ヘルツ少年のラジオ

電荷が空間に 電気力線張る密度が 電場強弱(電場E=力F/電荷q)
マクスウェルが記述 ヘルツが実験 電磁波からラジオに発展
2つの電荷な「点」に働く クーロン力が支配する
球体貫く電荷のベクトル 微分で1本取り出し

球の表面全て 積分で足し上げ
電場の全電荷のベクトルの渦と 運動量の全貌を暴き出し
そんな電場の時間変化に 追いすがり渦巻くのが磁場で
さらに電場と磁場が 互いに起点となり連鎖し 電磁波が飛んでく

ある乾燥した冬の日 ヘルツ少年がセーターを着たら
パチパチ静電気発生 電位差で空気の絶縁破り
電車のパンタグラフみたいに 電流空気渡り 火花放電
アンペールの右ネジで 磁場ができ 電場連鎖 電磁波発射

部屋中に広がった電磁波が キッチンの鉄鍋の中の
ハサミを受信アンテナに 開いた刃の隙間に 電磁波届き
火花散り 電子渡り電磁誘導した 鍋底が一瞬
スピーカーになり パチパチとノイズ音聴こえ 電磁波を証明

「電磁波に情報載せよう」と マルコーニのモールス信号
火花放電の時間の長短 ツートンに変え 航海無線
ついに大西洋横断する 無線通信に成功

ラジオ局 マイクのコイルに 声の音波当て 電磁誘導し
音圧 電圧変動に転写 電場磁場揺れた電磁波が
秒で100万回揺れ100万Hz 波長300m
あの日のキッチンみたいに ラジオ波が時速10億kmで飛ぶ

アンテナがキャッチ ダイオードで交流 脈動する直流に
電磁誘導で スピーカーのコイルを揺らす 圧の往復で
空気分子を疎密に押す 時速1000kmな 音速のカンツォーネ
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