さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“eill”による歌詞エッセイを2週連続でお届け!今回はその【前編】です。綴っていただいたのは新曲「片っぽ」にまつわるお話。歌詞先行公開中であり、注目度ランキングの最高位2位も記録しているこの曲。誕生には、どのような想いと背景があるのでしょうか…。
~歌詞エッセイ【前編】:「片っぽ」~
2020.5.31
今日も眠れないまま朝が来る
生暖かい風
眩しい朝日
窓を開けて息を吸った瞬間
突然、大粒の涙が崩れ落ちた。
…
曲がかけない私は、ただの抜け殻で、無意味だ。
大嫌い。
と同時にいつも感じてしまうのは
ひとりぼっち。という感情。
私のことを待ってる人なんていない。
信じてくれるひとなんて誰もいない。
きっと本当は、沢山の人が側にいてくれて
私を信じてくれてると思う。
でも、一番大事なのは
自分が自分を信じられてるか、なのだろう。
…
もう朝の9時。
頑張って寝ようと、ベッドに入る。
止まれ、止まれ、
全然止まらない。
雨のように泣き続ける自分に
嫌気がさして、手垢がついた鍵盤の前に座ってみる。
「怖い。」
サビ前のコードを鳴らすと
今日も、きっといいサビはできない。
そんな気持ちがよぎって怖くなる。
大きく息を吸った。
「痛くて、甘いのさ
君の抜け殻が
いつかの今日を完璧に作り出してる。
ああ、願わくば、気づかなきゃよかった。
片っぽな恋に心が破てる前に。
…ねぇ、、、ねぇ、、、。
…
飾った向日葵、花びらが落ちて落ちて
止まらないの。」
歌い終わり
涙の原因はすぐにわかった。
ずっと目を逸らしてきた、片っぽな恋。
蓋をしてきた、あの夏。
止まらない涙と、止まらないメロディーが
片っぽに鳴り響いた。
<eill>
◆紹介曲「片っぽ」
作詞:eill
作曲:eill
◆ミニアルバム『LOVE/LIKE/HATE』
2020年11月4日発売
DDCB-12368 ¥2,300+Tax
<収録曲>
01.踊らせないで
02. 片っぽ
03. Into your dream
04. FAKE LOVE
05. Night D
06. 夢の続き
07. 2025
08. SPOTLIGHT - KanInoue (WONK) Remix -
09. with U