2023年7月12日に“バウンダリー”が1st Full Album『あしあと』をリリースしました。今作には全10曲が収録。リード曲「足跡」は、彼女達のバンド活動を振り返るような歌詞と映像が印象的な1曲。これまでの思い出も紆余曲折も全部を花束みたいに抱え、これからを駆け抜けていく彼女達から目が離せません…!
さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“バウンダリー”の中道ゆきによる歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回が最終回です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「音楽よ」に通ずるお話。自身が改めて実感した音楽のつながりの力とは。バウンダリーファンの方も、偶然このエッセイにたどり着いた方も、ぜひ最後までお楽しみください…!
音楽でつながっている私達。
凄く不思議で、特別な関係だと思う。
だんだんと当たり前みたいになっていたけど、それを強く実感したのが2020年、4月5月6月と会えなかった時期。
色んな公演が中止や延期になって、当たり前だったはずのスケジュールが無くなって。さくちゃんとふうちゃんとは高校生の頃から毎週のように顔を合わせていたから、こんなに長らく会わないなんて初めてだった。
そんな中、家からそれぞれ音を送り合い1曲カバーして動画にしよう!ということに。先の見えない不安な状況でも、あぁ音楽でつながっていたんだなと、安心したし嬉しかった。
Twitterで回った #うたつなぎ だって、無観客での配信ライブだってそう。
遠く離れていても、どんな距離も縮めてしまう力があるんだなと思った。
冒頭に書いた“私達”は、もちろん聴いてくれる皆も含めてだ。もちのろんだ。
だって、どこかのタイミングで出会ってくれたわけでしょ、想像しただけで胸がいっぱいになる。
偶然ライブを観てくれたのか、それとも偶然シャッフル再生で曲が流れたのか、ラジオやテレビで耳にしたのか、友達がオススメしてくれたのか…
初めて観に来ましたって言ってもらった時は、どこで知ってくれたんですかと思わず食い気味で聞いてしまう。
流れにただ身を委ねているんじゃなくて、引き寄せられているような、
運命ってふうに言うのもロマンチックだけど、選んでくれた事実が愛おしい。
もしも世界に音楽が無ければ、出会えなかった人ばかり、経験できなかった事ばかり。
楽しい苦しい、嬉しい悔しい、味わえなかった感情も沢山あるだろうな。
噛み締めて今日もまた、自分達の音を鳴らすんだ。
無くても生きていけるものだけど、色のない世界を色づけてくれる、そんな存在。
私の人生の真ん中にあって、大部分を占めている。
音楽よ僕たちを
強く強くつないでいて──
偶然このエッセイに辿り着いてくれた君も、知ってた?
もう他人なんかではなくて、音楽を通してつながっちゃってるんだぜ。
最後まで読んでくれた皆!アリが10!!
<バウンダリー・中道ゆき>
◆1st Full Album『あしあと』
2023年7月12日発売
<収録曲>
1. 足跡
2. こんな言葉じゃ
3. でたらめ
4. あの言葉
5. バルーン
6. 儚い夢
7. ゆきさき
8. 暗闇
9. 気まぐれ
10. 音楽よ