ひとり岬宿

一夜(いちや)かぎりの なぐさめと
決めて日暮れの 列車で来たの 岬宿
こころ淋(さび)しい がまんの糸が ちぎれそう
もう一度 甘えたい
肩も今はない
漁火(いさりび)見つめ 思い出す ひとり岬宿

好きなお酒を 飲む癖を
真似たお猪口(ちょこ)に 涙がぽろり なみだ酒
呼んでみたって あなたはいない もう幻夢(ゆめ)ね
くちもとの ほくろさえ
忘れられないの
海鳴りだけが 騒ぎます ひとり岬宿

強く生きると 誓った胸が くずれそう
優しさを 憎(にく)みたい
好きよ会いたくて
霧笛も遠く 泣いている ひとり岬宿
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