女の日本海

窓に映した 涙の顔を
指でかくして 駅を発つ
二年も暮らした あの人を
断ち切る列車は 日本海
泣いちゃダメね
想い出ばかりが 追ってくる

椅子にもたれて 五時間余り
外は白々 雪がとぶ
失くした倖せ さがしても
二度とはもどれぬ 日本海
泣いちゃダメね
心の整理が つくまでは

暗い波間の イカ釣り舟が
無茶はするなと 灯をともす
忘れてしまえと 鳴る汽笛
夜明けはいつくる 日本海
泣いちゃダメね
この冬すぎれば 春もくる
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