只見線恋歌

会津の空は 淡紅(うすべに)ぼかし
八重の桜に 天守も霞む
失くした人の 思い出たどる
ひとりの旅です 只見線
いいえ いいえ 一人じゃないの
あなたは今も 胸の内(なか)

あの日は川霧(きり)の 鉄橋ながめ
今日は若葉の 峡谷渡る
あなたの歓声(こえ)が 聞こえるみたい
山吹ゆれてる 無人駅
はらり はらり 花びらこぼれ
涙がにじむ 奥会津

六十里越 トンネル抜けて
空が明るく なったでしょうか
外さぬ指輪 かざして見れば
陽ざしが降ります 只見線
そうよ そうよ 一人じゃないの
あなたと明日も 生きてゆく
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