愛の囚人たち

自分一人愛せないままに
誰かと恋に落ちようなんて
わがままなことだと
もう分かっているけど
愛される喜びを知らずに
私は私を愛せないわ
囚われて出られない
愛の囚人さ

「ねぇ、最近どう?」
甘い言葉に揺れる
調子はいいけど
あなたといると別
分かってるけど
もうこれは恋になってる
隠してるけど
もう胸は高鳴ってる

手錠かけるように手を繋いで
傷が深いほど
癒しはもっと沁みていく
恋も下手すりゃ
ナイフになるから嫌
あの人を想うほど
私は私を嫌いになっていく

恋にどんな毒があっても
触れずにいられない時もある
自業自得だよねって
分かっているけど
自分一人で育てた花が
乱暴に蜜を吸われている
それが愛だなんて
言えるわけがないんじゃない?

「ねぇ、また今度どう?」
苦いのが癖になってる
誰もいない歩道を
わざと遠回りに歩く
寂しい未来に目を瞑って頷く
はじめてがあなたで良かった
なんて今はもう言えない

ショーウィンドーの
ガラスに映る二人
私はどう見ても
あの人には不釣り合いで
帰りの電車で暗い窓に映った
あの人をずっと寂しく見つめていた

特別なんて嬉しいだけじゃない
オートクチュールなんて
一秒だって着たくない
普通が一番だね
そう願っているけど
恋したあの人の
特別にはなりたくて
レディメイド
安いけど私でいい?
育てた花を今
あの人がむしっていく

自分一人愛せないままに
誰かと恋に落ちようなんて
わがままなことだと
もう分かっているけど
愛される喜びを知らずに
私は私を愛せないわ
囚われの身も悪くはない
あなたが罪なら
なんて考えちゃうの
私、愛の囚人さ
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