残る迄噛み付いて

いっそ壊しちゃって
剥いでも削いでも蘇る
淫らな記憶を露わに取り出して

春時雨が 息潜めて
当たり前の様な顔して
堕ちる日々を濡らす

判って 至って 来していた
声に出すほど泣いて
荒んで 濁って 去っていった
美しき日々よ…

芽吹く事も 枯れる事も
出来ぬままで
ふしだらに咲く花は 悲しいだけ

攫って 犯して 満たしていて
廃になるまで抱いて
嗤って 叱って 汚していて
何処までも清く

全部奪っていって
痛くても構わないから
どうせなら貴方を道連れに
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