展覧会の絵

有刺鉄線の向こう側の大学の
知らない言葉を使う男が
海へ行こうよって言っている気がした
私は彼の喉仏を睨んだ
冬の玉川上水 右の川沿いを私が ぬかるんだ左側をあいつらが
世界は真二つだね バカみたいに あたり前に真二つだらけみたいね

有刺鉄線のこちら側の大学の
すみの小さなアトリエで絵を描いている
夢のなかで君と手つないでみつけた
真っ黒な海の絵を描いている
展覧会にかざる絵は
これが私の人生だって言うつもり
でも君のはしっこに勝てない気がした
有刺鉄線の向こう側の

君のはしっこを
はしっこだけを愛しているんだ
君のはしっこを
はしっこだけを愛しているんだ
3秒だけ You You You
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