帰るから

ひとりきりじゃ歩けないの 通い慣れた道さえ
とても弱かったわたしに 初めて気がついた

つのる心細さに 何度もたちすくむけど
(今も心細さに 足がすくむけど)
会いたい人がいるの
(呼んでいるの)

帰るから あなたが待つ場所まで
そう ゆっくりでも
分かれ道 自分で向かう先を
選んでゆく
広い空を 見上げながら

守るはずだったあなたに 逆に守られてたね
どこか迷ってしまわぬよう 手を引いてくれたの

子供すぎるわたしは いつのまにか甘えてた
(淋しすぎるわたしは ひどく甘えてた)
その優しさが好きで
(だって好きで)

できるなら ただ導かれていく
それだけじゃなくて
この想い 伝えるため手と手を
つなぎたいの

夢を見ることなんて まだ
贅沢かも知れないけど
許されるなら
こんなわたしでも 夢見てもいいですか
(信じて ねえ いいですか)

帰るから あなたが待つ場所まで
遠く離されても
分かれ道 自分で向かう先を
決めてゆくの

明日から おとずれる日々のこと
ふっと考えたら
胸よぎる やわらかな痛みさえ
いとおしくて
空がまた 広く見えた
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