秋でもないのに

秋でもないのに ひとこいしくて 淋しくて 黙っていると
だれか私に 手紙を書いて 書いているような
ふるさともない私だけれど
どこかにかえれる そんな気もして

秋でもないのに ひとりぼっちが 切なくて ギターを弾けば
誰か窓辺で 遠くをながめ 歌っているような

恋人もない私だけれど
聴かせてあげたい そんな気もして

秋でもないのに 沈む夕陽に 魅せられて 街に出ると
誰か夕陽を 悲しい顔で 見ているような
空に 瞳があるならば
あかね雲さえ 泣いているだろう
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