一夏

ああ、夏枯れて
夢は消えていく

一夏の私ごと

憧れだけの
艶姿から

芽生えた

茹だる暑さに
ボヤ騒ぎは冷めやまない

置いてきた思い出に
囃されて夜の中

不必要でも
パッとネオンは輝く

風情もなけりゃ
情緒もない

陳腐な想い

人混みから抜け出し
ひとりだけ歩くの

笑うならどうぞ笑え
いっそ楽になれる
恨み辛みも引き裂いて
今、踊るんだ

ゴミで散らされた道に
滑稽さを感じ
外れたクジの風船を
ただ、ひたすらに
鳴らしてる

一夏は何処へと

泣きじゃくる子の足元で
転がる

綿菓子のようにね
取り返せなくて

La La…

背を向けた遠巻きの
火花には映らねえ

言葉が溶けて
アスファルトに流れる

何も苦しくないよ

神にも啖呵を切りたいのに

開いた穴を通り抜ける

金魚の気持ち

掬えなくてそれでも
袋には詰め込む

虫に刺された程度で
ずっと痛いものか
早く気づけよほら私
さあ、踊るんだ

笑うならどうぞ笑え
いっそ楽になれる
恨み辛みも引き裂いて
今、叫べば

お月も答えるさ
暴き出した光
知らぬ存ぜぬなんてのは
もう、捨て去り

ゴミで散らされた道に
滑稽さを感じ
外れたクジの風船を
ただ、ひたすらに

鳴らして

前を向け

一夏の私ごと

涙よくたばれ

一夏の私ごと

ああ、夏枯れて
夢は消えていく
×