シオン

真っ赤な 夕空
青くなる 星
心臓を焦がして 冷めない温度

半端に零した声の 残響と
半端に混ざった 花の色

きっと立ち止まって 芽を伸ばしたって
咲いた瞬間 散ってしまうのでしょう

いっそ それも素敵な景色なんだって
きっと そんな風に 思えたら良かったって

言えない

言えない

「さよなら」なんて
まだ言えないまま 魔法が解けていく

バラバラになって 花になって
風に溶けていく

手を振れないまま 黙って立っている

私を 忘れて すぐに

伝えたい想いを 声に出したって
こんな言葉 なんで言えないんだろう

大事に思ってしまうから ずっと
大事なことが 伝わらないんじゃないかって

知らない

知らない

知りたくもないことばっかで
胸が 裂けていく

ズタズタになって 怖いくらいに
愛しくなっていく

手も触れないまま 不確かにしてしまう

ごめんね ごめんね

いつか 時間が経ってみたら
なんでもないって 顔をして
寂しさも 痛みすらも
抜け落ちて 過去になる

いつしか そんな日が来たら
そんな時が 来るのなら

だったら 今は

どうしようもないくらい 君を想っている

思い出になんて なんないくらい
君で出来ている

ずっと気づいてた 気づいてしまったんだ

「忘れて」 なんてね 嘘だ

愛しさが 胸を焦がしていく

傷になったって 覚えていて
忘れないでいて

もう言えないから 今、喉を伝う

笑って また会おう

さよなら
×