寒椿

越後湯の里 山間の
川の瀬音に 目を濡らす
人を恋して いちずに燃える
女ごころの せつなさを
知るやいで湯の 寒椿

暮れてさみしい 湯の町に
燈す一夜の 夢あかり
あなたひとりと 心にきめて
命かさねる 恋だから
紅もふるえる 寒椿

秘めてかなしい 湯のかおり
逢えばなおさら つらいのよ
時の流れの 無常の淵に
咲いた情けの この恋を
知るやいで湯の 寒椿
×