ガラスの靴にはもう憧れない

どれくらい時が経っただろう
濃紺の陰を敷く部屋
グラスに溶け込む滑らかな氷を
口先で遊ぶ消えるまで

正確に時を刻む針無情ね
12回鐘が鳴り終われば劇も終わる

ガラスの靴にはもう憧れない
淋しさ覆う真紅のルージュ
だけどガラスの靴をまだあきらめない
傷ついた絵本を抱きしめ祈るの
時よ止まれ

純白のドレス着た私
想像して苦笑いする
大人の領域背伸びして掴んだ
糸が切れ堕ちる迷宮(ラビリンス)

あの時その手を離さずにいたなら
物語はハッピーエンドになったかしら

ガラスの靴にはもう憧れない
霧と散る涙のパフューム
だけどガラスの靴をまだあきらめない
ランプの火に映る幻
私ガラスの靴にまだ夢を見たい
かすれた記憶を巻き戻し
だからガラスの靴をまだあきらめない
いつの日か迎えにくる日を待ってる
夜空見上げ
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