会いたい時に君はいないサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | きっと眠り過ぎたのね おかしな夢ばかり見る 風が少し騒ぐから朝は近い もうすぐ 友達はみんな気付いてる おかしな事口走る ねえそれじゃ最初から 最初から何もかもを知ってたの? もうこれ以上 君を庇えない もうこれ以上 愛されるふりはできない 会いたい時になぜ君はここにいない いない いない 届くあてない言葉ばかりでつまづいて転びそう 今すぐぎゅっと抱いて君を許してしまいたい 他に何も欲しくはない 明け方の間違い電話の向こうで誰かが泣いてる 何も言えなくて切った 喉が渇いていた セロハンテープで留めたような強がり 風に吹かれてる 本当はいつだって いつだって気付いてと呼んでいたの もうこれ以上 追い詰めたくはない もうこれ以上 涙は飲みこめない 泣きたい時になぜ君はここにいない いない いない 叶うことない願い降り積もって今にも溺れそう こんな日にロックなんて何の役にも立ちはしない 伸ばした手は宙をつかむ そう君のたった一言ですぐに救われるのに 「さよなら、平気」なんてきっと最後に笑ってみせるだろう 二人はどこか似てる優しい嘘つき同士だろう 会いたい時に君はいない 会いたい時に君はいない |
Joy & Painサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | 森俊之 | ベルベットの長いコート ブルネットとブロンド いつも一緒 背中合わせの双子の姉妹 Joy & Pain 毛羽立った古いブランケット すりへってしまった鉛筆 あの頃からそこにいるのさ 西陽の射す子供部屋 Joy & Pain ほんのささいな出来事でいいから 何かいい事ありますように 涙を拭きなよ 私の友達 可愛いマニキュアぬってあげるよ Joy & Pain かじかんだ指先 輝く南西のオリオン 初めて見た 私の街じゃ空は夜通し燃えてる Joy & Pain ほんのささいな出来事でいいから あの子にいい事ありますように 何しろあの子の両膝ときたら 転んでばかりで傷だらけ Joy & Pain ずっと昔の人が作った歌を歌おう 語り継がれた言葉が今夜は何て素敵 ほんのささいな出来事でいいから 二人にいい事ありますように いつか二人がはぐれてしまっても 私の事を忘れたら嫌だよ Joy & Pain Joy & Pain |
フラッグサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | | 手の平に昨日落ちた星が 小さな痛みと残した跡は 長く長く待たされた末に来る幸福の印だ ほの暗い蛍光灯の光が 容赦なく現実を計算する それなら人肌の夕立へ裸足で駆けてゆく 最近の君はどんな気持ち? 遠い西の空で何をしてる? あと死ぬまで何度君に会えるんだろう 私達悲しいほどに賢くもなく とりたて残酷なほど鈍くもない それでも甘いカラメルのような時間を知っている 最近の君はどんな気持ち? 遠い西の空で何をしてる? 口にしたらひどく安っぽくて幻滅するけど 例えばもし君が泣いたりしてたらすごく困るのさ 多分君もきっと同じ気持ちでいるんだろうと思うからせめて 泣いてないふりするのさ |
WORK SONGサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | 小雨がぱらつく公園通り 男は今朝もバスを待つ 右手で広げたペーパーバックから何度か顔を上げる 男の働くマーケットまで渋滞の列は続く ゆるいブレーキに身体揺らして いつもの道のり ああ心が離れてゆく 今や彼はマフィアになって 20年代の路地裏を颯爽と駆け抜けている こんな日々も悪くない 彼とすれ違えば分かる こんな日々も本当悪くない 口ずさむのはWORK SONG 髪を撫でつけてエプロン被り 広いフロア 午前9時 大きなカートに缶詰積んだら あとは慣れたもんさ ああ心が離れてゆく 今度のバカンスには 割とタフなあの子を連れて さあどこへ旅に出よう こんな日々も悪くない 彼とすれ違えば分かる こんな日々も本当悪くない 口ずさむのはWORK SONG 口ずさむのはWORK SONG |
三番目の恋人サンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | 子供だましの玩具みたいで そのくせどこか気の晴れる人 約束はいつも果たされなくて そのくせ本気で指切りする人 混み合った駅で 人ごみの街角で 誰一人君に似た人はいやしないの ねぇ 冴えない日には迎えにきて よく出来た話で笑わせて 夕立抜けて会いに行くわ 彼は三番目の恋人 私は私のわがままなPresident 彼はハイウェイの優雅なKing 二人の日々は平行線で いつまで経っても交差しないの 気ままな旅人よ 当てになんかしてないわ たまに思い出すくらい それでちょうどいいの ねぇ 冴えない日には迎えにきて よく焼けた肌に触らせて 遠い楽園の話をして 彼は私の永遠のヒーロー ねぇ さびしい時は思い出して 夢のようなハネムーンに誘って 夕立抜けて会いに行くわ 彼は三番目の恋人 |
真夜中の虹サンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | 宝物を全部大きな木にぶらさげる 不思議な果実が人知れず実ったようさ どれでも好きなの さらっていってほしい この願いとひきかえに 潮が満ちたら引いてゆく この身体がよく知っている 輝く星さえいつかは枯れてしまうのだと言う 始まりはいつも終わりを連れてくる 誰でも皆知っているのに どうかこの夢が醒めぬように どうかあの人が消えないように まだ心の何処かで信じている そんな私は少し愚かでしょうか? でも胸の奥底で信じている 手を伸ばしたら届く 真夜中の虹 あの頃の私と鏡の中で会えたなら あぁどんな言葉でこの気持ち伝えたらいい? 運命がそこまで迎えに来てるよ 怖れずに歩いておいで 美しいままで愛されるように つないだ手と手が離れぬように まだ心の何処かで信じている そんな私は少し愚かでしょうか? でも胸の奥底で信じている 手を伸ばしたら届く 真夜中の虹 約束したこと果たされるように 全て終わっても忘れぬように まだ心の何処かで信じている 人は夢見がちだと笑うでしょうか? でも胸の奥底で信じている 手を伸ばしたら届く 真夜中の虹 |
美しい人サンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | 給水塔はその錆だらけの全身で 抜けるような青空の下で気高く座る レトリックもプロットもない言葉搾り出して 真っ赤な頬で君の前で俯き 少年のように 過剰な心配性は決まって損をする 僕のそんな弱点を君はよくわかっていた 君が許してくれたから 生まれ変わった気持ち 君が許してくれたから 薄いフィルターが外れた気持ち 双子のように過ごした日々はもう古い校舎の レリーフみたい 壁に貼りついたまま動かない過去 珈琲を数杯分の話をしよう 僕らはなれていた間 君は何を思っていた? 君が許してくれたから 生まれ変わった気持ち 君が許してくれたから 薄いフィルターが外れた気持ち あれから僕は旅の神様に出会ったんだ ここで会えた事も偶然じゃない 君が許してくれたから ふいに会いたくなったら 君が許してくれたから いつだってすぐに会いに行く 君が許してくれたから 生まれ変わった気持ち 君が許してくれたから いつだってすぐに会いに行く |
蜜蜂三浦透子 | 三浦透子 | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | サンタラ | テーブルの下で交わす約束は 誰にも知られることのない二匹の蜜蜂 あの角曲がれば街灯も絶える 暗がりでは誰より二人きりになる 悲しいか 悲しくないわ 私の恋人 淋しいか 淋しくないわ 秘密の恋人 そのくちびるに真っ赤な花を その瞼に宵越しの夢を 心はいつも君を探すから いっそこの身体爪の先まで邪魔で憎らしい 人影まばらな駅のホームでは 軽はずみな台詞のひとつも無理矢理探し出す 優しいか 優しくないわ 私の恋人 空しいか 空しくないわ 秘密の恋人 愛しいか それとも違うわ 裸足の恋人 気持ちいいか 悪くはないわ 九月の恋人 耳たぶに白夜の歌を その指先に今日の印を |
君はまだ約束をするんだねサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | さよならはとても怖い また会いましょうと別れた人が いつまで経っても帰らないことはよくあること よくあること カーテンを少しめくって ポーチの見える位置に 柔らかな椅子を据えて 郵便屋のカブの音をいつまでも待っていたのは君 君じゃないか 泣いたのは君じゃないか それでも君はまだ約束をするんだね 平気で「またね」なんて僕に期待させるんだね さよならはとても怖い また会いましょうと差し出す右手 願いを込めて握るよ このやるせない思いを一番わかっているのは君 君じゃないか 泣いたのは君じゃないか それでも君はまだ約束をするんだね 平気で「またね」なんて僕に期待させるんだね いつの日か落雷のように 奇跡が降ってくるんだろうか それとも越してきた隣人のように いつの間にかそこにあるものなのかな 僕にも 僕にも 奇跡が来るのかな |
Big Riverサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | サンタラ | 遠くに投げた 音をたてて割れた ジャマイカのラムの小瓶 街灯が照らした 忘れかけた名前を呼んだ 小指の爪ピスタチオグリーン 背中に忍び寄る霧にもうすぐ飲まれてしまう ただ肩をすくめるだけ 怖いものがまた一つ消えてゆく 踵のリズムが右にそれてゆく 「予想よりずっとぼくは平気」 生彩を欠いた声 君に追いついて 横たわるBig River ひとしきり泣いた 疲れて眠った クラクション 先頭はリンカーン 浅い眠りは今夜も同じ夢を強いる 物分かりのいいぼくは黙ったままステラ座の席に着く 踵のリズムが右にそれてゆく 「予想よりずっとぼくは平気」 生彩を欠いた声 君に追いついて 横たわるBig River これは嘘や想像なんかじゃないんだ 紛れもない事実だ さぁ、目をそらさないで 漆黒の静寂と横たわるBig River |
家出少年サンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | 森俊之 | 夕陽の吹き溜まり この部屋の暑さは香港映画のようだ どうにかなっちゃいそうだ 机の上にはゆるんだピーナッツバター 天気予報が今朝夕立を告げていたけど たくさん集めた写真を見せてよ 私がまだ見たことのない人や景色の話をしてよ 覗き込んだら家出少年の顔の君 ここらあたりでほら 二人は一番幸せなはず ベランダのカナリアが嫌いなものなら全部 その嘴でつまんできれいに食べてくれる いつまでも終わらないナンセンスなゲームや 眠れない夢や巧妙な噂も オレンジピールの三日月が君の帰り道を隠してゆくよ それを君はそんなに恐れるの 覗き込んだら家出少年の顔の君 ここらあたりでほら 二人は一番幸せなはず 腕の中には家出少年の顔の君 ここらあたりでほら 二人は一番幸せなはず |
It's alright, maサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | | 短く髪を切ったから ますます君は少年じみてきたみたい 膨張してゆくだけの過去に 鋏を入れて切り刻んでしまったみたいだ It's alright, ma It's alright, ma 魚になれば魚らしく 私は泳ぐ I'm alright, ma I'm alright, ma 他に何か大事なものがあるの?と君は問う 明日を背負った土足の紳士 コインを握る 拳を差し出して 「さあ、どっちだ?」 It's alright, ma It's alright, ma 確かなものが無いとしたら 私は賭ける I'm alright, ma I'm alright, ma 他に何か大事なものがあるの?と君は問う It's alright, ma It's alright, ma 魚になれば魚らしく 私は泳ぐ I'm alright, ma I'm alright, ma 他に何か大事なものがあるの?と君は問う 短く切りそろえたえりあしを 照れ臭そうにかきあげて手を振って別れた |
密会サンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | サンタラ | 日没は今猫の足取り 忙しい人は今日も階段越し そして重いドアを押して 別れる時にはきっと 「ああ すっかり外は暗いね」なんて笑う 君に会うなら鞄に一つか二つ 新しいブルースを忍ばせてくるんだ 先週の新聞で巻いたスミレみたいにそっと 恋人に差し出す花束のように 誰かの干渉を上手にかわしておいで 許される範囲で 当たりさわりのないやり方で 時間潰し 手にとる個展のフライヤー ふと懐かしい気持ちはただ思い違いか? 君の選んだ言葉は何気ないくせにいつも 思いがけないほどにセンスがいい |
12時のデジャヴサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | 太陽を飲み干したこの街は夜も燃えてる 喧騒を抜け出して 小路をくぐり 踵を鳴らして 振り返ることもなく きっと私なら そこで待ってる いつかこんな日が来ると知ってたの 12時のデジャヴ 現実は素敵な嘘でデコレイト Flash, Lights & Music Ah 私の肩越し 伝説の街並 12時のデジャヴ 夕立みたいに肌に浴びるのよ Flash, Lights & Music Ah ポケットのプライドをかき集め髪に飾る人 幻を引きずる人 壁際でためらう人 きっともう一人の私ね そこで待ってる いつかこんな日が来ると知ってたの 12時のデジャヴ 涙が輝く星に変わる時 Flash, Lights & Music Ah 私の肩越し 運命の恋人 12時のデジャヴ 遠い遠い昔から届いた愛のメッセージ Flash, Lights & Music Ah いつかこんな日が来ると知ってたの 12時のデジャヴ 現実は素敵な嘘でデコレイト Flash, Lights & Music Ah 私の肩越し 伝説の街並 12時のデジャヴ 夕立みたいに肌に浴びるのよ Flash, Lights & Music Ah 記憶の底に一瞬焼きつけて 12時のデジャヴ 半世紀先の今夜会いたいね Flash, Lights & Music Ah |
太陽サンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | | 最近の私にはまるで珍しいことでもなくて 覚えきれない記念日がまたカレンダー上で破裂した 身を守る本能として私が課した単純なルール 肩越しに聞いた爆発音に振り返ることもない 真っ赤な果実に歯を立てる この部屋によく似合う 時おりそのかすかな香り むしょうに恋しくなる 真っ赤な果実に歯を立てる 傷口が血を流す 手首を伝う冷たい水滴がどうしてこんなに愛しいんだろう? 熱帯性低気圧に弱いできそこないのアンテナが 意味のない拾ってほしくない情報をただたれ流す とうの昔離れた人の消息は知らない方がいい 甲州街道のその先をあの人が思うことだってないさ 真っ赤な果実に歯を立てる この部屋によく似合う 聞き分けのない子供みたいに 誰かのかわりのように 真っ赤な果実に歯を立てる 傷口が血を流す 手首を伝う冷たい水滴がどうしてこんなに愛しいんだろう? |
Peaceを一本サンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | あの娘はおかしな目をしてるの きっとこの街にいられなくなるの 路地裏 この狭い路地裏が 死んだような午後 それを狙ってるの 汗に濡れたワンピースが早熟な背中にはりついて 帽子もない 傘もないまま あの娘は彼と逢ってたのよ 今言った事は忘れてね 作り話だと思ってね それで私にPeaceをわけて Peaceを一本わけてちょうだい 私はじっと覗いてたの 鍵盤を走る白くて細い指 醜い昆虫によく似てる 泡立ち騒ぎ立つ私の心臓 あの美しい薬指に全て盗まれてしまったのね 毛足の長いカーペットにこぼれるピアノとサンダルウッド 今言った事は忘れてね 作り話だと思ってね それで私にPeaceをわけて Peaceを一本わけてちょうだい いつまでも沈まない太陽のせいで泣けもしないし 律儀な君のまなざしもこんな気分じゃ白々しい 今言ったことに火をつけて 灰になるまで見送ったら それで私にPeaceをわけて Peaceを一本わけてちょうだい |
Backseatサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | On your backseat, backseat 私はバックシートにころがって On your backseat, backseat せわしないワイパーと遠い稲妻と冷めたコーヒーとロードノイズ、 ニール・ヤング On your backseat, backseat 憂鬱はバックシートにお似合いで On your backseat, backseat のぼせたように何か喋ってないとつまんないことで ほら泣きたくなるから きっとこんな時だね 小さな秘密が秘密のままでいられなくなるのは 十年前の心に十年は長すぎた 十年後の今日が来るとどうしても思えなかった On your backseat, backseat 今夜はターコイズで着飾って On your backseat, backseat 花の香り纏って伝説みたいに生贄になってしまえたらそれもいい On your backseat, backseat ねえ ひとつ訊いてもいいかしら? On your backseat, backseat 君の胸ポケットにいつものペン その紙切れに一体何を書き留める? 君の拾い集めた言葉はちゃんと君の歴史を語っているのかしら? いつの間に私達はこんなにも遠くまで バックミラーに映った過去なんてもう曖昧ね On your backseat, backseat 私はフロントシートに乗り出して On your backseat, backseat 次の街まであとどれくらいあるの? 今度は私がハンドル握るから 罪深い唇がつまんないことこれ以上喋ってしまわないように |
Sleepin' songサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | | 困り果ててしまった人達は皆 すぐに眠ってしまうのだという 一体何に困っているのか 私は眠くなる よく眠る 歩き疲れた夢を見て目が覚めた シーツから火照る足首だけを逃がす 暗闇から白い両手が伸びて 私を引っぱる 何度も引き寄せる |
Homeサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ | | できるだけ幸せになると約束したのは遠い春の日 不器用な別れの景色は188号線のあのカーブ 旅立つ意味さえ知らずに離れた 五月の雨に煙る朝は通い慣れたJRの一両目 人波に紛れて少しずつ変わってく街の匂い感じてた 思えばあの日がこの旅のルーツ Home ここにいる私はあの街の優しさでできている 繰り返す波の音 この身体のリズム Home ここにいる私はあの人の優しさでできている 繰り返す波の音 この身体のリズム 河沿いの大きな楠の木 今も不思議な力を信じてる 太い幹に触れたこの両手 掴めないものなど何ひとつない 導かれるように西に背を向けた 思えばあの日がこの旅のルーツ Home ここにいる私はあの街の優しさでできている 繰り返す波の音 この身体のリズム Home ここにいる私はあの人の優しさでできている 繰り返す波の音 この身体のリズム Home 絶え間なく生まれく悲しみは あの街に許される そうきっと永遠に流れゆくこのリズム この身体のリズム |
Wait,Catch & Runサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | | 寝不足の身体に染みわたるカフェイン ツケがまわってきただけさ 懲りてなんかない 昨日と今日の隙間に曖昧なボーダーライン ずっと見張っていたけれど姿は見えない 大丈夫 そんなものにやられたりしない 階段の踊り場で待ち伏せる少年 見覚えのある顔だ そうだ いつかの僕だ 大丈夫 そんなものにやられたりしない 大丈夫 僕らそっぽ向いたりしない 奴等の背後にこっそり忍び込んで その逞しい尾ひれを捕まえろ! 大丈夫 そんなものにやられたりしない |
サークルサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | | 蛇口をひねって真っ白な両手洗って 面白いように記憶に騙されたことを悔いた 昨日までの私を全部剥してしまえたらいいのに ピンセットで少しつまんで薄いガーゼのように 改札口を潜る人波に紛れてあの人が 言い難いことを何のためらいもなく口にしている 忘れっぽい私は今日もそんな景色を切り取って 机の奥しまうんだけどフィクションのような気がしない 「きっと逃れられることじゃないのさ」 「きっとまた巡ってここで立ち止まるんだろ?」 ずっと昔から止まることのないクロール いつだって右手に隠しているのブルース 君と私との秘密よ 内緒の記号 留まることはないともう知っているの サークル 真夜中過ぎに手探りでキーをつかんでドアを開けたら いつもの部屋は小さく声をあげたほど違って見えたの 私達が知り得ているのは結局それくらいってことで 自惚れてしまわないようにいつだって手を繋いでいて欲しい 「きっと逃れられることじゃないのさ」 「きっとまた巡ってここで立ち止まるんだろ?」 ずっと昔から止まることのないクロール いつだって右手に隠しているのブルース 君と私との秘密よ 内緒の記号 留まることはないともう知っているの サークル じっと私の掌で崩れるフルーツ 耳をかすめる名もなき唄はただメロウ 君も私も麻痺しちゃっているの ブルー 留まることはないともう知っているの サークル |
サイモンの季節サンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ | | あの頃の彼女達の喜びは 魅力的なコードを探し出すこと 日がな一日名乗りもしない音符は こぼれ落ちたコインのように踊ってる 舌でもてあそぶ高級な言葉は 有能な人の借り物だったけど いつの間にか彼女達の足跡が 約束の刻印のように押されてる sun and moon silver and gold real and romance 何もかもが彼女達の日々の全て loves and hates jokes and lies lucks and troubles それこそがサイモンの季節の全て きっと誰かが笑いとばすだろう きっと私もそれに応えるだろう 缶詰ドロップのような色彩の クローゼットを持つ混血の彼女は 二年半の時が流れた今なら どんなシャツを選び街へ出るだろう? right and wrong games and traps tops and bottoms 何もかもが彼女達の日々の全て hug and kisses king and slave words and hummings それこそがサイモンの季節の全て ママが話したstrawberry statement 私達は映画じゃないから ラストシーンやエンドマークもあり得ない sun and moon silver and gold real and romance 何もかもが彼女達の日々の全て loves and hates jokes and lies lucks and troubles それこそがサイモンの季節の全て きっと誰かが笑いとばすだろう きっと私もそれに応えるだろう |
時間旅行サンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | | もしも願いがひとつ叶うなら いたずらなことがいい 時間旅行がいい 夕陽のあたる歩道橋の上 まだ少年のあなた待ちぶせ その耳元で教えてあげる いつかあなたは私に出会うの 忘れないでね 覚えていてね 願い事ならそれくらいでいい |
狼サンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | 疲れた身体を夜更けに洗う 寝静まった街 頼りない月 裸足の爪先真っ赤に塗れば 灯台みたいに行く先照らせ 私が脱ぎ散らかしたシャツの山 まだ情熱の匂いがしている それを誰が止められるというのだろう? 私の幸せ 私が決める 疲れた身体はベッドに沈む 眠りが来るのをじっと待っている 夢の中でくらい自由でいたいのに 夢の中でさえ私は私 逃げ出すことができないのなら この心も身体も背負ってゆくだけ それを誰が止められるというのだろう? 私の涙 私のものよ 他の誰かと違う私に もう怯えないで愛せるように 疲れた身体を抱きしめている 寝静まった街 頼りない月 |
Perfect Happinessサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | 南へと続く坂道のその上の 空は金色に光ってる もうすぐ雨は止むでしょう ずぶ濡れの僕らは声上げてはしゃいでる 子供のようにシャツを絞っては笑う それは Perfect Happiness そうさ Perfect Happiness 君の手の平に小さな奇跡 Perfect Happiness ほんの少しだけ痛みを忘れるような 僕が僕であることを忘れるような 背中を抱きしめるような ねえ いつか僕らにお別れの時が来る その後も君を笑わせるような そんな それは Perfect Happiness そうさ Perfect Happiness この世界は ほら喜びに満ちて Perfect Happiness そうさ Perfect Happiness 君の手の平に 奇跡はそこに 真冬の朝のコーヒーとミルクと新聞の香り 覚えたばかりの花の名前 その色 フェンス越しの校舎 小さな制服の群れ 夜道を彩るネオン グラスとグラスの触れ合う音 スタジアム揺らす大歓声とボールが描く放物線 昔々の英雄のストーリー 歌い継がれる恋のメロディ 遥か上空から見たこの国の形 Perfect Happiness Perfect Happiness Perfect Happiness |
Moneyサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | 愛の言葉は安くなって ダイヤモンドの方がずっとすてき 何千年もの時を越えて 私に会うのを待っていたのね Money… 私を駆り立てるMoney 幸せの正体は何かしら? 愛されたらそれで幸せかしら? 狩人に幸せはあるかしら? 光る石 そして私 Money 爪が伸びゆく速度で 時が流れるのを知って 朝陽の当たるこの部屋で 週末からずっとコーヒーを切らして Money… 私を悩ませるMoney 満たされることってあるかしら? いつも少し足りないの なぜかしら? 双眼鏡をのぞくその先に 手を伸ばして 空を切って Money 冬には花咲く季節を 春にはぎらつく太陽を 夏には色づく木の葉を 秋には炎のぬくもりを まだ見ぬ人 まだ見ぬ人 待ち焦がれる 待ち焦がれて 私とMoney |
卒業サンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | 街のウワサをもう君は聞いた? ちょうど同じ事私も思いついてたところよ やられたわ 一歩遅かったわ 一歩遅かったわなんてさ 肩たたき合ってさ 気に入ってるのよこの毎日が 笑ってばかりいられるわけじゃないけど ポケットにコイン 頭の上に太陽 もしくは月 時々雲 星空 いつまで私達こうしていられるのかしら? ずっとこのままいたいけど そういうことにしてくれないかな 花屋の店先であの人の好きな花が咲いてる 顔なんて随分おぼろげになったけど 妙なことだけ覚えてるものさ 大人達は子供に夢中 子供達は猫に夢中 猫は鳩に気を取られていて 鳩はポップコーンに夢中 永遠に一方通行 ぐるぐる廻って溶けてバターになって それはお伽話だっけね それはお伽話だっけね いつまで私達こうしていられるのかしら? ずっとこのままいたいけど きっとそうもいかないよね 君のバイクの後ろに乗せてってくれないか? 東京湾の暗闇に何を 何を捨てたのかって 訊かないでね 後ろ向いててね これが初めてじゃないわ マボロシみたいに光る橋の上 君にしがみついて 好きなのも嫌いなのも行き過ぎると無感覚に近い 人々はもしかしてこれを潮時って呼ぶのですか? ずっとこのままいたいけど きっとそうもいかないね |
写真サンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | 東京の空 サイレンが鳴る 本当のことは誰も口にはしないよ 明日になれば忘れてしまう 二人して今笑った根拠さえ サンドマンが来る前にもう一度確かめたいよ でも約束は守られないなら それもね ロマンスだよね 燃える赤い髪 グラスゴーの女 若草を食んで喪失を歌うよ サンドマンが来る前にもう一度話をしたいよ でも失くして後に気付くのも それもね ロマンスだよね 東京の空 私は平気 さあね どうかな? 写真は苦手だよ 貴重な一枚さ |
My name is Boogieサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | 少しくらいのジャンキーなら この両腕に抱えてあげるわ ろくでなしにもわりと縁があるの 夢見の悪いファドは丸めて 健康なあの娘に預けておいで 病んでいる君には刺激が強いみたい 太陽が睨んでいる 万能のスパイみたいに 首筋に追いつきそうなブルーより速く手を引いてよ バックビートでどこにでも行ける どこにだって行けるさ 日没を越えたら私を呼んで My name is Boogie なるべくいい子でいようとするから 面倒は起こさないわ 約束をするわ カーニバルには日常が必要よ 太陽が睨んでいる 万能のスパイみたいに ほんの少し賢くやって それで君はもっと楽しめるから バックビートでどこにでも行ける どこにだって行けるさ 日没を越えたら私を呼んで My name is Boogie バックビートでどこにでも行ける どこにだって行けるさ ヒール壊したって損はない My name is Boogie |
六月のブルースサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | | その履き慣れた薄汚いブーツを今脱げたなら どこまでだってつきまとうこの影もきっと外せるさ そしたら君の青い車を月夜の晩に盗んで 誰も知らない街に着いたら電話してさよならだけ言うんだ Me and My shadow クリーム状の夕暮れの街 Me and My shadow 逆立ちしても今にも負けそう こんな子供じみた発想など失くしたと思っていた 見知らぬ人の幸せと不幸の電波が飛び交っている 何万本のリボンがこの指の隙間をすり抜けていく 今ならそっと私が消えて雨が足跡消しても 誰もがそうさ 気付かないままうまくいきそうな気がする Me and My shadow ゼブラ模様の夕暮れの街 Me and My shadow 不意打ちされて上手に転びたい 泥だらけの私の爪先が踏み出す所はどこだろう? 踏み出す所へついて行こう |