城 南海(きずき みなみ)<br>15周年記念 & 移籍 第1弾 アルバム『爛漫』インタビュー

城 南海(きずき みなみ)ロングインタビュー!「いろんな着てたものを脱いだ感じですよね…」デビュー15周年&移籍第1弾アルバム『爛漫』が 2024年1月24日に発売!「城南海ポップス」の完成形、良質で極上の大人のポップスアルバム! 極めて自然で、やさしくて、豊かな響きで心が揺れる、進化した歌声!

 


インタビューの最後に、直筆サイン色紙 の 読者プレゼントあり!

 



Kizuki  Minami
城  南海

11th Album『 爛 漫 』(らんまん)



★ 奄美出身、2009年、19歳の時に『アイツムギ』でデビュー!
★「THE カラオケ★バトル」番組初の10冠達成でも有名! 

★ デビュー15周年記念 & レコード会社移籍第1弾 アルバム!
★ 15年を経て進化した「城 南海 ポップス」の完成形!
★ 良質で極上の大人のポップスアルバム!

★ 極めて自然で、やさしくて、豊かな響きで心が揺れる、進化した歌声!

★「いろんな着てたものを脱いだ感じですよね…」

 

 

 

城 南海「柔らかな檻」Music Video
 
 
 
城 南海「あなたへ」Music Video
 
 
 
城 南海「愛の名前」Music Video
 
 
 
城 南城 15周年記念 豪華盤BOXセット『爛漫』15th Anniversary Deluxe Edition の封入内容を城さん自ら徹底解説。 
 
 
 
 

■ アルバム リリース 情報
 
 
 
城 南海 『爛漫』(らんまん)【通常盤】
アルバム CD / Digital
2024年 1月24日 発売
TECL-1007
¥3,300
LIFE and MUSIC / テイチクエンタテインメント
 
<収録曲>
 
01 爛漫     (作詞:笹川美和 / 作曲:笹川美和 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)
02 あなたへ   (作詞:山田ひろし / 作曲:松本俊明 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)
03 ふしぎ種   (作詞:吉田山田 / 作曲:吉田山田 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)
04 陽だまりのワルツ (作詞:城南海 / 作曲:城南海 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)
05 柔らかな檻  (作詞:山田ひろし / 作曲:松本俊明 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)
06 さよならの唄 (作詞:きなみうみ / 作曲:きなみうみ / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)
07 私だけの海  (作詞:矢野まき / 作曲:松岡モトキ / 編曲:松岡モトキ)
08 もらいもの  (作詞:山田ひろし / 作曲:松本俊明 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)
09 青く晴れたら (作詞:神田澪 / 作曲:扇谷研人 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)
10 またこいよ  (作詞:大石昌良 / 作曲:大石昌良 / 編曲:城南海)
11 愛の名前   (作詞:山田ひろし / 作曲:島袋優 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
城 南海 『爛漫 15th Anniversary Deluxe Edition』【テイチクオンラインショップ限定豪華盤】
BOX セット(CD+DVD+フォトブック+ポートレイト+アクリルスマホスタンド)
2024年 1月24日 発売
TEL-6
¥13,200
LIFE and MUSIC / テイチクエンタテインメント
 
<CD 収録曲>
 
01 爛漫     (作詞:笹川美和 / 作曲:笹川美和 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)
02 あなたへ   (作詞:山田ひろし / 作曲:松本俊明 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)
03 ふしぎ種   (作詞:吉田山田 / 作曲:吉田山田 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)
04 陽だまりのワルツ (作詞:城南海 / 作曲:城南海 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)
05 柔らかな檻  (作詞:山田ひろし / 作曲:松本俊明 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)
06 さよならの唄 (作詞:きなみうみ / 作曲:きなみうみ / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)
07 私だけの海  (作詞:矢野まき / 作曲:松岡モトキ / 編曲:松岡モトキ)
08 もらいもの  (作詞:山田ひろし / 作曲:松本俊明 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)
09 青く晴れたら (作詞:神田澪 / 作曲:扇谷研人 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)
10 またこいよ  (作詞:大石昌良 / 作曲:大石昌良 / 編曲:城南海)
11 愛の名前   (作詞:山田ひろし / 作曲:島袋優 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)
 
<DVD 収録内容>
 
「城 南海 15th Anniversary Special Movie」DVD
 
・ライブ映像
 duo で duo アシビ ~十六夜~ 2023年9月30日 duo MUSIC EXCHANGE(城 南海×笹川美和)
 「十六夜」
 「光」
 「月の庭」
 「月下美人」
 「国直よね姉節」
 「七草の詩」
 「あなたへ」
 「晩秋」
 「ワイド節」 
 
・ドキュメント
 「みなみのあまみさんぽ」
 
・ミュージックビデオ
 「柔らかな檻」
 「あなたへ」
 「愛の名前」
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 

■ 番組出演情報

 

 

『新・BS日本のうた』〜 吉幾三・三沢あけみ、奄美で熱唱&大暴れ!〜
2024年 2月  4日(日) 19:30 〜 21:00 NHK BSプレミアム4K
2024年 2月 10日(土) 11:30 〜 12:00 NHK BSプレミアム4K(再放送)
2024年 2月 11日(日) 19:30 〜 21:00 NHK BS
2024年 2月 16日(金) 16:30 〜 18:00 NHK BSプレミアム4K(再放送)
2024年 2月 17日(土) 11:30 〜 12:00 NHK BS(再放送)

*2023年12月7日 鹿児島県 奄美市「奄美川商ホール (奄美振興会館) 」にて収録。

 

放送曲目

番組サイト

 

 

 

 

コンサート 情報



城 南海 ウタアシビ 〜15 周年記念コンサート〜 in 奄美大島

2024年 3月16日 (土) 開場 16:30 / 開演 17:00
アマホーム PLAZA マチナカホール (奄美市市民交流センター)

古謝美佐子 主催イベント「南の島の歌姫たち」東京公演
2024年 3月21日 (木)  開場 18:00 / 開演 18:30
東京「文京シビックホール 大ホール」 
出演:古謝美佐子、玉城千春 (Kiroro)、城南海、石垣優(ex.やなわらばー)

古謝美佐子 主催イベント「南の島の歌姫たち」横浜公演
2024年 3月22日 (金) 開場 18:00 開演 18:30
横浜「神奈川県民ホール」 
出演:古謝美佐子、玉城千春 (Kiroro)、城南海、石垣優(ex.やなわらばー)

城 南海 ウタアシビ 2024 ~爛漫~
2024年 4月14日 (日)    宮城 LIVEDOME STARDUST 開場 16:00 / 開演 16:30
2024年 4月28日 (日)   大阪 umeda TRAD 開場 15:30 / 開演 16:00
2024年 4月29日 (月・祝) 愛知 ボトムライン 開場 15:30 / 開演 16:00
2024年 5月03日 (金・祝) 鹿児島 CAPARVOホール 開場 16:00 / 開演 16:30
2024年 5月04日 (土・祝) 福岡 Gate’s 7 開場 15:30 / 開演 16:00
2024年 5月11日 (土)    東京 大手町三井ホール 開場 16:30 / 開演 17:00


*2024年 2月23日 (金・祝) チケット発売

 

 

城 南海 最新コンサート情報

 

 

 

 


■ 城 南海 15周年記念&移籍第1弾アルバム『爛漫』インタビュー!



 

 

 城 南海 の歌が、また進化した。デビューした時からポテンシャルは高かったが、15年の時を経て、大きく進化した。ここが、「城 南海 ポップス」の完成形で、新たなスタートのようにも感じる。

 

 その豊かな響きの歌声は、飾らずに歌う子供のように極めて自然で、それでいてゾクゾクするような大人の色気があり、嫌味がない。おしつけがましくないから、メロディの良さと言葉が聴く人に伝わる。「伝えよう」「伝えよう」とすると、かえって伝わらないこともある。城 南海の歌には、聴き手が感じる部分、聴く人の感情が入る余白がある。

 

 前作のアルバム、2021年に発売された『Reflections』に収録された、「11年目の『アイツムギ』」とも言える『産声』(作詞・作曲:森山直太朗 / 編曲:平井真美子)をきっかけに、城 南海の歌が大きく変わり、今回の最新アルバム『爛漫』で、さらに進化した。

 

 これほど豊かな美しい響きで、やわらかく歌えて、伝わってくる歌手は、あまりいないと思う。その存在は、異彩を放っている。

 

 鹿児島県の奄美大島出身で、2009年、19歳、大学 1年生の時にシングル『アイツムギ』(作詞・作曲:川村結花 / 編曲:上杉洋史)で歌手デビューした 城 南海 は、ポップス、歌謡曲、奄美のシマ唄(民謡)まで幅広く歌い、その歌唱には定評があり、音楽業界内にもファンが多い。

 

 ドラマなど数多くの番組の主題歌や挿入歌、エンディング曲なども歌い、2018年には、大河ドラマ『西郷どん』の劇中歌を担当したり、2020年には、ディズニー実写映画『ムーラン』の日本版主題歌『リフレクション』(訳詞も担当)も歌っている。『ムーラン』は、日本では、当初、2020年 4月に劇場公開予定だったが、新型コロナウイルスの影響で度重なる公開延期の末、劇場公開ではなく、海外と同様に 2020年9月4日から ディズニー公式動画配信サービス『Disney+』で配信され話題となった。しかし、もしも、コロナの世界的パンデミックがなく、劇場公開がされていれば、城 南海の『リフレクション』は、もっと多くの人に聴かれていたであろうと思う。

 

 昨年、2023年 3月には、「ポニーキャニオン」から「テイチクエンタテインメント」へとレコード会社を移籍し、2023年 7月からは「配信三部作」として、『柔らかな檻』(作詞:山田ひろし / 作曲:松本俊明 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)、『あなたへ』(作詞:山田ひろし / 作曲:松本俊明 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)、『愛の名前』(作詞:山田ひろし / 作曲:島袋優 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)を配信リリース。

 

 今年、2024年 1月24日には、それら先行配信された 3曲を含む全 11曲入りの 15周年記念 & 移籍第1弾 アルバム『爛漫』(らんまん)が発売された。作詞家の 山田ひろし、作曲家の 松本俊明、編曲に 松岡モトキ というチームで作られた新作アルバムは、15年を経ての「城 南海ポップス」の完成形、良質で極上の大人のポップス・アルバムになった。

 

 その歌声は、『産声』からさらに進化し、構えることなく、極めて自然に歌われている。無意識に抑えていたもの、枠にはめていたものから解放されたかのような、自由でナチュラルな歌唱だ。また、特徴的だったグイン(奄美のコブシ)も、意識して聴かないとわからないくらい目立たなくなった。録音されたボーカルの音もいい。実に繊細なところまで録れていて、響きの豊かさが感じられる。

 

 ちなみに、誤解されている読者も少なくないと思うので書いておくが、今回のアルバムに、編曲者として 松岡モトキ とともにクレジットされている「きなみうみ」は、城 南海 のペンネームではない。「きなみ うみ」(男性)という人は、松岡モトキ の右腕としても活躍する新進気鋭、20代の作曲・編曲家であり、Snow Man や YUKI らにも楽曲提供をしていて、キーボードやギターなども弾く。

 

 

<もくじ>

1 15周年記念 & 移籍第1弾アルバムは「城 南海ポップス」の完成形

  〜「自分を出すことなのかな…」〜

 

2 移籍後、最初に配信リリースされた『柔らかな檻』

  〜「いろんな着てたものを脱いだ感じですよね…」〜

 

3  『柔らかな檻』の別バージョンからできた『もらいもの』

  〜「みなさんと同じ目線で歌いたい…」〜

 

4 城 南海 をモデルに書き下ろされたアルバムタイトル曲『爛漫』

  〜「もう、泣きました〜……(笑)」〜

 

5 奄美三味線の弾き語りで収録された『またこいよ』

  〜「これだけカバーなんです……」〜

 

6 城 南海 の故郷をイメージして書き下ろされた『私だけの海』

  〜「私、そこが好きなんです……」〜

 

7 15周年、歌うのが怖くなる時もあった

  〜「それが全てになっちゃうのが怖いときも……」〜

 

 

 

1 15周年記念 & 移籍第1弾アルバムは「城 南海ポップス」の完成形 〜「自分を出すことなのかな…」〜

 

 

ーー 鹿児島県の奄美大島出身で、2009年、19歳、大学 1年生の時にシングル『アイツムギ』(作詞・作曲:川村結花 / 編曲:上杉洋史)で歌手デビューした 城 南海(デビューまでのヒストリーを知りたい方は、前回のインタビューで詳しく話してくれているので、そちらをお読みください。最下部にリンクをつけておきます)。デビュー 10年目、2019年 12月に発売された 9作目のアルバム『one』では、制作スタッフも一新したことで、それまでにはなかった、全く新しい 城 南海 を見せた。

 

ーー 続く、2021年のアルバム『Reflections』には、自身が訳詞も担当したディズニー実写映画『ムーラン』の日本版主題歌『リフレクション』に加え、「NHKラジオ深夜便」の「深夜便のうた」にもなった『産声』も収録されている。子守唄のようであり、祈りの歌のようでもある『産声』では、それまで聴いたことのなかったような歌声を聴かせてくれた。大人っぽく、よりやわらかく、よりやさしくなった。

 

ーー そして、今年、2024年 1月には、デビューから、まる 15年となった。

 

ーー 昨年、2023年 3月、「ポニーキャニオン」から「テイチクエンタテインメント」へとレコード会社を移籍し、2023年 7月には、移籍後初の新曲『柔らかな檻』(作詞:山田ひろし / 作曲:松本俊明 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)が、9月には『あなたへ』(作詞:山田ひろし / 作曲:松本俊明 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)、そして、12月には『愛の名前』(作詞:山田ひろし / 作曲:島袋優 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)が、それぞれ「配信三部作」として配信リリースされた。

 

ーー それら先行配信された 3曲を含む全11曲入りの 15周年記念 & 移籍第1弾 アルバム『爛漫』(らんまん)が、今年、2024年 1月24日に発売された。新作アルバムは、まさに、15年を経ての「城 南海ポップスの完成形」とも言えるような、良質で極上の大人のポップス・アルバムになっている。

 

ーー それら、楽曲の良さもさることながら、とにかく、その豊かな響きの歌声が魅力的だ。これまでになく、チカラが抜けていて、自然で、自由になったように感じる。語るような歌唱は、よりやさしく、そして、歌いあげすぎていないところもいい。またも、歌声が大きく進化したと感じた。

 

城: あの……、もう、おっしゃっていただいている通りのことを、私も感じながら……(笑)。やっぱり、あの『産声』がターニングポイントで、今回も、最初に、まず、この「配信三部作」を作るとき、「あの『産声』の感じを出したいよね」って言って、(作曲家の)松本俊明 さんとか、(作詞家の)山田ひろし さんとか、大人たちが集まったときに……(笑)、みんながそこを共通認識として、「ああいう声、ああいう曲がまたできたらいいよね」っていうのが最初にあったので、もう、そこを感じてくださってるのがすごくその通りで、本当、嬉しいです。

 

ーー ちょうど 15周年を迎える 2024年 1月に新作アルバムを発売するという前提で、そのアルバムからの先行曲として「配信三部作」が配信リリースされた。

 

城: そうですね。アルバムを 15周年に出すっていうことが決まった上で、「まずは、配信三部作で」ということで作っていったんですけど、これまでの作品、私のポニーキャニオン時代の作品では、結構、制作陣が変わったりとか、1曲 1曲で 作詞家さんや作曲家さんがそれぞれいらっしゃったりとかっていうように、いろんな方とやってきた中で、「一度、ひとつのチームとして同じ人と一定期間中に作っていってみよう」っていうのが最初の打ち合わせであったんです。それで、サウンド・プロデューサーに 松岡モトキ さん、リリック・プロデューサーに 山田ひろし さん、で、あと(作曲の)松本俊明 さんっていうチームで、最初、スタートしました。

 

ーー そうして、「城 南海の歌声」を中心に考えて、ひとつのチームで作り上げられたアルバムは、耳に残って離れないメロディと歌詞の曲ばかりで、いずれも、城 南海 の歌声の魅力が最大限に発揮されるようにできている。すごく、歌が自由になった感じがした。

 

城: あの……、本当、最初におっしゃってくださったように、「歌い上げすぎない」、そして「自分を見つめる作品」であり……、なんて言うんですかね……、なんか「自分らしい音楽を考えていきたい」ってよく言ってるんですけど、「その第一歩は、自分を出すことなのかな」って、歌いながら思ったんですよ。

 

城: そういうことが「これまでよりすごくできてる作品」というか……、自分の弱いところとか、心細さとか、悲しさとか、さみしさとか、なんかそういうのがあった上で、「日常の幸せ」とか、「私自身」「私とあなた」……、そういうところと向き合えて、すごく自然体にそれができた作品だなって思います。

 

ーー 一般的に、とくに素人の場合、「歌うこと」は、ちょっと恥ずかしかったり、無意識に少し気取ったり、飾ったりしてしまうものだ。プロの歌手でも、自然に歌っているようで、無意識に何か構えてしまっている部分があるのだと思う。それを「脱ぎ捨てることができた」ということだろうか?

 

城: はい、そうですね。なんか……、いろんな背伸びしていたところとか……。なんて言うんですかね……、やっぱり、「うまいね」ってよく言っていただけるんですけど、「いいね!」の方が嬉しかったりするじゃないですか。

 

ーー 誰も「うまい」から聴いたり、CD を買うのでもなく、「いい!」「好き!」と思うから、好んで聴いたり買ったりするものだ。「うまいね」は、ただ「うまいね」で終わってしまい、何も残らない。

 

城: はい。なので、その「うまいね」のその部分を、いい意味で 1回 置いて、歌に向き合えたんじゃないかなって思います。そこを感じ取っていただけたら、すごく嬉しいです。

 

2 移籍後、最初に配信リリースされた『柔らかな檻』〜「いろんな着てたものを脱いだ感じですよね…」〜

 

 

ーー アルバム 5曲目のミディアムバラード、『柔らかな檻』(作詞:山田ひろし / 作曲:松本俊明 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)は、テイチクエンタテインメント移籍後、城 南海 として最初にリリースされた曲。2023年 7月19日に配信されたが、もともと、その後のアルバム収録を見据えての先行配信だった。

 

城: そうです。最初に聴いた時には、「どう表現しよう……?」と思いました。あの……、(作曲した)松本俊明 さんからいただいたデモから、そのあとに編曲されたことで、すごいイメージが変わったんですよ。最初は、すごい柔らかいピアノの感じだったんですけど、もっとロックに寄って……。そうなったことで、より突き刺す感じとか、これまでにないサウンド感だったので、「その声をどういうふうに出していこう?」っていうのはありました。あと気持ちの乗せ方とか。

 

城: で、作詞の山田(ひろし)さんからは、「こうこう こういう曲なんで、こう歌ってください」って、そういうのは全くなくて、「自分にとっても怖い曲だと思うから、頑張って」って……。「自分にとってもチャレンジだった」っておっしゃっていて、たぶん、作曲の(松本)俊明さんは、私とプライベートでも親交があるので、私のいろんなこれまでの経験とか思いっていうのをよくご存知で、そういうのを山田(ひろし)さんに伝えて、あの曲が出来上がったんじゃないかなって思ってるんですけど……。

 

ーー 詞先で作られた『柔らかな檻』は、「心の解放」というような歌詞で、城 南海 の心の中を見透かしたような、あるいは、城 南海 に対してのメッセージのような感じもする。

 

城: そうですね……。なんか、そういう、今、このタイミングで、(移籍後)1曲目で、「頑張れ!」っていう気持ちとともに、「新しい表現をやってほしい」っていう(松本)俊明さんと山田(ひろし)さんからのメッセージでもあるし……、そうですね、だから「お〜っ」と思いました……(笑)。

 

ーー メジャー調の Aメロから、Bメロでの転調を経て、サビはマイナー調になるという緻密に構成された綺麗なメロディは、スキがなく、耳に残る秀逸なものだ。とくに、サビの「♪抱きしめて 欲しかっただけ」の部分などは、心に響くメロディと言葉、そして、その歌声でグッとくる。

 

城: あの……、歌いながら、自分の中をちょっとえぐられるようなものもありながら、「抑えてる自分」とか、いろんな「これまでの出せてなかった自分」っていうのを、「あっ、今、出すときなのかな」っていうのをあらためて感じさせてくれた……、自分と向き合えた第一歩の作品でしたね。

 

城: でも、新しい(制作)チームになったときに、最初、やっぱり戸惑いもあったし、たくさんの大人たちが、いろんなことに期待してくれて……(笑)。みんなで話したときに、みんなの「こうしたいよね」っていうのを、ちょっと「どうしよう……」って悩んだりもしたんですけど……、はい、最初は、そういうのがありました。やっぱり、その「チーム・城 南海」の中で「誰が先頭に立つのか?」とか……。それで、そこの先頭に立ってくれたのが、サウンドプロデューサーの松岡(モトキ)さんで、松岡(モトキ)さんと対峙しながら、考えて歌って、作っていきましたね。

 

ーー 『柔らかな檻』を最初に聴いたとき、これまで、あまり聴いたことなかったような、その歌声が印象的で、新鮮だった。Aメロは、話すように、語るように歌い、サビも、歌い上げすぎていない。そのチカラの抜けた豊かな響きが、声の良さをより際立たせ、結果、メロディの良さも言葉も心に響いてくる。歌い方は、意識的に変えたのだろうか? 

 

城: そうですね……、移籍したときに、最初に、ディレクターさん……、テイチクのディレクターさんと、フジパ(「フジパシフィックミュージック」フジサンケイグループ傘下の音楽出版社で、楽曲の著作権を管理する会社)のディレクターさんが 2人体制でいらっしゃるんですけど、みんなで話をしたときに、たとえばコロナ禍で、テイラー・スウィフト が出したアルバム(『Folklore』と『Evermore』)みたいに、「自分と向き合って見つめ直すみたいな、そういうテイストの作品ってこれまでないから、そういうチャレンジはどうかな?」っていうことを言っていただいたんです。で、それが、「すごくいいな」と思って……、この デビュー15周年という年に出すタイミングだなと。ま、その前の年(2023年)から出してますけど、とにかく、その「自分と向き合うことで、自分の中から出てくるもの」っていうのを最初に話したんです。

 

城: 今まで、「平和のメッセージ」だったりとか、「自然」だったりとか、「愛」とか、そういうことを「外に向かって」歌ってた……。でも、今回は、「内側へのパワー」として歌っているので、自分の中でも、「ナチュラルに」というか、自然体で歌わないと歌えないものが多かったんですよね。

 

城: 自分が、これまで、「語り部として、書いてもらった曲のメッセージを伝えていく」というより、「自分自身として歌わないと駄目だな」と思ったので、歌いすぎないように……、「人間・城 南海」の声として表現しようと思って……。『産声』(2021年)のときに、「1回 ナチュラルに戻した後のその感覚を引き継ぎながら歌った」っていう感じでしたね。

 

ーー これまで、飾ってたわけではないだろうが、無意識に作っていた部分があったのかもしれない。それを、さらけだしたような感覚なのだろうか? 

 

城: まあ、でも、ちょっと「背伸び」というか、いろんな曲に対応してやっていたのを、「城 南海 として、本当に自然体で歌おう」と思ったので……。だから、コブシ(グイン)とかもあんまり入ってないんですよね。

 

ーー これまで、城 南海 の特徴でもあった奄美独特のコブシ「グイン」は、今回のアルバムでは、よく聴くと少しはあるが、あまり感じさせない。

 

城: はい。で、「グイン」って、奄美の「シマ唄」のベースには、「思いを伝えたい」とか「届けたい」っていうのがまずあるので、「自分の内側に」っていうのとその方向性とはやっぱり違うじゃないですか。だから、コブシ(グイン)が自然と入ってこなかったし、ホント、その「声の響き」っていうのが感じられるように、本当に「いろんなものを抜いて」っていう感覚で歌ってました。いろんな着てたものを脱いだ感じですよね。

 

ーー 歌い方を変えて、歌録りのレコーディングでは、どうだったのだろう?

 

城: う〜んと……、『柔らかな檻』が一番手こずったんですけど、でも、そっからあとは、チームもどんどんまとまっていって、アルバムは、もう 2ヶ月ぐらいで、ギュッって(短期間で)録りましたね。

 

3 『柔らかな檻』の別バージョンからできた『もらいもの』〜「みなさんと同じ目線で歌いたい…」〜

 

 

ーー 『柔らかな檻』に続き、2023年 9月20日には、『あなたへ』(作詞:山田ひろし / 作曲:松本俊明 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)、2023年 12月13日には、『愛の名前』(作詞:山田ひろし / 作曲:島袋優 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)が、「配信三部作」として、アルバムから先行リリースされた。

 

城: そうですね。まず『柔らかな檻』、それから『あなたへ』を録ったんですけど……。そうなんですけど、実は、『柔らかな檻』には、メロディが 2つあったんですよ。(松本)俊明さんからいただいたメロディが、A パターン、B パターンって 2つあったんです。

 

城: 最終的に、「A パターンの方がいいな」ってなったんですけど、「B パターンのメロディもすごく素敵だから」ってことで、「それに歌詞をつけよう」ってなったのが、この『もらいもの』(作詞:山田ひろし / 作曲:松本俊明 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)って曲なんですよ。なので、『柔らかな檻』ができた時点で、この『もらいもの』もできてたんですよ。

 

ーー 8曲目に収録されている『もらいもの』は、メジャー調のバラード。「♪愛する人がいるのなら 毎日 名前を呼びなさい 愛する人がいるのなら 心を すべてあげなさい」と歌われる、「愛は与えるもの」というメッセージの歌詞。「名前」という言葉が、音で聴いていて耳に残る。

 

城: はい、もう、詞がすごい……、あの……、なんて言うんですかね……、悟っている感じだから、声はナチュラルにしようと思って、より、そこは意識しました。「みなさんと同じ目線で歌いたい」と思って。

 

ーー そういうふうに、『もらいもの』は、『柔らかな檻』の別バージョンからできたということだ。

 

城: はい……、なので、言葉数が合っているので、歌おうと思ったら、がんばれば(歌詞を入れ替えて)歌えると思います……(笑)。

 

ーー 今回のアルバムには、「作詞:山田ひろし / 作曲:松本俊明」のコンビによる曲が、『柔らかな檻』『もらいもの』『あなたへ』と 3曲収録されている。山田ひろし は、スターダスト・レビュー の『木蘭の涙』、植村花菜 の『トイレの神様』などの作詞で知られ、松本俊明 は、MISIA の『Everything』や『忘れない日々』、森口博子の『夢がMORI MORI』、郷ひろみ『もう誰も愛さない』などで知られる作曲家だ。松本俊明 は、城 南海 が自ら作詞したバラード『君だけのメロディ』をはじめ、『いつか星になる』『タピオカ』『君だけがいない冬』などで、これまでも、城 南海 作品の作曲を担当している。

 

ーー 実は、2013年にも、シングル『チョネジア』のカップリング曲として、この「作詞:山田ひろし / 作曲:松本俊明」コンビによる『アンマ』(作詞:山田ひろし / 作曲:松本俊明)が収録されているが、今回の 3曲は、いずれも、歌詞やメロディが素晴らしいだけでなく、城 南海 の歌の魅力が最大限に発揮されるように作られている。

 

城: ホント、最強(コンビ)ですよね〜。

 

ーー 歌詞とは、それ単体で存在しているのではなく、「歌われて、音として聴いたときに、いいと感じるもの」でなければならない。たとえば、歌詞だけを読んだときには、とくになんということもないが、メロディに乗せて歌となり、「歌声で聴くと感動する」ということもある。山田ひろし が書いた歌詞は、それ単体でもすでによくできているが、松本俊明 によって付けられたメロディに乗ることによって、そして、城 南海 が歌うことによって、その魅力が倍増する。

 

ーー そして、アルバム 2曲目に収録されている『あなたへ』(作詞:山田ひろし / 作曲:松本俊明 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)も、松本俊明 らしい綺麗なメロディが印象的なメジャー調のミディアムバラードだ。

 

城: いや、ホントに、「ザ・(松本)俊明節が来た!」って思いました。

 

ーー 「永遠の愛」がテーマとなっている歌詞もすごくいい。メロディに乗せた言葉が、歌声で心に響いてくる。

 

城: そうなんですよ〜。今回、山田(ひろし)さんのは、全部が詞先なんですけど、詞先って、今まであんまりなかったので、だから言葉がより際立ってるっていうのはあると思うし、(松本)俊明さんのメロディも、言葉があるところに、イメージがまずあるところに乗せてくれてるんで、これまでと違うところは、そこが大きいかなって思いました。

 

ーー 以前、城 南海 が詞を書いた美しいバラード『君だけのメロディ』(作詞:城 南海 / 作曲・編曲:松本俊明)(2021年 アルバム『Reflections』収録)は、詞先ではなかったのだろうか?

 

城: あれも、メロディが先にあって、そこに私が詞を付けました。なので、詞先って、なかなかないんです。

 

城: 今回の『あなたへ』も、やっぱりその(歌詞が)4コーラスあることで、その 4つが 四季で……、人生を表表現していて……、だから、(松本)俊明さんの壮大なメロディになったんだと思います。で、私の曲の中で、春夏秋冬を全部歌う曲って初めてだったんです。でも、これは、3〜4テイクぐらいで録り終えましたね、一気に入っていけました。

 

ーー 「配信三部作」の 3曲目で、アルバム 11曲目に収録されている『愛の名前』(作詞:山田ひろし / 作曲:島袋優 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)は、「BEGIN」のメンバー 島袋 優(しまぶくろ まさる)が作曲を担当したメジャー調のバラード。

 

城: はい、私と(BEGIN の)ディレクターさんが同じで、「島袋(優)さんにお願いしようと思うんだけど、どうかな?」ってお話をいただいて、「ぜひ」っていう感じで……。「BEGIN」さんとは、これまでにも共演させていただいたりとか、島袋(優)さんとも、普通に、プライベートで飲んだりとかもしてたんですけど……(笑)。

 

城: でも、なんか、これまでは、自分の中では、「沖縄の方に書いてもらう」っていうのが……、ちょっと奄美とは違うから、前は「どうだろう……?」って思ってたんですけど、今回は、もう「ぜひ」っていうことで……。同じレコード会社っていうこのご縁もいただいたので、お願いして、素晴らしいメロディをいただいて、本当、嬉しかったです。

 

ーー たしかに、沖縄と奄美は、距離的にも近く、文化的にも似ているところはあるが、しかし、似て非なるものだ。今回の『愛の名前』は、綺麗なメロディの Aメロに、サビは、「レラ抜き」の沖縄風メロディとなっている。

 

城: ちょっと沖縄を感じますよね。そうですね……「レラ抜き」ですね。

 

ーー そのサビの「♪みんな おんなじ名前だよ」のメロディが言葉と一緒に耳に残る。

 

城: そうですね、メッセージがシンプルで、ひとつだから……、で、普遍的で……。

 

ーー このひとことだけで、全てわかる。メッセージが伝わる。

 

城: はい、で、もう、私も島の感じで、本当に、「これまでで一番ナチュラルに歌えた」っていう、そんな感じでしたね。

 

ーー 『愛の名前』は、ちょっと変わった構成の曲で、1コーラスしかない。

 

城: そう……、詞先なんで……(笑)、これしか歌詞がないから……(笑)。言葉(歌詞)を先にいただいてたんで、私も「どうなるんだろう……?」って思って、楽しみにしてました。で、(曲ができて)聴いたら、「あっ、こうなったんだ!」って、びっくりしました。

 

4 城 南海 をモデルに書き下ろされたアルバムタイトル曲『爛漫』〜「もう、泣きました〜……(笑)」〜

 

 

ーー アルバム 4曲目に収録されている『陽だまりのワルツ』(作詞:城 南海 / 作曲:城 南海 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)は、アルバムの中で、唯一、城 南海 自身が作詞・作曲をした曲で、メジャー調の三拍子、日常の身近にある幸せに対する感謝の気持ちを歌った歌だ。

 

ーー 城 南海 が、これまでに作詞・作曲の両方を手がけた『祈りうた ~トウトガナシ~』(NHK ワールド『J-MELO』2014年12月~2015年3月 エンディングテーマ)(2015年、アルバム『尊々加那志 〜トウトガナシ〜』収録)や、『七草の詩』(2016年、アルバム『月下美人』収録)などは、歌い上げるような曲だったが、『陽だまりのワルツ』は、それらとは、全く違う曲調だ。

 

城: そうですね。わりと、そういう(歌い上げる)ものしか書いたことがなかったので……(笑)、今回、「日常の中の幸せとか、自分自身とか、そういったものを書いてみてほしい」ってディレクターさんに言っていただいて、書き出すと早いタイプなんですけど、構想が長すぎて……(笑)、私の曲以外、全部、録り終わったときにできたんです……(笑)。だから、(アルバムの)他にない感じで……、三拍子で……、とか、全部のバランスを考えて書きました。

 

城: これまでになく、歌い上げない「生活の中の曲」っていうのを意識して……。これまで三拍子も書いたことなかったので、チャレンジしました。これは、メロディからですね。私は、わりとメロディ(先行)派ですね。

 

ーー 優しい歌になった。オケも、ピアノとヴィオラだけのシンプルなものになっている。

 

城: ありがとうございます。もう、あの、ピアノを弾きながら歌ったデモテープを作って、かなりそれに近い感じで演奏も……、あれ きなみうみ さんがピアノ弾いてるんです。

 

ーー そして、アルバム 1曲目に収録され、アルバムタイトルにもなっている『爛漫』(らんまん)(作詞:笹川美和 / 作曲:笹川美和 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)は、城 南海 が「以前からファン」と言うシンガーソングライター 笹川美和 による書き下ろし曲。メジャー調のバラードで、聴けば聴くほど好きになる曲だ。ささやくような歌唱が新鮮で、魅力的だ。歌詞を見なくても、言葉がよく聴こえてくる。さらっと歌っているが、難しいメロディの曲だ。

 

城: もぉ〜そうなんですよ〜……、結構、難しいですね。なので、初披露のライブでは、めっちゃ緊張しました……(笑)。

 

ーー 「♪持ってきたのは 夢ひとつ 信じてきたのは 夢ひとつ」「♪持っていたのは 声ひとつ 信じていたのは 声ひとつ」などの歌詞からは、「この詞は、城 南海がモデルなのではないか?」と感じる。

 

城: はい、まさに……。去年の 9月に、笹川(美和)さんとツーマンライブ(『duo で duo アシビ ~十六夜~ 城 南海×笹川美和』2023年 9月30日 東京・渋谷「duo MUSIC EXCHANGE」)をしたんですけど、最初は、(楽曲の書き下ろしの)お願いする予定はなかったんですけど、「やっぱり書いてほしい」と思って……。

 

城: で、9月30日にライブだったんですけど、その楽屋で、ディレクターさんと一緒に、「今、アルバム制作中で、良かったら 1曲 書いていただけませんか? 10月中旬が締め切りで、本当、短い期間でごめんなさい」って言ったら、「書きます!」って言ってくれたんです。

 

城: これまで、(笹川美和 が 城 南海 に書き下ろした)『月下美人』(作詞・作曲:笹川美和、2016年11月16日 発売)とか、『晩秋』(作詞・作曲:笹川美和、2016年11月16日 発売)とかって、すごい綺麗な日本語がタイトルだったじゃないですか。ディレクターさんからは、「そこも踏襲して、やっぱり "春らしい" "15周年" っていうのに合うような日本語のタイトルで」っていう指定しかなくて、「あとはもう 2人の関係性でぜひ作ってください」って言ってくれたんです。

 

城: ライブの時も、ちょっとお話ししたんですけど、私は、笹川(美和)さんとプライベートでも会う中で、いろいろ相談したりとかもしてて、「歌うのがすごく好きなんだね」って言われたときに思ったこと……、その「歌の原点」とか、これまで島から離れて暮らしていろんな葛藤があったとか、そういうことを 笹川(美和)さんが受け取ってくれた上で、「これからも爛漫と歌い続けていってね」って、そういうメッセージを込めて、私のために書き下ろしてくれました。

 

城: で、「種火(たねび)って言葉が最初にうかんだ」って言ってました。「種火」って言葉が 2回でてくるんですけど、私が歌を好きな気持ちが「種火」となって「みなみ姫」を生かしてくれてるんだねって……、「みなみ姫」って言われてるんですよ……(笑)。そこから物語を作ってくれたらしいんですけど……。(タイトルの)「爛漫」も、「お風呂に入りながらうかんだ」って言ってました……(笑)。

 

ーー その 城 南海 をモデルに 笹川美和 が書き下ろした『爛漫』は、最初、笹川美和 が 歌ったデモテープで聴いた。

 

城: もう、泣きました〜……(笑)、電車の中で聴いたんですけど、もうボロボロ泣きながら……(笑)。

 

ーー 以前、2016年に、笹川美和 が 城 南海 に書き下ろした『月下美人』や『晩秋』も、もともとお願いして書いてもらったものだ。

 

城: はい、もともと、笹川美和 さんの「ただのファン」で聴いてたんです。中学生のときに『笑(わらい)』(2003年 発売)が出て、それから、ず〜っと聴いてて……。

 

城: で、私がデビューしてからは、わりとレコード会社の方が「この方に(曲を)お願いしようと思うんだけど」とかって楽曲制作してたんですけど、「誰に書いて欲しい?」って聞かれたときに「笹川美和 さんがいいです!」って言って……(笑)、「(楽曲)提供とかしてるのかな?」とか思いながら。で、お会いしたことはなかったんですけど、「大好きな 笹川美和 さんに書いてほしい」ってお願いしてみたら、2曲も書いてくれたんです。

 

城: そこから、プライベートでもお仕事でも交流が始まっていったんですけど、そういうことを踏まえての、この今回の『爛漫』だったので、私のことをよく知ってくれた上で「背中を押してくれる」っていう、すごく自分にとっては本当に嬉しい作品ですね。

 

ーー そもそも、笹川美和 の音楽の世界は、なんとなく 城 南海 の世界に似ている。だから、笹川美和 が好きなのもわかる気がする。

 

城: あ〜、そうですね〜。(笹川さんは)新潟出身ですけど、結構、沖縄出身に間違われるみたいで……(笑)。でも、なんか、その近い感じがあるかもしれないですね〜。私も、なんか、笹川(美和)さんの言葉とかメロディって、自然と体が乗るというか……。

 

城: で、今回の『爛漫』も、本当に「笹川(美和)節」が満載だけど、その中に私へのメッセージがあってっていう……、歌いながらすごく幸せです……(笑)。「♪色は匂へど 散りぬるを」とか、言葉の使い方とか伝え方っていうのが、ホントすごいですよね〜。

 

5 奄美三味線の弾き語りで収録された『またこいよ』〜「これだけカバーなんです……」〜

 

 

ーー アルバム 10曲目に収録されている『またこいよ』(作詞:大石昌良 / 作曲:大石昌良 / 編曲:城 南海)は、メジャー調のゆったりした曲。最初は、アカペラではじまり、途中から入ってくる楽器も、城 南海 自身が弾く奄美三味線のみだ。

 

城: そうです。私、これは弾きながら歌ってます。だから、「編曲:城 南海」とか書いてくれちゃってるんですけど、自分で(伴奏のフレーズを)考えながら「ポロ〜ン」って弾きながら歌いました。

 

ーー 奄美三味線のみの伴奏ということもあり、「♪またこいよ 帰ってこいよ」で、島の風景が思い浮かぶような曲だ。作詞・作曲にクレジットされている 大石昌良 は、2001年にデビューした 3人組バンド「Sound Schedule」のボーカルとギターを担当し、2008年にソロデビューしている。

 

城: あっ、(今回のアルバムの中で)これだけカバーなんです。私、以前、大石(昌良)くんと事務所が一緒で、よく共演してて、大石(昌良)くんが、もともとソロでリリースしている曲なんです。しかも、なんか CD の「隠しトラック」だった曲で(大石昌良 ソロ 1st アルバム『あの街この街』収録、2008年)、「7分くらいたってからかかる」みたいな曲なんですけど……(笑)、でも、私、すごく大好きな曲で……。

 

城: 昔、大石(昌良)くんと二人で、自由が丘の遊歩道で、大石(昌良)くんはギター、私は(奄美)三味線を弾きながら路上ライブみたいなことやってたんですけど、なんかそういう時代とか、二人で一緒にフェスに出演するときとかに一緒にやってた曲なんです。その 大石(昌良)くんの地元の愛媛の宇和島のおじいちゃんが「また帰ってこいよ〜」って言ってる景色を歌ってるんですけど、なんか、(奄美)三味線も合うし、懐かしいし、すごい好きで。

 

城: 今回、笹川(美和)さんとか「吉田山田」のお二人にも楽曲を書き下ろしていただいてるんですけど、去年、一緒にツーマンライブした中に、大石(昌良)くんもいて、大石(昌良)くんは、やっぱこの曲を歌いたいなと思って、カバーさせてもらいました。

 

ーー 2023年 3月に、城 南海 が、レコード会社をテイチクエンタテインメントに移籍して、その年の 7月、8月、9月と、3ヶ月連続で、『duo で duo アシビ』というコラボ・ライブが開催された。2023年 7月には「吉田山田」との『城 南海 × 吉田山田 duoでduoアシビ ~海の日~』、8月には 大石昌良 との『城 南海 × 大石昌良 duoでduoアシビ 〜山の日〜』、9月には 笹川美和 との『城 南海 × 笹川美和 duoでduoアシビ 〜十六夜〜』が、それぞれ開催された。今回のアルバムでは、その 3組が書いた曲も収録されているということだ。

 

ーー この 大石昌良 のカバー『またこいよ』は、これまでにも、たとえば、2013年の「FM ヨコハマ」『Radio Fish』などで、「歌と奄美三味線」を 城 南海 が、「コーラスとギター」を 大石昌良 が担当する形で、何度も歌われてきた曲だ。でも、言われなければ、城 南海 のために書き下ろしたと思ってしまうような曲だ。

 

城: 「もう、私にください」って思ってます……(笑)。今回、この『爛漫』(って曲)だと「♪思いはせる郷里の空」だとか、『私だけの海』(って曲)とか、結構、自分のルーツを見つめ直すような言葉がいっぱいあったりするので、この『またこいよ』も、私は宇和島に行ったことないけど、自分の故郷を浮かべて歌えましたね。

 

ーー そして、同じくライブでコラボした「吉田山田」が書き下ろした『ふしぎ種』(作詞:吉田山田 / 作曲:吉田山田 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)が、アルバム 3曲目に収録されている。「吉田山田」は、2009年にデビューした、吉田 結威(よしだ ゆい)と 山田 義孝(やまだ よしたか)からなる男性二人組ユニットで、2013年にリリースされ、NHK『みんなのうた』でも放送された『日々』でも知られる。

 

ーー 「不思議だね」とかけられた『ふしぎ種』は、メジャー調のミディアムアップで、まさに「吉田山田」らしい楽しい曲で、応援歌だ。

 

城: ですよね……(笑)。でも、3曲くらい送ってくれて、その中から「私、これがいい」って言って、選ばせてもらったんです。まさに、日常の幸せだったり、「吉田山田」らしいチャーミングさと……、「吉田山田」って、ホント、老若男女、みんなをすごくハッピーにしてくれる曲が多いじゃないですか。なので、その「吉田山田」らしさで歌いたかったんですよ。だから、それが、(送ってくれた 3曲の中では)一番、この曲があふれてて、ライブで、みんなでそのハッピーを分かち合えるような、なんか、そういうのがやりたいなと思って……。アレンジもいいですし、すごく歌ってて幸せな気持ちになれました。

 

6 城 南海 の故郷をイメージして書き下ろされた『私だけの海』〜「私、そこが好きなんです……」〜

 

 

ーー アルバム 6曲目に収録されている『さよならの唄』(作詞:きなみうみ / 作曲:きなみうみ / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)は、メジャー調アップのカントリー風で、サウンド的にも楽しい曲だ。お別れの歌だけど明るい。

 

城: これは、きなみうみ さんの作詞・作曲なんですよ。あの……、歌詞を先にもらってたので、曲を聴いた時に「おお〜、こういうサウンドできたんだ」って、そのギャップにすごく私もびっくりしたんですけど、きなみ(うみ)さんが言ってたのは、私のこれまでの楽曲を、たぶん全部、聴いた上で、「これはないぞ」っていうのを放り込んだって言ってました。

 

城: で、詞は、「自分はまだ 20代で、人生経験が浅いから、深いことは言えないけど、でも、"こういう世界は 城 南海 さん歌ってないな" と思って書いていました」って言ってくれて……。でも、すごい、私、この曲好きなんですよ。この切なさと明るさの……、切なくて、歌いながら泣きそうになります。

 

ーー 明るいメロディとサウンドに乗っているから、余計に切ない。

 

城: そうですね〜。この曲好きですね……、爽やかなギターも含め。だいたい、全ての曲で、ベースは、きなみ(うみ)くんが弾いてますね。なんでもできるんですよね、ギターも弾くし……、でも、本当はピアノが専門だって言ってました。だから、「ちょっとツアーでも一緒にやろうよ」って言ってます……(笑)。

 

ーー アルバム 7曲目に収録されている『私だけの海』(作詞:矢野まき / 作曲:松岡モトキ / 編曲:松岡モトキ)は、シンガーソングライターの 矢野まき と、今回の 城 南海 のアルバムで、サウンド・プロデュースと編曲を担当している 松岡モトキ の、夫妻によるメジャー調 3拍子のバラード。サビのメロディとハモが印象的で、かなり高い音でのファルセットの歌声も新鮮だ。

 

城: そうですね、あの……、キーは、いろんなキーを歌って決めていくんですけど、でも、まず……、もともと「Enya」(エンヤ)とかが好きで、「声を重ねたい」って(作曲と編曲の)松岡(モトキ)さんに言ってたんです。で、メロディを先に作ってくださってから、矢野(まき)さんと電話して「どういう歌詞の世界にしていこうか」っていうので、なんか「あなたと私」っていう世界と、「私の歌」と、どっちがいいですかって聞かれたんですよ。で、「私自身がいいです」って言ったら、「故郷を思いながら、"変わらない部分" と "変わってきたもの" とを歌える……、なおかつ、優しく歌えるような言葉にしました」って言ってくれて……。なので、本当に、自分と向き合えるような、まさにそんな楽曲になったと思います。ギターは松岡(モトキ)さんが弾いてくれてるんすけど、松岡(モトキ)さんのギターと私の声だけっていう構成にしてもらって、でも、声は重ねて心地よくて、漂うような、海に浮かぶような浮遊感のあるキーでやりたいなっていうので、あのキーにしました。

 

ーー メロとともに、ハーモニーのコーラスも自分で歌って重ねたサビ、「♪繰り返す愛」「♪潤すは波」が、耳に残って離れない。

 

城: はい、キレイですよね。あんな、ずっと 3度(のハーモニー)で歌ったのって初めてだったので。

 

ーー さらに、「♪ようやく今気づいたの ずいぶん私、強くなったって」の部分も、聴いていて印象的に耳に残る。

 

城: そう、私、そこが好きなんです。なんか、(この曲を)いただいて、「ああ、そうかな……」って思いました。で、「最後は揺蕩う(たゆたう)ような感じなので、ここは、ラララ〜でいきたいです」って、実際、お会いできてないんですけど、そういうことも電話で話しながら……。そういうご夫婦での共作もなかなかないみたいなので、一緒に作っていけてすごく嬉しかったです。

 

ーー アルバム 9曲目に収録されている『青く晴れたら』(作詞:神田澪 / 作曲:扇谷研人 / 編曲:松岡モトキ、きなみうみ)は、城 南海 のライブでもピアノを担当していてバンマスでもある 扇谷研人(おおぎや けんと)が作曲した。メジャー調ミディアムテンポで、ちょっとハネる感じの、メロディも歌詞もさわやかな歌だ。

 

城: そうですね、「ライブで、みんなで盛り上がれる曲にしたい」っていうオーダーだったんですけど、いただいたときに、やっぱり(扇谷)研人さんらしい切なさとか美しさとかがあったので、少し、テンポを落とさせてもらったんです……。

 

城: で、歌詞は、神田 澪 さんていう、「X」(旧 Twitter)で「140文字で物語を書く」っていうので話題になった人なんですね。で、そこから作詞家さんになって、「フジパシフィックミュージック」所属なんですけど、「その方にお願いしてみようと思うんだけど、どう思う?」って聞かれて、「ぜひ」ってことで、「こういう曲の世界観がいいです」って言って書いてくださいました。でも、『青く晴れたら』ってすごくいいタイトルですよね。

 

ーー この『青く晴れたら』の歌詞は、「当たり前」を「当たり前の言葉」でうまく作っているところが秀逸で、非凡なセンスを感じる。

 

城: そうですね、「ふたり」と「ひとり」の置き方とか、なんかそこがすごく印象的で……、で、やっぱり(扇谷)研人さんらしさの安心感と、美しさと……、ていうところもすごく嬉しかったです、いただけて。

 

7 15周年、歌うのが怖くなる時もあった 〜「それが全てになっちゃうのが怖いときも……」〜

 

 

ーー 2009年 1月7日に発売された『アイツムギ』で歌手デビューしてから、2024年 1月7日 で まる 15年となる。先日、2024年 1月7日には、15周年 記念コンサートとして『城 南海 ウタアシビ ~15周年記念コンサート~』が、東京「草月ホール」で行われた。そのコンサートの MC で、15年を振り返って「「歌うのが怖い時もあった」と言っていたのが気になった。

 

城: ああ〜……、なんて言うんですかね……、あの……、ポリープもできたりとか(2019年にポリープを切除している)、「歌に対する評価」とかが気になったり、自分の表現が「これでいいのかな?」って不安になったりっていう……、まあ、コロナ禍もありましたし……。「歌でしか自分の思いを伝えられない」けど、「それしかできない」みたいな……、それが全てになっちゃうのが怖いときもあったりとか……っていう、いろんなときにそう思ってきましたね。

 

ーー しかし、そういうこともあった上で、この 15年を経ての「城 南海ポップス」の歌の完成形とも言える今回のアルバムになった。極めて自然な歌い方で、本当の魅力が出てきたと思う。そして、ここからがまた新たなスタートで、もっと進化していくのだろう。

 

城: うれしいです……。ホント、『産声』があったからっていうのは思います。

 

ーー たしかに、『産声』は、ひとつのきっかけになったが、それまでの積み重ねがあってのことだ。そして、さらに進化した 1月の 15周年 記念コンサートでは、たとえば、2017年のシングル曲『あなたに逢えてよかった』(作詞:松井五郎 / 作曲:マシコタツロウ / 編曲:武部聡志)や、2011年の『兆し』(作詞:一青窈 / 作曲・編曲:武部聡志)など、これまでのような強く押して歌うような歌い方とは変わり、やわらかく、どこか余裕も感じるような心地よさがあった。

 

城: はい。いま、感覚的に、そういうのも踏まえて、コンサートの時も「力まずにやろう」「楽しもう」って思っていたので。

 

ーー 今回のアルバム『爛漫』は、通常盤のほかに、DVD や フォトブック、アクリル・スマホ・スタンドなども付属した「BOX セット」も同時発売されている。付属の DVD には、「配信三部作」3曲のミュージックビデオに、2023年9月30日に行われたコンサート『城 南海 × 笹川美和 duoでduoアシビ 〜十六夜〜』のライブ映像、そして、「みなみのあまみさんぽ」などが収録されている。「みなみのあまみさんぽ」は、城 南海 自身による奄美の紹介、街歩きのようなものだろうか?

 

城: あ〜……(笑)、これは、なんか、「休日に奄美で過ごす私の密着動画」みたいな感じなんですけど……。私の好きなお店に行ったり……、この(アルバムの)ジャケットの夕陽、これも実は「ジャケットを撮りに行こう」って行ったんじゃなくて、奄美散歩をする中で、「ここの夕焼けが好きなんで行きましょう」って行ったら、すごい綺麗で、これがジャケットになっちゃったっていう感じなんですけど……、なんかそういう奄美での景色を収めてます。あの……、父も出てきます……(笑)、父は奄美で観光ガイドやってるんですけど、父がガイドしている奄美のマングローブとかの森の中にもカメラが入って行って映ってます。

 

城: あと、これまでの写真のフォトブックとか、ポートレイトとかも入ってて、なんか、すごい豪華なんです……(笑)。ライブ(映像)の方には、笹川(美和)さんと歌っている『晩秋』も入ってます。『晩秋』以外は、私ひとりが歌っているものです。で、扇谷研人さん(ピアノ)とか、ヴァイオリンの 花井悠希ちゃんがサポートで入ってたりします。

 

ーー 付属の DVD に収録されている 笹川美和 とのコラボ・ライブの映像には、笹川美和 が 城 南海 に提供した『月下美人』、城 南海 が作詞・作曲した『七草の詩』などのほかに、奄美のシマ唄(民謡)『ワイド節』や『国直よね姉節』(くんにょり よねあごぶし)なども入っている。

 

ーー NHK『新・BS日本のうた』が、2023年 12月に地元の奄美市で公開収録された時、城 南海 もゲスト出演し、その『国直よね姉節』を歌い盛り上がった(2024年 2月4日「NHK BSプレミアム4K」/ 2024年 2月11日「NHK BS」でそれぞれ初回放送。2月10日、2月16日、2月17日にも再放送あり。)

 

城: その(『新・BS日本のうた』の奄美市での)収録で、私、ホントに、『国直よね姉節』が、あんな全国放送されるのが胸アツすぎて……、はははは……(笑)。みんな、スタッフさんとかも、普通に「くんにょり」「くんにょり」って言ってるのが面白すぎて……(笑)、「くんにょりが全国進出した!」って思って……(笑)。

 

城: 私、奄美の大和村(やまとそん)ってところの観光大使もやってて、そこの村の唄なんですけど、奄美の人ならだいたいみんな知ってると思います。その収録に、村長は来れなかったんですけど、でも、この唄(『国直よね姉節』)を、(収録で)三沢あけみ さんも、徳永ゆうき くんも歌ってくれて……、あれ、みんな喜びますね〜。

 

ーー 2024年 3月16日には、その地元,奄美大島で『城 南海 ウタアシビ ~15周年記念コンサート~ in 奄美大島』が開催され、その後、4月からは、今回のアルバムのツアー『城 南海 ウタアシビ 2024 ~爛漫~』がスタートし、宮城、大阪、愛知、鹿児島、福岡、東京 の 6箇所で開催が予定されている。

 

ーー コンサートでは、これまでも、鍵盤楽器や奄美三味線、シマ太鼓なども演奏しているが、最近は、二胡も披露されている。二胡は、2020年に歌ったディズニー実写映画『ムーラン』の日本版主題歌『リフレクション』で、印象的にフィーチャーされていて、1月の 15周年 記念コンサートでも、ダブル・アンコールで歌った時、自ら二胡も演奏した。二胡は、その『リフレクション』がきっかけではじめたようだ。

 

城: あっ、そうです。『ムーラン』(『リフレクション』)で、二胡の音色って大事なんですけど、「弾く人がいないから、じゃあ自分で弾こう」って始めて……(笑)。あの、全然うまくならないんですけど……(笑)。ちょっと音程が難しいんです。で、ほかのツアーでは、弾きながら歌ったりとか、いろんな曲にもチャレンジしてます。人の声みたいですよね〜、二胡って。

 

ーー 4月からのアルバムのツアー『城 南海 ウタアシビ 2024 ~爛漫~』では、他にも新しい挑戦があるのだろうか?

 

城: あの……、ウクレレを誕生日プレゼントでいただいてて、「どこかでチャレンジしよう」と思ってるんですけど、去年はできなかったので、今年は……。だから、今回の「吉田山田」の曲(『ふしぎ種』)とか、合いそうな曲で弾きたいなあ〜と思ってるんです。それくらいしかないかな〜って思って……。あと、誰かに「『陽だまりのワルツ』もいいんじゃないか」って言われましたけど。

 

ーー 今回のアルバムでは、『さよならの唄』も合いそうだ。

 

城: あっ、たしかに。『さよならの唄』いけるかも……、かわいいかも。その 3曲で、どれにするか検討します……(笑)。

 

城: っていうチャレンジもありつつ、まあ、アルバム・ツアーなので、この(アルバムの)曲を全曲できたらいいな〜って……、プラス『アイツムギ』とか『産声』とか。ツアーとしては、久しぶりに、いろんなところに行けるので楽しみです。

 

ーー そもそも「周年」というものは、スタッフ側の発想で、本人としては、年齢のように、連続している中でのひとつの区切りでしかないとは思うが、15周年ということで、あえて、何か思うことがあるか聞いてみた。

 

城: あ〜……、なんか、10周年のときは「ああ〜、10年かぁ〜」って思ってたんですけど、なんか、この 5年間って、コロナもあって、あっという間なのもあったりして、「あっ、15年なんだ!」って感じですけど……。でも、その 15年 歌い続けてこれたっていうのは、すごいことだなと思うし、ファンの皆さんにも、「チーム・城 南海」の皆さんにも、感謝の気持ちを伝えられたらな〜って……、っていう、この間のコンサートだったので、ここからまた……。「新しいチームで作った」ってことが一番大きいんじゃないかなと自分では思いますね。

 

ーー 今後のさらなる進化が楽しみだ。

 

ーー 最後に、今後、やってみたいことを聞いてみた。以前のインタビューでは、「アイリッシュ音楽とのコラボ」もやってみたいと話していた。

 

城: そうですね、それにも繋がるんですけど、デビューしたときのアルバムが、「世界のシマ唄と繋がる」っていうテーマの作品で、シマ唄って「アイランド(島)の唄」じゃなくって「集落の唄」っていうふうに、「その場所、その土地の唄」っていう概念なので、世界にもそういう唄がたくさんあって、そことコラボしていくっていうのがあったんですけど、15年経って、もう 1回やってみたいなと思ったし、松岡(モトキ)さんにも、「こういう北欧っぽいのもやりたいんです」って言ってます。

 

城: あと、今回、『陽だまりのワルツ』で、また新たな日常の歌を作ったことで、もっと曲作りをしたいなと思いましたし、そういった、これまでの積み重ねがある上で、今、歌える「城 南海の音楽」を……、もっともっと幅を広げていきたいなと思います。

 

(取材日:2024年 1月10日 / 取材・文:西山 寧)

 

 

 

城 南海 の デビューまでのヒストリーが知りたい方はコチラ ↓

いろいろわかる… 城南海 ロングインタビュー!(2022年)

「歌っててよかったな" って思いました…」

 

 

 

 
 
 
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■ インタビュー記事 関連動画

 
 
 
『アイツムギ』(2009年1月7日 発売 シングル、デビュー曲)
 
 
 
『産声』(2020年12月2日 配信 / 2021年1月27日 発売 アルバム『Reflections』収録)
 
 
 
『兆し』(2011年9月7日 発売 シングル)
 
 
 
『あなたに逢えてよかった』(2017年7月19日 発売 シングル)
 
 
 
『リフレクション』(2021年1月27日 発売 アルバム『Reflections』収録)
〜 ディズニー映画・実写版「ムーラン」(日本版)主題歌)〜
 
 
 
『君だけのメロディー』(Audio)(2021年1月27日 発売 アルバム『Reflections』収録)
 
 
 
『晩秋』(2016年11月16日 発売 アルバム『月下美人』収録)
 
 
 
『月下美人』(Audio)(2016年11月16日 発売 アルバム『月下美人』収録)
 
 
 
『七草の詩』(Audio)(2016年11月16日 発売 アルバム『月下美人』収録)
 
 
 
トンイ『チョネジア~天崖至目我~』(日本語 ver)(2013年11月20日 発売 シングル)
 
 
 
『西郷どん 〜奄美大島・沖永良部島編〜』/「愛加那」ダイジェスト(2018年)
 
 
 
ライブ『ウタアシビ 〜15周年記念コンサート〜』ダイジェスト(2024年1月7日 東京)
 
 
 
ライブ『duoでduoアシビ〜十六夜〜』ダイジェスト(2023年9月30日 東京)