紗のかかった白黒

帰り道 大空は真っ黒に塗りたくられて
満月がLED電球のよう
なんでかな、今すぐに全力で坂を自転車で
駆け下りて、そして派手に転びたい

きみのうつる全ての記憶が 音のない昔の映画のように
紗のかかった 白黒に彩られてく
もう二度と懐かしい思いをして泣きたくはない
においから一瞬で導かれるような
まとめれば結局は死ぬためにあるのかもしれない
そうでなきゃ、ここで笑う理由がない

きみの見せた全ての表情が
雨に濡れ滲んだ水墨画のように
紗のかかった白黒に彩られてく
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