Q)子供のころ、どんな歌を聴いましたか?
やっぱり、その時代の歌謡曲一辺倒ですね。

Q)その中で、とくに印象に残っている歌はありますか?
もう、いっぱいありますから、どれって言えないですけど、あえて言えば、井沢八郎さんの「ああ上野駅」ですかね。今でも、やっぱり泣けてきます。あと、三橋美智也さんとかですかね。まあ、時代の登竜門、歌の登竜門というか、当時はみんな聴いていましたね。

Q)ギターを弾き始めたのはいつ頃からですか?
ギターは、中学に入ってすぐ、姉に買ってもらいましたけど、ちゃんと弾き始めたのは遅くて、大学に入る前くらいなんですよ。当時、PPMやボブ・ディランとかアメリカンフォークが全盛で、同時に、和製のフォークも流行っていて、それで、そこから、ギターを弾いてオリジナルを作ろうと思いました。それまでは、高校の軽音楽部でバンドをやっていた時も、ボーカルと司会が担当でギターは弾いていなかったんです…、まるでマチャアキさんみたいですよね(笑)。アニマルズとかスパイダースとか歌っていましたね。

Q)大学に入ってからは、どんな音楽をやっていたのですか?
大学に入る時に、友達が紹介してくれたバンド「ピースメーカーズ」に入って、僕の音楽生活の全てがそこから始まったんですね。おもにビートルズのB面の曲をやっていましたね。たとえば、日本盤の「抱きしめたい」だと「This Boy」とかね。3人でハモれるので、そういうのをやってました。

Q)曲は、いつ頃から、どんなきっかけで書き始めたのですか?
大学に入ってからですね。当時は、ラジオ、深夜放送の時代で、関西で人気のあったラジオ番組「ヤングタウン」で「今月の歌」っていうのがあって、それに選ばれたいと思ったのが、最初のきっかけですね。でも、ぼくらのバンドはオリジナルのレベルが低くて、知名度もなかったですから、西岡たかしさん(五つの赤い風船)に頂いた曲「もっと早く行こう」という曲で「今月の歌」に選ばれたんです。西岡さんはルーツ的には、フォークカントリーですから、今考えると、その影響は大きかったですね。
  その後、「やっぱり自分たちでオリジナルを作らなきゃ」ってバンドで作り始めて、僕の曲じゃなかったんですけど、ヤマハのライトミュージック・コンテストに応募したら、本選まで行ってしまって、グランプリに選ばれたんですよ。そんなことがきっかけで、曲を一生懸命書くようになりました。

Q)これまで聴いてきた音楽の中で、とくに印象に残っている歌はなんですか?
う〜ん…、ありすぎて、あげれば切りがないですね。たとえば、最近だと、スガシカオさんの「夜空ノムコウ」って曲はいいですね。自分の好きなタイプの曲なんでしょうね。 阿久悠さん作詞の曲では「五番街のマリーへ」。小椋佳さんの曲はみんな好きですね。あと、荒木一郎さんの「空に星があるように」も好きですね。すごい名曲ですよね。詞と曲がすごく合ってる。今度、カバーしてアルバムに入れてみたいと思っているんですよ。

Q)最近の歌手の歌も聴かれますか?
聴きますよ。時々,「あの曲って誰が歌ってるの?」って、CDを探してもらったりします。最近だと、いきものがかりが良かったですね。

Q)ご自宅でよく聴く歌手や曲を教えてください。
マニアックなんですけど、常に聴いているのは、ナッシュビルの人で「マイケル・ジョンソン」。とにかくすごいんですよ。曲作りに困った時にもいつも聴いてます。いろいろ聴きましたけど、彼を越えられないですね。

 


Q)堀内さんは、作曲はされますけど、歌詞は書かないんですか?
何曲かは、書いてるんですけどね。これまでの長い音楽人生の中でも、4〜5曲しかないですね。どれも名もない作品ばかりです(笑)。僕は、詞が浮かばないんですよ。一節くらい浮かんでも、その先が続かないんですよ。だから、詞を書く人は、天才だと思いますね。

Q)曲はどうやって書かれるのですか?
僕は、アリス時代から、100%詞先(歌詞先行)なんです。詞が先にないと、曲が作れないんです。荒木とよひささんも岩谷時子さんでも、そうなんです。だから、作詞家さんからはいやがられますけどね。
  詞を頂いたあとは、家の物入れの引き出しに、歌詞をはさんでおくんですよ。何作も。そうすると常に目に入りますから。何日も何日も曲が出来ないんですけど、でも、ある日、突然、とっかかりが出来る日があるんですよ。そうすると、その人の詞の書き方の癖とか、特徴がわかってくるんです。

Q)フォーク、ニューミュージック、歌謡曲・演歌と、作風が変わってきていますが…?
とくに意識的にやっているわけではないんですけど、詞のモチーフによって、曲のカラーが決まってしまうんですよね。詞が歌謡曲であれば、メロディも歌謡曲になりますね。詞の中に、そういうメロディがあるんでしょうね。

Q)作詞家さんによって作りにくいこととかはありますか?
お付き合いの長い、荒木先生なんかは、気心も知れてるんで、「ああ、こういう感じのメロディを望んでるんだろうなぁ〜」っていうのはわかりますね。アリス時代は、チンペイさんが書いてきた詞に、「ここ変えてよ〜」とか、いろんなこと言えたんですけど、小椋佳さんに詞を書いてもらった時には、正直「まいったなぁ〜」って思いましたね。知らない言葉も多かったですし、小椋さん独特の言い回しがあるんですよ。だから、最初、なかなか書けなかったですね。「ここ変えてください」とも言えないですし、「これはこういう風に作りましたから、このままでいっていただいた方がいいと思います」って簡単に言われるんですよ。ほんとに出来なくて、四苦八苦しました。

Q)それぞれの作詞家さんの印象を教えてください。
小椋佳さんは、理路整然としていますね。出だしから、世界観がすごくあります。荒木とよひささんは、世間、大衆と溶け合っていますね。のんべい横町とか行って話してて、そこでの会話が詞になっていたりするみたいですね。すごく普通なんです。だから、失礼なんですけど、「先生、誰でも書けますね、こんな詞!」ってよく言うんですよ、そうすると「じゃあ、おまえ書いてみろよ!」って言われるんですけどね(笑)。でも、そういう、「誰でも書けそうな詞」っていうのが一番難しいんですよね。やっぱり、荒木とよひささんてすごいと思いますね。
  阿久悠さんは、もう、上段の構えですね。武士と対決してるみたい(笑)。もう巌流島ですよ(笑)。刀に例えると名刀。阿久さんも四苦八苦しました。松本隆さんは、言葉の魔術師ですね。すごく韻を踏んでたりとかするんですよね。チンペイさん(谷村新司)は、一見、難しそうなのが来たりするんですけど、意外とそうでもなかったりするんで、僕はそこを責めたりするんですけど、「これは意味あるんですか?」とか。そうすると「お前に言われる筋合いはないよ。お前書けよ」って言われて、「だから書けないから頼んでるんでしょ」って言いかえしたりして、しょっちゅうモメてました(笑)。

<作詞家別・作曲作品>
谷村新司・作詞   「君のひとみは10000ボルト」「遠くで汽笛を聞きながら」「ジョニーの子守唄」「秋止符」など
荒木とよひさ・作詞 「恋唄綴り」「竹とんぼ」「影法師」「ガキの頃のように」「都会の天使たち」など
小椋佳・作詞    「愛しき日々」「憧れ遊び」「遥かな轍」「山河」など
・阿久悠・作詞    「青春でそうろう」(ペンネーム・多夢星人、名義)など
松本隆・作詞    「愛染橋」「青春まよい人」など

Q) アリス時代で、とくに詞が気に入っている曲を教えてください。
やっぱり、アリス時代だと「遠くで汽笛を聞きながら」ですね。生き方の理想なんですよね。人の原点みたいな部分があの詞にはあるんですよ。とにかく頑固な主人公ですよね。「なにもいいことがなかったこの街で」暮らして行くんでしょ。ふつう、暮さないですよね(笑)。「この街が好きだから」ってのはわかるいんですけどね。何もいいことがなかったのに、なぜこの街にいるんだろう?ってね。
  まあ、こじつけて言うと、「もともと人生には期待しちゃいけない」ってことなんですかね。「もともと何もないんだけど、それでもがんばる自分」みたいな…。ひょっとしたら、自己陶酔の歌なのかもしれませんね。あれは、小椋さんも理解できないって言ってましたしね。あの人は理路整然としてるので、「なぜこんなに苦労するの?」「苦労の仕方間違えてない?」とか言ってました(笑)。

Q)ソロになられてから、とくに詞が気に入っている曲を教えてください。
小椋佳さん作詞の「愛しき日々」ですね。サビの「愛しき日々の はかなさは 消え残る夢 青春の影」に凝縮されてるんですよね。誰しも、やっぱり、凛々しくない自分もいて、時折、この歌を歌ったり聴いたりすると、なんか自分の中に「これじゃいけない」って力が湧いてくるような気がします。

Q)曲を提供してみたい歌手っていらっしゃいますか?
いっぱいありますよ。歌手というよりは、曲に合わせてって感じですね。たとえば、曲が出来上がって、「これ、おれが歌うより細川たかしちゃんが歌った方がいいよなぁ〜」とか、「これは、おれより吉幾三の方がうまい」とか、「これだと、石川さゆりさんが歌ったら世界観が出るんじゃないかな〜」とか、よく思います。

Q「この人にはかなわない!」という歌手、作家は誰ですか?
いやぁ〜、かなわない人ばっかりでしょ。中でも、小椋佳さんとか井上陽水さんとかは、天才だと思いますよ。


  <39周年記念・サンキューツアー>

堀内孝雄コンサート 2010〜2011「39thサンキュー!ツアー」

2010年4月28日 青森県下北文化会館
2010年6月04日 愛知県名古屋市芸術創造センター
2010年6月13日 山形県山辺町民総合体育館
2010年7月08日 福岡県イイヅカコスモスコモン
2010年7月09日 佐賀県武雄市文化会館
2010年8月19日 東京都中野サンプラザ
2010年9月03日 愛知県田原市渥美文化会館
2010年9月19日 山梨県立県民文化ホール

 
  その他、出演情報、コンサート予定等の詳細はコチラ!
 新曲「愛すべき男たち」  

2010年4月21日発売
シングルCD PKCP-2059
シングルカセット PKSP-2059
Rice MUSIC / Up Front Works

1.愛すべき男たち
2.さよならは云わない
3.愛すべき男たち(オリジナル・カラオケ)
4.愛すべき男たち(半音下げ・カラオケ)
5.さよならは云わない(オリジナル・カラオケ)

本 名  : 堀内 孝雄 (ほりうち たかお) ※愛称:べーやん
生年月日 : 1949年10月27日
出身地  : 大阪府阿倍野区
血液型  : O型
星 座  : さそり座

1971年、谷村新司、矢沢透と、伝説のフォークグループ・アリスを結成。デビュー曲「走っておいで恋人よ」を発表。10年間に渡る活動の中で谷村新司との絶品のツインヴォーカルを聞かせ、また、作曲家としても「冬の稲妻」「遠くで汽笛を聞きながら」「秋止符」などアリスとしての代表曲を残す。 同時に、アリスと平行して1975年以降ソロ活動も始め、1978年「君のひとみは10000ボルト」、1980年「南回帰線」が大ヒット。
  1981年、アリスの活動停止後、翌年からソロ活動を開始。 1986年、NTV年末ドラマ「白虎隊」の主題歌「愛しき日々」を発表し、翌年、多くの音楽祭において各賞を受賞。1988年には、ANBドラマ「はぐれ刑事純情派」の主題歌(「ガキの頃のように」)を担当し、以後、全18作(18年間)の主題歌を担当。同曲で年末のNHK「紅白歌合戦」に初出場する。 その後、「恋唄綴り」「影法師」「竹とんぼ」などヒット曲多数。これまでに、ソロとして、シングル55枚、アルバム32枚を発表。
2001年、アリスのデビュー30周年を機に、アリスとしての活動を一時的に復活。
2009年、アリスを再始動し、2010年にかけて、全国ツアーを行う。
2010年、歌手生活39周年を記念し、サンキューツアーを予定。

堀内孝雄オフィシャルサイト
堀内孝雄の歌詞一覧
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