時の砂

宿り木もとめ 肩寄せ合い震える
遠い日に 頬紅差す 言の葉 隠して
そっと 頬を 撫でる 真紅の雫

妙(たえ)なる時の砂 優しく降り積もる
空音(そらね)も真もしずかに包みゆく
現世(うつよ)に髪引かれ 火矢のよに駆けゆく
素っ気なく交わした目は 微笑んでる 今も

鏡にうつる 君の口から漏れる
もどかしく急いた気持ち 素直に言えずに
灯る ひかり 求め ただ追いすがる

またねと見送った 儚い透き影が
虚ろに瞬く 月明かりに消える
かくりよに手ひかれ 重ねる掌(たなごころ)
戻らない砂時計を そっと撫でる瞳

無邪気に 追いかける 君の姿に 夢うつつに

爪弾(つまび)く三味(しゃみ)の音(ね)は ざわめく枯れススキ
空言 虚しく 端唄のよに響く

常世(とこよ)に誘(いざな)うは 燃えるよな眼差し
白い花 手向(たむ)けに持つ 巡り会う
彼(か)の面(も)目指し 追いかけてる ずっと

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