春に願いを

遠くで聴こえたんだ
春の先っぽをね
ふわふわいたずらに
揺らすような声が

何度も繰り返し見る
幼い頃の夢に
美しい後悔が
また降り注ぐ

思いがけず
もう一度
出会えたの
追いかけた
もう私
逃げ出さない

運命は偶然で
偶然は奇跡で
それはきっとささいな景色にあって
小さく強く灯る
頑丈な愛おしさを
ひとつひとつ織り交ぜて君に紡ごう

未来は見えない
それよりも
明日のことさえ
見えなくても

運命は偶然で
偶然は奇跡で
めまぐるしく過ぎる日々の中でも
きっとはぐれないよう
ぎゅっと手を繋いで
やさしい微熱ひとつただ信じて
歩いてゆこう

遠くで聴こえたんだ
春の先っぽをね
ふわふわいたずらに
揺らす君の声
×