わからないよな

掴んだ真上の吊革
透けた窓に映る薄い眉毛と寝癖
腕には
見慣れすぎた毛玉だらけの黒いゴム
実は、穴のあいた靴下

精一杯、日々をこなしていた
寝る間も惜しんで働き詰めた
こんなんになるまで気づけなかった
フラれた女と末路を辿る

今はきみより生活費を
やりとりはほぼ連絡事項
こちら側の無い選択肢も
自業自得と言われたって
今はきみより生活費を
満身創痍で回す洗濯機も
きみにはわからないよな

溜まっていく
ペーパーの芯の数
脱ぎ捨てた洋服と
生乾きのバスタオル
毎日2秒で眠るのに
空は明るくなっていた
未だきみの帰りを待っている

始まる前から終わること
考えた後で困るほど
それでもいいと思えたけど
昨日に問う、ホントにいい?って
罪悪感から五月病
何時何分かもわからず消化不能
きみにはわからないよな

3年前に買った化粧品
まだ半分以上も残ってる
そーゆーところって気づいてたんだ
砕けたパレット、おんなじ気持ち
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