男のしぐれ

しぐれ盛り場 こぼれ灯を
浴びて男の ひとり酒
恋もした 夢もみた 人生の
谷の深さに うろたえる
こんなはずでは なかったと
見れば足下(あしもと) 水たまり

次のひとつが ないままに
酒にさだめを あずけてる
明日の日を 夢にみた あのひとを
捨てた悲しみ ひきずって
借りた傘さえ 手に残し
義理も情けも 返せない

一度歩けば 待ったなし
二度と戻れぬ 道ばかり
うたかたの この世でも 人生は
咲いて散らせて ひとめぐり
酒が友でも いいじゃないか
どこにいようと 夢はある
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