しのび酒

口じゃ強がり 云いながら
なんであいつを 思い出す
雨が淋しい 裏町の
酒場の隅で しみじみと
呑んで酔いたい……
ああ しのび酒

そばにあいつが いるだけで
夢があったよ あの頃は
狭いふたりの 部屋だけど
こころの花が 咲いていた
想いめぐらす……
ああ しのび酒

俺が芯から 惚れたのは
あいつだけだよ この今も
薄い縁(えにし)の 幸せと
諦めながら 恋しさが
つのる夜更けの……
ああ しのび酒
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