ただの人

フラれたの彼に 落ちてゆく闇に
底なしの暗闇が 私を待っていたの
転がる石のように滑り落ちてく

もがいても 彼は助けてはくれず
ただ一人泣き崩れ 失恋で身を投げる
人の気持ちが初めて分かったの

でも気付いていたの
本当はこうなること
メールの返信も電話の着信も
ただ待って待って待ち続けるだけ

認めたくなかった
聞くのが怖かったの
寄り添ってささやいた花のような日々は
奈落の底へ

フラれたの彼に 涙さえ枯れて
その時が訪れた 復讐が始まるの
ゆっくりゆっくりと時間をかけて

完璧に彼を 忘れ去る全部
連絡先は消去 SNS も見ない
耐えて耐えて淋しい時は飲んで

でも気付いていたの
彼氏の心変わりを上手に転がして
すぐに別の彼ができる子もいるけど
私は戦力外

不器用な私だけど
この孤独に耐えながら歩き出す
彼よりも素晴らしい人に
出会うために

でも気付いていたの
彼が悪い訳じゃない
そもそも私たち運命じゃなかった
だって今 春が 本当に春が来た

5年かかったけど
やっと巡り会えたの
特別なその人に
心から笑える愛しい人に

ありがとう さようなら
嘘のように彼は
ただの人へ
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