夜霧の砂丘遠くの沖で 汽笛が咽(むせ)ぶ 夜霧が青い この儘(まま)で この儘で どうなることかしら あなたは愛しているかしら わたしを想うているかしら ああ 今宵も霧が降る 沁々(しみじみ)淋し 砂丘は白く かなしく悩むおんなの胸か この儘で この儘で どうなることかしら あなたは愛しているかしら わたしに帰ってくるかしら ああ 今宵も波が泣く 黒髪佗し | 平野愛子 | 佐伯孝夫 | 佐々木俊一 | 松井八郎 | 遠くの沖で 汽笛が咽(むせ)ぶ 夜霧が青い この儘(まま)で この儘で どうなることかしら あなたは愛しているかしら わたしを想うているかしら ああ 今宵も霧が降る 沁々(しみじみ)淋し 砂丘は白く かなしく悩むおんなの胸か この儘で この儘で どうなることかしら あなたは愛しているかしら わたしに帰ってくるかしら ああ 今宵も波が泣く 黒髪佗し |
港が見える丘あなたと二人で来た丘は 港が見える丘 色褪せた桜唯一つ 寂しく咲いていた 船の汽笛咽(むせ)び泣けば チラリホラリと花片(はなびら) あなたと私に降りかかる 春の午後でした あなたと別れたあの夜は 港が暗い夜 青白い灯り唯一つ 桜を照らしてた 船の汽笛消えてゆけば チラリチラリと花片 泪の雫できらめいた 霧の夜でした あなたを想うて来る丘は 港が見える丘 葉桜をそよろ訪れる 潮風浜の風 船の汽笛遠く聞いて ウツラトロリと見る夢 あなたの口許あの笑顔 淡い夢でした | 平野愛子 | 東辰三 | 東辰三 | 小沢直与志 | あなたと二人で来た丘は 港が見える丘 色褪せた桜唯一つ 寂しく咲いていた 船の汽笛咽(むせ)び泣けば チラリホラリと花片(はなびら) あなたと私に降りかかる 春の午後でした あなたと別れたあの夜は 港が暗い夜 青白い灯り唯一つ 桜を照らしてた 船の汽笛消えてゆけば チラリチラリと花片 泪の雫できらめいた 霧の夜でした あなたを想うて来る丘は 港が見える丘 葉桜をそよろ訪れる 潮風浜の風 船の汽笛遠く聞いて ウツラトロリと見る夢 あなたの口許あの笑顔 淡い夢でした |
幻の港霧の夜は港も暗い ひとり待つわたしの心にも しのび入る波止場の夜霧 波の間にゆらめくランタンは あの夜(よる)の夢の名残りか そゞろ吹く風にはかなく消え 残るは幻むせび泣く小浪(さざなみ) あゝ 霧の夜はせつなや なげきの幻 君よ 今宵はいづこに夢を結ぶ | 平野愛子 | 井田誠一 | 高橋忠雄 | 高橋忠雄 | 霧の夜は港も暗い ひとり待つわたしの心にも しのび入る波止場の夜霧 波の間にゆらめくランタンは あの夜(よる)の夢の名残りか そゞろ吹く風にはかなく消え 残るは幻むせび泣く小浪(さざなみ) あゝ 霧の夜はせつなや なげきの幻 君よ 今宵はいづこに夢を結ぶ |
待ちわびて旅路の果ての つばくらめ ひとりやつれて 泣いている ああ あの人は 雪の荒野か 南の島か 待ちわびて 待ちわびて 乳房を抱けば この身が細る 港の夜の 赤い花 涙こらえて 咲いている ああ あの人の 声が聴こえる 吐息が迫る 待ちわびて 待ちわびて ひそかに開く 花びら哀し | 平野愛子 | 井田誠一 | 飯田信夫 | 飯田信夫 | 旅路の果ての つばくらめ ひとりやつれて 泣いている ああ あの人は 雪の荒野か 南の島か 待ちわびて 待ちわびて 乳房を抱けば この身が細る 港の夜の 赤い花 涙こらえて 咲いている ああ あの人の 声が聴こえる 吐息が迫る 待ちわびて 待ちわびて ひそかに開く 花びら哀し |
花の雨恋にやつれて 泣かされて 弾けばギターの トレモロも 咽(むせ)び泣くよな 花の雨 今度逢うのは いつの夜 逢うた嬉しさ すぐ消えて 淋しい別れの いま続く ほせど冷たき さかずきに やさし君さえ 疑いぬ つぼのすみれも うなだれて きくや涙の セレナーデ 雨よふれふれ 夜をこめて あわれ身をやく 恋心 | 平野愛子 | 佐伯孝夫 | 須摩洋朔 | 小沢直与志 | 恋にやつれて 泣かされて 弾けばギターの トレモロも 咽(むせ)び泣くよな 花の雨 今度逢うのは いつの夜 逢うた嬉しさ すぐ消えて 淋しい別れの いま続く ほせど冷たき さかずきに やさし君さえ 疑いぬ つぼのすみれも うなだれて きくや涙の セレナーデ 雨よふれふれ 夜をこめて あわれ身をやく 恋心 |
波止場の蔭であの人は行ってしまった 海の彼方へ わたしに残したのは さようならと言う言葉だけ あの人は海の男 わたしは陸の女 しょせん別れる 運命(さだめ)でした あの人と共に暮した 楽し思い出よ わたしは胸に抱いて 消えた面影慕うだけ あの人は強い男 わたしは弱い女 しょせん届かぬ 願いでした それでも妾(わたし)は霧に濡れ 今宵もひとり待ってます 港のかもめよ 泣かないで おまえはみんな 知っている | 平野愛子 | 哥川欣也 | 利根一郎 | 利根一郎 | あの人は行ってしまった 海の彼方へ わたしに残したのは さようならと言う言葉だけ あの人は海の男 わたしは陸の女 しょせん別れる 運命(さだめ)でした あの人と共に暮した 楽し思い出よ わたしは胸に抱いて 消えた面影慕うだけ あの人は強い男 わたしは弱い女 しょせん届かぬ 願いでした それでも妾(わたし)は霧に濡れ 今宵もひとり待ってます 港のかもめよ 泣かないで おまえはみんな 知っている |
泣かないで星を数えた この指で 涙ぬぐうて とかすは紅よ 泣かないで 泣かないで 風にまかせて 行けば あいてる夜の門 面(おも)はやつれて 影深く 閉じるまぶたに 浮かぶはあの日 泣かないで 泣かないで 恋もさらばよ いとし笑顔も さようなら 夢はやぶれて 夜(よ)は暗く みんな泣いてる バラック横丁 泣かないで 泣かないで 花を散らして ひとり占う 身の行方(ゆくえ) | 平野愛子 | 門田ゆたか | 松井八郎 | 松井八郎 | 星を数えた この指で 涙ぬぐうて とかすは紅よ 泣かないで 泣かないで 風にまかせて 行けば あいてる夜の門 面(おも)はやつれて 影深く 閉じるまぶたに 浮かぶはあの日 泣かないで 泣かないで 恋もさらばよ いとし笑顔も さようなら 夢はやぶれて 夜(よ)は暗く みんな泣いてる バラック横丁 泣かないで 泣かないで 花を散らして ひとり占う 身の行方(ゆくえ) |
白い船のいる港青い海に 白い船 今日も見えるけど 恋し姿 何故か見えぬ 待てどまだ見えぬ 独り占う カードを棄てて 遥か彼方の船を見て 涙流したの 月の港 白い船 灯り点るけど 恋し姿 見えぬ宵は 心闇(やみ)なのよ ジャズが過巻く キャバレーの中で 苦いお酒に酔いしれて 泣いて歌ったの 霧の港 白い船 今朝はもう見えぬ 恋し姿 待てど待てど 到々来なかった 晴れぬ心を 閉ざしたカーテン 独り窓辺に頬ついて すすり泣いてるの | 平野愛子 | 東辰三 | 東辰三 | 小沢直与志 | 青い海に 白い船 今日も見えるけど 恋し姿 何故か見えぬ 待てどまだ見えぬ 独り占う カードを棄てて 遥か彼方の船を見て 涙流したの 月の港 白い船 灯り点るけど 恋し姿 見えぬ宵は 心闇(やみ)なのよ ジャズが過巻く キャバレーの中で 苦いお酒に酔いしれて 泣いて歌ったの 霧の港 白い船 今朝はもう見えぬ 恋し姿 待てど待てど 到々来なかった 晴れぬ心を 閉ざしたカーテン 独り窓辺に頬ついて すすり泣いてるの |
さよなら銀座バイバイさようなら ネオンが燃える並木路 木蔭に佇む影一つ けれど誰をも待つじゃない 私は独り 独りぼっちだけれど 誰も知らない夢がある さよなら銀座よ さようなら バイバイさようなら ネオンがにじむ夜の霧 かくした涙のカクテール けれど誰をも恨まない 踊りを終えて みんないないけれど 独り抱いてる夢がある さよなら銀座よ さようなら バイバイさようなら ネオンも消えた屋根の下 未練を残した唄の声 けれど誰かが泣いている 淋しい夜空 街は暗いけれど 胸に明るい夢がある さよなら銀座よ さようなら | 平野愛子 | 東辰三 | 東辰三 | 佐野雅美 | バイバイさようなら ネオンが燃える並木路 木蔭に佇む影一つ けれど誰をも待つじゃない 私は独り 独りぼっちだけれど 誰も知らない夢がある さよなら銀座よ さようなら バイバイさようなら ネオンがにじむ夜の霧 かくした涙のカクテール けれど誰をも恨まない 踊りを終えて みんないないけれど 独り抱いてる夢がある さよなら銀座よ さようなら バイバイさようなら ネオンも消えた屋根の下 未練を残した唄の声 けれど誰かが泣いている 淋しい夜空 街は暗いけれど 胸に明るい夢がある さよなら銀座よ さようなら |
霧の中の女霧にかくれていつまでも 君を待つ夜の 街の角 あゝ知っているのは 柳だけ 胸にいつまでも 消えない かなしいあの言葉 グッドバイ グッドバイ 霧に濡れてる 飾り窓 君の名を書く 細い指 あゝ知っているのは 妾(わたし)だけ 胸にいつまでも 消えない やさしいあの言葉 グッドナイト グッドナイト 霧に溶けゆく 七彩(なないろ)の 君はネオンか 恋の虹 あゝ知っているのは 貴方だけ 胸にいつまでも 消えない さみしいあの言葉 グッドバイ グッドバイ | 平野愛子 | 吉川静夫 | 吉田正 | 松井八郎 | 霧にかくれていつまでも 君を待つ夜の 街の角 あゝ知っているのは 柳だけ 胸にいつまでも 消えない かなしいあの言葉 グッドバイ グッドバイ 霧に濡れてる 飾り窓 君の名を書く 細い指 あゝ知っているのは 妾(わたし)だけ 胸にいつまでも 消えない やさしいあの言葉 グッドナイト グッドナイト 霧に溶けゆく 七彩(なないろ)の 君はネオンか 恋の虹 あゝ知っているのは 貴方だけ 胸にいつまでも 消えない さみしいあの言葉 グッドバイ グッドバイ |
君待てども君待てども 君待てども まだ来ぬ宵 わびしき宵 窓辺の花 一つの花 蒼白きバラ いとしその面影 香り今は失せぬ 諦めましょう 諦めましょう わたしはひとり 君待てども 君待てども まだ来ぬ宵 朧(おぼろ)の宵 そよふく風 冷たき風 そゞろ 身に沁む 待つ人の影なく 花片(はなびら)は舞い来る 諦めましょう 諦めましょう わたしはひとり 君待てども 君待てども まだ来ぬ宵 嘆きの宵 そぼ降る雨 つれなき雨 涙にうるむ 待つひとの音なく 刻む雨の雫 諦めましょう 諦めましょう わたしはひとり | 平野愛子 | 東辰三 | 東辰三 | 佐野鋤 | 君待てども 君待てども まだ来ぬ宵 わびしき宵 窓辺の花 一つの花 蒼白きバラ いとしその面影 香り今は失せぬ 諦めましょう 諦めましょう わたしはひとり 君待てども 君待てども まだ来ぬ宵 朧(おぼろ)の宵 そよふく風 冷たき風 そゞろ 身に沁む 待つ人の影なく 花片(はなびら)は舞い来る 諦めましょう 諦めましょう わたしはひとり 君待てども 君待てども まだ来ぬ宵 嘆きの宵 そぼ降る雨 つれなき雨 涙にうるむ 待つひとの音なく 刻む雨の雫 諦めましょう 諦めましょう わたしはひとり |
お新恋唄燃えてかなしや 緋縮緬(ひぢりめん) わが身にわが身が 分らない 甲斐ない恋と 知りながら 命をかけて 好きな人 惚れていながら 惚れてると 云わずに辛棒 し切るのも おまえのためと 眼に涙 さみしくともす 掛け行燈(あんどん) すがりつきたい 雨の夜は 新内流しも にくらしい 江戸ッ子なのが しんみりと 口惜しくもなる 雪の肌 | 平野愛子 | 佐伯孝夫 | 清水保雄 | 清水保雄 | 燃えてかなしや 緋縮緬(ひぢりめん) わが身にわが身が 分らない 甲斐ない恋と 知りながら 命をかけて 好きな人 惚れていながら 惚れてると 云わずに辛棒 し切るのも おまえのためと 眼に涙 さみしくともす 掛け行燈(あんどん) すがりつきたい 雨の夜は 新内流しも にくらしい 江戸ッ子なのが しんみりと 口惜しくもなる 雪の肌 |
あなたは知らない沈む夕陽も 紅(くれない)の 想いを残す あかね雲 私の心は 風になり 後を追うのを あなたは知らない 街も牧場も 照らす陽の 心を花が 知らぬよに 日暮れてテラスに しぼむ花 露を宿すを あなたは知らない 姿見送り 投げる身を いだくは 暗い夜ばかり もだえて波打つ 黒髪に かげるうれいも あなたは知らない | 平野愛子 | 門田ゆたか | 松井八郎 | 松井八郎 | 沈む夕陽も 紅(くれない)の 想いを残す あかね雲 私の心は 風になり 後を追うのを あなたは知らない 街も牧場も 照らす陽の 心を花が 知らぬよに 日暮れてテラスに しぼむ花 露を宿すを あなたは知らない 姿見送り 投げる身を いだくは 暗い夜ばかり もだえて波打つ 黒髪に かげるうれいも あなたは知らない |
青い夜霧が青い夜霧が 身に沁むキャバレー 媚(こび)は売っても 売らりょうか心 甘い小唄や すんなり腰に 惚れりゃ危い 命取り 何(なに)がほしいの 欲しけりゃやるさ 港女は 気短かものよ 恋もお金も 潮風(しおかぜ)まかせ 明日(あす)は あしたの風が吹く 酔えば極楽 覚めれば地獄 承知しながら 流れる涙 歌い踊れど 長びきゃ恋も いぶる未練な 煙草(モク)だとさ | 平野愛子 | 佐伯孝夫 | 清水保雄 | 佐野雅美 | 青い夜霧が 身に沁むキャバレー 媚(こび)は売っても 売らりょうか心 甘い小唄や すんなり腰に 惚れりゃ危い 命取り 何(なに)がほしいの 欲しけりゃやるさ 港女は 気短かものよ 恋もお金も 潮風(しおかぜ)まかせ 明日(あす)は あしたの風が吹く 酔えば極楽 覚めれば地獄 承知しながら 流れる涙 歌い踊れど 長びきゃ恋も いぶる未練な 煙草(モク)だとさ |
愛の紅椿強く吹いても 情がしみる 風が咲かせる 紅椿 いちど開けば ほころべば 芯の芯から 燃えて咲く そして ああ 君の御胸(みむね)を飾れたら いとし悩みの 愛の花 弱く吹いても つれない心 風が散らせる 紅椿 ひとり散る夜は 星影も おぼろおぼろの つゆ涙 そして ああ 甘い夢さえ消えてゆく いとし悩みの 愛の花 | 平野愛子 | 東辰三 | 東辰三 | 佐野雅美 | 強く吹いても 情がしみる 風が咲かせる 紅椿 いちど開けば ほころべば 芯の芯から 燃えて咲く そして ああ 君の御胸(みむね)を飾れたら いとし悩みの 愛の花 弱く吹いても つれない心 風が散らせる 紅椿 ひとり散る夜は 星影も おぼろおぼろの つゆ涙 そして ああ 甘い夢さえ消えてゆく いとし悩みの 愛の花 |