奥底の歌

矛先をなくした眼差しは
瞼の裏で立ち往生
胡座に痺れた脛を小突き
他人事のような独り言

季節の裂け目に挟まった寝ぐらで齧る爪の先
寝転がしたままのためらいに薄黒く床ずれができている

陽の光を知らぬまま
奥底にのみ生まれ落ちる歌に
月の光を知らぬまま
奥底にのみ朽ち果てる
歌に光を。。

兆しも見出せないままに
路地に擦り付ける浅い歩幅
込み上げ えずき 吐き出してやっと
飲み込んできたものを思い出す

蹴落としていったその先 蹴落とされていったその先
理由に棄てられた遠吠えが街の虫歯をつついている

陽の光を知らぬまま
奥底にのみ生まれ落ちる歌に
月の光を知らぬまま
奥底にのみ朽ち果てる

歌に光を。。
奥底にのみ生まれ落ちる
歌に光を。。
奥底にのみ朽ち果てる
歌に光を。。
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