新編里見八犬伝

我が首を刎ねた
憎き里見
終わりなき
妾(わらわ)の呪い

嗚呼…
嗚呼…

里見の美しき姫
愛しき伏姫よ

「なんとしてもあの犬から伏姫様を里見の国にとり戻す!」
「許せ!」

嗚呼…
嗚呼…

「伏姫様――っ!!」
「私はなんてことを」

滅びよ……
これも玉梓の呪いか?
犬になれ……
抗えぬ呪いなのか?

「その時―……」

切り裂くような光
伏姫の数珠から弾かれた
八つの珠
黒い霧を消してゆく

呪いは終わらぬぞ
永遠に……

光り輝く八つの珠は
天に昇り
八方へと飛び散った……

この世に生まれた
理由(わけ)も
歩むべき人生(みち)の
行く先も

全て導かれるのか?
それとも己で切り拓くのか?

物語はいつも
突然始まる
物語はいつも
突然終わる
物語はいつか
必然と気づく
物語はいつの
誰のもの?

誰でもない
あなたのもの

愛する伏姫が託した
希望の八つの珠
手にするは八人の剣士
約束しよう
この私が
必ず見つけ出す
ここから始まる
物語……!
×