土蜘蛛

草蒸す三和土に腰掛け
視線は無風のガラリ
淀みの底に積もる昔日
土蜘蛛の行進に続け

茶筒に隠した脱殻
腐汁の海原に馳せ
漕ぎ出せ業苦の舟よ
花弁の芳香に誘われ

机の鍵穴を覗く
蒸し返す過去の驕りは
手負の若獅子の追憶
営みの痕跡辿る

垣間見えた景色は 踊る二人がいて
手を取り歌う 仮面の二人

捻り潰す 訪れた朝の蜘蛛
だけど僕は あなたを忘れはしない

仙骨動かして
千の風を呼ぶ
真理の向こう側
神秘を追い越して
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