LIVE REPORT

ハルカトミユキ ライブレポート

ハルカトミユキ

『LIVE TOUR 2016‘LIFE' FINAL -約束の地・野音!-』

2016年09月24日@日比谷野外大音楽堂

撮影:山川哲矢/取材:田山雄士

2016.09.29

初の47都道府県ツアーの締め括りとして、約束の地へ帰ってきたハルカトミユキ。ふたりはこの日に懸ける想いを程良くたぎらせつつ、意表を突く「Hate you」でこちらの気持ちをフッと軽くしたり、“野音! ただいま!!”と客席に呼びかけたりと、1年前の張り詰めたフリーライヴとは異なる朗らかさで、序盤から確かな成長を感じさせる。開演時に弱く降っていた雨が止む頃には、原点のフォークを見つめ直すように「シアノタイプ」をふたりだけで披露。野音に集まってくれたひとりひとりのため、代表曲も惜しみなく届けていく。

そんな中、空気がより締まったのは「奇跡を祈ることはもうしない」。曲前に演劇さながらの緊迫でハルカ(Vo&Gu)が発した言葉は、世にはびこる劣等感や違和感を鋭く射抜き、壮大なサウンドを通して《僕らはあたらしく生まれ変わる》と誓う。絶望から希望を描き、聴き手のやり切れなさを代弁する。これぞ、ハルカトミユキの真骨頂。飾らないことで生み出せた「夜明けの月」含め、新しい楽曲ほどステージは輝きを増すのだった。

サイリウムが会場を彩った「宇宙を泳ぐ舟」以降は、ミユキ(Key&Cho)がスパーク! 自身のニューロマ愛を、装飾でなく真の意味で楽曲を活かすために昇華できたことが、その躍動から伝わってくる。パズルのピースがはまったように、ミユキのエッセンスで引き出され始めたハルカのさらなるポテンシャル。そして1年間の苦労すら清々しく語り、今の心情「LIFE 2」も実直に聴かせてみせた。デビュー5周年の来年は東名阪ツアーを行ない、記念盤のリリースも考えているという。
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