ジョイフル・コメリ・ホーマック柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 道端には ジョイフル・コメリ・ホーマック 来るな春よ ジョイフル・コメリ・ホーマック あれやこれの使い道わからないまま ひんやりした銀色の筒をなんとなく買ったね 道端には ジョイフル・コメリ・ホーマック 店はいつも ジョイフル・コメリ・ホーマック 自転車に乗って坂道を雨に打たれ 駆け込んで自販機のあったかいボタンなんべんも押したね 道端には ジョイフル・コメリ・ホーマック だれにも内緒でバス停の片隅 丸太ひとつの手作りベンチこっそりと置いたね 道端には ジョイフル・コメリ・ホーマック 道端には ジョイフル・コメリ・ホーマック うんざりするほど ジョイフル・コメリ・ホーマック 行くな春よ ジョイフル・コメリ・ホーマック No one knows your mind. No one knows your mind. |
東京メロンウィーク柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | メロンウィーク メロンウィーク メロンウィーク メロンウィーク 僕のとこにも来た 東京メロンウィーク そう 君が思った通り 誰より冴えた眼差しが捉えていた よってたかってばかにされた計画 線路沿い垂れたつぼみが かたくかたく縮こまった後に 目を覚ました 秘密がやっと明るい日向に 出て大きく伸びをした今日は メロンウィーク メロンウィーク メロンウィーク メロンウィーク 僕のとこにも来た 東京メロンウィーク メロンウィーク メロンウィーク メロンウィーク メロンウィーク 僕のとこにも来た 東京メロンウィーク そう 君の信じた通り 誰にも止められなかった情熱は 山をひとつふたつ越え 昇る空も知らない限りに 自信と迷いの雲行き 容赦ない荒野 潤み淀む目だけに確かに 見えている景色の先には メロンウィーク ああ メロンウィーク 僕のとこにも来た 東京メロンウィーク メロンウィーク ああ メロンウィーク 僕のとこにも 私のとこへも来た 東京メロンウィーク 君が差し出した 東京メロンウィーク 私のとこへも来た 東京メロンウィーク 君が差し出した 東京メロンウィーク |
心の中の猫柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 田舎の山を下って 港の見える丘まで 窓の外の青空は 隠しても眩しかった ただいまとドアを開け 床たたくマシュマロが お互い気が向いた時に なついたりほころんだり 聞こえないはずなのに 聞こえた気がするような 日差しの中で声のかぎりを聞かせてほしい 猿になっても 雉になっても きっとわかるから さびしむし楽しむし 腹に乗る膝に乗る 風呂のふたに寝そべる 心の中 猫が居る 寒い足指先に さわった気がするような 光の中できみの鳴き声聞かせてほしい いつになっても 灰になっても きっとわかるから まだ枯れそうもない恋しさに返事してほしい ニャーでいいから それでいいから 返事してほしい |
すこやかさ柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 旅から帰った思い出が たのしいことばかりなら よどみなく青くすらすらと 話し続けたら イメージの中では何週間も何年間も あたためたはずのやさしさは幻 おそるおそるドアをノックする ノックすると 私が見たのは想像以上の朝 しんとした部屋をそっと行く そっと行くと 見つめ返す すこやかさ すこやかさ どう?このシャツどう? うーん どうでしょう? うーん どうだろう 低いでしょ 赤いでしょ でかいでしょ 月でしょ もってない言葉で 叫んでるイメージで 以心でしょ 伝心でしょ 努力は大事でしょ おそるおそるドアをノックする ノックすると 私が見たのは想像以上の朝 しんとした部屋をそっと行く そっと行くと 見つめ返す すこやかさ なだらかな肩 |
いい人柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | ああ 祝福は遠い 人のつぶてを踏んづけてきた 踏んづけてきた あの日のあの時のあの人の心は そこにあっただけ そこにあっただけで 気がつけばあざになっていた 気がつけばあざになっていた ありふれたあざ ありふれたあざ ありふれた朝に 私は悪い人で とびきり悪いやつで もう道は細く もう窓は重い あじさい畑の一輪も雨をあきらめて しゅんと折れていた しゅんと折れていた それに水をやる人を見た それに水をやる人を見た ああ いい人を見た ああ いい人を見た ああ いい人のした いいことを見た 見た 見た 見た 喜んだ 見た 見た 見た 焼きついた ビバ ビバ ビバ 間に合った 見た |
涙柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 今年いちばんに欲しいものは? そのつぎに欲しいものは? つぎに欲しいものは? すぐに叶えられることは? ちょっとむずかしいことは? きっと無理なことは? 君の好きな人が好き 誰かの言葉ばかり 言ってるのわからないの? 言ってるのわかってるよ 茶柱が立ってた いいことがきっとあるよ うれしい今よりも起きてもないことを信じちゃうよ ここが朝になったり 夜になったりするように そこが朝になったり 会いたい人に会ったり 寝ないでがんばってたり 目を見て言うよほんとうに 目を見て言うよほんとうに ある日坂道で考えてた さんさんと日差し浴びた このテーブルにおいでよ その日までがんばるよ 上の階のおやじさんが 今夜も月を見ている 安心して眠って 安心して なにも変わらない誕生日が 過ぎてった夏の高架 ほっとしてかけた電話 真面目くさった夜の会話 もういよいよ終わりか 踊るように外に出て 踏んだとこから星屑が 舞い上がるきらきらと あの朝昼夜どれのどの時よりも楽しく 久々に通ってみた青い青いもみの木 メリーメリークリスマスフォーユー ここが朝になったり 夜になったりするように そこが朝になったり 恋しさをこらえてたり 寝ても寝ても疲れてたり わかった全部 わかった全部って思うほど あーあ すぐに涙がでちゃう 全然泣かないあなたの前で この涙いくつくらいで その涙ひとつくらい あーあ すぐに涙がでちゃう 全然泣かないあなたの前で この涙いくつくらいで その涙ひとつくらい |
佐野岬柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 3万借りたら5万返すよ くっついてくるつむじの匂い 金なんかなくても俺なんかいなくても なんでもかんでも立派にやってる あんたにわたしの気持ちがわかれば 返事のひとつも来るでしょ年賀状 お金があってもあんたがいなくても こうして書いてる毎年やってる やっぱり来ないや7日に来ないや たましいこぼれて流れる駐車場 落ち着け今夜はまだ6日だ 今まで一度も裏切りは無いだろ 紙切れひとつで金魚をすくって も一度すくって土に返す時 ヨーグルトのスプーンを立てて ペンで名前を書いて拝んでた レジェンド レジェンド レジェンド レジェンド レジェンド レジェンド 男ばっかりの夏のお楽しみ いつも曇りで断崖絶壁 白黒してるきびしい横顔 「人生は長い」聞き流せない 食えよ喰らえよ若いんだから ここから絶対入ってくんなよ 独り占めしたけっこういい部屋 ノックひとつで飛んでくうずら レジェンド レジェンド レジェンド レジェンド レジェンド レジェンド 馬鹿と火傷に薬は塗らない お前の付き添い ヨーロッパくんだり 河を映して崩れた瞳を 抱きしめた時だけ本当だったな 父親の手が悪ふざけをして 死んだ息子の好物を配る ひとりひとつの固い固い桃 知らず知らずのタフなメッセージ レジェンド レジェンド レジェンド レジェンド レジェンド レジェンド 僕の愛情がひとまわりして そこらじゅうが喜びはじめて 喜びすぎてついやってしまった それでもうれしい誕生日が来る! レジェンド レジェンド レジェンド レジェンド |
アニマルフィーリング柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 髪をかきあげてアニマルフィーリング すべり落ちたその先に 固い意志も時にはにかむのみ そう ring そう フィーリング 露草のようにしたたるばかりに 身も蓋もない喉元の問い とぼけたふりしてたなれの果て slow quick そう フィーリング るるるるるる るるるる るるるるる ときどきそういう風に 色とりどりに るるるる るるるるる ときどきそういう風に 見殺しじゃないよ 鍵をかき集めじゃんけんぽん 負けた人と人同士で 流鏑馬したいと言いかねない slow quick そう フィーリング るるるるるる るるるる るるるるる ときどきそういう風に 色とりどりに るるるる るるるるる ときどきそういう風にフィーリング 1・2・3 で始まる笛が 1・2・3 で終わる 輪になって始まる夢が 輪になって終わる 1・2・3 で始まる笛が 1・2・3 で終わる 輪になって始まる夢が 輪になって そう フィーリング |
ラッキーカラー柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | いつも夜が遅いふたりのため喫茶店をつくろう 歩いて行けて歩いて帰れるところにつくろう 雪で止まった電車の窓に遮られ消えるためいき 今日の終わりをなぐさめる火曜定休の店を 君の悩みは聞けば聞くほど仕方がない いつか死んじゃったらどうしようって ラッキーカラーの深いイスにもたれて 黒い水をすする さっきから目が合わないね 今日のラッキーカラーの深い海にのまれて 身動きの取れないすーすーしてるくちびる 面白いことだけ好きなあなたのために ある日突然空っぽになった部屋をどうぞ 壁が倒れて急に野原の真ん中聴く強いざわめき 裸のままで寝たらしいあなたの凍えて光る腕 これは神様の捨てちゃいけない落としもの どこでそんな風に思ったっけ 淡々とした愛がわからなくなって すぐに地図を見てる いくつも灯台があるね 今日のさっきまでが急になつかしくなって 気づくなら気づくようにぶるぶるぶるしている目 なにも悟らないで なにも承知しないで かばんを開けたのや上着を羽織るのや 席を立つのも意味なんてないよ ラッキーカラー・ラ ラッキーカラー・ラ ラッキーカラーは黄色とオレンジ 急に離れることのできないふたりのために 毎日少しずつ広がる岸辺と岸辺に住み いつか橋をつくろう |
結婚しました柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | やっぱハワイより船に乗ろうよ 麦わらの影の網目 なんにも変わらないね こっちだけが休みで悪いね うちのチワワと亀と鳥は今日も明日もまたかわいいね 閉じこもってしまう部屋は無い方がいいと思う つくりもののまつげからこぼれ落ちる涙のうしろを マツダの軽で追いかける泥まみれの赤い靴 芍薬でしょうか薔薇でしょうか あの日の花火を例えるなら 今好きなことどれくらい 好きでいられるかなんて話 夢見た 夢のために今日も なにもかもやりすごせそうな気配 はじめて大きな音をたてて こだわりのテーブルを叩く よろこんで買って来た 箱の中身はちばてつや 振り返ると春夏秋冬と 気づかなくなってきた髪の毛の 色や長さに気をつけないと あっという間に謝れないまま 流れる川が ただ流れる 流れていくのをただ見て居る だますよりはだまされる方が まだいい まだいい まだいいよ 雪もあんまり降らなくなって 暮らしやすい楽な北国 明日の朝の雨降りは ふたりでは持てぬ傘が要る 絵に描いてた梅は散ってしまい 枝だけ広がる画用紙も 許せるようになった日々が お待たせと頭を掻いて 広げた手はとぼけたふりして 何もかも知りながら待っていた 離されない手をただ離さないように 離されない手をただ離さないように |
ナイスポーズRYUTist | RYUTist | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | こっち向いてよ 今から撮るから 変な顔しないで ちゃんと考えて いっつもふざけて そんなのばっかりで また今度ねって まあしょうがないかって いつからそんなむずかしくて分厚い本を読むようになったの タイミングの悪い 退屈な主人公 大して起こらない 大変な事態 西日と建物の影を縫って走ってく電車の窓際で うとうとした肩を叩かれて振り返るまばたきの中 いっせいに飛ぶ綿毛 透明な空の手 見えるもの見えないもの 全てをもう信じてしまう こんな時がきたら私はおどろいて立ち止まるはずだったのに 君の主張は 一貫してこうだ 思い出はもっと 目に焼き付けろ 私はそうは 全然思えない 憶えていられないこともあるよ あの日謝れなかったことをなんとなくうやむやに謝る アイムソーリー ソーソーリー ドンウォーリー ドンウォーリー ハユドゥーイン ハユドゥーイン テイキットイージー テイキットイージー さっきからどこか上の空つまんなそうなほっぺたつっついて 怖がらせないで そんな訳ないよ 絶対心霊写真じゃないよ 終わらないで来週の楽しみ 昨日の夢の中の不思議 いつまでも話していたい こんなこと考える日がくることをぼんやりと知っていたけど ぎりぎりで青だった横断歩道渡った君と ためらって渡らなかった私 そうだ今だ!行くぞ! 弱々しく見つめない 背中を伸ばし顎を上げて 指でつくった四角 真ん中に据えた君が思い切り地面を蹴って ジャンプして両手でピースをした ナイスポーズってだけ叫んだ ガッツポーズだけしてみせた ずっと考えてくれてたの? ナイスポーズってだけ叫んだ |
どうして柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 花だんの中で 目が覚めた ひんやりした 土のなぐさめ 足早なんて もんじゃない速さで 通り抜けてく いっせーせので 2時間後には電車にのって舞浜 夏休み最後のディズニーランド ふたりの腕と腕の間に居ると その時ばかりは自分はまるで 人の中でもかなりいい方に入ったような 喧嘩をしても出かけたい土曜日 呼び出された 11時頃 たった一度も話さないままひたすら目指す秋雨の海 ビーチボールや浮き輪を黙々と膨らます 許さないけど遊びたい たまらず海の家を駆けずり回り だけどラーメンも餃子も全く人気が無くて真ん中でにっこり どうして花を見るように あの時見てくれてたの どうして見下ろすんじゃなくて しゃがんで見てくれてたの 平和も長く続けば続けば遠く 丈夫に見える 11時頃 ぜいたく 孤独 ほつれを望む 滅多なことをしてみないように 解決するには二人では途方もなく 面倒なことがありすぎて 猫を飼うと言い出した時は 私はどたばた転げ回って 反対 猫を飼うのは絶対止めた方がいい いつもの調子で待ち合わせた 知らない店 11時頃 ふたつ並んだ貝の耳飾り つるつるの服 ぴかぴかの靴 謎の雰囲気担当大臣 私 いくらでもふざけてみせますよ もじもじしててうれしそうなだけ 大事なこと言ってくれないのも 承知しましたこちらも何も聞かず どうしてあの店つぶれないんだろね 人の居る気配もないのに どうして何度もかけてるのに 市役所つながらないんだろうね ふたりはすでに仕事に出かけ シーツの皺名付ける 歯ミガキそこに いつものとこに 青い方がちょっと甘いよ エアコン消して テレビも消して またね 星 チャオ 星 星 ハート どうしてひとりにしてくれるの 私は泥棒かもしれないのに どうしてなにもかものふたを そのつど閉めてないの 気まぐれなんて一度も無くて 必ず守る約束通り だらしなくなくて生真面目で立派 綺麗な部屋に差す薄西日 |
友達柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 絵が描ける友達がいれば 暇してる友達がいれば 会えないのに懐かしくない友達がいれば ひがんでる友達がいれば 血まみれの友達がいれば 誰かのことばかりしてる友達がいれば 心配ごとは何にも本当にならないよ 君が友達でなんだかとっても得してる ふたつの胸の間にある若い悩ましさに 飛び込む 尻込みするより 飛び込む方を選ぶ いつか思い付きそう からまる紐がするするとほどけていく答えを 君がそうなりそうに見えなくもない そう思えなくもない 君が友達だって 私は自慢している聞こえないくらいで 呼べばすぐに来てくれなくもない そう思えなくもない どこかのだれかがうらやんで齧った 爪の先に祈りを 言ってることの半分も分からなくても それは特別な問題じゃない ふたりが親しくしていること以外 それは特別な問題じゃない ふたりが親しくしていること以外 空も飛べそうなのにね 何か悩んでる仕草 何を悩んでいるのさ 君は大変そうに見えなくもない そう思えなくもない 君が友達だって 私は自慢している聞こえないくらいで 呼べばすぐに来てくれなくもない そう思えなくもない |
いやな日柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 出来れば山小屋で会いたい こんな建物じゃなくて 普段着ないもこもこの 寒い日用の服着て 今日は約束もなくて 特に目標もなくて 終わればラッキーなくらいの ことがふたつあるだけ 握った手の中にコーヒー 小さくて安い 山の中なら 森の中なら ああ さらにもっとうまい なんと興味深い 奥深さなら 負けないのでは 君とは山小屋で会いたい |
変な島柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 変な島 変な島 変なところに島 変な島 変な島 変なところに島 どうしてそんなとこにひとりで 見つけてもらうの待ってたら 見つけてくれた 森の影 森の影 森の影に枇杷 森の影 森の影 森の影に枇杷 どうしてそんなとこにひとりで 見つけてもらうの待ってたら 見つけてくれた 袖の中 袖の中 袖の中にひよこ 袖の中 袖の中 袖の中にひよこ どうしてそんなとこにひとりで 見つけてもらうの待ってたら 見つけてくれた 見つけてくれた 見つけてくれた |
雑感柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | だんだんと消える霧の中を走って行く この調子なら明日には静岡くらいには着くはず 私ほど運転が上手い人もなかなかいないです 車よりバイクの方がぜったい速いときがあります どこにだってあるものでもこことそこじゃちがうので ここにないからどこかにあると思って来ただけです 毎日のせいで涙を流す暇もないだけです 片目で歩いているのを偉いって言われるのも妙です 霧の中をありえないような速さで行く 考え抜いた末にしたことで恨まれて愛される 積み木を崩さないように見ていないとこで押さえている ように見せかけていつだって離せるのは私です 揺れながらあたたかい朝を待っているだけです あなたなんかにはきっと一生分かるはずない夢です 染みついたものばかり抱き寄せて眠らせている ずっと勇気になって私のとこに住んでるだけです どこのあたりにキスをしたらよろこんでくれる それはそういう野原に出た時のためとっておく トイレの鏡に映る私は私を焚きつける 諦めない顔と目つきは格好良くてしびれる 車はぜったい羽根や自由ではないです エンジンかければ誰でも動かせる危ない 手招きをされてもまなざしをくれたって行かないです 私には私にしか分からないことがあるんです 頼りにしていた人が死んで途方に暮れている この羊の前でどんな私でも羊は羊です この頃は暇なのでこれまでの分まで黙ってます ここは夢の中だから何をしてみたっていいんです いつもの扉を開けて私はどこへでも行く 続いてはさらなるあたたかい夢のなかほどを行く 毎日のせいで涙を見落としているはずだから さあ今ならいくらでもやってみて全部受け止める 霧が晴れたら紺色の空に点々と星粒 給料から年金が天引かれて心底腹が立つ 腹が立つ自分でも驚くくらい うーん、腹が立つ 行けるようになったから行きたいとこに来てみただけです 来てみただけです 来てみただけです |
むぎゃむぎゃ花田ゆういちろう、小野あつこ | 花田ゆういちろう、小野あつこ | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | ぶらんこしよう ぶらんこ せーのっせーで はしりだす でもやっぱり やっぱり やーめた どんぐろ おちばを どうぞ やっぱりかえして おねがい しゃぼんだま してるのはだれ むーぎゃ むぎゃむぎゃ こころが むぎゃむぎゃ どうしてこんなに むぎゃむぎゃ あのこも そうなのかな おにぎりたべて すべりだい ひとりで かけっこ かげふみ ちらっと あのこのほうをみる なにしてるのかな ぎゅーわ ぎゅわぎゅわ こころが ぎゅわぎゅわ どうしてこんなに ぎゅわぎゅわ いつか わかるのかな やっぱり ぶらんこしようって とおくから あのこがよんでる |
サイレント・ホーリー・マッドネス・オールナイト柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | やることはやるだけやったからもう待つのはやめて ケーキもチキンも2人分食べちゃおう 織姫彦星 アダムとイブ どこかしこもややこしい 引きよせた毛布の中漏れた「あー、よかった!現代で」 オールタイムロンリーなど無いと分かっているけれど ろうばい ろうばい ろうばいしてるこのサイレントホーリーナイト 労働、耐久戦のようなどこにでもあることを オールナイト オールナイト オールナイト オールナイト 悩んでる 飾るものが無いから さるぼぼとサングラス 飾る木だってガジュマル 風水としては論外 ただよろこぶ顔が見たい 持て余すような時が無い時は無いだけ無いのに今夜ときたら 山登り 川下り 例えばそんな上がり下がり 良き友で 良き夢で 良き悲しみでもあり 祈る神は土日祝は休み 熱は計らずにおでこに手を当て横たわる 月曜の朝9時を待つ オールライト、オッケー、大丈夫だよこんな時はいつも ローラーローラースケートで駆け抜けるオンリーナウマイロード緑道 おや だれかの忘れた三輪車の影から おや おや おや おや 何が覗いてんのかな 論理 論理 論理ばかりで冷静にならないで そんな そんな そんなに怒らないで どっちもして そして オールタイムロンリーなど無いと分かっているけれど オールナイト オールナイト オールナイト オールナイト 悩んでる ホームアローン見よう ホームアローン見よう ホームアローンを見よう そんで寝ちゃおう そんで寝ちゃおう そんで寝ちゃおう ホームアローン見よう ホームアローン見よう ホームアローンを見よう そんで寝ちゃおう そんで寝ちゃおう そんで寝ちゃおう |
ジャケット柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | ジャケット 最高のジャケット ジャケット ジャケット 最高のジャケット ジャケット 銀河から落っこちてみたとばかり気取って揺れている 木が刺さったとこから見える真っ暗闇が誘ってくる 完全な姿で著しく欠けているのにお澄まし顔 君は君の魅力のたった1%すら分かっていない 風はずっと向かい風 寸前にちょっとつむじ風 握った手の中のどんぐり すべすべできらきらしてる ジャケット 最高のジャケット ジャケット ジャケット 最高のジャケット ジャケット ポケットはすごく小さい 何を入れたらちょうどいい 洗ってまた使うなんていったいどこの言葉ですかあ? 思い浮かべるあなたはいざという時もお澄まし顔 今こそ暑さ寒さ恥ずかしさ痛々しさひとりじめ 日も短くなってきた ステンドグラス粉々 さくらんぼの皮でくるんだ 石ころがちらちらしてる ジャケット 最高のジャケット ジャケット ジャケット 最高のジャケット ジャケット ポケット 線だけのポケット ポケット ポケット 線だけのポケット ジャケット |
n,d,n,n,n柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 目の覚めるままに起きてみてるの この頃 鍵かけないまま出てくあの人困るの そろそろ 流れる雲 見上げてから横断歩道を渡る すぐ赤になる 4月の約束 小走り まだ守れるはず ここがどこだか 2時間かかって遠かった 今日もお仕事 パチンコ行かないでえらいでしょ くすんだ黒のこの夜の向こうにあふれる 太陽ではないあかりが 画用紙に切る小さい穴から 夜景や夜空になって漏れ出す そこがいつかは大人気の街になるんだって 今日もお仕事 パチンコ行かないでえらいでしょ |
24秒柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 止まれよ ああ止まれよ これ以上前に運ばないで 車だってそうしたくってしてはいないって 頭でわかってたって でもすでにある楽しみは突然の悲しみを またいで飛んで 肩をなでて 「そこを右に」勝手に指を指す ただ時計の針を泣いて見つめるだけじゃ 止まらないよ時は ただ去っていくだけ 知って知って知ってばかりなんて あまりにも遠いとこのおはなし 祭りだ でっかい祭りだ 待ちに待っていた今日だ 心よいいよ 失くしていいよ 元気も勇気もやる気もなにもかも 願いはそこらじゅうで 祈りはもう十分足りてる 世界はきっと泣いてくれてるはず 私が家に帰って突っ伏すまで ただ時計の針を泣いて見つめるだけじゃ 止まらないよ時は ただ去っていくだけ 止まることを責めてもくれないなんて あまりにもひどいおとぎばなし 点と点のあいだに金の糸 たとえばあの人の生まれた日と今日を足したら 24になったってきれいに導かれても うすれて かすれて 忘れていくようで 見えなくても消えない電気のひもにみえて ひっぱってみたってつながっていなくって どうしてここでこんなに 24秒を数えても 時計の針が進んでいくだけ 無邪気に袖を引っぱる毎日に ついていきそうになる私よ もうちょっと待って もう少し待って 24秒だけ数えて もうちょっと待って もう少し待って 24秒だけ数えて もうちょっと待って もう少し待って 24秒だけ数えて もうちょっと待って もう少し待って 24秒だけ数えて |
ぼちぼち銀河柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | ぱらぱらぱらと鳴り出した拍手に 連なる熱のお下がり 伸ばす手は当たっちゃうガラス張り ここはまさか銀河 ララルラ ゴールデンレコードの中では 意気投合に散々あったじゃない 話し合いに化かし合いに 大笑いに泣き 反対に賛成も 耳元で怒鳴ってよもう一度 なんのこれしきもあえなく空振り なすすべなくはなればなれ 引き寄せ合うひかりもなつかしい 星真似の夢 ぼちぼち行こうかねって吐いた息の白さも消え 遠い記憶のせいでちと引きずるね ぼちぼち行こうかねって声も響かない 体の中の真っ暗闇のカーテン開ければ いっぺんは親に見せてやりたい光景 かんかんかん鍋ぶっ叩いても吸い込む蛇腹 扇風機に嘆き ああ 言った覚えのないバイバイさよなら 旅立ちまで321数えてくれる人がいないなら 数えてあげたい 気持ち分かる だんだん身を切る寂しさと見間違う寒さ びりっと破ってきたは漫画4コマ 凪いだ海に浮かぶラッコたち 引き寄せあったはじまりの頃も色だけの夢 ぼちぼち行こかねって思い直しても指が動く いい思い出のせいでやっぱ引きずるね ぼちぼち行こうかねーっ 伝わるとしたら 声になる前の息になる前の こっちに吹いてこようと そよぐ風をひるがえそうと待っていた花びら になる前に吸った水も知るには知るも ためらいもなく別れ別れ別れ また別れたことさえまだ遠い 引き寄せ合せあうひかりもなつかしい 星真似の末 ぼちぼち行こうかねって思い出し笑い おかげさんで万年光年 お隣さんとすれ違うまで ぼちぼち行こかねーっ |
夕日柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 大人子どもおじいちゃんおばあちゃん孫 なにもかも渡って行く道路 思わぬとこに猿の置物 へー、みゆきも住んでたんだ こんなとこで出来るのお勉強 酸素炭素水素窒素空虚 知る人ぞ知る歯医者の窓 へー、なおみも住んでたんだ どこで適当に聴いても泣けてた曲 レコード買って聴いてそうじゃなくても宝物 疲れたからお茶でもどう? お酒でもぜひどうぞどうぞ そのついでに夢を話すと 海も川も土も全部欲しいよう 奥が想像できない顔だけみたいなマンション へー、ここにきょうこも住んでたんだ 夕日のこと話したいけど 話すことが無いの不思議と こんなところに住んだらベランダで告白しよう へー、ここにあゆみも住んでたんだ |
南国調絨毯柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | ただしく眠るしか能が無かったかのような ついこの間のようなはるか昔があったなら もうこの先はずいぶんつまんないことが 増えたように見えるかな 軽く砂山を蹴った 親指にバッタ 肩にとまった後に黙ってしんとした いつかこうなるの誰が知ってた いつまでも敷いた冬の絨毯の 柄はユートピア とんがったくちばしが並んだ 飛んでったつもりが飛び立たれた ドアの外には砂ぼこりと雪が ひざまずくらくだ 凍りつく甲羅 いつまでも一緒にいるのも心細くなるでしょ いつまでも一緒に いくらでも一緒にいるのに心細くなってても いくらでも一緒に 自分の心も自分でわからないやって水溜りを踏んで 人の心は耳かきついでに聴いたってわかるのになって 見渡せば見渡すほど砂 誰か迎えに来てくれないかな なんてことはないよねらくださん ここには何が入ってるのかな 期待はすればするほど無駄 憧れの見向きもされなかった絨毯の 柄はユートピア どしんどしんと音がした 風か象だか 天井から落ちた埃が冬芽のようで いいもののように眺めた こうなると知ってた ひからびた相談 きりのない紅茶 |
旅行柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 飛び跳ねようね防波堤の上で ぎりぎりになってぎょっとしてほっとしようね 肩組み合って割れる波を見ようね どっちかがどっちか落っことそうとしてみたりね 長く感じるな道 道 道 さっきのは嘘 嘘だったんだってば 帰りたいでしょ だけど帰れないんだよ うっすら気づいてるけど それでも来たでしょ 話したいこと話そう 思いつくまま話そう 全部話せなくても良いし どっちかがさらけ出したらどっちかがさっと冷めて そうしたら戸惑いからだんだんと勇気になって どっちかはちゃんと食べてどっちかはそうでもなくて そうしたらやっぱここはだんだんとトマトジュース 怪しい門をくぐるくらいならいっそ 引き止めたいけどようやくのってきてるよ散歩 どこまで歩くの暗い中をずっと とりあえず前に足を出していたらいいよ 見て!「世界はーつ」だって!なんで? 違うよ!「はーつ」じゃなくて 「世界は一つ」だよ できることなら転げまわりたいかも よろこびにまかせて 終わりがあるなら 次もあるけどそうも思えないような 浮き輪で浮いていても戦々恐々なんだよ 観光地の手すり 売店 着ぐるみ 旅館で聴くサンバ ボサノヴァ 一瞬だけ月 星を見上げないで コンビニの前で 暇だったって怒って こんなとこに来てまで 帰らないなら帰らないままでも 言い訳もできそうなずっとひどい雨 恐くなったらくっついて名前呼び合おう うるさくて夢も覚めそうな夢を見ているのに気付いた? 気付いた? 今は牧場を走っているのに気付いた? 気付いた? |
MSG柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 開けたらそこは夢よりも夢のただなか 公園で遭難した次の日は次の日は 恐竜を見た 干からびた骨のあとかた 例年になく雪の無い冬だった 冬だった ゆるい弧を描く 吸い込まれる運命の上をすべる 涼しくがんばるチワワ ナイスバランス! ここへきたなら絶対ペプシは飲まねば いくらでも払いますわ 9ドルでもよろこんで 長いマフラー好みじゃ無いけど巻いてきた 寒い寒い気を付けろって散々うるさく聞いてたからさ 熱を帯びたら そっけないふりも飽き飽きで 思わず溢れた真っ白なハッハー&ワーウ 組んだ指 コートの中の肩 脚も溶けた あたま揺らせば 目の中プールが波立って あと何回分のまばたきが残っている 確かめてみる まだそこにあるのかを 何十年なんて短いなと呟く 遠くて遠くてわからなかった夕暮れが目の前 地下鉄の乗り継ぎ怖くて小走り ストライキで遠巻きに見る女神 あまりにも風が強くって可笑しい さっきまでの不機嫌忘れて可笑しい 待ってました!君の出番が来た 立ち上がればそこかしこが敵も味方 あーおしゃれだー 息の根が止まるような たった一回首を振ったくらいのあいだに |
ようこそ柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | ようこそ よく来たねここへ 岩だのなんだの乗り越え 周りの反対も押し切って 高速も通ってなくて電車も週に1本2本 ロイホにもスシローにも一苦労 スナックは街にひとつ ひとりぼっちのふりしてたけれど そんなことはただの一度もなかったんだけど ようこそ!言ってみたかったんだ今日こそ ようこそ!言ってみたかったんだ今日こそ ようこそ 早く入りなよ家に 風呂場のシャンプーリンスどれでも 冷蔵庫の中こっち麦茶 こっちそば茶まぎらわしい色 毛虫がたまに降ってくるけど 悪さしないからよけといて 言ってなかったけどこちら 一緒に暮らしている人 ひとりぼっちのふりしてたけれど そんなことはただの一度もなかったんだけど ようこそ!言ってみたかったんだ今日こそ ようこそ!やってみたかったんだ今日こそ ようこそ!言ってみたかったんだ今日こそ ようこそ!やってみたかったんだ今日こそ ようこそ |
オーロラRYUTist | RYUTist | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 見えるかなオーロラ バス来ないな なかなか はあー ってため息もるんるんらんらーん ぱんぱんになったかばん 何が入ってるの? いっぱいいっぱいいっぱい あの日の約束をちゃんと覚えてる みんなそろって現地集合 かならず安全に来ること そろそろそっちの方も向かってる頃かな わたしたちももうすぐ! 見えるかなオーロラ 人もまばらな街角 じっと眠るカラス 止まったり進んだり おそるおそるじぐざぐに走った 見えるかなオーロラ 四方八方真っ白 凍りつく世界 あーなめてたアラスカ がたがたがた 揺れる車内 手を離さないように 引っ張りあい いたいいたいいたい! 知らない風景に不安になってきても 音も無くしんしんと降る雪の中を行くと 自然と勇気が出る 自信にだって変身していくリズム 見えるかなオーロラ 寒ければ寒いほど澄んで広がる空 出会えるかどうかは 五分五分のチャンスってとこが面白いでしょ なにかが聴こえた かみなりのような 想像よりかは インダストリアルな そのあと光った カーテンのすそが ひるがえって頭の上に降りてくる あれがオーロラ ここまでのことぜんぶぜんぶ忘れちゃったな ずっと見上げていた 目を合わさないまま囁く 「すごーい……」「さむーい……」 そうだ! そういえばハッピーバースデー! 会えなかった分まで かばんいっぱいのプレゼントをきみに そういえばハッピーニューイヤー! 会えなかった分まで いつ喜んでも同じくらいうれしいでしょ そういえばハッピーバースデー! 会えなかった分まで かばんいっぱいのプレゼントをきみに そういえばハッピーニューイヤー! 会えなかった分まで いつ喜んでも同じくらいうれしいでしょ |
どこへも行かないで柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | 眠らずじっと天井を見ている こぼれるはがれるそういうものを いたいこわいこっちはついに分からない ひとつひとつばらばらになっていくのを どれだけすごいか追いつかないかってのが どんなかたちにも変わらないように 絶対ちがうけどよく似てる布で くるんで抱きしめて どこへも行かないで どこへも行かないで どこへも行かないで どこへも行かないで 洗面所の鏡ごしに見てくる 分かるはずないのに分かりたい衝動 足を取られた深い雪の中を 振り返ってくれるけどそっちこそ どれだけかわいいかやさしいかってのが どんなかたちにも変わらないように 絶対ちがうけどよく似てる風景だって 隙間にはまる どこへも行かないで どこへも行かないで どこへも行かないで どこへも行かないで もがきもせずあらがいもせず 見せてくれたようにやれるかどうか 失くすたびにくれるものを ちゃんと持っていられるかどうか どこへも行かないで 絶対ちがうけどよく似てる どこへも行かないで 絶対ちがうけどよく似てる言葉 どこへも行かないで どこへも行かないで どこへも行かないで どこへも行かないで どこへも行かないで どこへも行かないで |
Synergy柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子・岡田拓郎 | ねずみ色の羊雲に染み込み 日増しに澄み渡り潤むオレンジ まだまだ良くなりそうなシナジー どこでどう巡り合い 同じ季節に寄り添って どこでどう分かれてくのか出口は 山道 葉っぱを ふみふみ 焚き火を 囲んで 月並みなものを放り込んで焼いて 火の前ではちょっと霊感の感度も過ぎて振り切れる 煙の 前でこうして いるから ピンときた いっしょに会社起こしてオフィス構えようか 悲観に楽観に展望にバカンスも 信じているだけで 怖くなくなるおまじない 蛇くらいしか避けられない 2歩戻って5歩すすむ秋 ねずみ色の羊雲に染み込み 日差しになり代わり馴染むオレンジ まだまだ良くなりそうなシナジー どこでどう託し合い 同じ景色に飛び乗って どこでどう捧げ合うのか持ち物 あっという間に死んでしまうし 始めよう いろいろ首かしげる前に 始めよう 信じているだけで 怖くなくなる思いつき 信じているだけの 柱に細い松の木 信じているだけじゃ って日の迫る静かな息 やりすごしても乗り越えても 自然と明けてしまう夜 ねずみ色の羊雲に染み込み 東に透き通りたなびくオレンジ まだまだ良くなりそうなシナジー どこでどうこぼし合い 同じ地面に広がって どこでどう乾いていくのか期待は |
白い椅子柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子・岡田拓郎 | もたれる背もない 青い壁までもやや遠い かわるがわる人が来る白い椅子 一度ひやかす膝の骨を それから風をはらう うるさそうに動く右左に手首が 建物の壁の途中 たまたまくぼんでいる そこに置いて座られる 日に焼けて白い椅子 「栞のようですね。影が」 ひさびさの柔らかさが 嘘か冗談に聴こえて面倒で無言 もたれる背もない 青い壁までもやや遠い かわるがわる人が来る白い椅子 一度ひやかす膝の骨を それから風をはらう うるさそうに動く右左に手首が ひとつだけ短い脚 揺れたらがたつくのを 左に傾いたままみおつくし 凪のようなしけのような お天気はどれも物悲しい それを情緒と思い込み安心して無言 伏し目の半円弧を突き刺し 大げさにトラックを回す 花屋のお決まりのあいさつに 動かないまつげの先 足を組み指を噛む理由を気にして 言わずに分かってくれる人が好きで無言 もたれる背もない 青い壁までもやや遠い かわるがわる人が来る白い椅子 一度ひやかす膝の骨を それから風をはらう うるさそうに動く右左に手首が もたれる背もない 青い壁までもやや遠い かわるがわる人が来る白い椅子 一度ひやかす膝の骨を それから風をはらう うるさそうに動く右左に手首が |
素直柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子・岡田拓郎 | 『ある日から 君の目は空に開き 視線は日差しとして注ぎ』 ふっと出た決まりに座りこみ すがり 『子どもらしくね 簡単ですぐ人にわかる よろこびの言葉でいてね』 不安でほほえみかける どんな口ぶりで どんな音で 話していたのかなんて自分では忘れる すりかわっていく ああだったとか こうだったとか そうだったっけ?そうだったって話せないのを 受け入れられないでいる その声で言ってくれないと わからなくなりそうになる その声で言ってくれないと わからなくなりそうになる たった一度歌ってくれた あの映画の主題歌は その声でなくちゃ古びて聴くに耐えなくて 恥ずかしさや悲しさは その耳が聴いてくれないと 恥ずかしくも悲しくもなく 君はとっておきの鉛の服 水底で眠り続けるための口実 君は待ちかねた暑さの夏 台風の来た夜 昔に戻って この先を全部知ってしまっていたとして さあ出会うか出会わないか 勝手に決めた 今聴いたのかどうか 君の目が閉じていく わからなくなる 空ばかりになる どうか 君の目が閉じていく わからなくなる 空ばかりになる どうか 君の目が閉じていく わからなくなる 空ばかりになる |
Side Step柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子・岡田拓郎 | Side Step…… Side Step…… でかい穴は期待され覗き込まれている きっと何かがあるはず 潜んでいるはず 予想や想像を捨てて 周りを回り続けてみて ステップをひらめく 褒め言葉を探しながら嫉妬 フレッシュなステップ 砂を蹴るステップ 瞬間のステップ 曇りないすごい明快な数回のステップ 遠心力にまかれて 有意義も無意味もふらふら Side Step…… Side Step…… 全員足元仕組まれたみたい おくれてひらくのは痛い おそろいでこの幅くらい 気合い さりげない Side Step…… Side Step…… 回りませんか? 粒のひとつとして 回りませんか? ステップのひとつとして 回る力で私は溶けてしまったとして 今しかないっていうことにしてへりを回り Side Step…… Side Step…… |
Your Favorite Things柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子・岡田拓郎・香田悠真 | 息も詰まる夏 天井まで届きそうな背 目の耳のおかしくなる できそうでできないダンス できそうでできないウェーブ これはなんの香り 長い白い中指 きみの好きなロックンロールを ひとりで見ているよ 瞳と瞳に映る星が同じだった頃を だめもとで思い出す 瞳と瞳のあいだに トンネルがありますように 今は好きじゃないとしても 東に流れる雲を眺めながら バスに乗って山のふもとまで行くこと Your Favorite 誰からの誘いがあっても 忙しい恋人となんとしても過ごす週末 Your Favorite どうしても心が踊る細さやうるささが 先生になってしまったら ドアから出て公園へ わたしの人生で夜更けと網タイツといえば きみだけじゅうぶん おおげさでなく きみの好きなロックンロールを ひとりで見ているよ 瞳と瞳に映る星が同じだった頃を だめもとで思い出す 瞳と瞳のあいだに トンネルがありますように この景色をそのまま さかさまに映し出すような 集めて写し取るような 気のせいと素通りされても まあいいかとも思える きみの好きなロックンロールを ひとりで見ているよ 今は好きじゃないなんてこと とても考えにくい |
Reebok柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子・岡田拓郎 | こうしてるのもよして ラテでも買いに出ようよ 投げ出した右足で空中に描く丸 着替えない服を見てもう何日だろう いまにも雨が降りそう むこうの空もにび色 この部屋を見渡しても 傘以外しかない のけぞって笑う かわいた喉がせきこむ 背中から巻きついて かたにあごを置いて 犬のまねをしたら泣き出した 信号が変わったら かんたんに腕をほどいて 踊るように雨のなかを 光も影も連れずはじけ飛んで きみが笑えば笑うような つまらないわたしで居させて 思ったよりも降るね びしょ濡れのパーカー冷たい 雷で聴こえない 氷を口に転がして いい匂い なんの木? 割れた香水瓶 染みないの?その白のReebok そこそこ濡れてて不快 犬をなでてたら泣き出した いいかげんに買ったひとつの傘に寄り添い そんな必要もないほど つよく抱きついてくすぐる どこに行こうか? きみの行くところに行くような つまらないわたしで居させて |
Kizaki Lake柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子・岡田拓郎 | Please ジジッ 鳴き切る蝉 ピピッ くろつぐみ リリッ 軽々秋 リリリリリリリリ ンー? ききかえす靄に 木々ひそひそ話 キキッ ストップしてリンリンリン鳴らす羽根 サップがうねる木立のスリットで場面になる オールがみずうみの金型の中を均して 亀が岩に一列に わずかな波が苔立つ墨の匂いを吹きかけ 延々けぶる桟橋 崩れそうに落ちそうになると 無邪気を混ぜて飛ぶ青トンボ ここからだとせわしないプレパラート 近づけば爪が欠けるロンズデーライト ヒヒッ 小生意気 ジジッ 落ちる花火 きりなく遊び 散り散りになるこどもたち Sleep しじまの肩に ギギッ もたれかかり しじま広がり ピーピーピーと耳鳴り 揺らしてかき混ぜて波立たせてふざける 鏡のしごとも鏡に任せて 山を降りて水面に組み上がり 来たところよりは暗いコピー 首を倒す伸びてきもちがいい 夜明けからひらいたDecalcomanie ジジッ 鳴き切る蝉 ピピッ くろつぐみ リリッ 軽々秋 リリリリリリリリ ンー? ききかえす靄に 木々ひそひそ話 キキッ ストップしてリンリンリン鳴らす羽根 |
うつむき柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子・岡田拓郎 | 帽子の厚い毛で隠れたうつむく横顔 画面いっぱいに映る眉毛から唇の下まで 踏みしめる雪の音だけつぎからつぎへと 吐く息が前を邪魔する 自分のものじゃないみたいに 考え事は浮かんでは消えていく 丸めて放り投げて 振り返るのも寒い 途切れなくしんしんと降りてくる綿の中を行く あの壁にタッチして帰り道になるまで うつむきながらでもふしぎに歩いている うつむきながらでもふしぎに歩いている 奥行きもなく一色に閉じ込められてる 空で眠る雲 飛び乗れるほど硬いか 指で描き分けられるほどか 年々どんどんきれいになる 寝転がって見た星の気ままな散らばり 私も知らないくらい 知ることもないくらい 自転車に乗りたい 理由があるのは重々承知でも 勘弁してよねじいちゃんばあちゃん 勝手に想うのを先回りで想ってくれよ いつのまにかけもの道 知った角で行き止まり いつかはどこかに出るし ひとしきり右左 人気ないのに灯る明かり 秘密の近道はない 考え事は 溶けるまでこらえきれずに消えていく 舐めて飲み込んで 振り返るのも寒い 途切れなくしんしんと降りてくる綿の中を行く あの壁にタッチして帰り道になるまで うつむきながらでもふしぎに歩いている うつむきながらでもふしぎに歩いている |
目の下柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子・岡田拓郎 | 何も無いけどここへ 外の空気を吸いに どうということもないよくあるお出かけ 影、雲、木の幹、傘、あたる雨の粒、数 大きいだけでときめき 交わす言葉はひとつだけでも 枝葉をつけては伸びて そうだったら、そうかも、そうでありますように 声、足音、衣ずれ、冷蔵庫の開け閉め 大きいだけで怖い 目の下にくすんだ赤、黒、乾いた白 拭うのもちょっとためらわれるくらい 話す素振りもない 持っておけないのに離しがたい ひとり噛み締める落ち着かなさのにぶい色 ひとり噛み締めたい楽しさを守るにぶい色 ひとり噛み締めることだけに似合うにぶい色 涙の出るほど花や陽がきれい こんなことあるんだね、本当にきれい いきなり飛び立ち戻らない鳩の群 そろそろ閉店の駐車場を出て もうすこし遠回り 花屋の旗たおれてそれきり 月の目だけでは飽き足らない 手に余る目を欲しがる空騒ぎ 目の下にくすんだ赤、黒、乾いた白 拭うのもちょっとためらわれるくらい 歪む呼吸もない口元を通って下へ下へ 流れて落ちるだけで長い長い手紙のよう 直す余地もない襟を 直すふりも空々しい 拭うのをずっとためらって 目の下にくすんだ赤、黒、乾いた白 ひとり噛み締めたい楽しみを守るにぶい色 |
Movie Light柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子・岡田拓郎・香田悠真 | Hey なんだか変だよ 予告はまるく白い光のエンドロール キャラメルを塗って舐める本の端 紙の味の甘さにめくるのがとまらない指 波打つ絨毯のふくらみで 沿ってゆがんで澄ます脚の影 ここからなにが起こるんだろう? となりからひらひらみみうちが 「ずっとずっとこうだよ」 映し出される人がまどう 灯ってるMovie Light ラブラドールの波にこのまま眠ってしまいそう ハプニング 逃げよう 早く凪の瀬へ さきみだれる花のよう 風のうずまくホール 今日は何かが変だな ふきだまるうれしい日 かかげられるかなしい日 Hey おとなしいムーブメント つぎつぎ消える腕 笑い合う声を残して ひとつずつ電源を切る 足の耳の指の腹の胸のおでこの どうしたの?こんな怖いところからは わけもなく立ち去らなくちゃ あたたかい 安らかでうそみたい 「きみだけなら連れだせる」 みみうちににらむでもなくまばたく 暗くなったからだに 残ってるCurly Eyes まるまり反射に身を乗り出している 遮り 応える 灯ってるMovie Light そこまでどれくらい 跳ね返ってくるまで待つしかないあいだに へそまげるうれしい日 つぼみ咲くかなしい日 変じゃなかった日はなかった 窓閉ざすうれしい日 飴を撒くかなしい日 |
WOOT!RYUTist | RYUTist | 柴田聡子 | 柴田聡子 | | ぎらぎらしてるひとみ うずうずしてるAlWAYS やってやるぜ 響く鼓動がみちびく はやし立てるステージへ ぎらぎらしてるのって それもそれでいいね よっしゃのったきみの燃える夢 こっちゃ生まれながら抱きこんだ夢 親愛なるみなさま 目かっぴろげて見ろ~ わたしたちはいまたのしいの! (WOOT!WOOT!WOOT!WOOT!) みくびらないでこのPASSION 止められないのもうこれ以上 無我夢中で気の向くままの高鳴りで (WOOT!WOOT!WOOT!WOOT!) 予言は神様でも NO NO わたしたちが決めるのきっと YEAH! 行こう 行こう KEEP ON! たがを外せよここで あるようでないもんさ 波風立てろ 起こせHAPPENING 騒げAUDIENCE わめけFANFARE 顔に出ちゃってたいへん どきどきしてるちょっと でもそれがなんだ うるさい声もひそひそ声も かき消して SINGING DANCING 運命のみなさま まわりはじめてますよ~ わたしたちといま浮かれなきゃ! どうすんの! 見てるばかりのあなただって とおりすがりのあなただって 無理無理踊り出さないのは それは無理 (WOOT!WOOT!WOOT!WOOT!) 予定は後回しでどうぞ 魂燃やさない理由なんか I DON'T KNOW NEVER KNOW I DON'T WANNA KNOW! (WOOT!WOOT!WOOT!WOOT!) 行こうよ! もっと行ってみようよ このくらいなんてことないなんてことわかってるよね? (WOOT!WOOT!WOOT!WOOT!) 行こうよ! もっともっと行こうよ このくらいなんてことないなんてことわかってるよね? WOOT! (WOOT!WOOT!WOOT!WOOT!WOOT!WOOT!) ARE YOU READY? YOU READY? YOU READY? YOU READY? (WOOT!WOOT!WOOT!WOOT!WOOT!WOOT!) I'M READY! I'M READY! I'M READY! I'M READY! (WOOT!WOOT!WOOT!WOOT!WOOT!WOOT!) IT'S THE TIME! IT'S THE TIME! IT'S THE TIME! IT'S THE TIME! 言えないままじゃ居られないこのきもちは叫んじゃえ WOOT!WOOT!WOOT! 海岸線をぶっとばして だれもかれもをかっさらって 巻き込まれたらHAPPYだって保証する (WOOT!WOOT!WOOT!WOOT!) 不安も心配も迷いも 持ったままで笑おう跳ねよう 行こう 行こう 行こう KEEP ON! (WOOT!WOOT!WOOT!WOOT!) 行こうよ! 行こう!行こうよ! このくらいなんてことないなんてことわかってるよね? (WOOT!WOOT!WOOT!WOOT!) 行こうよ! 行こう!行こうよ! このくらいなんてことないなんてことわかってるよね? (WOOT!WOOT!WOOT!WOOT!) |
Passing柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子 | 柴田聡子・岡田拓郎 | 長い長い渋滞の静けさに雨 見つけてほしいから探すように 光ってる高速の出口 泣くのこらえながら 思ったよりもはやく大人になる とっさのひらめき握りしめた手のひら たまにひらいてみる 「ここ2ヶ月いそがしいの?指が痩せるほど」 見抜いていたきみの前ではとくにしぶとくいたくて とりどりの花が一気に開く蒸し暑い朝まで 眠れないとしても夜毎窓に耳をあて 聴こえるままさえずる たのしそうに溢れる人混みに押されて 彩られていく目が見慣れないほうばかり向く つんのめったところに石ではなく手が待つ 運命かどうか 地面を這ってつかむ ビルにのぼれば 野原のように平らな丘 ぜいたくした 自分をなぐさめるために買った果物 青空の下であたらしいシャツの封を切るときめき 目を閉じ吸い込む布のにおい 恋がしたい |