三波春夫の歌詞一覧リスト  83曲中 1-83曲を表示

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曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
俵星玄蕃PLATINA LYLIC槍は錆びても 此の名は錆びぬ 男玄蕃の 心意気 赤穂浪士の かげとなり 尽す誠は 槍一筋に 香る誉れの 元禄桜  姿そば屋に やつしてまでも 忍ぶ杉野よ せつなかろ 今宵名残に 見ておけよ 俵崩の 極意の一と手 これが餞け 男の心  涙をためて振り返る そば屋の姿を呼びとめて せめて名前を聞かせろよと 口まで出たがそうじゃない 云わぬが花よ人生は 逢うて別れる運命とか 思い直して俵星 独りしみじみ呑みながら 時を過ごした真夜中に 心隅田の川風を 流れてひびく勇ましさ 一打ち二打ち三流れ あれは確かに確かにあれは 山鹿流儀の陣太鼓  「時に元禄十五年十二月十四日、 江戸の夜風をふるわせて、響くは山鹿流儀の陣太鼓、 しかも一打ち二打ち三流れ、思わずハッと立ち上がり、 耳を澄ませて太鼓を数え「おう、正しく赤穂浪士の討ち入りじゃ」 助太刀するは此の時ぞ、もしやその中にひるま別れたあのそば屋が 居りあわせぬか、名前はなんと今一度、 逢うて別れが告げたいものと、 けいこ襦袢に身を固めて、段小倉の袴、股立ち高く取り上げし、 白綾たたんで後ろ鉢巻眼のつる如く、なげしにかかるは先祖伝来、 俵弾正鍛えたる九尺の手槍を右の手に、 切戸を開けて一足表に出せば、 天は幽暗地は凱々たる白雪を蹴立てて行手は松阪町…」 「吉良の屋敷に来てみれば、今、討ち入りは真最中、 総大将の内蔵之助。 見つけて駆け寄る俵星が、天下無双のこの槍で、 お助太刀をば致そうぞ、 云われた時に大石は深き御恩はこの通り、厚く御礼を申します。 されども此処は此のままに、 槍を納めて御引上げ下さるならば有り難し、 かかる折りも一人の浪士が雪をけたてて サク、サク、サク、サク、サク、サクー、 『先生』『おうッ、そば屋か』 いや、いや、いや、いや、襟に書かれた名前こそ、 まことは杉野の十兵次殿、わしが教えたあの極意、 命惜しむな名おこそ惜しめ、立派な働き祈りますぞよ、 さらばさらばと右左。赤穂浪士に邪魔する奴は何人たりとも 通さんぞ、橋のたもとで石突き突いて、槍の玄蕃は仁王立ち…」  打てや響けや 山鹿の太鼓 月も夜空に 冴え渡る 夢と聞きつつ 両国の 橋のたもとで 雪ふみしめた 槍に玄蕃の 涙が光るPLATINA LYLIC三波春夫北村桃児長津義司槍は錆びても 此の名は錆びぬ 男玄蕃の 心意気 赤穂浪士の かげとなり 尽す誠は 槍一筋に 香る誉れの 元禄桜  姿そば屋に やつしてまでも 忍ぶ杉野よ せつなかろ 今宵名残に 見ておけよ 俵崩の 極意の一と手 これが餞け 男の心  涙をためて振り返る そば屋の姿を呼びとめて せめて名前を聞かせろよと 口まで出たがそうじゃない 云わぬが花よ人生は 逢うて別れる運命とか 思い直して俵星 独りしみじみ呑みながら 時を過ごした真夜中に 心隅田の川風を 流れてひびく勇ましさ 一打ち二打ち三流れ あれは確かに確かにあれは 山鹿流儀の陣太鼓  「時に元禄十五年十二月十四日、 江戸の夜風をふるわせて、響くは山鹿流儀の陣太鼓、 しかも一打ち二打ち三流れ、思わずハッと立ち上がり、 耳を澄ませて太鼓を数え「おう、正しく赤穂浪士の討ち入りじゃ」 助太刀するは此の時ぞ、もしやその中にひるま別れたあのそば屋が 居りあわせぬか、名前はなんと今一度、 逢うて別れが告げたいものと、 けいこ襦袢に身を固めて、段小倉の袴、股立ち高く取り上げし、 白綾たたんで後ろ鉢巻眼のつる如く、なげしにかかるは先祖伝来、 俵弾正鍛えたる九尺の手槍を右の手に、 切戸を開けて一足表に出せば、 天は幽暗地は凱々たる白雪を蹴立てて行手は松阪町…」 「吉良の屋敷に来てみれば、今、討ち入りは真最中、 総大将の内蔵之助。 見つけて駆け寄る俵星が、天下無双のこの槍で、 お助太刀をば致そうぞ、 云われた時に大石は深き御恩はこの通り、厚く御礼を申します。 されども此処は此のままに、 槍を納めて御引上げ下さるならば有り難し、 かかる折りも一人の浪士が雪をけたてて サク、サク、サク、サク、サク、サクー、 『先生』『おうッ、そば屋か』 いや、いや、いや、いや、襟に書かれた名前こそ、 まことは杉野の十兵次殿、わしが教えたあの極意、 命惜しむな名おこそ惜しめ、立派な働き祈りますぞよ、 さらばさらばと右左。赤穂浪士に邪魔する奴は何人たりとも 通さんぞ、橋のたもとで石突き突いて、槍の玄蕃は仁王立ち…」  打てや響けや 山鹿の太鼓 月も夜空に 冴え渡る 夢と聞きつつ 両国の 橋のたもとで 雪ふみしめた 槍に玄蕃の 涙が光る
チャンチキおけさGOLD LYLIC月がわびしい 露地裏の 屋台の酒の ほろ苦さ 知らぬ同士が 小皿叩いて チャンチキおけさ おけさせつなや やるせなや  一人残した あの娘 達者で居てか おふくろは すまぬ すまぬと 詫びて今夜も チャンチキおけさ おけさ おけさで 身をせめる  故郷(くに)を出る時 もって来た 大きな夢を 盃に そっと浮べて もらす溜息 チャンチキおけさ おけさ涙で 曇る月GOLD LYLIC三波春夫門井八郎長津義司月がわびしい 露地裏の 屋台の酒の ほろ苦さ 知らぬ同士が 小皿叩いて チャンチキおけさ おけさせつなや やるせなや  一人残した あの娘 達者で居てか おふくろは すまぬ すまぬと 詫びて今夜も チャンチキおけさ おけさ おけさで 身をせめる  故郷(くに)を出る時 もって来た 大きな夢を 盃に そっと浮べて もらす溜息 チャンチキおけさ おけさ涙で 曇る月
大利根無情GOLD LYLIC利根の利根の川風 よしきりの 声が冷たく 身をせめる これが浮世か 見てはいけない 西空見れば 江戸へ江戸へひと刷毛(はけ) あかね雲  「佐原囃子が聴えてくらあ、想い出すなア…、 御玉ヶ池の千葉道場か、うふ…。 平手造酒も、今じゃやくざの用心棒、 人生裏街道の枯落葉か。」  義理の義理の夜風に さらされて 月よお前も 泣きたかろ こゝろみだれて 抜いたすすきを 奥歯で噛んだ 男男泪(なみだ)の 落し差し  「止めて下さるな、妙心殿。落ちぶれ果てても平手は 武士じゃ男の散りぎわは 知って居り申す、 行かねばならぬそこをどいて下され、 行かねばならぬのだ。」  瞼(まぶた)瞼ぬらして 大利根の 水に流した 夢いくつ 息をころして 地獄まいりの 冷酒のめば 鐘が鐘が鳴る鳴る 妙円寺GOLD LYLIC三波春夫猪又良長津義司利根の利根の川風 よしきりの 声が冷たく 身をせめる これが浮世か 見てはいけない 西空見れば 江戸へ江戸へひと刷毛(はけ) あかね雲  「佐原囃子が聴えてくらあ、想い出すなア…、 御玉ヶ池の千葉道場か、うふ…。 平手造酒も、今じゃやくざの用心棒、 人生裏街道の枯落葉か。」  義理の義理の夜風に さらされて 月よお前も 泣きたかろ こゝろみだれて 抜いたすすきを 奥歯で噛んだ 男男泪(なみだ)の 落し差し  「止めて下さるな、妙心殿。落ちぶれ果てても平手は 武士じゃ男の散りぎわは 知って居り申す、 行かねばならぬそこをどいて下され、 行かねばならぬのだ。」  瞼(まぶた)瞼ぬらして 大利根の 水に流した 夢いくつ 息をころして 地獄まいりの 冷酒のめば 鐘が鐘が鳴る鳴る 妙円寺
東京五輪音頭GOLD LYLICハァー あの日ローマで ながめた月が ソレ トトントネ きょうは都の 空照らす ア チョイトネ 四年たったら また会いましょと かたい約束 夢じゃない ヨイショコーリャ 夢じゃない オリンピックの 顔と顔 ソレトトントトトント 顔と顔  ハァー 待ちに待ってた 世界の祭り ソレ トトントネ 西の国から 東から ア チョイトネ 北の空から 南の海も 越えて日本へ どんときた ヨイショコーリャ どんときた オリンピックの 晴れ姿 ソレトトントトトント 晴れ姿  ハァー 色もうれしや かぞえりゃ五つ ソレ トトントネ 仰ぐ旗みりゃ はずむ胸 ア チョイトネ すがた形は ちがっていても いずれおとらぬ 若い花 ヨイショコーリャ 若い花 オリンピックの 庭に咲く ソレトトントトトント 庭に咲く  ハァー きみがはやせば わたしはおどる ソレ トトントネ 菊の香りの 秋の空 ア チョイトネ 羽をそろえて 拍手の音に とんでくるくる 赤とんぼ ヨイショコーリャ 赤とんぼ オリンピックの きょうのうた ソレトトントトトント きょうのうたGOLD LYLIC三波春夫宮田隆古賀政男ハァー あの日ローマで ながめた月が ソレ トトントネ きょうは都の 空照らす ア チョイトネ 四年たったら また会いましょと かたい約束 夢じゃない ヨイショコーリャ 夢じゃない オリンピックの 顔と顔 ソレトトントトトント 顔と顔  ハァー 待ちに待ってた 世界の祭り ソレ トトントネ 西の国から 東から ア チョイトネ 北の空から 南の海も 越えて日本へ どんときた ヨイショコーリャ どんときた オリンピックの 晴れ姿 ソレトトントトトント 晴れ姿  ハァー 色もうれしや かぞえりゃ五つ ソレ トトントネ 仰ぐ旗みりゃ はずむ胸 ア チョイトネ すがた形は ちがっていても いずれおとらぬ 若い花 ヨイショコーリャ 若い花 オリンピックの 庭に咲く ソレトトントトトント 庭に咲く  ハァー きみがはやせば わたしはおどる ソレ トトントネ 菊の香りの 秋の空 ア チョイトネ 羽をそろえて 拍手の音に とんでくるくる 赤とんぼ ヨイショコーリャ 赤とんぼ オリンピックの きょうのうた ソレトトントトトント きょうのうた
雪の渡り鳥GOLD LYLIC合羽からげて 三度笠 どこを塒(ねぐら)の 渡り鳥 愚痴じゃなけれど この俺にゃ 帰る瀬もない 伊豆の下田の 灯が恋し  意地に生きるが 男だと 胸にきかせて 旅ぐらし 三月三年 今もなお 思い切れずに 残る未練が 泣いている  はらい除(の)けても 降りかゝる 何を恨みの 雪しぐれ 俺も鯉名の 銀平さ 抜くか長脇差(どす) ぬけば白刃に 血の吹雪GOLD LYLIC三波春夫清水みのる陸奥明合羽からげて 三度笠 どこを塒(ねぐら)の 渡り鳥 愚痴じゃなけれど この俺にゃ 帰る瀬もない 伊豆の下田の 灯が恋し  意地に生きるが 男だと 胸にきかせて 旅ぐらし 三月三年 今もなお 思い切れずに 残る未練が 泣いている  はらい除(の)けても 降りかゝる 何を恨みの 雪しぐれ 俺も鯉名の 銀平さ 抜くか長脇差(どす) ぬけば白刃に 血の吹雪
一本刀土俵入りGOLD LYLIC千両万両 積んだとて 銭(ぜに)じゃ買えない 人ごころ 受けた情の 数々に 上州子鴉 泣いて居ります 泣いて居ります この通り  (セリフ) 「わしゃア姐さんのようないい人に、 めぐり逢ったのは初めてだ、 はい、はい、きっと成ります。 横綱になった姿を姐さんに見て貰います。 そしてなア、わしゃ、死んだおっ母さんの 御墓の前で立派な土俵入りがしたい……。」  野暮な浮世の うら表 教えこまれて 一昔 夢でござんす なにもかも 角力(すもう)修業も 今じゃ日蔭の 今じゃ日蔭の 三度笠  「角力にゃなれず、やくざになって 尋ねて見りゃこの始末。 さァ、姐さん、この金持って、 早くお行きなせえまし。飛ぶにぁ今が汐時だ。 後はあっしが 引受けました。 さァ、早く 早く 行きなさいまし。 ああ、もし、お蔦さん。 親子三人、何時までも 仲良く御暮しなさんせ。 十年前に 櫛、笄、巾着ぐるみ、 意見を貰った 姐はんへ、 せめて見て貰う駒形の しがねぇ姿の 土俵入りでござんす。」  御恩返しの 真似ごとは 取手(とって)宿場の 仁義沙汰 御覧下され お蔦さん せめて茂兵衛の 花の手数(でず)入り 花の手数入り 土俵入りGOLD LYLIC三波春夫藤田まさと春川一夫福島正二千両万両 積んだとて 銭(ぜに)じゃ買えない 人ごころ 受けた情の 数々に 上州子鴉 泣いて居ります 泣いて居ります この通り  (セリフ) 「わしゃア姐さんのようないい人に、 めぐり逢ったのは初めてだ、 はい、はい、きっと成ります。 横綱になった姿を姐さんに見て貰います。 そしてなア、わしゃ、死んだおっ母さんの 御墓の前で立派な土俵入りがしたい……。」  野暮な浮世の うら表 教えこまれて 一昔 夢でござんす なにもかも 角力(すもう)修業も 今じゃ日蔭の 今じゃ日蔭の 三度笠  「角力にゃなれず、やくざになって 尋ねて見りゃこの始末。 さァ、姐さん、この金持って、 早くお行きなせえまし。飛ぶにぁ今が汐時だ。 後はあっしが 引受けました。 さァ、早く 早く 行きなさいまし。 ああ、もし、お蔦さん。 親子三人、何時までも 仲良く御暮しなさんせ。 十年前に 櫛、笄、巾着ぐるみ、 意見を貰った 姐はんへ、 せめて見て貰う駒形の しがねぇ姿の 土俵入りでござんす。」  御恩返しの 真似ごとは 取手(とって)宿場の 仁義沙汰 御覧下され お蔦さん せめて茂兵衛の 花の手数(でず)入り 花の手数入り 土俵入り
船方さんよおーい船方さん 船方さんよ 土手で呼ぶ声 きこえぬか 姉サかぶりが 見えないか エンヤサーと まわして とめてお呉れよ 船脚を 船脚を  おーい船方さん 船方さんよ 昨夜一節 きかせたは 河原すゝきの つなぎ船 エンヤサーと 帆をあげ あとは白波 つれなかろ つれなかろ  おーい船方さん 船方さんよ 月の出汐を 忘れずに 早寝千鳥を 起さずに エンヤサーと 流して 人目忍んで 来てお呉れ 来てお呉れ三波春夫門井八郎春川一夫おーい船方さん 船方さんよ 土手で呼ぶ声 きこえぬか 姉サかぶりが 見えないか エンヤサーと まわして とめてお呉れよ 船脚を 船脚を  おーい船方さん 船方さんよ 昨夜一節 きかせたは 河原すゝきの つなぎ船 エンヤサーと 帆をあげ あとは白波 つれなかろ つれなかろ  おーい船方さん 船方さんよ 月の出汐を 忘れずに 早寝千鳥を 起さずに エンヤサーと 流して 人目忍んで 来てお呉れ 来てお呉れ
元禄男の友情 立花左近忍ぶ姿の 哀れさに 真、武士なら 泣かずに居よか 時は元禄 ゆく春に 咲くも華なら 散るも華 男立花 名は左近  松の並木の 灯がゆれて 今宵泊りは 鳴海の宿か 夢は遥かな 江戸の空 めぐり合わせの 糸車 誰が解くやら つなぐやら  (左近) 「何とこの宿に、立花左近が泊っている? 黙れ!! 吾こそは、まこと九條関白の名代として 江戸は、東叡山寛永寺に献上の品々を宰領して東へ下る、 立花左近じゃ。えゝッ、その曲者(くせもの)のもとへ案内を致せ」  音に名高き東海道 鳴海の宿の日暮れ時 本陣宿の玄関を  足音荒く踏み鳴らし 奥の座敷へ進みゆき ガラリと開けた大襖(ふすま) ハッと思わず立花が 目を見張すも無理じゃない 去年三月十四日 松の廊下の刃傷(にんじょう)で 家は断絶身は切腹 無念の涙のみながら 散った浅野の定紋が 荷物の上に掛けてあり 左近と名乗る曲者(くせもの)の 羽織の紋はありゃ確か二つ巴(どもえ)じゃ おう、この人が内蔵之助 仇を討つ日が近いのか 東下りの行列は 夜討ち道具を運ぶのか じっと見つめる立花左近 見返す大石内蔵之助 物は言わねど両の目に 滲む涙が万感の 想いとなってほとばしる 武士の辛さも哀れさも 知っていますぞ 男、同志の胸の裡(うち)  (左近) 「あゝ恐れ入りましてござりまする、 お名前をかたりましたる罪はお許し下され。 さて、此の目録はすでに拙者に要のない品、 関白殿下直筆のこの御書状をお持ちになれば、関所、 宿場も無事にお通りなさるゝでござりましょう。 江戸へ下った暁は目指す仇を討ち晴し、 あ、いや、いや、目出度く務を果たされまするよう お祈り致しておりますぞ」  罪を被(かぶ)って 爽やかな 笑顔残して 去りゆく左近 哭(な)いて見送る 内蔵之助 庭の紅葉の 霜白く 月は明かるく 冴え渡る  時は来にけり十二月 十と四日の雪のよる 勇む四十七人が 目指すは本所吉良屋敷 山道だんだら火事羽織 白き木綿の柚じるし 山と川との合言葉 表門から二十と三人 裏門よりも二十と三人 総大将は内蔵之助 殿の無念と武士の 意地と天下の政道を 正さんものと火と燃えて 打った山鹿の陣太鼓 今は本所の侘住居(わびずまい) 貧乏ぐらしはしていても 心は錦の立花は 遠く聞ゆる太鼓の音に 布団をけって立上り 耳を澄ませて指を折り あれは確かに山鹿流 広い日本で打つ者は 松浦肥前の御隠居か 千坂兵部か後一人 幡州赤穂の大石じゃ 今宵はたしか十四日 さてこそ殿の命日に 討入りしたか内蔵之助 よくぞやったぞ 嬉しいぞ 膝を叩いてほめながら 哭いた左近の横顔に 雪が降ります ハラハラと 雪が降ります ハラハラと三波春夫北村桃児佐藤川太忍ぶ姿の 哀れさに 真、武士なら 泣かずに居よか 時は元禄 ゆく春に 咲くも華なら 散るも華 男立花 名は左近  松の並木の 灯がゆれて 今宵泊りは 鳴海の宿か 夢は遥かな 江戸の空 めぐり合わせの 糸車 誰が解くやら つなぐやら  (左近) 「何とこの宿に、立花左近が泊っている? 黙れ!! 吾こそは、まこと九條関白の名代として 江戸は、東叡山寛永寺に献上の品々を宰領して東へ下る、 立花左近じゃ。えゝッ、その曲者(くせもの)のもとへ案内を致せ」  音に名高き東海道 鳴海の宿の日暮れ時 本陣宿の玄関を  足音荒く踏み鳴らし 奥の座敷へ進みゆき ガラリと開けた大襖(ふすま) ハッと思わず立花が 目を見張すも無理じゃない 去年三月十四日 松の廊下の刃傷(にんじょう)で 家は断絶身は切腹 無念の涙のみながら 散った浅野の定紋が 荷物の上に掛けてあり 左近と名乗る曲者(くせもの)の 羽織の紋はありゃ確か二つ巴(どもえ)じゃ おう、この人が内蔵之助 仇を討つ日が近いのか 東下りの行列は 夜討ち道具を運ぶのか じっと見つめる立花左近 見返す大石内蔵之助 物は言わねど両の目に 滲む涙が万感の 想いとなってほとばしる 武士の辛さも哀れさも 知っていますぞ 男、同志の胸の裡(うち)  (左近) 「あゝ恐れ入りましてござりまする、 お名前をかたりましたる罪はお許し下され。 さて、此の目録はすでに拙者に要のない品、 関白殿下直筆のこの御書状をお持ちになれば、関所、 宿場も無事にお通りなさるゝでござりましょう。 江戸へ下った暁は目指す仇を討ち晴し、 あ、いや、いや、目出度く務を果たされまするよう お祈り致しておりますぞ」  罪を被(かぶ)って 爽やかな 笑顔残して 去りゆく左近 哭(な)いて見送る 内蔵之助 庭の紅葉の 霜白く 月は明かるく 冴え渡る  時は来にけり十二月 十と四日の雪のよる 勇む四十七人が 目指すは本所吉良屋敷 山道だんだら火事羽織 白き木綿の柚じるし 山と川との合言葉 表門から二十と三人 裏門よりも二十と三人 総大将は内蔵之助 殿の無念と武士の 意地と天下の政道を 正さんものと火と燃えて 打った山鹿の陣太鼓 今は本所の侘住居(わびずまい) 貧乏ぐらしはしていても 心は錦の立花は 遠く聞ゆる太鼓の音に 布団をけって立上り 耳を澄ませて指を折り あれは確かに山鹿流 広い日本で打つ者は 松浦肥前の御隠居か 千坂兵部か後一人 幡州赤穂の大石じゃ 今宵はたしか十四日 さてこそ殿の命日に 討入りしたか内蔵之助 よくぞやったぞ 嬉しいぞ 膝を叩いてほめながら 哭いた左近の横顔に 雪が降ります ハラハラと 雪が降ります ハラハラと
桃太郎侍の歌ほのぼのと ほのぼのと 冷たい浮世に 灯をともす 一人の男 たくましい 後姿に どこのお方と 尋ねたら 俺の名前は 桃太郎 ほほえむ瞳が 涼しく光る  ほのぼのと ほのぼのと 明けゆく 枯葉の街道を 一人の男 眉あげて 笠をかざして どこへゆくかと 尋ねたら 俺は地獄の 鬼退治 ほほえむ瞳に 朝日が赫い  ほのぼのと ほのぼのと 女の胸に 灯をともす 一人の男 知らされた 花の命を 連れて行ってと 追いかけりゃ 雲の切れ間の 満月が ほほえむ瞳を 照らしてくれた三波春夫三波春夫平尾昌晃ほのぼのと ほのぼのと 冷たい浮世に 灯をともす 一人の男 たくましい 後姿に どこのお方と 尋ねたら 俺の名前は 桃太郎 ほほえむ瞳が 涼しく光る  ほのぼのと ほのぼのと 明けゆく 枯葉の街道を 一人の男 眉あげて 笠をかざして どこへゆくかと 尋ねたら 俺は地獄の 鬼退治 ほほえむ瞳に 朝日が赫い  ほのぼのと ほのぼのと 女の胸に 灯をともす 一人の男 知らされた 花の命を 連れて行ってと 追いかけりゃ 雲の切れ間の 満月が ほほえむ瞳を 照らしてくれた
おまんた囃子東京のお方も ソレソレソレソレ 名古屋のお方も ソレソレソレソレ 浪花のお方も ソレソレソレソレ  おまんたー ソレソレソレソレ おまんた どこに居たとて 祭りの日には 帰らさっしゃれヨー 故郷(くに)の父母 あの祖父祖母(じじばば)も 指を折りつつ 待つほどに みんなそろって おまんた囃子 サーテ サテサテサテサテサテナ  おまんたー ソレソレソレソレ おまんた 親の意見と茄子(なすび)の花は 千にひとつのヨー 無駄はないぞえ 聞いときなされ やがて実がなる 花が咲く みんなそろって おまんた囃子 サーテ サテサテサテサテサテナ 日本国中 ソレソレソレソレ 陽気に踊ろよ ソレソレソレソレ  おまんたー ソレソレソレソレ おまんた 魚獲れたか 田んぼはどうじゃ 心結んでヨー 守るふるさと この山河よ 街の灯りも にぎやかに みんなそろって おまんた囃子 サーテ サテサテサテサテサテナ  おまんたー ソレソレソレソレ おまんた 今宵うれしや 揃いの浴衣 好いた同志でヨー 誰に気兼も 何いるものか 弾む囃子に 身をのせて みんなそろって おまんた囃子 サーテ サテサテサテサテサテナ 北海道のお方も ソレソレソレソレ 四国のお方も ソレソレソレソレ 九州のお方も ソレソレソレソレ三波春夫三波春夫三波春夫東京のお方も ソレソレソレソレ 名古屋のお方も ソレソレソレソレ 浪花のお方も ソレソレソレソレ  おまんたー ソレソレソレソレ おまんた どこに居たとて 祭りの日には 帰らさっしゃれヨー 故郷(くに)の父母 あの祖父祖母(じじばば)も 指を折りつつ 待つほどに みんなそろって おまんた囃子 サーテ サテサテサテサテサテナ  おまんたー ソレソレソレソレ おまんた 親の意見と茄子(なすび)の花は 千にひとつのヨー 無駄はないぞえ 聞いときなされ やがて実がなる 花が咲く みんなそろって おまんた囃子 サーテ サテサテサテサテサテナ 日本国中 ソレソレソレソレ 陽気に踊ろよ ソレソレソレソレ  おまんたー ソレソレソレソレ おまんた 魚獲れたか 田んぼはどうじゃ 心結んでヨー 守るふるさと この山河よ 街の灯りも にぎやかに みんなそろって おまんた囃子 サーテ サテサテサテサテサテナ  おまんたー ソレソレソレソレ おまんた 今宵うれしや 揃いの浴衣 好いた同志でヨー 誰に気兼も 何いるものか 弾む囃子に 身をのせて みんなそろって おまんた囃子 サーテ サテサテサテサテサテナ 北海道のお方も ソレソレソレソレ 四国のお方も ソレソレソレソレ 九州のお方も ソレソレソレソレ
旅笠道中春は世に出る 草木もあるに 阿呆鴉の 泣き別れ 連れに逸(はぐ)れた 一本刀(がたな) 旅はいつまで つづくやら  人のいのちと 空ゆく雲は どこで散るやら 果てるやら まして俺らは お天陽様(てんとさま)を 晴れて拝めぬ 罰(ばち)あたり  泣いて別れて 旅人さんの 足は重かろ さびしかろ 伊那の伊那ぶし 聞きたい時は 捨ててお出でよ 三度笠三波春夫藤田まさと春川一夫春は世に出る 草木もあるに 阿呆鴉の 泣き別れ 連れに逸(はぐ)れた 一本刀(がたな) 旅はいつまで つづくやら  人のいのちと 空ゆく雲は どこで散るやら 果てるやら まして俺らは お天陽様(てんとさま)を 晴れて拝めぬ 罰(ばち)あたり  泣いて別れて 旅人さんの 足は重かろ さびしかろ 伊那の伊那ぶし 聞きたい時は 捨ててお出でよ 三度笠
名月綾太郎ぶし芸道修行の 辛さより あかぬまなこは 尚辛い いとし女房の 三味線が 今日も壷坂 霊験記 泣いて語れと 泣いて語れと 背をうつ  妻は夫をいたわりつ 夫は妻に慕いつつ 頃は六月中の頃 夏とはいえど片田舎 木立の森も いと涼し  風が冷たく 身を責める まして俺らは 目無し鳥 知らぬ他国の 旅の宿 やせた女房の 手をとって 何度泣いたろ 何度泣いたろ 拝んだろ  夢の十年 ひとむかし お里沢市 壷坂の 語り文句を そのままに 今宵三すじの 糸の音も さえて心に さえて心に 返る春三波春夫藤田まさと長津義司芸道修行の 辛さより あかぬまなこは 尚辛い いとし女房の 三味線が 今日も壷坂 霊験記 泣いて語れと 泣いて語れと 背をうつ  妻は夫をいたわりつ 夫は妻に慕いつつ 頃は六月中の頃 夏とはいえど片田舎 木立の森も いと涼し  風が冷たく 身を責める まして俺らは 目無し鳥 知らぬ他国の 旅の宿 やせた女房の 手をとって 何度泣いたろ 何度泣いたろ 拝んだろ  夢の十年 ひとむかし お里沢市 壷坂の 語り文句を そのままに 今宵三すじの 糸の音も さえて心に さえて心に 返る春
鞍馬天狗の歌嵐うずまく 勤王佐幕 理想も夢も 誰のため 無駄に刃を 抜くじゃない どれほど刀が 切れようとも 切るに切られぬ 人ごころ ああー 鞍馬天狗の 声がする  菊が栄えて 葵は枯れる 時代の波が 呼んでいる 泣くな杉作 男なら 打て打て夜明けの 獅子太鼓 打てやひびけや 空高く ああー 鞍馬天狗の つるぎ風  風をつかんで 砂塵をまいて 駆けゆく駒は まっしぐら あれは疾風か まぼろしか 京洛の空は あかね雲 花の維新の 朝が来る ああー 鞍馬天狗の 夢がとぶ三波春夫門井八郎渡辺岳夫渡辺岳夫嵐うずまく 勤王佐幕 理想も夢も 誰のため 無駄に刃を 抜くじゃない どれほど刀が 切れようとも 切るに切られぬ 人ごころ ああー 鞍馬天狗の 声がする  菊が栄えて 葵は枯れる 時代の波が 呼んでいる 泣くな杉作 男なら 打て打て夜明けの 獅子太鼓 打てやひびけや 空高く ああー 鞍馬天狗の つるぎ風  風をつかんで 砂塵をまいて 駆けゆく駒は まっしぐら あれは疾風か まぼろしか 京洛の空は あかね雲 花の維新の 朝が来る ああー 鞍馬天狗の 夢がとぶ
明日咲くつぼみに想い出の ふるさと 想い出の 人々 明日咲くつぼみよ 今日散る花びらよ 想い出の 笑顔よ 想い出の 涙よ 昨日 今日 明日 過去 現在 未来 時は還らず 世は移りゆく いつか別れの言葉 さようなら 想い出の あの町 想い出の あの人 明日咲くつぼみに 今日の生命を 三波春夫永六輔久米大作久米大作想い出の ふるさと 想い出の 人々 明日咲くつぼみよ 今日散る花びらよ 想い出の 笑顔よ 想い出の 涙よ 昨日 今日 明日 過去 現在 未来 時は還らず 世は移りゆく いつか別れの言葉 さようなら 想い出の あの町 想い出の あの人 明日咲くつぼみに 今日の生命を 
ルパン音頭オレはルパンだぞ ちょいとそこらの ドロちゃんや アタマ使わぬ バカなギャングとは くらべてもらっちゃこまる 日本国中 盗みとれ 世界の宝を 盗みとれ あした目がさめて ソレおどろくな ヤレおどろくな あゝ腰などぬかすなよ……ごきげんよう  オレはルパンだぞ 霧のロンドン 花のパリ モンテカルロやイスタンブールにも 神出鬼没でござる いただきましょうか ピカソの絵 失敬しますよ 王冠を 電子ロックなど ソレちょちょいのちょい ヤレちょちょいのちょい あゝ今日また大成功……ごきげんよう  オレはルパンだぞ 狙いつけたら ダイヤでも たとえ砂漠の でかいピラミッド 不可能など あるものか 細工は流々 そのあとは 仕上げをじっくり 御覧じろ たとえ軍隊が ソレ追いかけて ヤレとりかこみ あゝばくだん落としても……ごきげんよう  オレはルパンだぞ ちょいとひと飛び 太平洋 ディスコディスコで 浮かれアメリカの ドギモをぬくのはいかが ゴールデン・ブリッジ盗みとれ 自由の女神を 盗みとれ やがておおさわぎ ソレかんらから ヤレイヒヒノヒ あゝたかみの見物で……ごきげんよう三波春夫モンキー・パンチ・補作詞:中山大三郎大野雄二オレはルパンだぞ ちょいとそこらの ドロちゃんや アタマ使わぬ バカなギャングとは くらべてもらっちゃこまる 日本国中 盗みとれ 世界の宝を 盗みとれ あした目がさめて ソレおどろくな ヤレおどろくな あゝ腰などぬかすなよ……ごきげんよう  オレはルパンだぞ 霧のロンドン 花のパリ モンテカルロやイスタンブールにも 神出鬼没でござる いただきましょうか ピカソの絵 失敬しますよ 王冠を 電子ロックなど ソレちょちょいのちょい ヤレちょちょいのちょい あゝ今日また大成功……ごきげんよう  オレはルパンだぞ 狙いつけたら ダイヤでも たとえ砂漠の でかいピラミッド 不可能など あるものか 細工は流々 そのあとは 仕上げをじっくり 御覧じろ たとえ軍隊が ソレ追いかけて ヤレとりかこみ あゝばくだん落としても……ごきげんよう  オレはルパンだぞ ちょいとひと飛び 太平洋 ディスコディスコで 浮かれアメリカの ドギモをぬくのはいかが ゴールデン・ブリッジ盗みとれ 自由の女神を 盗みとれ やがておおさわぎ ソレかんらから ヤレイヒヒノヒ あゝたかみの見物で……ごきげんよう
世界の国からこんにちはこんにちは こんにちは 西のくにから こんにちは こんにちは 東のくにから こんにちは こんにちは 世界のひとが こんにちは こんにちは さくらの国で 1970年の こんにちは こんにちは こんにちは 握手をしよう  こんにちは こんにちは 月の宇宙へ こんにちは こんにちは 地球をとび出す こんにちは こんにちは 世界の夢が こんにちは こんにちは みどりの丘で 1970年の こんにちは こんにちは こんにちは 握手をしよう  こんにちは こんにちは 笑顔あふれる こんにちは こんにちは 心のそこから こんにちは こんにちは 世界をむすぶ こんにちは こんにちは 日本の国で 1970年の こんにちは こんにちは こんにちは 握手をしよう こんにちは こんにちは 握手をしよう三波春夫島田陽子中村八大福島正二こんにちは こんにちは 西のくにから こんにちは こんにちは 東のくにから こんにちは こんにちは 世界のひとが こんにちは こんにちは さくらの国で 1970年の こんにちは こんにちは こんにちは 握手をしよう  こんにちは こんにちは 月の宇宙へ こんにちは こんにちは 地球をとび出す こんにちは こんにちは 世界の夢が こんにちは こんにちは みどりの丘で 1970年の こんにちは こんにちは こんにちは 握手をしよう  こんにちは こんにちは 笑顔あふれる こんにちは こんにちは 心のそこから こんにちは こんにちは 世界をむすぶ こんにちは こんにちは 日本の国で 1970年の こんにちは こんにちは こんにちは 握手をしよう こんにちは こんにちは 握手をしよう
男の峠道苦労六つに 喜び一つ 後の三つは 世間が決めた 男 五十の 峠道 越えて振り向きゃ お前の笑顔 よかったな よかったな お前と二人で よかったな  汗が六つに 根性一つ 後の三つは 運命に任せ 男 五十の 峠道 夢と涙を 背負って越えて よかったな よかったな お前と二人で よかったな  義理が六つに 身体が一つ 後の三つは 女房に借りた 男 五十の 峠道 恩と情けの 夕焼け雲に よかったな よかったな お前と二人で よかったな三波春夫杉義也三波春夫苦労六つに 喜び一つ 後の三つは 世間が決めた 男 五十の 峠道 越えて振り向きゃ お前の笑顔 よかったな よかったな お前と二人で よかったな  汗が六つに 根性一つ 後の三つは 運命に任せ 男 五十の 峠道 夢と涙を 背負って越えて よかったな よかったな お前と二人で よかったな  義理が六つに 身体が一つ 後の三つは 女房に借りた 男 五十の 峠道 恩と情けの 夕焼け雲に よかったな よかったな お前と二人で よかったな
しんちゃん音頭 ~オラといっしょにおどろうよ!~さぁー みんなでおどりまくるぞー パァ~ッとおどりましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとさわぎましょ ほほいのホイ!  夢を咲かせる お子様は (あ、オラのこと?) いつも大きく 生きている (いやぁ それほどでも…)  えらくなりな 強くなりなよ (なれば?) あんたにまかせた (ア~?) ニホンの未来 はぁ~  パァ~ッとうたいましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとわらいましょ ほほいのホイ! (しゅっぱつしんこう!ナスのおしんこ) (ア ソレ! ア ソレ! ア ソレソレソレ!) (ア ソレ! ア ソレ! ア ソレソレソレ!) パァ~ッとうたいましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとわらいましょ ほほいのホイ!  いきでいなせな お子様の (ア~!エヘ~) 笑うかどには 福きたる (ア~そうともいう)  ここ掘れワンワン ネコにはニャンニャン (じゃ、ウサギは?) ごほうびザグザク (ア~?) お茶の子サイサイ はぁ~  パァ~ッとうたいましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとわらいましょ ほほいのホイ! (ウーアミーゴ!!イェーイ) (よっしゃ もうひとおどりするゾー) パァ~ッとおどりましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとさわぎましょ ほほいのホイ!  めでためでたの お子様は (ア~!オ~ イエ~イ) みんみんみんなの にんきもの (いゃー 照れるなー) 心意気は 天下一だぜ (オー イェー) あんたの出番だ お子様音頭はぁ~  パァ~ッとおどりましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとさわぎましょ ほほいのホイ! (オラもう 疲れた)三波春夫加藤茂一おづたいりく・星野やすひこさぁー みんなでおどりまくるぞー パァ~ッとおどりましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとさわぎましょ ほほいのホイ!  夢を咲かせる お子様は (あ、オラのこと?) いつも大きく 生きている (いやぁ それほどでも…)  えらくなりな 強くなりなよ (なれば?) あんたにまかせた (ア~?) ニホンの未来 はぁ~  パァ~ッとうたいましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとわらいましょ ほほいのホイ! (しゅっぱつしんこう!ナスのおしんこ) (ア ソレ! ア ソレ! ア ソレソレソレ!) (ア ソレ! ア ソレ! ア ソレソレソレ!) パァ~ッとうたいましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとわらいましょ ほほいのホイ!  いきでいなせな お子様の (ア~!エヘ~) 笑うかどには 福きたる (ア~そうともいう)  ここ掘れワンワン ネコにはニャンニャン (じゃ、ウサギは?) ごほうびザグザク (ア~?) お茶の子サイサイ はぁ~  パァ~ッとうたいましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとわらいましょ ほほいのホイ! (ウーアミーゴ!!イェーイ) (よっしゃ もうひとおどりするゾー) パァ~ッとおどりましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとさわぎましょ ほほいのホイ!  めでためでたの お子様は (ア~!オ~ イエ~イ) みんみんみんなの にんきもの (いゃー 照れるなー) 心意気は 天下一だぜ (オー イェー) あんたの出番だ お子様音頭はぁ~  パァ~ッとおどりましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとさわぎましょ ほほいのホイ! (オラもう 疲れた)
百年桜ハァー 花か蝶々か春風さんか ハアヨイヨイトナー 袖にそよろと 舞いかかる ハア、ヨイショ 明治大正昭和の御代を かけて三代 日の本の ソレ 意気もうれしや 百年桜 咲いてかがやく 六十余州 シャシャントネー  ハァー 笠の紅紐 横っちょで結び ハアヨイヨイトナー そろう姿で 総おどり ハア、ヨイショ 親は子を連れ 子は孫抱いて お家ますます 大繁昌 ソレ 祝えめでたと 手を打ちならしゃ 鶴も来て舞う わが家の空へ シャシャントネー  ハァー 人に踏まれた 小草(おぐさ)でさえも ハアヨイヨイトナー やがて芽をふく 花ひらく ハア、ヨイショ つらい涙の 幾年月も すぎてしまえば 夢の夢 ソレ 打てや太鼓に 景気をそえて 海のむこうへ とどけとばかり シャシャントネー  ハァー 梅が誘えば 桜が招く ハアヨイヨイトナー 黄菊白菊 勢ぞろい ハア、ヨイショ 明治このかた ことしでちょうど 星はめぐって 三代を ソレ 伸びて栄えた 百年桜 花よ実となれ 実よ花と咲け シャシャントネー三波春夫宮田隆長津義司ハァー 花か蝶々か春風さんか ハアヨイヨイトナー 袖にそよろと 舞いかかる ハア、ヨイショ 明治大正昭和の御代を かけて三代 日の本の ソレ 意気もうれしや 百年桜 咲いてかがやく 六十余州 シャシャントネー  ハァー 笠の紅紐 横っちょで結び ハアヨイヨイトナー そろう姿で 総おどり ハア、ヨイショ 親は子を連れ 子は孫抱いて お家ますます 大繁昌 ソレ 祝えめでたと 手を打ちならしゃ 鶴も来て舞う わが家の空へ シャシャントネー  ハァー 人に踏まれた 小草(おぐさ)でさえも ハアヨイヨイトナー やがて芽をふく 花ひらく ハア、ヨイショ つらい涙の 幾年月も すぎてしまえば 夢の夢 ソレ 打てや太鼓に 景気をそえて 海のむこうへ とどけとばかり シャシャントネー  ハァー 梅が誘えば 桜が招く ハアヨイヨイトナー 黄菊白菊 勢ぞろい ハア、ヨイショ 明治このかた ことしでちょうど 星はめぐって 三代を ソレ 伸びて栄えた 百年桜 花よ実となれ 実よ花と咲け シャシャントネー
恐竜音頭恐竜音頭(きょうりゅうおんど)で グーチョキ パー(グーチョキパー)  遠い太古の時代にはいろんなお方が 生きとった (ソレソレソレソレ) あちらにゃ ティラノサウルス こちらにゃ タルボサウルス 右を向いても 左を向いても 直立歩行(ちょくりつほこう)の爬虫類(はちゅうるい) にぎやかですな (のしのしのしのし) のしのしのし 我がもの顔で大地を行けば そこで誰かが通せんぼ  グーチョキ グーチョキ グーチョキ パー 恐竜音頭(きょうりゅうおんど)で グーチョキ パー 恐竜音頭(きょうりゅうおんど)で グーチョキ パー (グーチョキ パー)  そして6500万年 図鑑の中には生きとった (ソレソレソレソレ) あちらにゃ リストロサウルス こちらにゃ ディキノドン 前を向いても 後ろを向いても 進化するのは哺乳類(ほにゅうるい) お見事ですな (のしのしのしのし) のしのしのし 俺らがここで 生きてた事を 化石に残して伝えよう (えらいわぁ)  お見事ですな (のしのしのしのし) のしのしのし 俺らがここで 生きてた事を 化石に残して伝えよう  グーチョキ グーチョキ グーチョキ パー 恐竜音頭(きょうりゅうおんど)で グーチョキ パー グーチョキ グーチョキ グーチョキ パー 恐竜音頭(きょうりゅうおんど)で グーチョキ パー三波春夫秋元康三波春夫仙波清彦・吉田智恐竜音頭(きょうりゅうおんど)で グーチョキ パー(グーチョキパー)  遠い太古の時代にはいろんなお方が 生きとった (ソレソレソレソレ) あちらにゃ ティラノサウルス こちらにゃ タルボサウルス 右を向いても 左を向いても 直立歩行(ちょくりつほこう)の爬虫類(はちゅうるい) にぎやかですな (のしのしのしのし) のしのしのし 我がもの顔で大地を行けば そこで誰かが通せんぼ  グーチョキ グーチョキ グーチョキ パー 恐竜音頭(きょうりゅうおんど)で グーチョキ パー 恐竜音頭(きょうりゅうおんど)で グーチョキ パー (グーチョキ パー)  そして6500万年 図鑑の中には生きとった (ソレソレソレソレ) あちらにゃ リストロサウルス こちらにゃ ディキノドン 前を向いても 後ろを向いても 進化するのは哺乳類(ほにゅうるい) お見事ですな (のしのしのしのし) のしのしのし 俺らがここで 生きてた事を 化石に残して伝えよう (えらいわぁ)  お見事ですな (のしのしのしのし) のしのしのし 俺らがここで 生きてた事を 化石に残して伝えよう  グーチョキ グーチョキ グーチョキ パー 恐竜音頭(きょうりゅうおんど)で グーチョキ パー グーチョキ グーチョキ グーチョキ パー 恐竜音頭(きょうりゅうおんど)で グーチョキ パー
忠太郎月夜辛い浮世の しがらみ格子 義理が情を 通せんぼ 姿やくざに 姿やくざに やつれていても 瞼はなれぬ 母の顔  「おかみさん- 二十年前番場の宿に置いていかれた、 あんたの伜、忠太郎でござんす。 よっく顔をみてやっておくんなさいまし。え、 それじゃ、覚えがねえとおっしゃるんでござんすかい、 覚えがねえと- - - - - -」  来るじゃなかった 水熊横丁  筑波おろしが 身にしみる 責めちゃなるまい 責めちゃなるまい おふくろさんを これが親子の さだめなら  「そうだ今更ら恨んでみたって、どうにもならねえ、 こうやって上と下の瞼を合せりゃ 逢わねえ昔のやさしいおっ母さんの面影が浮かんでくるんだ。 それでいい、逢いたくなったら、逢いたくなったら、 俺ァ瞼を つぶるんだ」  何処へ飛ぼうと 番場のからす 西も東も 風まかせ 浮世旅笠 浮世旅笠 幾山越えて 今日も瞼の 母と行く  「おっ母さん おっ母さん」三波春夫門井八郎春川一夫辛い浮世の しがらみ格子 義理が情を 通せんぼ 姿やくざに 姿やくざに やつれていても 瞼はなれぬ 母の顔  「おかみさん- 二十年前番場の宿に置いていかれた、 あんたの伜、忠太郎でござんす。 よっく顔をみてやっておくんなさいまし。え、 それじゃ、覚えがねえとおっしゃるんでござんすかい、 覚えがねえと- - - - - -」  来るじゃなかった 水熊横丁  筑波おろしが 身にしみる 責めちゃなるまい 責めちゃなるまい おふくろさんを これが親子の さだめなら  「そうだ今更ら恨んでみたって、どうにもならねえ、 こうやって上と下の瞼を合せりゃ 逢わねえ昔のやさしいおっ母さんの面影が浮かんでくるんだ。 それでいい、逢いたくなったら、逢いたくなったら、 俺ァ瞼を つぶるんだ」  何処へ飛ぼうと 番場のからす 西も東も 風まかせ 浮世旅笠 浮世旅笠 幾山越えて 今日も瞼の 母と行く  「おっ母さん おっ母さん」
富士山桜の花が 咲いている 旅立ちのとき 胸あつく 遥かな空に 虹かける 仰げばそこに 富士の山  逆巻く波が 打ち寄せる 真っ直ぐな道 曲り道 傷つくたびに 泣くたびに 「元気出せよ」と 富士の山  夕焼け雲が 燃えている ふるさとの山 光る河 父、母、幼友達の 歌が聞こえる 富士の山  白雪しんと 降りしきる さまざまなこと 思いだす 「よくやったね」と微笑んで 春を夢見る 富士の山  「よくやったね」と微笑んで 春を夢見る 富士の山 三波春夫新井満新井満久米大作桜の花が 咲いている 旅立ちのとき 胸あつく 遥かな空に 虹かける 仰げばそこに 富士の山  逆巻く波が 打ち寄せる 真っ直ぐな道 曲り道 傷つくたびに 泣くたびに 「元気出せよ」と 富士の山  夕焼け雲が 燃えている ふるさとの山 光る河 父、母、幼友達の 歌が聞こえる 富士の山  白雪しんと 降りしきる さまざまなこと 思いだす 「よくやったね」と微笑んで 春を夢見る 富士の山  「よくやったね」と微笑んで 春を夢見る 富士の山 
大東京音頭人が輪になる (ソレ) 輪が花になる (ヨイサヨイサ) 江戸の残り香 ほのぼのとけて 通う心に 咲き残る (ヨイショ) 東京東京 大東京 (サテ) 咲いて咲かせて いつまでも ソレいつまでも  明日のしあわせ (ソレ) 願いをこめて (ヨイサヨイサ) 伸びる地下鉄 高速道路 苦労なんかは 吹きとばせ (ヨイショ) 東京東京 大東京 (サテ) ご覧隅田の 水も澄む ソレ水も澄む  富士も見えます (ソレ) 筑波も見える (ヨイサヨイサ) むかし武蔵野 いまニュータウン ビルの林に 歌が湧く (ヨイショ) 東京東京 大東京 (サテ) 月が笑顔で 今晩は ソレ今晩は  夢はひろがる (ソレ) 南へ西へ (ヨイサヨイサ) 文化日本の あこがれ乗せて 今日も空から 港から (ヨイショ) 東京東京 大東京 (サテ) 行くぞ世界の 果てまでも ソレ果てまでも三波春夫滝田常晴・補作詞:藤田まさと遠藤実人が輪になる (ソレ) 輪が花になる (ヨイサヨイサ) 江戸の残り香 ほのぼのとけて 通う心に 咲き残る (ヨイショ) 東京東京 大東京 (サテ) 咲いて咲かせて いつまでも ソレいつまでも  明日のしあわせ (ソレ) 願いをこめて (ヨイサヨイサ) 伸びる地下鉄 高速道路 苦労なんかは 吹きとばせ (ヨイショ) 東京東京 大東京 (サテ) ご覧隅田の 水も澄む ソレ水も澄む  富士も見えます (ソレ) 筑波も見える (ヨイサヨイサ) むかし武蔵野 いまニュータウン ビルの林に 歌が湧く (ヨイショ) 東京東京 大東京 (サテ) 月が笑顔で 今晩は ソレ今晩は  夢はひろがる (ソレ) 南へ西へ (ヨイサヨイサ) 文化日本の あこがれ乗せて 今日も空から 港から (ヨイショ) 東京東京 大東京 (サテ) 行くぞ世界の 果てまでも ソレ果てまでも
出世佐渡情話お国訛りを嗤われて なんど楽屋で泣いたやら 浮かぶふるさと あの山小川 飾る錦が男の誓い 今宵 血を吐く寒稽古  泣いて別れたあの人に 熱い想いを通わせて 島の娘の黒髪恋し 唄うおけさも米若ぶしに 乗せて出世の 佐渡情話  佐渡へ佐渡へと草木もなびく 佐渡は居よいか住みよいか 唄で知られた 佐渡ヶ島 寄せては返す浪の音 立つや鴎か群千鳥 浜の小岩に佇んで 若き男女のアー語り合い  晴れの舞台に七彩の 夢を呼ぶよな名調子 恋の四十九厘 たらいの舟も 今は昔よ お光と吾作 涙輝やく 金屏風三波春夫北村桃児長津義司お国訛りを嗤われて なんど楽屋で泣いたやら 浮かぶふるさと あの山小川 飾る錦が男の誓い 今宵 血を吐く寒稽古  泣いて別れたあの人に 熱い想いを通わせて 島の娘の黒髪恋し 唄うおけさも米若ぶしに 乗せて出世の 佐渡情話  佐渡へ佐渡へと草木もなびく 佐渡は居よいか住みよいか 唄で知られた 佐渡ヶ島 寄せては返す浪の音 立つや鴎か群千鳥 浜の小岩に佇んで 若き男女のアー語り合い  晴れの舞台に七彩の 夢を呼ぶよな名調子 恋の四十九厘 たらいの舟も 今は昔よ お光と吾作 涙輝やく 金屏風
三波のハンヤ節「西郷隆盛」ハンヤ エー ハンヤ一節(ひとふし) 借りうけましてよ ヨイヤサ ヨイヤサ 薩摩名物読み上げまする 花は霧島 タバコは国分 燃えて上がるは桜島 波が煌(きら)めく 錦江湾 月も 月も 涙の城山に 忘れちゃならないその人は 姓は西郷 名は隆盛よ ヨイヤサ ヨイヤサ  ハンヤ エー 生まれながらの よか青年(にせ)どんじゃて ヨイヤサ ヨイヤサ 人に好かれる 心の広さ 薩摩西郷どんは 世界の偉人 国の為なら 死ぬと言うた 明治維新の 先頭に 立って 立って進んだ 雄々しさよ 錦の御旗は 伊達じゃない 旧(ふる)い日本は 変えなきゃならぬ ヨイヤサ ヨイヤサ  ハンヤ エー ハンヤぶし聴きゃァ 薩摩が恋しョ ヨイヤサ ヨイヤサ 夢は破れた 征韓論に 還(かえ)るふるさと 唯なつかしや 慕い集まる 四千人 遂に西南戦争は 明治 明治十年秋九月 散らした命は かえらねど 永久(とわ)に生きてる 大南州よ ヨイヤサ ヨイヤサ三波春夫三波春夫佐藤川太ハンヤ エー ハンヤ一節(ひとふし) 借りうけましてよ ヨイヤサ ヨイヤサ 薩摩名物読み上げまする 花は霧島 タバコは国分 燃えて上がるは桜島 波が煌(きら)めく 錦江湾 月も 月も 涙の城山に 忘れちゃならないその人は 姓は西郷 名は隆盛よ ヨイヤサ ヨイヤサ  ハンヤ エー 生まれながらの よか青年(にせ)どんじゃて ヨイヤサ ヨイヤサ 人に好かれる 心の広さ 薩摩西郷どんは 世界の偉人 国の為なら 死ぬと言うた 明治維新の 先頭に 立って 立って進んだ 雄々しさよ 錦の御旗は 伊達じゃない 旧(ふる)い日本は 変えなきゃならぬ ヨイヤサ ヨイヤサ  ハンヤ エー ハンヤぶし聴きゃァ 薩摩が恋しョ ヨイヤサ ヨイヤサ 夢は破れた 征韓論に 還(かえ)るふるさと 唯なつかしや 慕い集まる 四千人 遂に西南戦争は 明治 明治十年秋九月 散らした命は かえらねど 永久(とわ)に生きてる 大南州よ ヨイヤサ ヨイヤサ
高田屋嘉兵衛国は何処かと聞かれたら 日本人だと 胸を張る 男、高田屋嘉兵衛どん 此処はエトロフ千島の沖で 波の飛沫を受けて立つ  「ロシアの艦長さん、如何にもあなたがたの上官ゴロヴニン中佐は、 松前藩の役人衆の手に捕らえられました。 それは何故だかご存知でございましょう、あなたがたがエトロフ島に 不法上陸をなされ剰え発砲騒ぎをおこされたからでござります。 若しどうしても中佐を帰して欲しいと仰有るなら今後ロシアのお国が、 エトロフやクナシリには決して手出しをしないとお誓いなされ、 さすりゃ高田屋嘉兵衛、命にかえても将軍さまにかけ合って進ぜましょう。 はばかり乍らこのエトロフは、この高田屋が開拓をした島でござります。 いいえ、さ!日本の領土でござりますわい。」  顔は笑っているけれど 度胸千両の瞳の光り 男、高田屋嘉兵衛どん 捕えられても首斬られても 日本の領土は渡されぬ  「おう、お前達よ元気じゃったか、一年半ぶりじゃのう、 儂はロシアの牢屋につながれている時、 しみじみ国の淡路や函館が恋しかったわい、しかしロシアがあやまりを 認める迄は儂は死んでも帰らぬと頑張った、 さあ、これで日本とロシアの紛争も治まった、 これからは皆大きな顔して海の仕事に精がだせるぞよ」  花の明治にさきがけて 港 函館 春を呼ぶ 男、高田屋嘉兵衛どん 夢は故郷の淡路の島か 月の鳴戸のうず汐か三波春夫北村桃児いずみたく国は何処かと聞かれたら 日本人だと 胸を張る 男、高田屋嘉兵衛どん 此処はエトロフ千島の沖で 波の飛沫を受けて立つ  「ロシアの艦長さん、如何にもあなたがたの上官ゴロヴニン中佐は、 松前藩の役人衆の手に捕らえられました。 それは何故だかご存知でございましょう、あなたがたがエトロフ島に 不法上陸をなされ剰え発砲騒ぎをおこされたからでござります。 若しどうしても中佐を帰して欲しいと仰有るなら今後ロシアのお国が、 エトロフやクナシリには決して手出しをしないとお誓いなされ、 さすりゃ高田屋嘉兵衛、命にかえても将軍さまにかけ合って進ぜましょう。 はばかり乍らこのエトロフは、この高田屋が開拓をした島でござります。 いいえ、さ!日本の領土でござりますわい。」  顔は笑っているけれど 度胸千両の瞳の光り 男、高田屋嘉兵衛どん 捕えられても首斬られても 日本の領土は渡されぬ  「おう、お前達よ元気じゃったか、一年半ぶりじゃのう、 儂はロシアの牢屋につながれている時、 しみじみ国の淡路や函館が恋しかったわい、しかしロシアがあやまりを 認める迄は儂は死んでも帰らぬと頑張った、 さあ、これで日本とロシアの紛争も治まった、 これからは皆大きな顔して海の仕事に精がだせるぞよ」  花の明治にさきがけて 港 函館 春を呼ぶ 男、高田屋嘉兵衛どん 夢は故郷の淡路の島か 月の鳴戸のうず汐か
赤い椿と三度笠花がひと片 夜風に落ちた 抱いておくれと 笠の上 こんなやくざにゃ お寄りなさんな 洗い流せぬ 身の錆に 俺も泣きたい 旅ぐらし  赤い椿の 身の上話し 聞けば俺らも ついほろり 縞の合羽に 抱いてた夢は 脇差も要らなきゃ 名も要らぬ せめて堅気に 戻りたや  無理に通れば 白刃の雨が 俺の行手に 降りかかる ままよ地獄の 峠を越えて 花の手を引く 旅発(だ)ちに 被り直した 三度笠三波春夫北村桃児遠藤実花がひと片 夜風に落ちた 抱いておくれと 笠の上 こんなやくざにゃ お寄りなさんな 洗い流せぬ 身の錆に 俺も泣きたい 旅ぐらし  赤い椿の 身の上話し 聞けば俺らも ついほろり 縞の合羽に 抱いてた夢は 脇差も要らなきゃ 名も要らぬ せめて堅気に 戻りたや  無理に通れば 白刃の雨が 俺の行手に 降りかかる ままよ地獄の 峠を越えて 花の手を引く 旅発(だ)ちに 被り直した 三度笠
天竜しぶき笠思い溢れて 来はしたが 思い残して また行くさだめ 天竜、天竜、天竜よお前は何(なん)にも言わず ヨーイトホイー 辛い別れを 押し流す  みどり恋しい 山々や 惚れたあの娘に なぜ背を向ける 男、男、男の泪が磧(かわら)の砂に ヨーイトホイー 落ちて滲んだ 宵月夜  誰も知らない それでよい 嫌な渡世の 仁義のかけら 天竜、天竜、天竜を下ればしぶきか雨か ヨーイトホイー 笠がぬれるよ 身もぬれる三波春夫萩原四朗倉若晴生思い溢れて 来はしたが 思い残して また行くさだめ 天竜、天竜、天竜よお前は何(なん)にも言わず ヨーイトホイー 辛い別れを 押し流す  みどり恋しい 山々や 惚れたあの娘に なぜ背を向ける 男、男、男の泪が磧(かわら)の砂に ヨーイトホイー 落ちて滲んだ 宵月夜  誰も知らない それでよい 嫌な渡世の 仁義のかけら 天竜、天竜、天竜を下ればしぶきか雨か ヨーイトホイー 笠がぬれるよ 身もぬれる
筑波の鴉たかがひとりの 身軽な旅も 故郷(くに)の近くじゃ 気が重い はぐれついでの 筑波の鴉 寄ろか寄ろか過ぎよか 諸川宿は 生まれ在所へ ひとっ飛び  一宿一飯軒下三尺借りうけましてと、あれから三年経った。 手前勝手と、わかっちゃいるが一目逢いてえ、 逢いてえなア、お袋さんにヨー  なまじやくざに 惚れさせまいと 心ならずも 袖にした あの娘恋しい 境の渡し 利根の利根の河原に 風立つ頃は 夢にまで見た 夜がある  おちょぼ口のやさしい娘だったお千世坊、 今頃はお歯黒染めて堅気のいいおかみさんになっているかもしれねえ、 フン、俺らァ阿呆鴉だぜ  逢えば逢(お)うたで 不孝がつのる どうせ俺らは 親泣かせ 莫迦が莫迦なり 思案を決めりゃ 月の月のお山の 男体女体 片手拝みの 眼に痛い三波春夫藤間哲郎清水ひでおたかがひとりの 身軽な旅も 故郷(くに)の近くじゃ 気が重い はぐれついでの 筑波の鴉 寄ろか寄ろか過ぎよか 諸川宿は 生まれ在所へ ひとっ飛び  一宿一飯軒下三尺借りうけましてと、あれから三年経った。 手前勝手と、わかっちゃいるが一目逢いてえ、 逢いてえなア、お袋さんにヨー  なまじやくざに 惚れさせまいと 心ならずも 袖にした あの娘恋しい 境の渡し 利根の利根の河原に 風立つ頃は 夢にまで見た 夜がある  おちょぼ口のやさしい娘だったお千世坊、 今頃はお歯黒染めて堅気のいいおかみさんになっているかもしれねえ、 フン、俺らァ阿呆鴉だぜ  逢えば逢(お)うたで 不孝がつのる どうせ俺らは 親泣かせ 莫迦が莫迦なり 思案を決めりゃ 月の月のお山の 男体女体 片手拝みの 眼に痛い
人生おけさ何をくよくよ 明日があるさ 肩を叩いて 酒場の隅で 涙忘れて しみじみと のんで語ろか 人生おけさ 捨てちゃならない その夢だけは  荒いこの世の 波風うけて 浮いて沈んで 沈んで浮いて 何処の港に 着くのやら 勝つも負けるも 人生おけさ 波にまかせて ゆこうじゃないか  独り陽かげに 咲く花みれば 思い出すのさ 故郷の母を 夢も侘しい 裏町で 泣くも笑うも 人生おけさ 何をくよくよ 明日があるさ三波春夫北村桃児長津義司何をくよくよ 明日があるさ 肩を叩いて 酒場の隅で 涙忘れて しみじみと のんで語ろか 人生おけさ 捨てちゃならない その夢だけは  荒いこの世の 波風うけて 浮いて沈んで 沈んで浮いて 何処の港に 着くのやら 勝つも負けるも 人生おけさ 波にまかせて ゆこうじゃないか  独り陽かげに 咲く花みれば 思い出すのさ 故郷の母を 夢も侘しい 裏町で 泣くも笑うも 人生おけさ 何をくよくよ 明日があるさ
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
ジャン・ナイト・じゃん急ぐな騒ぐなあわてるなパイをつかめば 戦国ロマンの夢が湧く 運賦 天賦 とリーチを賭ける 止めてくれるな正面さん ズガーンと行かねばならぬのだ 下チャ上チャも 雀仲間 勝負懸けたら 情け無用の狙いうち 君はあげ満素敵じゃないか僕と満願ツモろうよ ズガーンと幸せ掴もうぞ 闇で役満 待つ心翔んで花見が咲くものか いつもツカンボ口惜し泣き男 泪を かくして勝負の道を行く 読みの深さはメンタンピンどこでツモるか 三 色を ズガーンとテンパイ見せようかここが三面待ちどころ行くぜカンチャン 国士無双[こくしむそう]の関ヶ原 ツモニモ負けずにやり抜いて勝って飲み干すビールがうまい ズガーンと男は命がけ 闇で役満 待つ心翔んで花見が咲くものか 急ぐな騒ぐなあわてるなパイをつかめば 戦国ロマンの夢が湧く 運賦 天賦 とリーチを賭ける 止めてくれるな正面さんズガーンと行かねばならぬのだ 闇で役満 待つ心翔んで花見が咲くものか ズガーンと ズガーンと行かねばならぬのだ三波春夫三波春夫CHOKKAKUCHOKKAKU急ぐな騒ぐなあわてるなパイをつかめば 戦国ロマンの夢が湧く 運賦 天賦 とリーチを賭ける 止めてくれるな正面さん ズガーンと行かねばならぬのだ 下チャ上チャも 雀仲間 勝負懸けたら 情け無用の狙いうち 君はあげ満素敵じゃないか僕と満願ツモろうよ ズガーンと幸せ掴もうぞ 闇で役満 待つ心翔んで花見が咲くものか いつもツカンボ口惜し泣き男 泪を かくして勝負の道を行く 読みの深さはメンタンピンどこでツモるか 三 色を ズガーンとテンパイ見せようかここが三面待ちどころ行くぜカンチャン 国士無双[こくしむそう]の関ヶ原 ツモニモ負けずにやり抜いて勝って飲み干すビールがうまい ズガーンと男は命がけ 闇で役満 待つ心翔んで花見が咲くものか 急ぐな騒ぐなあわてるなパイをつかめば 戦国ロマンの夢が湧く 運賦 天賦 とリーチを賭ける 止めてくれるな正面さんズガーンと行かねばならぬのだ 闇で役満 待つ心翔んで花見が咲くものか ズガーンと ズガーンと行かねばならぬのだ
あばれ太鼓親の無学を 嗤うじゃないぞ 親はわが子に いのちだけ 伸びよ育てよ 麟太郎 貧乏暮しの 路地裏に こころふくらむ 春の風  母の涙で 情けを悟れ 父のこぶしで 意地を知れ つらい修行の 明けくれに 負けて死にたきゃ 権現の 滝に打たれて 目をさませ  若い血汐が 時代を変える ゆけよ走れよ 麟太郎 今がお前の 出番だぞ 花の明治の あけぼのへ あばれ太鼓が 鳴り渡る三波春夫猪又良春川一夫親の無学を 嗤うじゃないぞ 親はわが子に いのちだけ 伸びよ育てよ 麟太郎 貧乏暮しの 路地裏に こころふくらむ 春の風  母の涙で 情けを悟れ 父のこぶしで 意地を知れ つらい修行の 明けくれに 負けて死にたきゃ 権現の 滝に打たれて 目をさませ  若い血汐が 時代を変える ゆけよ走れよ 麟太郎 今がお前の 出番だぞ 花の明治の あけぼのへ あばれ太鼓が 鳴り渡る
丼音頭日本全国 お昼時 (ハイ ラッシャイ) のれんくぐれば 嬉しいね ハイ天丼 サァかつ丼 チョイトうな丼 コリャ牛丼 人情カランデ 親子丼 「ハイ イラッシャイ えー一寸おつめを願います。」  フタをあければ 湯気が立つ (ハイ ラッシャイ) 箸の香りも 嬉しいね ハイ天丼 サァかつ丼 チョイトうな丼 コリャ牛丼 人情カランデ 親子丼 「えーお待たせしております。 おーい急いでおくれ…!ハイ お待ち遠さま。」  今日は豪華に大盛で (ハイ ラッシャイ) 御飯ほかほか 嬉しいね ハイ天丼 サァかつ丼 チョイトうな丼 コリャ牛丼 人情カランデ 親子丼 「三番さん オシンコ大盛だよ。」  勘定払って ごちそうさん (ハイ まいど) おなか一杯 嬉しいね ハイ天丼 サァかつ丼 チョイトうな丼 コリャ牛丼 人情カランデ 親子丼 「毎度ありがとう存じます。」三波春夫丼盛太郎小町昭日本全国 お昼時 (ハイ ラッシャイ) のれんくぐれば 嬉しいね ハイ天丼 サァかつ丼 チョイトうな丼 コリャ牛丼 人情カランデ 親子丼 「ハイ イラッシャイ えー一寸おつめを願います。」  フタをあければ 湯気が立つ (ハイ ラッシャイ) 箸の香りも 嬉しいね ハイ天丼 サァかつ丼 チョイトうな丼 コリャ牛丼 人情カランデ 親子丼 「えーお待たせしております。 おーい急いでおくれ…!ハイ お待ち遠さま。」  今日は豪華に大盛で (ハイ ラッシャイ) 御飯ほかほか 嬉しいね ハイ天丼 サァかつ丼 チョイトうな丼 コリャ牛丼 人情カランデ 親子丼 「三番さん オシンコ大盛だよ。」  勘定払って ごちそうさん (ハイ まいど) おなか一杯 嬉しいね ハイ天丼 サァかつ丼 チョイトうな丼 コリャ牛丼 人情カランデ 親子丼 「毎度ありがとう存じます。」
縞の合羽に三度笠峠7里の 夕焼け空を 縞の合羽に 三度笠 親が恋しゅうて 泣きたい時は 長脇差(ドス)を抜きたくなるんだぜ 「チェッ 調子がでねぇや」 バカはお止しと 言うように 白い蝶々が 手に止まる  独(ひと)り咲いてる 紅山百合(やまゆり)に 足が止まるよ 三度笠 聞いてくれるか 身の上話 野暮な男の 故郷(くに)の歌 「チェッ しけてやがらア」 月が出そうな あの山に 雨をはらんだ 雲が飛ぶ  何処(どこ)で終わるか 浮世の旅を 縞の合羽に 三度笠 恨みつらみは さらりと捨てて 明日の命を さいころに 「ヘン 一寸先ア闇だ!」 泣くも笑うも 旅の空 義理も人情も 風任せ三波春夫北村桃児伏見竜治峠7里の 夕焼け空を 縞の合羽に 三度笠 親が恋しゅうて 泣きたい時は 長脇差(ドス)を抜きたくなるんだぜ 「チェッ 調子がでねぇや」 バカはお止しと 言うように 白い蝶々が 手に止まる  独(ひと)り咲いてる 紅山百合(やまゆり)に 足が止まるよ 三度笠 聞いてくれるか 身の上話 野暮な男の 故郷(くに)の歌 「チェッ しけてやがらア」 月が出そうな あの山に 雨をはらんだ 雲が飛ぶ  何処(どこ)で終わるか 浮世の旅を 縞の合羽に 三度笠 恨みつらみは さらりと捨てて 明日の命を さいころに 「ヘン 一寸先ア闇だ!」 泣くも笑うも 旅の空 義理も人情も 風任せ
頑固親爺の浪花節男は何時でも 自分の道を 決めて いかなきゃ女も惚れぬ 甘えて 世間が通れるものか 何を するにも命を懸けろ 頑固おやじの 浪花節 何故か 今頃 胸を刺す  北風 木枯し みぞれの夜に 津軽海峡 涙で越えた 南の町でも 芽が出ぬ時は 西も 東も あるではないか 頑固おやじの 目の奥に 何故か 泪が 浮かんでた  どんなに 小さな情けも恩も 石に刻んで 覚えて置けよ 恩とは 着るもの 着せてはならぬ それが男と 言うものなのさ 頑固おやじの 浪花節 今宵しみじみ 想い出す三波春夫三波春夫岡千秋男は何時でも 自分の道を 決めて いかなきゃ女も惚れぬ 甘えて 世間が通れるものか 何を するにも命を懸けろ 頑固おやじの 浪花節 何故か 今頃 胸を刺す  北風 木枯し みぞれの夜に 津軽海峡 涙で越えた 南の町でも 芽が出ぬ時は 西も 東も あるではないか 頑固おやじの 目の奥に 何故か 泪が 浮かんでた  どんなに 小さな情けも恩も 石に刻んで 覚えて置けよ 恩とは 着るもの 着せてはならぬ それが男と 言うものなのさ 頑固おやじの 浪花節 今宵しみじみ 想い出す
人力一代廻るくるまに 男の夢を 乗せて明治の 街を行く 人力一代 恋も情けも 仕事の邪魔と 笑う瞳に 涙が光る  浮世はぐるま 何故何故合わぬ 破れ障子に 秋の月 人力一代 江戸の名残りの 馬場先門に 走るひびきは 時代の響き  人の噂を 気にする様じゃ 花も咲かなきゃ 実も成らぬ 人力一代 可愛い伜の 制服姿 晴れておやじが 乗せて引く三波春夫北村桃児長津義司廻るくるまに 男の夢を 乗せて明治の 街を行く 人力一代 恋も情けも 仕事の邪魔と 笑う瞳に 涙が光る  浮世はぐるま 何故何故合わぬ 破れ障子に 秋の月 人力一代 江戸の名残りの 馬場先門に 走るひびきは 時代の響き  人の噂を 気にする様じゃ 花も咲かなきゃ 実も成らぬ 人力一代 可愛い伜の 制服姿 晴れておやじが 乗せて引く
日本を頼みます(セリフ)「皆さま、日本を頼みます」  春は桜の花が咲き 夏は海辺でひと泳ぎ 秋は枯れ葉を踏みしめて 冬は静かに雪が降る 喜びも悲しみも いろいろ あったけど しあわせは また巡る この国に生まれてよかった ああ~ 日本を頼みます  春に誰かと知り合って 夏に2人は愛し合い 秋にサヨナラ告げられて 冬に1人で思い出す 出逢いとか別れとか いろいろ あるけれど しあわせは また巡る この国に生まれてよかった ああ~ 日本を頼みます ああ~ 日本を頼みます三波春夫秋元康鈴木キサブロー(セリフ)「皆さま、日本を頼みます」  春は桜の花が咲き 夏は海辺でひと泳ぎ 秋は枯れ葉を踏みしめて 冬は静かに雪が降る 喜びも悲しみも いろいろ あったけど しあわせは また巡る この国に生まれてよかった ああ~ 日本を頼みます  春に誰かと知り合って 夏に2人は愛し合い 秋にサヨナラ告げられて 冬に1人で思い出す 出逢いとか別れとか いろいろ あるけれど しあわせは また巡る この国に生まれてよかった ああ~ 日本を頼みます ああ~ 日本を頼みます
大江戸かわら版サーテ サテサテ サテサテ ちょいとそこゆく ご新造さん 熊さん八っあん ご隠居さん 天地神命 神かけて 仕込んだネタに 嘘はない 涙もあれば 夢もある 天下ご免の かわら版  サーテ サテサテ サテサテ 義理と人情の しがらみに 咲くのも花なら 散るも花 毎度皆さま お馴染みの 強きをくじく こころ意気 いのちを筆に 傾けた 天下ご免の かわら版  吉良家の付け人剣豪清水一角が、赤穂浪士の討入りに何んであえなく 斃れたか、こいつにゃ深けえわけがある。 皆さんとくとご存知の呑んべ安兵衛、喧嘩安、 堀部安兵衛武庸が聞かせてくれた裏ばなし。 サアテその夜、吉良の屋敷に乗り込んだ赤穂浪士は四十と七人。 一際目に立つ安兵衛の行く手をさえぎる清水一角 「やあれ安兵衛、久し振りよな。真庭念流樋口の道場、 共に学んだ兄弟弟子が刃交わすも宿世の縁。斟酌無用ー」 と呼わって大上段に構えたり。  誘いの大刀か捨身の術か、不思議な事があるものよ、 ただの一度も一角はこんな構えはしなかった。 「ハッ!」と気付いたその時に、降り下したる大刀風を危くかわした横一文字。 愛刀関の孫六が相手の胴に決まったり。 雪を真赤な血に染めて、どうと斃れた一角がー  よくぞ安兵衛 出かしたり お前に斬られて 嬉しいぞ 敵と味方に 別れても 誓い交わした 友ならば 恨みつらみを 持ちはせぬ 忠義に刃向う 敵はなし  死出の旅路のその真際、口にゃ出さねどそれとなく震える指で 教えてくれた仇の在所。 炭小屋深く吉良様がかくれひそんでいたと言う。 どうです皆さんー江戸っ子ならば清水一角の武士の情けに泣いとくれ。  サーテ サテサテ サテサテ 鏡は上野か 浅草か 墨田の川面を 流れゆく 人の浮世も 流れゆく せめて明日の しあわせを 祈る心で 書き上げた 天下ご免の からわ版三波春夫渋谷郁男佐藤川太サーテ サテサテ サテサテ ちょいとそこゆく ご新造さん 熊さん八っあん ご隠居さん 天地神命 神かけて 仕込んだネタに 嘘はない 涙もあれば 夢もある 天下ご免の かわら版  サーテ サテサテ サテサテ 義理と人情の しがらみに 咲くのも花なら 散るも花 毎度皆さま お馴染みの 強きをくじく こころ意気 いのちを筆に 傾けた 天下ご免の かわら版  吉良家の付け人剣豪清水一角が、赤穂浪士の討入りに何んであえなく 斃れたか、こいつにゃ深けえわけがある。 皆さんとくとご存知の呑んべ安兵衛、喧嘩安、 堀部安兵衛武庸が聞かせてくれた裏ばなし。 サアテその夜、吉良の屋敷に乗り込んだ赤穂浪士は四十と七人。 一際目に立つ安兵衛の行く手をさえぎる清水一角 「やあれ安兵衛、久し振りよな。真庭念流樋口の道場、 共に学んだ兄弟弟子が刃交わすも宿世の縁。斟酌無用ー」 と呼わって大上段に構えたり。  誘いの大刀か捨身の術か、不思議な事があるものよ、 ただの一度も一角はこんな構えはしなかった。 「ハッ!」と気付いたその時に、降り下したる大刀風を危くかわした横一文字。 愛刀関の孫六が相手の胴に決まったり。 雪を真赤な血に染めて、どうと斃れた一角がー  よくぞ安兵衛 出かしたり お前に斬られて 嬉しいぞ 敵と味方に 別れても 誓い交わした 友ならば 恨みつらみを 持ちはせぬ 忠義に刃向う 敵はなし  死出の旅路のその真際、口にゃ出さねどそれとなく震える指で 教えてくれた仇の在所。 炭小屋深く吉良様がかくれひそんでいたと言う。 どうです皆さんー江戸っ子ならば清水一角の武士の情けに泣いとくれ。  サーテ サテサテ サテサテ 鏡は上野か 浅草か 墨田の川面を 流れゆく 人の浮世も 流れゆく せめて明日の しあわせを 祈る心で 書き上げた 天下ご免の からわ版
終り無きわが歌の道私の歌のふるさとは 父の民謡 私の歌の想い出は 母の子守唄 私の歌の故郷は 日本の心 私の歌の生甲斐は 人々の笑顔  よろこびに 湧き立つ手拍子に 命の限り私は歌う 人生がこの中に 真心と愛が溢れて 悲しみを洗う 涙の如く 新しき夢かけて 歌よ 翔け 愛する国に 歌よ 翔け  私の歌のふるさとは 流行歌と浪花節 私の歌の想い出は 小学校のオルガン 私の歌の故郷は 日本の心 私の歌の生甲斐は 人々の笑顔  よろこびに 湧き立つ手拍子に 命の限り私は歌う 人生がこの中に 真心と愛が溢れて 悲しみを洗う 涙の如く 新しき夢かけて 歌よ 翔け 愛する国に 歌よ 翔け (新しき夢かけて 歌よ 翔け) 愛する国に 歌よ 翔け  あゝ終り無きわが歌の道 終り無きわが歌の道  遥か 遥か 遥か 遥か三波春夫三波春夫宮川泰私の歌のふるさとは 父の民謡 私の歌の想い出は 母の子守唄 私の歌の故郷は 日本の心 私の歌の生甲斐は 人々の笑顔  よろこびに 湧き立つ手拍子に 命の限り私は歌う 人生がこの中に 真心と愛が溢れて 悲しみを洗う 涙の如く 新しき夢かけて 歌よ 翔け 愛する国に 歌よ 翔け  私の歌のふるさとは 流行歌と浪花節 私の歌の想い出は 小学校のオルガン 私の歌の故郷は 日本の心 私の歌の生甲斐は 人々の笑顔  よろこびに 湧き立つ手拍子に 命の限り私は歌う 人生がこの中に 真心と愛が溢れて 悲しみを洗う 涙の如く 新しき夢かけて 歌よ 翔け 愛する国に 歌よ 翔け (新しき夢かけて 歌よ 翔け) 愛する国に 歌よ 翔け  あゝ終り無きわが歌の道 終り無きわが歌の道  遥か 遥か 遥か 遥か
万国博覧会音頭ハァー さくら日本の 博覧会を ひと目みせたい 晴れすがた 千里山から 世界の空へ かけて世紀の ササ ヨイショ ヨイショ 虹が立つ 虹が立つ ソレ 「パットパラリト パッとひらく 花の万国花の万国博覧会」  ハァー すすむ時代に 名乗りをあげて さすが日本の 心意気 歌よひろがれ しあわせ呼んで まるい地球を ササ ヨイショ ヨイショ ひとまわり ひとまわり ソレ 「パットパラリト パッとひらく 花の万国花の万国博覧会」  ハァー はずむ思いを 太鼓にのせて 夢の祭りの 幕があく さても大阪 うれしじゃないか 世界繁盛の ササ ヨイショ ヨイショ 招きうた 招きうた ソレ 「パットパラリト パッとひらく 花の万国花の万国博覧会」三波春夫宮田隆長津義司ハァー さくら日本の 博覧会を ひと目みせたい 晴れすがた 千里山から 世界の空へ かけて世紀の ササ ヨイショ ヨイショ 虹が立つ 虹が立つ ソレ 「パットパラリト パッとひらく 花の万国花の万国博覧会」  ハァー すすむ時代に 名乗りをあげて さすが日本の 心意気 歌よひろがれ しあわせ呼んで まるい地球を ササ ヨイショ ヨイショ ひとまわり ひとまわり ソレ 「パットパラリト パッとひらく 花の万国花の万国博覧会」  ハァー はずむ思いを 太鼓にのせて 夢の祭りの 幕があく さても大阪 うれしじゃないか 世界繁盛の ササ ヨイショ ヨイショ 招きうた 招きうた ソレ 「パットパラリト パッとひらく 花の万国花の万国博覧会」
お祭り鴉親が恋しい 年頃に なってしみじみ しのぶ顔 風の便りは もう聞き飽きた せめて情けの 声が聞きたい 母恋鴉  祭り太鼓に 誘われて 来れば宿場は 通り雨 旅は憂いもの 八幡さまの あばれ神輿に 羽をとられた お祭り鴉  ドスは捨てても 捨てられぬ 昔なじみの 里の唄 母は何処か 東か西か 泣いて一ト節 節でうらなう 風吹き鴉三波春夫藤田まさと春川一夫親が恋しい 年頃に なってしみじみ しのぶ顔 風の便りは もう聞き飽きた せめて情けの 声が聞きたい 母恋鴉  祭り太鼓に 誘われて 来れば宿場は 通り雨 旅は憂いもの 八幡さまの あばれ神輿に 羽をとられた お祭り鴉  ドスは捨てても 捨てられぬ 昔なじみの 里の唄 母は何処か 東か西か 泣いて一ト節 節でうらなう 風吹き鴉
恋さま道中人の浮世が 表と裏と 二つあるとは つい知らなんだ 嫌でござんす お天道様よ 親は極楽 罪もないのに 子は地獄  どこが塒か 一本刀 馬鹿な話よ 日の暮れ時は 旅の永さと 草鞋の重さ 胸にこたえて 泣かぬつもりが ついほろり  江戸を離れて 西空百里 鳥羽の宿場で 拾った夢は 緑も深川 浮名も辰巳 仇なあの娘の 解いて崩した 洗い髪三波春夫藤田まさと春川一夫人の浮世が 表と裏と 二つあるとは つい知らなんだ 嫌でござんす お天道様よ 親は極楽 罪もないのに 子は地獄  どこが塒か 一本刀 馬鹿な話よ 日の暮れ時は 旅の永さと 草鞋の重さ 胸にこたえて 泣かぬつもりが ついほろり  江戸を離れて 西空百里 鳥羽の宿場で 拾った夢は 緑も深川 浮名も辰巳 仇なあの娘の 解いて崩した 洗い髪
人情桧舞台寄らば斬るぞと 大見得切れど 恋も人情も 斬れませぬ 春が来たのに 塗る白粉が やけに冷たい 楽屋うら あゝ檜舞台は まだ遠い  客が喜ぶ 芝居の心 それが掴めぬ この辛さ 月を見ながら 歩いた夜は 人も浮世も 冷たくて あゝ凍りつくような 影法師  人の情が わからぬようじゃ 檜舞台は 踏めやせぬ 剣がきらめき 火花が咲いた 男命の 花道に あゝひびく出囃子 本調子三波春夫三波春夫佐藤川太寄らば斬るぞと 大見得切れど 恋も人情も 斬れませぬ 春が来たのに 塗る白粉が やけに冷たい 楽屋うら あゝ檜舞台は まだ遠い  客が喜ぶ 芝居の心 それが掴めぬ この辛さ 月を見ながら 歩いた夜は 人も浮世も 冷たくて あゝ凍りつくような 影法師  人の情が わからぬようじゃ 檜舞台は 踏めやせぬ 剣がきらめき 火花が咲いた 男命の 花道に あゝひびく出囃子 本調子
妻恋双六生れ故郷も ふた親さまも はぐれ鴉にゃ 用はない どうせ俺らは 浅間の煙り 風のまにまに 散る命  惚れた阿呆に 好かれた阿呆 それが恋なら それもよし 結ぶ草鞋に 絡まる紅緒(べにお) 乙な木曽路の わたり鳥  三月三年 ながれた雲に 明日の運命を また賭ける 落ちて裏目の 妻恋笠に お陽(ひ)は照らずに 雨が降る三波春夫藤田まさと春川一夫生れ故郷も ふた親さまも はぐれ鴉にゃ 用はない どうせ俺らは 浅間の煙り 風のまにまに 散る命  惚れた阿呆に 好かれた阿呆 それが恋なら それもよし 結ぶ草鞋に 絡まる紅緒(べにお) 乙な木曽路の わたり鳥  三月三年 ながれた雲に 明日の運命を また賭ける 落ちて裏目の 妻恋笠に お陽(ひ)は照らずに 雨が降る
沖縄月夜なんなん菜の花 髪かざり あの娘はそわそわ 誰れを待つ 日昏れの港の 岩の蔭 幼馴染みの 俺らの胸を 知っているやら 知らぬやら ホロホロ ホロホロ 沖縄月夜  とんとん機織る 筬の音 あの娘の夜なべは 何時終る 乱れて切ない 恋ごころ 島の娘は 他国の人に 惚れちゃならない 筈なのに ホロホロ ホロホロ 沖縄月夜  つんつん月夜の 影法師 あの娘は若衆と 二人連れ 海神祭りの 遠囃子 ひとりさみしく 見返える空に 濡れて傾く 二十日月 ホロホロ ホロホロ 沖縄月夜三波春夫渋谷郁夫久慈ひろしなんなん菜の花 髪かざり あの娘はそわそわ 誰れを待つ 日昏れの港の 岩の蔭 幼馴染みの 俺らの胸を 知っているやら 知らぬやら ホロホロ ホロホロ 沖縄月夜  とんとん機織る 筬の音 あの娘の夜なべは 何時終る 乱れて切ない 恋ごころ 島の娘は 他国の人に 惚れちゃならない 筈なのに ホロホロ ホロホロ 沖縄月夜  つんつん月夜の 影法師 あの娘は若衆と 二人連れ 海神祭りの 遠囃子 ひとりさみしく 見返える空に 濡れて傾く 二十日月 ホロホロ ホロホロ 沖縄月夜
暴れん坊若様三ツ葉葵に 旭が映えて 天下御免の 旅姿 まかり通るぞ 六十余洲 暴れ若様 浮世のよごれを 斬り捨てに  金も要らなきゃ お城も要らぬ 恋と情けに 泣くもよし 花を散らして 長七郎が 別れつらさを 振り切る小袖に ひとしぐれ  空を流れる 無情の月に むせぶ流転の 葵笠 若い血潮の 捨て場はどこか ゆくぞ島原 徳川魂 火と燃えて三波春夫猪又良長津義司三ツ葉葵に 旭が映えて 天下御免の 旅姿 まかり通るぞ 六十余洲 暴れ若様 浮世のよごれを 斬り捨てに  金も要らなきゃ お城も要らぬ 恋と情けに 泣くもよし 花を散らして 長七郎が 別れつらさを 振り切る小袖に ひとしぐれ  空を流れる 無情の月に むせぶ流転の 葵笠 若い血潮の 捨て場はどこか ゆくぞ島原 徳川魂 火と燃えて
螢の飛ぶ故郷幼ななじみの 一番星が 今日も峠の 上に出た ホ ホ ほたる来い こっちの水は あまいぞ 瞼閉じれば 故郷はるか いまも聞こえる あの童唄  夢もほのぼの 初恋同士 嫁ぐあの娘は 泣いていた ホ ホ ほたる来い あっちの水は 辛いぞ 声を限りに 呼んではみたが 風は涙を 散らして吹いた  幼ななじみと 手を取り合って ほたる狩りした 川の岸 ホ ホ ほたる来い こっちの水は あまいぞ 濡れて帰って 叱られ乍ら 母に抱かれた 昔が恋し三波春夫大久保まこと八幡幸夫幼ななじみの 一番星が 今日も峠の 上に出た ホ ホ ほたる来い こっちの水は あまいぞ 瞼閉じれば 故郷はるか いまも聞こえる あの童唄  夢もほのぼの 初恋同士 嫁ぐあの娘は 泣いていた ホ ホ ほたる来い あっちの水は 辛いぞ 声を限りに 呼んではみたが 風は涙を 散らして吹いた  幼ななじみと 手を取り合って ほたる狩りした 川の岸 ホ ホ ほたる来い こっちの水は あまいぞ 濡れて帰って 叱られ乍ら 母に抱かれた 昔が恋し
櫓かこんで笛や太鼓は 伊達には鳴らぬ 一人かけても チョイト 輪にゃならぬ みんな揃って 科よく丸く そうぢゃないか そうぢゃないか そうぢゃないか スッチョイチョチョント 甘い夜風が 音頭とる 音頭とる  あの娘十八 この娘は二十 身振り手振りも チョイト なよなよと 誰が染めたか 藍染浴衣 そうぢゃないか そうぢゃないか そうぢゃないか スッチョイチョチョント 月も見とれて 下りて来る 下りて来る  月のあるうちゃ 勿体なくて こゝらあたりじゃ チョイト やめられぬ 年にいちどの 今月今夜 そうぢゃないか そうぢゃないか そうぢゃないか スッチョイチョチョント 櫓かこんで 夜あけまで 夜あけまで三波春夫門井八郎春川一夫笛や太鼓は 伊達には鳴らぬ 一人かけても チョイト 輪にゃならぬ みんな揃って 科よく丸く そうぢゃないか そうぢゃないか そうぢゃないか スッチョイチョチョント 甘い夜風が 音頭とる 音頭とる  あの娘十八 この娘は二十 身振り手振りも チョイト なよなよと 誰が染めたか 藍染浴衣 そうぢゃないか そうぢゃないか そうぢゃないか スッチョイチョチョント 月も見とれて 下りて来る 下りて来る  月のあるうちゃ 勿体なくて こゝらあたりじゃ チョイト やめられぬ 年にいちどの 今月今夜 そうぢゃないか そうぢゃないか そうぢゃないか スッチョイチョチョント 櫓かこんで 夜あけまで 夜あけまで
俺は藤吉郎何時(いつ)も 温かな 心でいたい 何時も 命を 燃やしていたい 雲の彼方に 夢かけて 駒よ 駒よ いなゝけ 俺は藤吉郎  恋に一度は 泣いてもみたい 想う 花なら 抱いてもみたい 辛い この世で あればこそ 共に 共に ゆこうよ 俺は 藤吉郎  母の泪を 大事にしたい 人の倖せ 守ってやりたい 建てゝみせよう 城一つ 男 男 なりゃこそ 俺は 藤吉郎三波春夫北村桃児遠藤実何時(いつ)も 温かな 心でいたい 何時も 命を 燃やしていたい 雲の彼方に 夢かけて 駒よ 駒よ いなゝけ 俺は藤吉郎  恋に一度は 泣いてもみたい 想う 花なら 抱いてもみたい 辛い この世で あればこそ 共に 共に ゆこうよ 俺は 藤吉郎  母の泪を 大事にしたい 人の倖せ 守ってやりたい 建てゝみせよう 城一つ 男 男 なりゃこそ 俺は 藤吉郎
深川百年人の浮世は 辛いというが 木場の掟にゃ 歯がたたぬ 親子三代 さかずき一つ 守りつづけた 深川仁義 筏ながしは いのちがけ  死ぬも生きるも 笑うも泣くも こころ次第と いうけれど 木場の男にゃ 理屈は無用 意地も人情も 丸太で裁く 晴れて笑顔の 春を待つ  木遣い一ト節 その一ト節に 絡み合わせた 夢いくつ 夢を抱えて 深川百年 人は変れど 変らぬものは 水のながれと 木場の月三波春夫藤田まさと春川一夫人の浮世は 辛いというが 木場の掟にゃ 歯がたたぬ 親子三代 さかずき一つ 守りつづけた 深川仁義 筏ながしは いのちがけ  死ぬも生きるも 笑うも泣くも こころ次第と いうけれど 木場の男にゃ 理屈は無用 意地も人情も 丸太で裁く 晴れて笑顔の 春を待つ  木遣い一ト節 その一ト節に 絡み合わせた 夢いくつ 夢を抱えて 深川百年 人は変れど 変らぬものは 水のながれと 木場の月
どじょっこさん鮒っこさん下りの列車で たった今 戻って来たんだ 東京から どじょっこさん 鮒っこさん 暫くぶりだな どんどこ土橋に 水車小屋 みんな昔の まんまだね  俺らの帰りを 待ち切れず あの娘はお嫁に 行ったそな どじょっこさん 鮒っこさん 心配するなよ ちょっぴりさみしい 気もするが これでいいのさ お互いに  指切り交した 思い出も 流れてかえらぬ 笹の舟 どじょっこさん 鮒っこさん 夕陽が赤いね 唄って聞かそか しみじみと 遠いあの日の わらべ唄三波春夫渋谷郁男上條たけし下りの列車で たった今 戻って来たんだ 東京から どじょっこさん 鮒っこさん 暫くぶりだな どんどこ土橋に 水車小屋 みんな昔の まんまだね  俺らの帰りを 待ち切れず あの娘はお嫁に 行ったそな どじょっこさん 鮒っこさん 心配するなよ ちょっぴりさみしい 気もするが これでいいのさ お互いに  指切り交した 思い出も 流れてかえらぬ 笹の舟 どじょっこさん 鮒っこさん 夕陽が赤いね 唄って聞かそか しみじみと 遠いあの日の わらべ唄
世界平和音頭ハアー 世界は一つよ 地球は丸い 丸い心で 両手をつなぐ つなぐその手に 花が咲き 夢も咲きます チョイト 和やかな ラララ ララララ ランララ ラララ ララララ ランララ 夢も咲きます 和やかな  ハアー お国が変われば 言葉も違う 違う言葉がどうして解る 西と東の 恋人も 同じみ空の チョイト 月を見る ラララ ララララ ランララ ラララ ララララ ランララ 同じみ空の 月を見る  ハアー 皆んなが揃えば 踊りもはずむ 歌はかずかず 希望は一つ 世界平和の 国造り 交す笑顔に チョイト 朝が来る ラララ ララララ ランララ ラララ ララララ ランララ 世界平和の 朝が来る三波春夫北村桃児春川一夫ハアー 世界は一つよ 地球は丸い 丸い心で 両手をつなぐ つなぐその手に 花が咲き 夢も咲きます チョイト 和やかな ラララ ララララ ランララ ラララ ララララ ランララ 夢も咲きます 和やかな  ハアー お国が変われば 言葉も違う 違う言葉がどうして解る 西と東の 恋人も 同じみ空の チョイト 月を見る ラララ ララララ ランララ ラララ ララララ ランララ 同じみ空の 月を見る  ハアー 皆んなが揃えば 踊りもはずむ 歌はかずかず 希望は一つ 世界平和の 国造り 交す笑顔に チョイト 朝が来る ラララ ララララ ランララ ラララ ララララ ランララ 世界平和の 朝が来る
長編歌謡浪曲 あゝ松の廊下「吉良殿、吉良殿。勅使に対し奉りこの浅野長矩が お出迎えする場所はお玄関式台下にござりましょうか、 それとも上にござりましょうか、今一度お教え下されましょう。」 「何度言うたら解るのじゃ。さてさて頭の悪い田舎大名 それでも饗応役か、お主の様な人間を鮒侍と申すのじゃ、ウフフフ。 えゝッ!! そこを退かしちょれ!!」 「余りと言えば…。 己れ上野(こうずけ)!覚悟!!」  武士(もののふ)が 刃を一度び 抜く時は 死ぬも生きるも 命がけ 千代田の城の 奥深き あゝ松の廊下 花に恨みの 風が吹く  「放して下され梶川殿、五万三千石、家をも身をも省(かえりみ)ず、 上野介(こうずけのすけ)を討つは、 将軍家の御威光(いこう)と役職を笠に着て、 私利私欲に走る人非人を斬る為じゃ、 その手を放して討たして下され梶川殿!!」  武士の 情けを貴殿(あなた)が 知るならば 止めて呉れるな 手を放せ 男の怒り 燃ゆる時 あゝ松の廊下 床に流した 血の涙  武士の 厳しき運命(さだめ)が 恨めしや 明日の命は すでになく 無念が残る 千代田城 あゝ松の廊下 忠臣蔵の 幕が開く  「役儀に依って言葉を改める拙者御目付当番、 多門伝八郎、さて朝散の太夫浅野内匠頭長矩。 其方儀御大法をも辯えず今日、 松の廊下に於て争いに及ばれたるは如何なる御所存あっての事か。」 「恐れ入りました。上(かみ)へ対し奉りては、聊(いささ)かのお恨み もござりませぬが私の怨(うらみ)を持って 前後を忘れ刃傷(にんじょう)に及びました。」 「其方上野介を討ち果たす心であったか? 又、私ごとの怨(うらみ)とは?…」 「も早や此の場に於いては何事も…何事も… ただ無念なわ上野介を討ち損じたる事。 この身の未熟お恥ずかしく存じまする。 この上は御定法通り御仕置賜るよう、お願いを申しあげまする」  両手を突いた長矩の 顔の白さが痛ましや さすがに彼も武士よ 覚悟の程も潔(いさぎ)よし 噫ゝ(ああ) 外様大名の悲しさか 天下の法を振りかざし 将軍綱吉直々に 厳しく下る裁断は 家名断絶身は切腹 今朝の晴れ着と打ち変り 網乗物にて芝愛宕下(しばあたごした)の田村邸 泣くに泣けない家臣の一人 片岡源五は殊(こと)の外 おそば近くにつかえたが、 せめてはひと目御主君の 最後のお姿見届けん 又、二つには御遺言お聞きせねばと 田村邸  検死役なる伝八郎に 願い出でたるその時に 逢わしてやるぞ片岡よ 法に照らせばこの儂も 後でおとがめ受けようが 儂の知行の七百石など 惜しくはないぞ 武士の心は 武士の心は 武士が知る。三波春夫北村桃児伏見竜治山倉たかし「吉良殿、吉良殿。勅使に対し奉りこの浅野長矩が お出迎えする場所はお玄関式台下にござりましょうか、 それとも上にござりましょうか、今一度お教え下されましょう。」 「何度言うたら解るのじゃ。さてさて頭の悪い田舎大名 それでも饗応役か、お主の様な人間を鮒侍と申すのじゃ、ウフフフ。 えゝッ!! そこを退かしちょれ!!」 「余りと言えば…。 己れ上野(こうずけ)!覚悟!!」  武士(もののふ)が 刃を一度び 抜く時は 死ぬも生きるも 命がけ 千代田の城の 奥深き あゝ松の廊下 花に恨みの 風が吹く  「放して下され梶川殿、五万三千石、家をも身をも省(かえりみ)ず、 上野介(こうずけのすけ)を討つは、 将軍家の御威光(いこう)と役職を笠に着て、 私利私欲に走る人非人を斬る為じゃ、 その手を放して討たして下され梶川殿!!」  武士の 情けを貴殿(あなた)が 知るならば 止めて呉れるな 手を放せ 男の怒り 燃ゆる時 あゝ松の廊下 床に流した 血の涙  武士の 厳しき運命(さだめ)が 恨めしや 明日の命は すでになく 無念が残る 千代田城 あゝ松の廊下 忠臣蔵の 幕が開く  「役儀に依って言葉を改める拙者御目付当番、 多門伝八郎、さて朝散の太夫浅野内匠頭長矩。 其方儀御大法をも辯えず今日、 松の廊下に於て争いに及ばれたるは如何なる御所存あっての事か。」 「恐れ入りました。上(かみ)へ対し奉りては、聊(いささ)かのお恨み もござりませぬが私の怨(うらみ)を持って 前後を忘れ刃傷(にんじょう)に及びました。」 「其方上野介を討ち果たす心であったか? 又、私ごとの怨(うらみ)とは?…」 「も早や此の場に於いては何事も…何事も… ただ無念なわ上野介を討ち損じたる事。 この身の未熟お恥ずかしく存じまする。 この上は御定法通り御仕置賜るよう、お願いを申しあげまする」  両手を突いた長矩の 顔の白さが痛ましや さすがに彼も武士よ 覚悟の程も潔(いさぎ)よし 噫ゝ(ああ) 外様大名の悲しさか 天下の法を振りかざし 将軍綱吉直々に 厳しく下る裁断は 家名断絶身は切腹 今朝の晴れ着と打ち変り 網乗物にて芝愛宕下(しばあたごした)の田村邸 泣くに泣けない家臣の一人 片岡源五は殊(こと)の外 おそば近くにつかえたが、 せめてはひと目御主君の 最後のお姿見届けん 又、二つには御遺言お聞きせねばと 田村邸  検死役なる伝八郎に 願い出でたるその時に 逢わしてやるぞ片岡よ 法に照らせばこの儂も 後でおとがめ受けようが 儂の知行の七百石など 惜しくはないぞ 武士の心は 武士の心は 武士が知る。
リンゴ船積み唄(ヨイト コラショ ヨイト コラショ) 赤いリンゴを 親船に 山と積み込め 飛沫に濡れて じょんがら ホーハイ どっこいせ 海をゆさぶる 掛け声に ソラ ちんちん千鳥も 眼を醒ますヨー  遠い都の あの女(ひと)も 思い出すだろ 故郷の秋を じょんがら ホーハイ どっこいせ 尽きぬ未練を 口ずさみゃ ソラ ほろほろ泪が 波に散るヨー  月の青さに 立ち尽くしゃ 肩に喰い込む リンゴの重さ じょんがら ホーハイ どっこいせ 積荷終えたら 夜もすがら ソラ しみじみ呑もうぜ 唄おうぜヨー三波春夫渋谷郁男上條たけし(ヨイト コラショ ヨイト コラショ) 赤いリンゴを 親船に 山と積み込め 飛沫に濡れて じょんがら ホーハイ どっこいせ 海をゆさぶる 掛け声に ソラ ちんちん千鳥も 眼を醒ますヨー  遠い都の あの女(ひと)も 思い出すだろ 故郷の秋を じょんがら ホーハイ どっこいせ 尽きぬ未練を 口ずさみゃ ソラ ほろほろ泪が 波に散るヨー  月の青さに 立ち尽くしゃ 肩に喰い込む リンゴの重さ じょんがら ホーハイ どっこいせ 積荷終えたら 夜もすがら ソラ しみじみ呑もうぜ 唄おうぜヨー
ニッコリ音頭 (春夏秋冬)何をくよくよ 花咲く春に 自分一人で 沈みなさんな ニッコリ笑って こちらをごらん 君の笑顔は いいじゃないか トッテモ トッテモ いいじゃないか 日本国中 ニッコリ音頭でシャシャントネ アネェ 春ちゃん アネェ 欽ちゃん  風がそよそよ みどりの夏に 線香花火の 小さなひかり それでも みんなの心がはずむ みんな笑顔は いいじゃないか トッテモ トッテモ いいじゃないか 日本国中 ニッコリ音頭でシャシャントネ アネェ 夏ちゃん アネェ 欽ちゃん  秋刀魚焼いてる 灯ともし頃に いそぐ我家の 渋柿ァ赤い ニッコリ笑って お帰りなさい みんな笑顔で いいじゃないか トッテモ トッテモ いいじゃないか 日本国中 ニッコリ音頭でシャシャントネ アネェ 秋ちゃん アネェ 欽ちゃん  雪の降る日は 見知らぬ人も そこは滑ると 声かけながら 心が解け合う 人間同志 見せた笑顔も いいじゃないか トッテモ トッテモ いいじゃないか 日本国中 ニッコリ音頭でシャシャントネ アネェ 冬ちゃん アネェ 欽ちゃん三波春夫三波春夫三波春夫何をくよくよ 花咲く春に 自分一人で 沈みなさんな ニッコリ笑って こちらをごらん 君の笑顔は いいじゃないか トッテモ トッテモ いいじゃないか 日本国中 ニッコリ音頭でシャシャントネ アネェ 春ちゃん アネェ 欽ちゃん  風がそよそよ みどりの夏に 線香花火の 小さなひかり それでも みんなの心がはずむ みんな笑顔は いいじゃないか トッテモ トッテモ いいじゃないか 日本国中 ニッコリ音頭でシャシャントネ アネェ 夏ちゃん アネェ 欽ちゃん  秋刀魚焼いてる 灯ともし頃に いそぐ我家の 渋柿ァ赤い ニッコリ笑って お帰りなさい みんな笑顔で いいじゃないか トッテモ トッテモ いいじゃないか 日本国中 ニッコリ音頭でシャシャントネ アネェ 秋ちゃん アネェ 欽ちゃん  雪の降る日は 見知らぬ人も そこは滑ると 声かけながら 心が解け合う 人間同志 見せた笑顔も いいじゃないか トッテモ トッテモ いいじゃないか 日本国中 ニッコリ音頭でシャシャントネ アネェ 冬ちゃん アネェ 欽ちゃん
鼠小僧唄念仏雪はしんしん 雲さえ凍る 浅利蜆の 売り声は 親があるやら ないのやら 爪を噛む子が 次郎吉の 胸にせつない 鐘の声  月は冴ゆれど 心は闇よ 鼠小僧の 悪名を 抱いて寝る夜の やるせなさ この世は地獄さ 次郎吉の 枕ぬらした 夢のあと  駒はしゃんしゃん 仕置場さして 今ぞこの世を 捨て札に 槍はとどめの 十文字 未来は浄土か 次郎吉の 頬に明るい 夕ざくら三波春夫渡辺光春川一夫雪はしんしん 雲さえ凍る 浅利蜆の 売り声は 親があるやら ないのやら 爪を噛む子が 次郎吉の 胸にせつない 鐘の声  月は冴ゆれど 心は闇よ 鼠小僧の 悪名を 抱いて寝る夜の やるせなさ この世は地獄さ 次郎吉の 枕ぬらした 夢のあと  駒はしゃんしゃん 仕置場さして 今ぞこの世を 捨て札に 槍はとどめの 十文字 未来は浄土か 次郎吉の 頬に明るい 夕ざくら
大阪まつり音頭銀杏並木に 緑が萌えて 水の都に 花だより 日本列島 ど真中 音頭とるなら 大きくとろう これが浪華の 心意気 もうかりまっかで ひと踊り ぼちぼちですワで ふた踊り 大阪音頭で 総踊り  十日戎(えびす)で 今年も明けて 天神祭りで 夏が来る 日本列島 ど真中 八百八橋に 食いだおれ わてら 商い ど根性 もうかりまっかで ひと踊り ぼちぼちですワで ふた踊り 大阪音頭で 総踊り  やってみなはれ 昔も今も やれば 大阪 日本一 日本列島 ど真中 城を築いた 大閤さんも 夢は 日本の 音頭とり もうかりまっかで ひと踊り ぼちぼちですワで ふた踊り 大阪音頭で 総踊り三波春夫いではく遠藤実銀杏並木に 緑が萌えて 水の都に 花だより 日本列島 ど真中 音頭とるなら 大きくとろう これが浪華の 心意気 もうかりまっかで ひと踊り ぼちぼちですワで ふた踊り 大阪音頭で 総踊り  十日戎(えびす)で 今年も明けて 天神祭りで 夏が来る 日本列島 ど真中 八百八橋に 食いだおれ わてら 商い ど根性 もうかりまっかで ひと踊り ぼちぼちですワで ふた踊り 大阪音頭で 総踊り  やってみなはれ 昔も今も やれば 大阪 日本一 日本列島 ど真中 城を築いた 大閤さんも 夢は 日本の 音頭とり もうかりまっかで ひと踊り ぼちぼちですワで ふた踊り 大阪音頭で 総踊り
虹を掴む男男一代 勝負とかけて 生命燃やした この仕事 夢は七彩 虹のいろ 思い切り 手を伸ばせ 両手の中に 虹を 虹を掴むのだ  男ひとりが 勝負とかけて 生命燃やした 恋もある 乙女ごころは 虹のいろ 思い切り 手を伸ばせ 心の中に 虹を 虹を掴むのだ  男一代 勝負とかけて 目指す港に この船出 海は七つの 虹のいろ 思い切り 手を伸ばせ 両手の中に 虹を 虹を掴むのだ三波春夫北村桃児佐藤川太男一代 勝負とかけて 生命燃やした この仕事 夢は七彩 虹のいろ 思い切り 手を伸ばせ 両手の中に 虹を 虹を掴むのだ  男ひとりが 勝負とかけて 生命燃やした 恋もある 乙女ごころは 虹のいろ 思い切り 手を伸ばせ 心の中に 虹を 虹を掴むのだ  男一代 勝負とかけて 目指す港に この船出 海は七つの 虹のいろ 思い切り 手を伸ばせ 両手の中に 虹を 虹を掴むのだ
長編歌謡浪曲 元禄花の兄弟 赤垣源蔵酒は呑(の)んでも 呑まれちゃならぬ 武士の心を 忘れるな 体こわすな源蔵よ 親の無い身にしみじみと 叱る兄者(あにじゃ)が懐かしい  迫る討入り この喜びを せめて兄者に よそながら 告げてやりたや知らせたい 別れ徳利を手に下げりゃ 今宵名残りの雪が降る  兄のきものに盈々(なみなみ)と差して呑み干す酒の味 「兄上もはや今生(こんじょう)のお別れとなりました。 お顔見たさに来てみたが、 源蔵此れにてお暇仕(いとまつかまつ)りまする。」  兄の屋敷を立出でる 一足歩いて立ち止まり 二足歩いて振り返り 此れが別れか見納めか さすが気丈(きじょう)の赤垣も 少時(しばし)佇む雪の中 熱い涙は止めどなし。  「かくて果てじと気を取り直し 饅頭笠を傾けて目指す行手は両国か。 山と川との合言葉 同じ装束(いでたち)勇しく 山道ダンダラ火事羽織 白き木綿の袖じるし 横川勘平武林が大門開けば赤垣は宝蔵院流九尺の手槍、 りゅう!としごいてまっさきに吉良の屋敷に踏込んだり。 されど東が開け初めても未だに解らぬ吉良殿在処(ありか) さすがの大石内蔵之助天を仰いで嘆く時誰が吹くやら呼子の笛 吉良の手を取り引い出し吹くは赤垣源蔵なり」  一夜開くれば十五日 赤穂浪士が 引揚げと 聞くより兄の塩山は もしや源蔵がその中に 居りはせぬかと立ち上り、 「市助!市助はおらぬか!」 「おう、市助赤穂浪士が今引揚げの最中、たしか弟がその中に居るはずじゃ そなた早よう行って見届けてきて呉れ! もしも源蔵が居たならば、隣近所にも聞こえる様に 大きな声で叫んでくれ、よいか!」  もしも居らないその時は 小さな声で儂(わし)にだけ 知らせてくれよ頼んだぞ。 祈る心で待つ裡(うち)に 転がる様に戻り来て  「ヤァー源蔵さまが居りましたワイ」 嬉し泪の塩山は雪を蹴立てて真っしぐら仙台候の御門前 群がる人をかき分け、かき分け前に進めば源蔵も 兄は来ぬかと背延びして、探し求めている様子。 「源蔵!」 「兄上か!」 ひしと見交わす顔と顔、固く握った手の中に通う血汐の温かさ 同じ血じゃもの肉じゃもの。  夢を果した男の顔に 昇る旭が美しや 笑顔交して別れゆく 花の元禄兄弟(あにおとうと) 今朝のお江戸は日本晴れ三波春夫北村桃児春川一夫佐藤川太酒は呑(の)んでも 呑まれちゃならぬ 武士の心を 忘れるな 体こわすな源蔵よ 親の無い身にしみじみと 叱る兄者(あにじゃ)が懐かしい  迫る討入り この喜びを せめて兄者に よそながら 告げてやりたや知らせたい 別れ徳利を手に下げりゃ 今宵名残りの雪が降る  兄のきものに盈々(なみなみ)と差して呑み干す酒の味 「兄上もはや今生(こんじょう)のお別れとなりました。 お顔見たさに来てみたが、 源蔵此れにてお暇仕(いとまつかまつ)りまする。」  兄の屋敷を立出でる 一足歩いて立ち止まり 二足歩いて振り返り 此れが別れか見納めか さすが気丈(きじょう)の赤垣も 少時(しばし)佇む雪の中 熱い涙は止めどなし。  「かくて果てじと気を取り直し 饅頭笠を傾けて目指す行手は両国か。 山と川との合言葉 同じ装束(いでたち)勇しく 山道ダンダラ火事羽織 白き木綿の袖じるし 横川勘平武林が大門開けば赤垣は宝蔵院流九尺の手槍、 りゅう!としごいてまっさきに吉良の屋敷に踏込んだり。 されど東が開け初めても未だに解らぬ吉良殿在処(ありか) さすがの大石内蔵之助天を仰いで嘆く時誰が吹くやら呼子の笛 吉良の手を取り引い出し吹くは赤垣源蔵なり」  一夜開くれば十五日 赤穂浪士が 引揚げと 聞くより兄の塩山は もしや源蔵がその中に 居りはせぬかと立ち上り、 「市助!市助はおらぬか!」 「おう、市助赤穂浪士が今引揚げの最中、たしか弟がその中に居るはずじゃ そなた早よう行って見届けてきて呉れ! もしも源蔵が居たならば、隣近所にも聞こえる様に 大きな声で叫んでくれ、よいか!」  もしも居らないその時は 小さな声で儂(わし)にだけ 知らせてくれよ頼んだぞ。 祈る心で待つ裡(うち)に 転がる様に戻り来て  「ヤァー源蔵さまが居りましたワイ」 嬉し泪の塩山は雪を蹴立てて真っしぐら仙台候の御門前 群がる人をかき分け、かき分け前に進めば源蔵も 兄は来ぬかと背延びして、探し求めている様子。 「源蔵!」 「兄上か!」 ひしと見交わす顔と顔、固く握った手の中に通う血汐の温かさ 同じ血じゃもの肉じゃもの。  夢を果した男の顔に 昇る旭が美しや 笑顔交して別れゆく 花の元禄兄弟(あにおとうと) 今朝のお江戸は日本晴れ
駿府のれん太鼓品(しな)が悪けりゃ 売りませぬ それがのれんの 心意気 駿河よいとこ よい茶の香り 富士に恥じない 力を込めて のれん太鼓の のれん太鼓の 乱れ打ち  客の心が 掴めなきゃ 店ののれんは 守れない 辛い修行の 涙の花が 実るみかんの 段々畑 のれん太鼓が のれん太鼓が なつかしや  親の心を 子や孫が ついだのれんの 尊さよ 夢を呼ぶよな あの枹さばき 富士がそびえる 東海道に のれん太鼓が のれん太鼓が 鳴り渡る三波春夫北村桃児伏見竜治品(しな)が悪けりゃ 売りませぬ それがのれんの 心意気 駿河よいとこ よい茶の香り 富士に恥じない 力を込めて のれん太鼓の のれん太鼓の 乱れ打ち  客の心が 掴めなきゃ 店ののれんは 守れない 辛い修行の 涙の花が 実るみかんの 段々畑 のれん太鼓が のれん太鼓が なつかしや  親の心を 子や孫が ついだのれんの 尊さよ 夢を呼ぶよな あの枹さばき 富士がそびえる 東海道に のれん太鼓が のれん太鼓が 鳴り渡る
21世紀の宇宙音頭夢は翔ぶ翔ぶ 宇宙の彼方 真っ赤なお日様 こんにちは あなたの生命が 燃えてる限り 明日の希望も 湧いてくる ドドンがドンとゆけ サン・サン・サン 日月火水木金土 星の向うに 夢がある  愛が優しく 生まる月夜 火星のあの娘は お年頃 金星燦く お星の王子 宇宙はるかに ランデブー ドドンがドンとゆけ サン・サン・サン 日月火水木金土 星の向うに 夢がある  泣きたかったら 宇宙の彼方 見上げてごらんよ 大空を 三万光年 輝く星に 聞いてみるのさ 幸福を ドドンがドンとゆけ サン・サン・サン 日月火水木金土 星の向うに 夢がある  みどり豊かに 地球は丸い 尊い宝の この大地 小鳥も野菊も 楽しい仲間 やがて空飛ぶ UFOも ドドンがドンとゆけ サン・サン・サン 日月火水木金土 星の向うに 夢がある 星の向うに 夢がある三波春夫三波春夫伏見竜治夢は翔ぶ翔ぶ 宇宙の彼方 真っ赤なお日様 こんにちは あなたの生命が 燃えてる限り 明日の希望も 湧いてくる ドドンがドンとゆけ サン・サン・サン 日月火水木金土 星の向うに 夢がある  愛が優しく 生まる月夜 火星のあの娘は お年頃 金星燦く お星の王子 宇宙はるかに ランデブー ドドンがドンとゆけ サン・サン・サン 日月火水木金土 星の向うに 夢がある  泣きたかったら 宇宙の彼方 見上げてごらんよ 大空を 三万光年 輝く星に 聞いてみるのさ 幸福を ドドンがドンとゆけ サン・サン・サン 日月火水木金土 星の向うに 夢がある  みどり豊かに 地球は丸い 尊い宝の この大地 小鳥も野菊も 楽しい仲間 やがて空飛ぶ UFOも ドドンがドンとゆけ サン・サン・サン 日月火水木金土 星の向うに 夢がある 星の向うに 夢がある
日本ふるさと音頭山は 山はネ うす紅桜で染めて 石の地蔵さんも 甘茶で踊る みどり色濃く 人情もあつく 栄えて栄えて 千代八千代 おらがふるさとは 日本一だよ 熱い心の 宝物 宝物  海は 海はネ きらめく朝日をあびて 今日も大漁の のぼりが踊る 盆を迎えて やぐらを巻いて 日焼けのあの娘は 器量よし おらがふるさとは 日本一だよ 熱い心の 宝物 宝物  実る 実るネ 平野に秋風わたり 黄金たんぼに 稲穂が踊る 森の鎮守に 太鼓が鳴れば おやじも くり出す大御輿 おらがふるさとは 日本一だよ 熱い心の 宝物 宝物  村に 村にネ さざんか今年も咲いて 風が笛吹きゃ 枯葉も踊る いろり酒には おふくろ囲み 手拍子はずんで 歌がでる おらがふるさとは 日本一だよ 熱い心の 宝物 宝物三波春夫いではく遠藤実山は 山はネ うす紅桜で染めて 石の地蔵さんも 甘茶で踊る みどり色濃く 人情もあつく 栄えて栄えて 千代八千代 おらがふるさとは 日本一だよ 熱い心の 宝物 宝物  海は 海はネ きらめく朝日をあびて 今日も大漁の のぼりが踊る 盆を迎えて やぐらを巻いて 日焼けのあの娘は 器量よし おらがふるさとは 日本一だよ 熱い心の 宝物 宝物  実る 実るネ 平野に秋風わたり 黄金たんぼに 稲穂が踊る 森の鎮守に 太鼓が鳴れば おやじも くり出す大御輿 おらがふるさとは 日本一だよ 熱い心の 宝物 宝物  村に 村にネ さざんか今年も咲いて 風が笛吹きゃ 枯葉も踊る いろり酒には おふくろ囲み 手拍子はずんで 歌がでる おらがふるさとは 日本一だよ 熱い心の 宝物 宝物
花の音頭花の 花の音頭で ヨーイトサ (アラ ヨーイトサ) 花が咲いたら 踊ろじゃないか 花の姿を その儘に 花の心で 和やかに (ハァ ヨイショ) 歌と囃子は 真ん中で 踊りゃ 大きな 輪が出来る ソレ 和が出来る  花の 花の音頭で ヨーイトサ (アラ ヨーイトサ) 梅か 桜か ぼたんか 藤か 黄菊 白菊 曼珠沙華 可愛い あの娘は 桃の花 (ハァ ヨイショ) 歌と囃子は 真ん中で 踊りゃ 大きな 輪が出来る ソレ 和が出来る  花の 花の音頭で ヨーイトサ (アラ ヨーイトサ) めぐる季節に 色美しく 咲いてほゝえむ 花の様に 何時も 心を 燃やしたい (ハァ ヨイショ) 歌と囃子は 真ん中で 踊りゃ 大きな 輪が出来る ソレ 和が出来る  花の 花の音頭で ヨーイトサ (アラ ヨーイトサ) 花の盛りは 短かいけれど 種を残して 春を待つ 私ァ 貴方を 今宵待つ (ハァ ヨイショ) 歌と囃子は 真ん中で 踊りゃ 大きな 輪が出来る ソレ 和が出来る三波春夫北村桃児市川昭介花の 花の音頭で ヨーイトサ (アラ ヨーイトサ) 花が咲いたら 踊ろじゃないか 花の姿を その儘に 花の心で 和やかに (ハァ ヨイショ) 歌と囃子は 真ん中で 踊りゃ 大きな 輪が出来る ソレ 和が出来る  花の 花の音頭で ヨーイトサ (アラ ヨーイトサ) 梅か 桜か ぼたんか 藤か 黄菊 白菊 曼珠沙華 可愛い あの娘は 桃の花 (ハァ ヨイショ) 歌と囃子は 真ん中で 踊りゃ 大きな 輪が出来る ソレ 和が出来る  花の 花の音頭で ヨーイトサ (アラ ヨーイトサ) めぐる季節に 色美しく 咲いてほゝえむ 花の様に 何時も 心を 燃やしたい (ハァ ヨイショ) 歌と囃子は 真ん中で 踊りゃ 大きな 輪が出来る ソレ 和が出来る  花の 花の音頭で ヨーイトサ (アラ ヨーイトサ) 花の盛りは 短かいけれど 種を残して 春を待つ 私ァ 貴方を 今宵待つ (ハァ ヨイショ) 歌と囃子は 真ん中で 踊りゃ 大きな 輪が出来る ソレ 和が出来る
長編歌謡浪曲 豪商一代 紀伊国屋文左衛門惚れた仕事に 命をかけて 散るも華だよ 男なら 怒濤逆巻く 嵐の中を 目指すは遙か 江戸の空 花の文左の みかん船  肝の太さと 度胸の良さに 勇み集まる 十二人 力合せて 乗り出す船は これも故郷の 人の為 征くぞ夜明けの 和歌の浦  浜辺に送る妻や子が、別れを惜しんで呼ぶ声も風に悲しく千切れ飛ぶ、 まして文左の新妻は、今年十九のいじらしさ、 せめても一度もう一度、背伸びしながら手を振れど、 雨と嵐にさえぎられ、かすむ良人の後ろ影、 これが別れになりゃせぬか、女心の切なさよ。  「白装束に身を固めて、梵天丸に乗り移った文左衛門。 時に承応元年十月二十六日の朝まだき。 此の時、遥か街道に駒のいななき、蹄の音は、連銭芦毛に鞭打って、 パッ、パッ、パッパッパッパー。 馬上の人は誰あろう、歌に名高き玉津島明神の神官、高松河内。 可愛い娘の婿どのが、今朝の船出の餞けと、 二日二夜は寝もやらず、神に祈願をこめました。 海上安全守りの御幣背中にしっかりとくくりつけ、 嵐の中を歯を喰いしばり親の心の有り難さ。 婿どのイヤ待ったと駆けつけた。」  涙で受取る文左衛門。未練心を断つように、 波切丸を抜き放ち、切ったとも綱、大碇は、 しぶきを上げて海中へ、ザ、ザ、ザ、さぶん――。 眺めて驚く船頭に、せくな騒ぐな此の船は、神の守りの宝船じゃ。 張れよ白帆を巻き上げよ、船は忽ち海原へ、疾風の如く乗り出す。 寄せくる波は山の様、嵐はさながら息の根を、止めんばかりの凄まじさ。 舳に立った文左衛門は、両の眼をらんらんと、 刀を頭上に振りかざし、無事に江戸まで、 八大竜王守らせ給えと念じつつ、 熊野の沖や志摩の海、遠州相模の荒灘も、 男一代名をかけて、乗り切る文左のみかん船。  沖の暗いのに白帆がサー見ゆる あれは紀の国ヤレコノコレワイノサ みかん船じゃエー  八重の汐路に 広がる歌が 海の男の 夢を呼ぶ 花のお江戸は もうすぐ近い 豪商一代 紀伊国屋 百万両の 船が行く三波春夫北村桃児長津義司長津義司惚れた仕事に 命をかけて 散るも華だよ 男なら 怒濤逆巻く 嵐の中を 目指すは遙か 江戸の空 花の文左の みかん船  肝の太さと 度胸の良さに 勇み集まる 十二人 力合せて 乗り出す船は これも故郷の 人の為 征くぞ夜明けの 和歌の浦  浜辺に送る妻や子が、別れを惜しんで呼ぶ声も風に悲しく千切れ飛ぶ、 まして文左の新妻は、今年十九のいじらしさ、 せめても一度もう一度、背伸びしながら手を振れど、 雨と嵐にさえぎられ、かすむ良人の後ろ影、 これが別れになりゃせぬか、女心の切なさよ。  「白装束に身を固めて、梵天丸に乗り移った文左衛門。 時に承応元年十月二十六日の朝まだき。 此の時、遥か街道に駒のいななき、蹄の音は、連銭芦毛に鞭打って、 パッ、パッ、パッパッパッパー。 馬上の人は誰あろう、歌に名高き玉津島明神の神官、高松河内。 可愛い娘の婿どのが、今朝の船出の餞けと、 二日二夜は寝もやらず、神に祈願をこめました。 海上安全守りの御幣背中にしっかりとくくりつけ、 嵐の中を歯を喰いしばり親の心の有り難さ。 婿どのイヤ待ったと駆けつけた。」  涙で受取る文左衛門。未練心を断つように、 波切丸を抜き放ち、切ったとも綱、大碇は、 しぶきを上げて海中へ、ザ、ザ、ザ、さぶん――。 眺めて驚く船頭に、せくな騒ぐな此の船は、神の守りの宝船じゃ。 張れよ白帆を巻き上げよ、船は忽ち海原へ、疾風の如く乗り出す。 寄せくる波は山の様、嵐はさながら息の根を、止めんばかりの凄まじさ。 舳に立った文左衛門は、両の眼をらんらんと、 刀を頭上に振りかざし、無事に江戸まで、 八大竜王守らせ給えと念じつつ、 熊野の沖や志摩の海、遠州相模の荒灘も、 男一代名をかけて、乗り切る文左のみかん船。  沖の暗いのに白帆がサー見ゆる あれは紀の国ヤレコノコレワイノサ みかん船じゃエー  八重の汐路に 広がる歌が 海の男の 夢を呼ぶ 花のお江戸は もうすぐ近い 豪商一代 紀伊国屋 百万両の 船が行く
手拍子音頭皆さまお揃い なされたらソレ お手を拝借 チョチョンガチョン 踊れ踊れよ お月さんが顔出す 伊達に顔出す わけじゃないソレ やぐら太鼓が ドドンガドンと来りゃ 受けてあの娘も シャラランラン  そちらとこちらと 向き合ってソレ お手を拝借 チョチョンガチョン お手も揃うたよ こころも揃うたよ 八重に二十重に 輪も揃うたソレ やぐら太鼓が ドドンガドンと来りゃ 揃い浴衣も シャラランラン  科よい手振りに 見とれずにソレ お手を拝借 チョチョンガチョン ちらりちらりと 誰かさんが振り向く 花の十九の 謎じゃやらソレ やぐら太鼓が ドドンガドンと来りゃ 甘い夜風も シャラランラン  踊らぬお方も ほがらかにソレ お手を拝借 チョチョンガチョン 先にかくれた お月さんに見せたい 踊り見頃の ほどの良さソレ やぐら太鼓が ドドンガドンと来りゃ 受けてあの娘も シャラランラン三波春夫門井八郎春川一夫皆さまお揃い なされたらソレ お手を拝借 チョチョンガチョン 踊れ踊れよ お月さんが顔出す 伊達に顔出す わけじゃないソレ やぐら太鼓が ドドンガドンと来りゃ 受けてあの娘も シャラランラン  そちらとこちらと 向き合ってソレ お手を拝借 チョチョンガチョン お手も揃うたよ こころも揃うたよ 八重に二十重に 輪も揃うたソレ やぐら太鼓が ドドンガドンと来りゃ 揃い浴衣も シャラランラン  科よい手振りに 見とれずにソレ お手を拝借 チョチョンガチョン ちらりちらりと 誰かさんが振り向く 花の十九の 謎じゃやらソレ やぐら太鼓が ドドンガドンと来りゃ 甘い夜風も シャラランラン  踊らぬお方も ほがらかにソレ お手を拝借 チョチョンガチョン 先にかくれた お月さんに見せたい 踊り見頃の ほどの良さソレ やぐら太鼓が ドドンガドンと来りゃ 受けてあの娘も シャラランラン
温度音頭ハァ~ 天婦羅揚げましょ 揚げましょ 一八〇度 コラサット パンも焼きましょ 焼きましょ 一八〇度 燃える太陽 百萬度 ハァ ヨイ ヨイ 今日は晴天 よかったね ソレ よかったネ よかったネ 体温計やら 温度計 ハァ ヨイショ 温度音頭の音頭とり アラ いゝ温度 アラ いゝ音頭 (アラ いゝ温度 アラ いゝ音頭)  ハァ~ ほどよい湯加減 湯加減 ホラ 四〇度 コラサット 熱湯好きなら 好きなら 四十三度 お酒人肌 三十六度 ハァ ヨイ ヨイ 今日は乾杯 よかったね ソレ よかったネ よかったネ 体温計やら 温度計 ハァ ヨイショ 温度音頭の音頭とり アラ いゝ温度 アラ いゝ音頭 (アラ いゝ温度 アラ いゝ音頭)  ハァ~ 捨てては駄目だよ 駄目だよ 煙草は 千度 コラサット 火事は二千度 二千度 ソレ 火の用心 平均体温 三十六度ハァ ヨイ ヨイ 今日も平熱 よかったね ソレ よかったネ よかったネ 体温計やら 温度計 ハァ ヨイショ 温度音頭の音頭とり アラ いゝ温度 アラ いゝ音頭三波春夫永六輔中村八大ハァ~ 天婦羅揚げましょ 揚げましょ 一八〇度 コラサット パンも焼きましょ 焼きましょ 一八〇度 燃える太陽 百萬度 ハァ ヨイ ヨイ 今日は晴天 よかったね ソレ よかったネ よかったネ 体温計やら 温度計 ハァ ヨイショ 温度音頭の音頭とり アラ いゝ温度 アラ いゝ音頭 (アラ いゝ温度 アラ いゝ音頭)  ハァ~ ほどよい湯加減 湯加減 ホラ 四〇度 コラサット 熱湯好きなら 好きなら 四十三度 お酒人肌 三十六度 ハァ ヨイ ヨイ 今日は乾杯 よかったね ソレ よかったネ よかったネ 体温計やら 温度計 ハァ ヨイショ 温度音頭の音頭とり アラ いゝ温度 アラ いゝ音頭 (アラ いゝ温度 アラ いゝ音頭)  ハァ~ 捨てては駄目だよ 駄目だよ 煙草は 千度 コラサット 火事は二千度 二千度 ソレ 火の用心 平均体温 三十六度ハァ ヨイ ヨイ 今日も平熱 よかったね ソレ よかったネ よかったネ 体温計やら 温度計 ハァ ヨイショ 温度音頭の音頭とり アラ いゝ温度 アラ いゝ音頭
百年音頭ヤンレ百年 ヨイトヨイトヨイト サ 一つ二つと積み重ね よくぞ此処まで ドント 築いた市(まち)よ 長い歴史の山坂遥か 花の咲く日も 嵐の夜も 夢を創って 越えて来た ドドンと百年 ドドンと百年 共に栄えて 和やかに  ヤンレ百年 ヨイトヨイトヨイト サ 一人二人と 寄り添うて よくぞ拓いた ドント愛する市(まち)よ 人と人との出逢いが楽し 恋の歓び 泪の愛も まちの並木が 知っている ドドンと百年 ドドンと百年 共に栄えて 美しく  ヤンレ百年 ヨイトヨイトヨイト サ 海の幸やら山の幸 祭り楽しや ドント 豊かな市(まち)よ 春夏秋冬彩とりどりに 泣いた笑った 想い出こめて 愛し恋しい街灯り ドドンと百年 ドドンと百年 共に栄えて 華やかに  ヤンレ百年 ヨイトヨイトヨイト サ 朝な夕なに仰ぎ見た 市(まち)のシンボル ドント 心の支え ここはふるさと 倖せ呼んで 広い世界と 未来をつなぎ 人の心を つなぐ市(まち) ドドンと百年 ドドンと百年 共に栄えて 新しく三波春夫北村桃児三波春夫ヤンレ百年 ヨイトヨイトヨイト サ 一つ二つと積み重ね よくぞ此処まで ドント 築いた市(まち)よ 長い歴史の山坂遥か 花の咲く日も 嵐の夜も 夢を創って 越えて来た ドドンと百年 ドドンと百年 共に栄えて 和やかに  ヤンレ百年 ヨイトヨイトヨイト サ 一人二人と 寄り添うて よくぞ拓いた ドント愛する市(まち)よ 人と人との出逢いが楽し 恋の歓び 泪の愛も まちの並木が 知っている ドドンと百年 ドドンと百年 共に栄えて 美しく  ヤンレ百年 ヨイトヨイトヨイト サ 海の幸やら山の幸 祭り楽しや ドント 豊かな市(まち)よ 春夏秋冬彩とりどりに 泣いた笑った 想い出こめて 愛し恋しい街灯り ドドンと百年 ドドンと百年 共に栄えて 華やかに  ヤンレ百年 ヨイトヨイトヨイト サ 朝な夕なに仰ぎ見た 市(まち)のシンボル ドント 心の支え ここはふるさと 倖せ呼んで 広い世界と 未来をつなぎ 人の心を つなぐ市(まち) ドドンと百年 ドドンと百年 共に栄えて 新しく
長編歌謡浪曲 元禄桜吹雪 決闘高田の馬場江戸は夕焼け 灯ともし頃に 夢を求めて みなし子が 国の越後の 空を見る 顔も赤鞘(あかさや) 安兵衛が 何時か覚えた 酒の味  喧嘩するなら 相手になろうか 俺は天下の 素浪人 真(まこと)武士なら 男なら やると決めたら 安兵衛は 行くぞ白刃の 只中へ  のり屋のばあさんが差出した 手紙を開く 中山安兵衛 急ぎしたため 参らせ候 堀内源左衛門先生 道場で深く知り合い 叔父甥の、義を結んだるこの菅野 引くにひけない 武士の意地 村上兄弟一門と 高田の馬場で果し合い 六十すぎた拙者には 勝目は一つも御座無く候 後に残れる妻や子を お願い申す安兵衛殿 文武秀れたそなたじゃが 酒をつゝしみ身を修め 天晴れ出世なさるよう 草葉の陰から祈り参らせ候と 涙で書いた遺言状。  「ばあさん!今何ん刻だ!何に辰の下刻か、 うーむ高田の馬場まで後半刻、 南無や八幡大菩薩此の安兵衛が行きつくまでは叔父の身の上守らせ給え! ばあさん水だ! 水を呉れ!」  関の孫六わし掴み 牛込天竜寺竹町の長屋を飛出す安兵衛は 小石をけとばし砂巻き上げて 宙飛ぶ如く駆けてゆく 此れを眺めた大工に左官 床やも 八百やも 米やのおやじも 魚やも それゆけ やれゆけ 安さんが 大きな喧嘩を見つけたぞ 今夜はタラフク呑めそうだ 後から後から付いて行く 一番後からのり屋の婆さん息を切らして ヨイショコラショ ヨイショコラショ 安さん安さん!! 喧嘩は止しなとかけてゆく 高田の馬場に来てみれば 卑怯未練な村上一門 わずか二人を取り囲み 白刃揃えて斬りかゝる 哀れ菅野と 若党は次第次第に追いつめられて すでに危うく見えた時 馬場に飛込む安兵衛が 関の孫六抜く手も見せず 村上三郎斬り捨てゝ 天にも轟く大音声(おんじょう) 中山安兵衛武庸が叔父の菅野に助太刀致す、 名乗りをあげて さあ来いと脇差抜いて 左手に天地に構えた 二刀流右に左に斬り捲くる、 折しも叔父の背後(うしろ)から薙刀(なぎなた)持って 祐見が、斬り下ろさんとした時に 撥止投げた脇差が 背中を貫き見事倒した有様は、 さながら、鬼神か天魔の業か かたずを呑んで 見ていた群衆 どっとあげたる歓声が 高田の馬場にこだまする。  剣がきらめく 高田の馬場に 桜吹雪が舞いかかる 勝って驕(おご)らぬ 爽やかさ 花の青年 安兵衛の 顔に明るい 春の風三波春夫北村桃児山倉たかし山倉たかし江戸は夕焼け 灯ともし頃に 夢を求めて みなし子が 国の越後の 空を見る 顔も赤鞘(あかさや) 安兵衛が 何時か覚えた 酒の味  喧嘩するなら 相手になろうか 俺は天下の 素浪人 真(まこと)武士なら 男なら やると決めたら 安兵衛は 行くぞ白刃の 只中へ  のり屋のばあさんが差出した 手紙を開く 中山安兵衛 急ぎしたため 参らせ候 堀内源左衛門先生 道場で深く知り合い 叔父甥の、義を結んだるこの菅野 引くにひけない 武士の意地 村上兄弟一門と 高田の馬場で果し合い 六十すぎた拙者には 勝目は一つも御座無く候 後に残れる妻や子を お願い申す安兵衛殿 文武秀れたそなたじゃが 酒をつゝしみ身を修め 天晴れ出世なさるよう 草葉の陰から祈り参らせ候と 涙で書いた遺言状。  「ばあさん!今何ん刻だ!何に辰の下刻か、 うーむ高田の馬場まで後半刻、 南無や八幡大菩薩此の安兵衛が行きつくまでは叔父の身の上守らせ給え! ばあさん水だ! 水を呉れ!」  関の孫六わし掴み 牛込天竜寺竹町の長屋を飛出す安兵衛は 小石をけとばし砂巻き上げて 宙飛ぶ如く駆けてゆく 此れを眺めた大工に左官 床やも 八百やも 米やのおやじも 魚やも それゆけ やれゆけ 安さんが 大きな喧嘩を見つけたぞ 今夜はタラフク呑めそうだ 後から後から付いて行く 一番後からのり屋の婆さん息を切らして ヨイショコラショ ヨイショコラショ 安さん安さん!! 喧嘩は止しなとかけてゆく 高田の馬場に来てみれば 卑怯未練な村上一門 わずか二人を取り囲み 白刃揃えて斬りかゝる 哀れ菅野と 若党は次第次第に追いつめられて すでに危うく見えた時 馬場に飛込む安兵衛が 関の孫六抜く手も見せず 村上三郎斬り捨てゝ 天にも轟く大音声(おんじょう) 中山安兵衛武庸が叔父の菅野に助太刀致す、 名乗りをあげて さあ来いと脇差抜いて 左手に天地に構えた 二刀流右に左に斬り捲くる、 折しも叔父の背後(うしろ)から薙刀(なぎなた)持って 祐見が、斬り下ろさんとした時に 撥止投げた脇差が 背中を貫き見事倒した有様は、 さながら、鬼神か天魔の業か かたずを呑んで 見ていた群衆 どっとあげたる歓声が 高田の馬場にこだまする。  剣がきらめく 高田の馬場に 桜吹雪が舞いかかる 勝って驕(おご)らぬ 爽やかさ 花の青年 安兵衛の 顔に明るい 春の風
大演歌音頭演歌うたって 生きている 心にじんと しみてくる 歌で情けを 結んだら 花も咲くだろ 人生は さあさ踊ろうよ 唄おうよ みんなで みんなで 演歌だよ  惚れたあの娘は 声自慢 唄えばなおさら いいおんな 愛の手拍子 合わせたら 熱い想いが かよいあう さあさ踊ろうよ 唄おうよ みんなで みんなで 演歌だよ  酔えば陽気に 唄ってた おやじの気持が よくわかる にがい甘いも 人生さ 涙なんかは ふっとばせ さあさ踊ろうよ 唄おうよ みんなで みんなで 演歌だよ三波春夫いではく遠藤実演歌うたって 生きている 心にじんと しみてくる 歌で情けを 結んだら 花も咲くだろ 人生は さあさ踊ろうよ 唄おうよ みんなで みんなで 演歌だよ  惚れたあの娘は 声自慢 唄えばなおさら いいおんな 愛の手拍子 合わせたら 熱い想いが かよいあう さあさ踊ろうよ 唄おうよ みんなで みんなで 演歌だよ  酔えば陽気に 唄ってた おやじの気持が よくわかる にがい甘いも 人生さ 涙なんかは ふっとばせ さあさ踊ろうよ 唄おうよ みんなで みんなで 演歌だよ
乾杯音頭ハアー 金の盃ネ 片手に持てばヨー ハーヨイヨイヨイ 天下取るよに 気も晴れる ハッヨイショ 飲めばネ飲めばほんのり!心もまるく 笑顔嬉しや 笑顔嬉しや片えくぼソレ よいとよいときてよいと咲かそ 君と乾杯!皆んな乾杯!夢の花  ハアー 永いこの世にゃネ 苦労もあるがヨー ハーヨイヨイヨイ 苦労またよい 身のくすり ハッヨイショ そこはネそこはどっこい!乗り切る意気で 行けば日の照る 行けば日の照る道もあるソレ よいとよいときてよいと咲かそ 君と乾杯!皆んな乾杯!夢の花  ハアー 目出度めでたのネ 人生ならばヨー ハーヨイヨイヨイ 何んのくよくよ 弱気だね ハッヨイショ 得手にネ得手に帆上げて!乾杯すれば いつも景色の いつも景色の宝船ソレ よいとよいときてよいと咲かそ 君と乾杯!皆んな乾杯!夢の花三波春夫小林潤長津義司ハアー 金の盃ネ 片手に持てばヨー ハーヨイヨイヨイ 天下取るよに 気も晴れる ハッヨイショ 飲めばネ飲めばほんのり!心もまるく 笑顔嬉しや 笑顔嬉しや片えくぼソレ よいとよいときてよいと咲かそ 君と乾杯!皆んな乾杯!夢の花  ハアー 永いこの世にゃネ 苦労もあるがヨー ハーヨイヨイヨイ 苦労またよい 身のくすり ハッヨイショ そこはネそこはどっこい!乗り切る意気で 行けば日の照る 行けば日の照る道もあるソレ よいとよいときてよいと咲かそ 君と乾杯!皆んな乾杯!夢の花  ハアー 目出度めでたのネ 人生ならばヨー ハーヨイヨイヨイ 何んのくよくよ 弱気だね ハッヨイショ 得手にネ得手に帆上げて!乾杯すれば いつも景色の いつも景色の宝船ソレ よいとよいときてよいと咲かそ 君と乾杯!皆んな乾杯!夢の花
スポーツ音頭ハァー 思い切り ソレ 両手振れ振れ足音高く 昇る朝日にお早うさん ソレ 父さんも ホラ 母さんも 1234! 5678! スポーツ スポーツ みんな一緒にドドントネ ドドントネ  ハァー たくましく ソレ 顔がほころぶ仲間がふえて 桜日本の国造り ソレ 君と僕 ホラ貴方もね 1234! 5678! スポーツ スポーツ みんな一緒にドドントネ ドドントネ  ハァー 花も咲く ソレ 年の事など忘れてやるさ 何んのまだまだ負けられぬ ソレ 祖父ちゃんも ホラ 祖母ちゃんも 1234! 5678! スポーツ スポーツ みんな一緒にドドントネ ドドントネ  ハァー 大空へ ソレ 夢が飛ぶ飛ぶ若さがおどる 胸に明るい虹の色 ソレ 小父さんも ホラ小母さんも 1234! 5678! スポーツ スポーツ みんな一緒にドドントネ ドドントネ三波春夫北村桃児中野安博ハァー 思い切り ソレ 両手振れ振れ足音高く 昇る朝日にお早うさん ソレ 父さんも ホラ 母さんも 1234! 5678! スポーツ スポーツ みんな一緒にドドントネ ドドントネ  ハァー たくましく ソレ 顔がほころぶ仲間がふえて 桜日本の国造り ソレ 君と僕 ホラ貴方もね 1234! 5678! スポーツ スポーツ みんな一緒にドドントネ ドドントネ  ハァー 花も咲く ソレ 年の事など忘れてやるさ 何んのまだまだ負けられぬ ソレ 祖父ちゃんも ホラ 祖母ちゃんも 1234! 5678! スポーツ スポーツ みんな一緒にドドントネ ドドントネ  ハァー 大空へ ソレ 夢が飛ぶ飛ぶ若さがおどる 胸に明るい虹の色 ソレ 小父さんも ホラ小母さんも 1234! 5678! スポーツ スポーツ みんな一緒にドドントネ ドドントネ
長編歌謡浪曲 長谷川伸原作「瞼の母」より 瞼の母母の面影 瞼の裏に 描きつゞけて 旅から旅へ 昨日は東と 訊いたけど 今日は西だと 風便り 縞の合羽が 泪に濡れて 母恋い番場の 忠太郎  母は俺らを どうして捨てた 恨む心と 恋しい想い 宿無し鴉の 見る夢は 覚めて悲しい 幕切れさ 生れ在所(こきょう)も 遥かに遠い 母恋い番場の 忠太郎  「おかみさん、当って砕けろの心持で 失礼な事をお尋ね申しますでござんすが おかみさん、若しやあっしぐらいの男の子を持った憶えはござんせんか あっ!憶えがあるんだ 顔に出たその愕きが、 ところは江州坂田の郡醒ヶ井村から南へ一里、 磨針峠の山の宿場で番場という処がござんす、 おきなか屋忠兵ヱという、六代続いた旅館へ嫁に行き 男の子をひとり生みなすった。 そしてその子が五つの時に家を出た。 罪は父親にあったと訊きました。 おっ母さん、あっしが伜の忠太郎でござんす」  春秋数へて 二十年 想い焦がれて 逢いに来た  たった一人の 母だもの どんなお方で あろうかと 寝ても覚めても その事ばかり 無事でいたなら よいけれど 暮らしに困って いる時は 助けにゃならぬと 百両を 肌身離さず 抱いていた  若しや若しやと 逢う人毎(ごと)に 尋ね尋ねて 日が昏れりゃ 夕餉(ゆうげ)の煙りが 切なくて 窓に灯りが ともる頃 人の軒場に 佇ずんで 忍び泣きした こともある 此処はお江戸の柳橋 人に知られた 水熊よ 母を尋ねて くるなれば 何故に堅気で 来なかった とがめるお浜の 目に涙 じっと見返す 忠太郎は そいつぁ無理だぜ おかみさん 親に放れた 小僧ッ子が グレて堕ちたは 誰の罪 何んの今更 どうなろう よしや堅気に なったとて 喜ぶ人は ござんせん 侭よ 浮世を三度笠 六十余州の 空の下 股旅草鞋(わらじ)を 穿くだけよ 逢いたくなったら 目をつぶろ 俺が探した おふくろは 夢に出て来た 瞼の母は こんな冷たい 女(ひと)じゃない 逢わぬ昔が 懐しい。  望みも断たれて悄然と 座敷を出る時、 すれ違った妹のお登世これがそうかと肉身の情に魅かれつゝ、 荒川堤をゆく、旅人姿の忠太郎 この時二丁の早籠が母と妹を乗せて馳けてくる。 母は吾子を妹は兄の名を呼び乍。 「誰が、誰が逢ってやるもんか、 それでいい逢いたくなったら、俺ァ瞼をつぶろうよ あゝまだおっ母さん あんなに俺を呼んでいる、 妹もあんなに一生懸命呼んでいる、 おっ母さん!忠太郎は此処だよ、おっ母さん!」  母は子を呼び 子は母を呼ぶ 朝の光りも 東を染める 荒川堤を 駆けてゆく 笠も合羽も 投げ捨てゝ 嬉しかろうぜ 親子じゃないか 泣いて瞼の 母を抱け三波春夫北村桃児北村桃児斉藤恒夫母の面影 瞼の裏に 描きつゞけて 旅から旅へ 昨日は東と 訊いたけど 今日は西だと 風便り 縞の合羽が 泪に濡れて 母恋い番場の 忠太郎  母は俺らを どうして捨てた 恨む心と 恋しい想い 宿無し鴉の 見る夢は 覚めて悲しい 幕切れさ 生れ在所(こきょう)も 遥かに遠い 母恋い番場の 忠太郎  「おかみさん、当って砕けろの心持で 失礼な事をお尋ね申しますでござんすが おかみさん、若しやあっしぐらいの男の子を持った憶えはござんせんか あっ!憶えがあるんだ 顔に出たその愕きが、 ところは江州坂田の郡醒ヶ井村から南へ一里、 磨針峠の山の宿場で番場という処がござんす、 おきなか屋忠兵ヱという、六代続いた旅館へ嫁に行き 男の子をひとり生みなすった。 そしてその子が五つの時に家を出た。 罪は父親にあったと訊きました。 おっ母さん、あっしが伜の忠太郎でござんす」  春秋数へて 二十年 想い焦がれて 逢いに来た  たった一人の 母だもの どんなお方で あろうかと 寝ても覚めても その事ばかり 無事でいたなら よいけれど 暮らしに困って いる時は 助けにゃならぬと 百両を 肌身離さず 抱いていた  若しや若しやと 逢う人毎(ごと)に 尋ね尋ねて 日が昏れりゃ 夕餉(ゆうげ)の煙りが 切なくて 窓に灯りが ともる頃 人の軒場に 佇ずんで 忍び泣きした こともある 此処はお江戸の柳橋 人に知られた 水熊よ 母を尋ねて くるなれば 何故に堅気で 来なかった とがめるお浜の 目に涙 じっと見返す 忠太郎は そいつぁ無理だぜ おかみさん 親に放れた 小僧ッ子が グレて堕ちたは 誰の罪 何んの今更 どうなろう よしや堅気に なったとて 喜ぶ人は ござんせん 侭よ 浮世を三度笠 六十余州の 空の下 股旅草鞋(わらじ)を 穿くだけよ 逢いたくなったら 目をつぶろ 俺が探した おふくろは 夢に出て来た 瞼の母は こんな冷たい 女(ひと)じゃない 逢わぬ昔が 懐しい。  望みも断たれて悄然と 座敷を出る時、 すれ違った妹のお登世これがそうかと肉身の情に魅かれつゝ、 荒川堤をゆく、旅人姿の忠太郎 この時二丁の早籠が母と妹を乗せて馳けてくる。 母は吾子を妹は兄の名を呼び乍。 「誰が、誰が逢ってやるもんか、 それでいい逢いたくなったら、俺ァ瞼をつぶろうよ あゝまだおっ母さん あんなに俺を呼んでいる、 妹もあんなに一生懸命呼んでいる、 おっ母さん!忠太郎は此処だよ、おっ母さん!」  母は子を呼び 子は母を呼ぶ 朝の光りも 東を染める 荒川堤を 駆けてゆく 笠も合羽も 投げ捨てゝ 嬉しかろうぜ 親子じゃないか 泣いて瞼の 母を抱け
長編歌謡浪曲 信長尾張のお国はわが日乃本の 要なりゃこそよく解る 乱れ乱れた世の相(すがた) 正して呉れよう信長は 時期(とき)こそ今かいざや 征くぞ嵐の桶狭間  「者共、陣触れじゃ、 藤吉郎、猿よ、馬を引け!」  永禄三年六月の 朝霧ようやく晴れる頃 熱田の宮に祈りを籠めて 乾坤一擲(けんこんいってき)信長は 鳴海街道ひた走る 敵将今川義元は 率いる軍勢四万余騎 京の都を目指しつつ 駒を進めた勝ち戦さ 折しも丁度お昼どき 酒や肴でもてなされ 悠々くつろぐ田楽狭間 この時突如轟然と 天の味方か嵐が起こる その只中を信長軍は 怒濤の如く斬り込んで 遂にあげたる勝名乗り 織田の勝鬨天下に響く。  楽市楽座の賑わいぶりよ 夢を興(おこ)した岐阜の街 広い世界を目に入れて 日本を動かす信長も 今宵は少時それよ 鵜飼楽しむ長良川 関所は要らぬぞ誰でも通れ 旧い暦は捨てるのだ 戦さするのも新しい 時代を創る信長ぞ 天下の民がそれよ 活きる姿を観る為よ  「蘭丸、光秀が謀反(むほん)とな。彼の兵力は確か一万参千、 この寺を囲んだか。先の見えぬ大白痴(たわけ)。 己が此の御国の舵取りをどの様に進めていけるのだ。 蘭丸、余はそれが無念ぞ。うふふふ、うははは、人間とは愚かな者よ」  下天(けてん)は夢かや幻なるか 所詮人間五十年 燃えて崩れる本能寺 炎の中に信長は 男の最后それよ 何んの言葉も要るものか 噫(あ)々嵐呼ぶよな朝が来る三波春夫三波春夫三波春夫桜庭伸幸尾張のお国はわが日乃本の 要なりゃこそよく解る 乱れ乱れた世の相(すがた) 正して呉れよう信長は 時期(とき)こそ今かいざや 征くぞ嵐の桶狭間  「者共、陣触れじゃ、 藤吉郎、猿よ、馬を引け!」  永禄三年六月の 朝霧ようやく晴れる頃 熱田の宮に祈りを籠めて 乾坤一擲(けんこんいってき)信長は 鳴海街道ひた走る 敵将今川義元は 率いる軍勢四万余騎 京の都を目指しつつ 駒を進めた勝ち戦さ 折しも丁度お昼どき 酒や肴でもてなされ 悠々くつろぐ田楽狭間 この時突如轟然と 天の味方か嵐が起こる その只中を信長軍は 怒濤の如く斬り込んで 遂にあげたる勝名乗り 織田の勝鬨天下に響く。  楽市楽座の賑わいぶりよ 夢を興(おこ)した岐阜の街 広い世界を目に入れて 日本を動かす信長も 今宵は少時それよ 鵜飼楽しむ長良川 関所は要らぬぞ誰でも通れ 旧い暦は捨てるのだ 戦さするのも新しい 時代を創る信長ぞ 天下の民がそれよ 活きる姿を観る為よ  「蘭丸、光秀が謀反(むほん)とな。彼の兵力は確か一万参千、 この寺を囲んだか。先の見えぬ大白痴(たわけ)。 己が此の御国の舵取りをどの様に進めていけるのだ。 蘭丸、余はそれが無念ぞ。うふふふ、うははは、人間とは愚かな者よ」  下天(けてん)は夢かや幻なるか 所詮人間五十年 燃えて崩れる本能寺 炎の中に信長は 男の最后それよ 何んの言葉も要るものか 噫(あ)々嵐呼ぶよな朝が来る
長編歌謡浪曲 その夜の上杉綱憲この討ち入りの夜 父 上野介襲撃さるるの報に接し 直ちに軍勢を率いて出馬しようとした人がいた、 その身は従四位下、上杉弾正大弼綱憲。 出羽米沢十五万石の名家の為に泣いて止めた千坂兵部、断ち難き親子の絆。 彼も亦運命の糸が操る人間相克の劇(ドラマ)の中の人であった。 赤穂浪士の討入りは 敵も味方も雪の中 此処が命の 捨てどころ 月が照らした 人間模様 十と四日の 夜が更ける  弾正大弼綱憲は 父を案じて床の中 何故か今宵は 胸騒ぎ 閉(と)じる瞼が 眠りに落ちぬ 十と四日の 夜が更ける  「夜中恐れ乍ら御大守様に申し上げまする。 只今御尊父上野介様お屋敷へ浅野の浪人が斬り込みましてござりまする。 人数の程は、しかと分かりませぬが百人以上との注進にござりまする!」  「何!真か うむ己れ!すぐさま 家来共に戦じゃと申せ! ええ!直ちに本所へ繰り出し 浅野のやせ浪人ひとり残らず討ち取るのだ!!」  吉良家の嫡男と生れたが わずか二才で養子となって 名将上杉謙信の 家名を継いだ綱憲が 怒り狂うも無理じゃない 父の命の瀬戸際を何んでこの侭見逃そう 鎖かたびら身にまとい黒の小袖に錦の袴たすき十字に綾なして 槍を小脇にツーツーツーツ 走り出でゆく玄関先早くも雪の庭前に 居並ぶ勇士の面々は家老色部の又四郎 深沢重政森監物(もりけんもつ)更に柿崎弥三郎 その数実に三百人  「おう!馬を引け」  我につづけとまたがれば 大門開く八文字 駒はいななき白雪を けたててパッパッパッ…… 日比谷の屋形正に出でんとした時に  「殿!しばらくしばらく!!」  馬のくつわをしっかりと 押えた人は誰あろう 上杉随一、智恵の袋とうたわれた 家老上席千坂兵部その人なり。  「兵部何故止めるのだ、現在(いま)父と吾子の義周(よしちか)が浅野の 家来に襲われているのだぞ!そこを退け!兵部ええ!! 退かねば突殺すぞ!!」  槍をかざして馬上に立てば ぐっと見上げた千坂兵部 此処が我慢の仕どころじゃ 貴方は貴方の務めがござる 若しも広島浅野の御宗家 四十万石力にかけても仇討たせると 軍勢まとめて繰り出したなら 最早やひくにもひけませぬ 正に天下の一大事 後の咎は何んとする 歴史に残る上杉の 家名を潰す綱憲様は 愚か者よと笑われましょう 儂の言葉が無理ならば 斬って出陣遊ばせと 血を吐く想いで諫める千坂 その一言が 磐石の 重みとなって胸を打つ。  「兵部解った。皆の者それぞれ持場に帰り指示を待て。 千坂よ仏間に御法燈(みあかし)を灯せ天下に恥をさらしたとて父は父。 余は独り静かにあの世へ旅立ちなさる父上の御冥福(めいふく)を祈ろう。 千坂のじいよ。大名の子は辛いのう……。」  槍を大地に突き立てて 泣いて堪えた綱憲の 顔を照らして 陽が昇る 仇も恨みも 降り積む雪も 解けて流れる 朝が来る三波春夫北村桃児山倉たかし山倉たかしこの討ち入りの夜 父 上野介襲撃さるるの報に接し 直ちに軍勢を率いて出馬しようとした人がいた、 その身は従四位下、上杉弾正大弼綱憲。 出羽米沢十五万石の名家の為に泣いて止めた千坂兵部、断ち難き親子の絆。 彼も亦運命の糸が操る人間相克の劇(ドラマ)の中の人であった。 赤穂浪士の討入りは 敵も味方も雪の中 此処が命の 捨てどころ 月が照らした 人間模様 十と四日の 夜が更ける  弾正大弼綱憲は 父を案じて床の中 何故か今宵は 胸騒ぎ 閉(と)じる瞼が 眠りに落ちぬ 十と四日の 夜が更ける  「夜中恐れ乍ら御大守様に申し上げまする。 只今御尊父上野介様お屋敷へ浅野の浪人が斬り込みましてござりまする。 人数の程は、しかと分かりませぬが百人以上との注進にござりまする!」  「何!真か うむ己れ!すぐさま 家来共に戦じゃと申せ! ええ!直ちに本所へ繰り出し 浅野のやせ浪人ひとり残らず討ち取るのだ!!」  吉良家の嫡男と生れたが わずか二才で養子となって 名将上杉謙信の 家名を継いだ綱憲が 怒り狂うも無理じゃない 父の命の瀬戸際を何んでこの侭見逃そう 鎖かたびら身にまとい黒の小袖に錦の袴たすき十字に綾なして 槍を小脇にツーツーツーツ 走り出でゆく玄関先早くも雪の庭前に 居並ぶ勇士の面々は家老色部の又四郎 深沢重政森監物(もりけんもつ)更に柿崎弥三郎 その数実に三百人  「おう!馬を引け」  我につづけとまたがれば 大門開く八文字 駒はいななき白雪を けたててパッパッパッ…… 日比谷の屋形正に出でんとした時に  「殿!しばらくしばらく!!」  馬のくつわをしっかりと 押えた人は誰あろう 上杉随一、智恵の袋とうたわれた 家老上席千坂兵部その人なり。  「兵部何故止めるのだ、現在(いま)父と吾子の義周(よしちか)が浅野の 家来に襲われているのだぞ!そこを退け!兵部ええ!! 退かねば突殺すぞ!!」  槍をかざして馬上に立てば ぐっと見上げた千坂兵部 此処が我慢の仕どころじゃ 貴方は貴方の務めがござる 若しも広島浅野の御宗家 四十万石力にかけても仇討たせると 軍勢まとめて繰り出したなら 最早やひくにもひけませぬ 正に天下の一大事 後の咎は何んとする 歴史に残る上杉の 家名を潰す綱憲様は 愚か者よと笑われましょう 儂の言葉が無理ならば 斬って出陣遊ばせと 血を吐く想いで諫める千坂 その一言が 磐石の 重みとなって胸を打つ。  「兵部解った。皆の者それぞれ持場に帰り指示を待て。 千坂よ仏間に御法燈(みあかし)を灯せ天下に恥をさらしたとて父は父。 余は独り静かにあの世へ旅立ちなさる父上の御冥福(めいふく)を祈ろう。 千坂のじいよ。大名の子は辛いのう……。」  槍を大地に突き立てて 泣いて堪えた綱憲の 顔を照らして 陽が昇る 仇も恨みも 降り積む雪も 解けて流れる 朝が来る
長編歌謡浪曲 赤穂の妻仇を討つのか 討たぬのか 責める世間の 噂が恐い ここは山科 佇ずまい 耐えて忍んで 赤穂の妻は 祈る心で 月を見る  可愛い主税も 見納めか 生きて此の世で 逢われぬ運命 武士の妻なら 母ならば 何んで泣きましょ 赤穂の妻は 涙耐えて 別れゆく  「おりく身重のそなたに苦労をかけるのう。 内蔵之助はそなたを妻に迎えた事が 一生の裡で一番大きな倖せだった」  北は時雨て南は曇る はいた草鞋の緒が濡れる 実家の但馬の豊岡へ おりく悲しや戻り旅 星の流れは夢の間か 嫁十七白無垢姿 篭にゆられてお嫁入り あの日の儘に故郷の山も 吾が家も昔変らぬなつかしさ しばし佇む玄関先 いそいそいそと出迎える 優しい母のしわの顔 寄る年波の共白髪 父の顔見りゃ 一度にどっと溢れ出る涙を おりくは陰せよう  「おりくあんな昼行燈内蔵之助の処へ そなたを嫁につかわしたわ石塚源五兵衛一代の不覚じゃった! この度のお上の仕打ちは誰か見てもむごいもんじゃ。 山鹿流軍法の奥儀を極めた内蔵之助刈屋城に籠って 武士らしく一戦するかと思うたら、それはやらぬ、城はおめおめ明け渡す。 己は祇園や島原で遊びくさって、どこまで腑抜け腰抜けじゃ。 お前におこってもしょうがない。 這入れ遠慮するなお前の生まれた家じゃ。 何じゃ婆さん、孫達が挨拶も出来ずまごまごしている? 馬鹿もん孫は別じゃ、早ようこっちへ通さんか。 おうおう吉千代にお久宇か。可愛うなったな。 吉千代は十一、お久宇は十三そうかそうか、 山科からよくここまでこられた、疲れたであろう。 足をなげだして楽にするが良い。 兄の主税はどうしていた?父上がこれをおじい様にみせろと言うた。 どれどれこの短刀を…‥おう!一点の曇りなき長船祐定、 この刀を吉千代!お前に形見じゃと内蔵之助が渡したか。 あの形見じゃと!うむ!ウハハ ウハハハ… おりく、よくぞよくぞ離縁されて戻ったのう」  さてこそ婿殿内蔵之助 仇を討つ気であったのか 昼行燈ではなかったぞ 望みは大石江戸を睨んだ胸の裡 用意は充分出来てるわい 可愛い女房や二人の子供 離縁したのもまさかの時に 罪を被ちゃならないと さすが出かした天晴れじゃ おりく分かっているだろうが 去り状持って親元へ 帰るそなたの辛さより 去らせた良雄の悲しさと 息子主税の切なさを 想ってやれよこの子供 立派に育ててやることが 妻の道だぞ務めだぞ 説いて聞かすも親なれば 親なればこそ武士なれば 形見の短刀押し戴いて 孫を抱き寄せこの祖父が 怒って本当に済まなんだ 許してくれと詫びている 父の笑顔に又泣ける 母が運んだ手料理へ 思わずおりくは手を合せ 涙を押えた瞼の裏に 浮かぶ赤穂の天守閣 赤穂の妻は泣きませぬ 赤穂の妻の顔に 晴ればれ夕陽が紅い三波春夫北村桃児佐藤川太山倉たかし仇を討つのか 討たぬのか 責める世間の 噂が恐い ここは山科 佇ずまい 耐えて忍んで 赤穂の妻は 祈る心で 月を見る  可愛い主税も 見納めか 生きて此の世で 逢われぬ運命 武士の妻なら 母ならば 何んで泣きましょ 赤穂の妻は 涙耐えて 別れゆく  「おりく身重のそなたに苦労をかけるのう。 内蔵之助はそなたを妻に迎えた事が 一生の裡で一番大きな倖せだった」  北は時雨て南は曇る はいた草鞋の緒が濡れる 実家の但馬の豊岡へ おりく悲しや戻り旅 星の流れは夢の間か 嫁十七白無垢姿 篭にゆられてお嫁入り あの日の儘に故郷の山も 吾が家も昔変らぬなつかしさ しばし佇む玄関先 いそいそいそと出迎える 優しい母のしわの顔 寄る年波の共白髪 父の顔見りゃ 一度にどっと溢れ出る涙を おりくは陰せよう  「おりくあんな昼行燈内蔵之助の処へ そなたを嫁につかわしたわ石塚源五兵衛一代の不覚じゃった! この度のお上の仕打ちは誰か見てもむごいもんじゃ。 山鹿流軍法の奥儀を極めた内蔵之助刈屋城に籠って 武士らしく一戦するかと思うたら、それはやらぬ、城はおめおめ明け渡す。 己は祇園や島原で遊びくさって、どこまで腑抜け腰抜けじゃ。 お前におこってもしょうがない。 這入れ遠慮するなお前の生まれた家じゃ。 何じゃ婆さん、孫達が挨拶も出来ずまごまごしている? 馬鹿もん孫は別じゃ、早ようこっちへ通さんか。 おうおう吉千代にお久宇か。可愛うなったな。 吉千代は十一、お久宇は十三そうかそうか、 山科からよくここまでこられた、疲れたであろう。 足をなげだして楽にするが良い。 兄の主税はどうしていた?父上がこれをおじい様にみせろと言うた。 どれどれこの短刀を…‥おう!一点の曇りなき長船祐定、 この刀を吉千代!お前に形見じゃと内蔵之助が渡したか。 あの形見じゃと!うむ!ウハハ ウハハハ… おりく、よくぞよくぞ離縁されて戻ったのう」  さてこそ婿殿内蔵之助 仇を討つ気であったのか 昼行燈ではなかったぞ 望みは大石江戸を睨んだ胸の裡 用意は充分出来てるわい 可愛い女房や二人の子供 離縁したのもまさかの時に 罪を被ちゃならないと さすが出かした天晴れじゃ おりく分かっているだろうが 去り状持って親元へ 帰るそなたの辛さより 去らせた良雄の悲しさと 息子主税の切なさを 想ってやれよこの子供 立派に育ててやることが 妻の道だぞ務めだぞ 説いて聞かすも親なれば 親なればこそ武士なれば 形見の短刀押し戴いて 孫を抱き寄せこの祖父が 怒って本当に済まなんだ 許してくれと詫びている 父の笑顔に又泣ける 母が運んだ手料理へ 思わずおりくは手を合せ 涙を押えた瞼の裏に 浮かぶ赤穂の天守閣 赤穂の妻は泣きませぬ 赤穂の妻の顔に 晴ればれ夕陽が紅い
長編歌謡浪曲 勝海舟江戸で生れてああ長屋で育ち 今じゃ幕府の総大将 星の流れは皮肉なものさ 月にうそぶく勝海舟の 胸にゃ真っ赤な火が燃える  時代の流れと勢いは 誰が止めても止まらない 無心に遊ぶ子供らが 手まり唄にも口ずさむ 宮さん 宮さん お馬の前で ヒラヒラするのは何じゃいな トコトンヤレトンヤレナ あれは朝敵征伐せよとの 錦の御旗じゃないかいな 菊は栄えて葵は枯れる 西にひずめの音がする  「近代日本の暁を告げる刻の鐘は、 いんいんとして鳴り渡る慶応四年の春、 薩長土肥連合軍は、江戸を目指して怒涛の如く進撃を開始した。 有栖川宮を大総督と仰ぎ、全軍の指揮を取るは、 参謀筆頭薩摩の大南洲西郷隆盛。 これを迎えて江戸を守らんとする海舟、 勝麟太郎彼こそ正に真理を貫く天才的な人であった」  「なあ益満、西郷どんに逢ったら云っておくれ。 勝はホンニ臆病だからねぇ。 戦は恐がっていたよって。俺ら百五十万人の人間が住んでいる江戸が、 天子様の軍勢の為に丸焼けにされるなんて考えたら、 おちおち眠っちゃいられねえよってなア。 じゃ山岡西郷さんへの手紙はこれだ。 読んだらきっと唸るだろうさ。そこで、あんたも私も日本人、 いやさ!皆天子様の子供だと云っておやり…。 まあよろしく頼みましたよ」  軽くくだけてああ口では云うが 腹じゃ何時でも死ぬ覚悟 江戸を焼くのか花見とゆくか そちら次第と勝海舟が 賭けた天下の大勝負 錦の旗をなびかせて 東海道をひた押しに 軍勢進める西郷の 心の動きを見つめつつ 徳川二百八十年 舞台の幕を締める役 吾身ひとつに引受けて 八百八町の誰ひとり 殺しちゃならぬ守らにゃならぬ 迎えて立った勝海舟 時は熟した慶応四年 桜ほころぶ三月半ば 青毛よ走れと一鞭当てて 手網さばきも鮮やかに 蹄の音を響かせて パーッパカパーッパカパッパカパッパカ… 薩摩屋敷の門前に 駒を飛ばして乗りつけた  「おーい、そこの兵隊達!西郷参謀は何処に居る! 俺は海軍総裁勝麟太郎だ!」 慄然として呼ぶ声に 敵であるべき薩摩の兵士 思わず知らず捧げ銃威儀を正して迎えたり この時西郷隆盛は 自ら門を馳け出して思わず 両手を差し延べて 「勝先生!」 「おう西郷さん!」 握る手と手に万感の 想いが籠る両雄の 瞼に浮かぶ涙こそ あゝ幕末の動乱を 救う涙か 明治維新のあけぼのを 飾る涙か虹の色 薩摩隼人と江戸っ子が 共に語る人の為 共に語る国の為  腹が分ればああ話しは早い 渡しましたぞこの江戸を 頼みますぞこの日本を 祈る想いの勝海舟に 花の明治の夜が明ける三波春夫北村桃児遠藤実只野通泰江戸で生れてああ長屋で育ち 今じゃ幕府の総大将 星の流れは皮肉なものさ 月にうそぶく勝海舟の 胸にゃ真っ赤な火が燃える  時代の流れと勢いは 誰が止めても止まらない 無心に遊ぶ子供らが 手まり唄にも口ずさむ 宮さん 宮さん お馬の前で ヒラヒラするのは何じゃいな トコトンヤレトンヤレナ あれは朝敵征伐せよとの 錦の御旗じゃないかいな 菊は栄えて葵は枯れる 西にひずめの音がする  「近代日本の暁を告げる刻の鐘は、 いんいんとして鳴り渡る慶応四年の春、 薩長土肥連合軍は、江戸を目指して怒涛の如く進撃を開始した。 有栖川宮を大総督と仰ぎ、全軍の指揮を取るは、 参謀筆頭薩摩の大南洲西郷隆盛。 これを迎えて江戸を守らんとする海舟、 勝麟太郎彼こそ正に真理を貫く天才的な人であった」  「なあ益満、西郷どんに逢ったら云っておくれ。 勝はホンニ臆病だからねぇ。 戦は恐がっていたよって。俺ら百五十万人の人間が住んでいる江戸が、 天子様の軍勢の為に丸焼けにされるなんて考えたら、 おちおち眠っちゃいられねえよってなア。 じゃ山岡西郷さんへの手紙はこれだ。 読んだらきっと唸るだろうさ。そこで、あんたも私も日本人、 いやさ!皆天子様の子供だと云っておやり…。 まあよろしく頼みましたよ」  軽くくだけてああ口では云うが 腹じゃ何時でも死ぬ覚悟 江戸を焼くのか花見とゆくか そちら次第と勝海舟が 賭けた天下の大勝負 錦の旗をなびかせて 東海道をひた押しに 軍勢進める西郷の 心の動きを見つめつつ 徳川二百八十年 舞台の幕を締める役 吾身ひとつに引受けて 八百八町の誰ひとり 殺しちゃならぬ守らにゃならぬ 迎えて立った勝海舟 時は熟した慶応四年 桜ほころぶ三月半ば 青毛よ走れと一鞭当てて 手網さばきも鮮やかに 蹄の音を響かせて パーッパカパーッパカパッパカパッパカ… 薩摩屋敷の門前に 駒を飛ばして乗りつけた  「おーい、そこの兵隊達!西郷参謀は何処に居る! 俺は海軍総裁勝麟太郎だ!」 慄然として呼ぶ声に 敵であるべき薩摩の兵士 思わず知らず捧げ銃威儀を正して迎えたり この時西郷隆盛は 自ら門を馳け出して思わず 両手を差し延べて 「勝先生!」 「おう西郷さん!」 握る手と手に万感の 想いが籠る両雄の 瞼に浮かぶ涙こそ あゝ幕末の動乱を 救う涙か 明治維新のあけぼのを 飾る涙か虹の色 薩摩隼人と江戸っ子が 共に語る人の為 共に語る国の為  腹が分ればああ話しは早い 渡しましたぞこの江戸を 頼みますぞこの日本を 祈る想いの勝海舟に 花の明治の夜が明ける
長編歌謡浪曲 赤穂城の内蔵之助春の風が 乱れて吹いて 雲が飛ぶ飛ぶ 赤穂城 殿の形見の かずかずに 心の奥で 問いかけて しみじみ泣いた 内蔵之助  「殿、御無念で御座りましたろう。 殿が家督(かとく)をお継ぎ遊したは御年九ツの時、 その頃内蔵之助も家老の重職を承わった、 私は十九で御座りました、 それより数えて二十何年勿体なき事ながら吾が弟とも、 わが子とも思い参らせて、お育て申しました。 殿、内蔵之助が江戸に居りましたなら、 貴方様の口惜しさもお慰め出来たものを。 ……何時ものあのお声でこの内蔵之助をお叱りなされて下さりませ」  殿が愛した 民百姓を 何んで見捨てゝ 良いものか 騒ぐ波風 おだやかに 必らず静めて 見せましょう 最後のこれが 御奉公  「殿が十七才、お輿入れなされた奥方様が十才の春、 御祝言の席上お祝いを申し上げました内蔵之助の目に まるで一対のお雛様のような可愛い御夫婦に見えました。」  今日が最後の 大評定(だいひょうじょう)と 覚悟みなぎる 赤穂城 されど人数は 五十六 すゝり泣きすら 洩れる中 静かに坐る 内蔵之助  「扨(さて)、御一同 赤穂浅野家最後の評定をとる者は、 わずか五十六人かと最前まで内蔵之助は残念に存じておりましたが、 各々方のお顔を見てこれこそ忠誠無二、 大石の心中を打ち開けて頼むに足る方々のみと、 私は嬉しく存じまする。本日まで馴れぬそろばんを手にして どうか領民の生活の立つようにと苦心致しましたのも御主君が 死して後まで陰口叩かれては家来として何んの面目が御座りましょう。 扨、各々方私が只今から申す一事(ひとこと)を どうぞお聞き捜しなきよう、お願いを申上げる。 この大石が今日まで密かに恐れおのゝいていた事は 一天万乗帝の勅使を迎えた当日、例え意趣であり遺恨であるにもせよ 刀を抜いて血で汚した主人内匠頭が犯せし無礼が 帝の御宸禁(ごしんきん)を如何に悩し奉ったかと云う事で御座った。 若しや勅使を蒙(こうむ)る身とならば死して尚、 末世末代内匠頭は皇室不敬の大罪人、我等一同とても日本国中、 身の置き処なき浪人となるで御座りましょう。 それが……それが昨夜京都留守居役小野寺十内どのが帰国致して申さるには、 近衛関白を初め勅使に立たれし柳原大納言様や 公卿の方々より吉良上野介を討ち洩した浅野は不便(ふびん)じゃと 手厚きお悔やみのお言葉を戴きました。 それのみか!それのみか各々方、 京都御所紫宸殿貴き御簾の内より 「浅野内匠頭 想いを達せずはまことに哀れな者」 と畏くも帝の御声を洩れ承わったのじゃ! 喜び召され御一同これにて亡君長矩(ながのり)様は 救われ……救われましたのじゃ!! この上は最早や何処を憚(はばか)り 何処を恐るゝ処もない。 決死の勇士五十六人力を合せて吉良上野介を討つ事で御座る。 又、二ツには幕閣につながる人々の悪政は限りを知らず、 当五代将軍御代に於て取り潰し又、改易となったるは、 大小四十八頭(かしら)その最も大きくは越前宰相五十二万石を始めとして 作州(さくしゅう)津山十八万六千石、その他、合せて、 二百七十一万四千石を幕府の手に取り上げ、 三万有余人の我等と同じ浪人を生むに至った。 御一同よいか、只ひとりの吉良殿を討つ事は 即ち日本国の政道に批判の一矢(いっし)を報ゆる事じゃ、 各々方の、その赤き血を以って連判状に只今から何卒御署名を 願いたいので御座いまする!!」  固き誓いの 連判状に 燃ゆる真心 鬨(とき)の声 一人一人を 見渡して 何時しか突いた両の手に 涙が落ちる 内蔵之助三波春夫北村桃児伏見竜治山倉たかし春の風が 乱れて吹いて 雲が飛ぶ飛ぶ 赤穂城 殿の形見の かずかずに 心の奥で 問いかけて しみじみ泣いた 内蔵之助  「殿、御無念で御座りましたろう。 殿が家督(かとく)をお継ぎ遊したは御年九ツの時、 その頃内蔵之助も家老の重職を承わった、 私は十九で御座りました、 それより数えて二十何年勿体なき事ながら吾が弟とも、 わが子とも思い参らせて、お育て申しました。 殿、内蔵之助が江戸に居りましたなら、 貴方様の口惜しさもお慰め出来たものを。 ……何時ものあのお声でこの内蔵之助をお叱りなされて下さりませ」  殿が愛した 民百姓を 何んで見捨てゝ 良いものか 騒ぐ波風 おだやかに 必らず静めて 見せましょう 最後のこれが 御奉公  「殿が十七才、お輿入れなされた奥方様が十才の春、 御祝言の席上お祝いを申し上げました内蔵之助の目に まるで一対のお雛様のような可愛い御夫婦に見えました。」  今日が最後の 大評定(だいひょうじょう)と 覚悟みなぎる 赤穂城 されど人数は 五十六 すゝり泣きすら 洩れる中 静かに坐る 内蔵之助  「扨(さて)、御一同 赤穂浅野家最後の評定をとる者は、 わずか五十六人かと最前まで内蔵之助は残念に存じておりましたが、 各々方のお顔を見てこれこそ忠誠無二、 大石の心中を打ち開けて頼むに足る方々のみと、 私は嬉しく存じまする。本日まで馴れぬそろばんを手にして どうか領民の生活の立つようにと苦心致しましたのも御主君が 死して後まで陰口叩かれては家来として何んの面目が御座りましょう。 扨、各々方私が只今から申す一事(ひとこと)を どうぞお聞き捜しなきよう、お願いを申上げる。 この大石が今日まで密かに恐れおのゝいていた事は 一天万乗帝の勅使を迎えた当日、例え意趣であり遺恨であるにもせよ 刀を抜いて血で汚した主人内匠頭が犯せし無礼が 帝の御宸禁(ごしんきん)を如何に悩し奉ったかと云う事で御座った。 若しや勅使を蒙(こうむ)る身とならば死して尚、 末世末代内匠頭は皇室不敬の大罪人、我等一同とても日本国中、 身の置き処なき浪人となるで御座りましょう。 それが……それが昨夜京都留守居役小野寺十内どのが帰国致して申さるには、 近衛関白を初め勅使に立たれし柳原大納言様や 公卿の方々より吉良上野介を討ち洩した浅野は不便(ふびん)じゃと 手厚きお悔やみのお言葉を戴きました。 それのみか!それのみか各々方、 京都御所紫宸殿貴き御簾の内より 「浅野内匠頭 想いを達せずはまことに哀れな者」 と畏くも帝の御声を洩れ承わったのじゃ! 喜び召され御一同これにて亡君長矩(ながのり)様は 救われ……救われましたのじゃ!! この上は最早や何処を憚(はばか)り 何処を恐るゝ処もない。 決死の勇士五十六人力を合せて吉良上野介を討つ事で御座る。 又、二ツには幕閣につながる人々の悪政は限りを知らず、 当五代将軍御代に於て取り潰し又、改易となったるは、 大小四十八頭(かしら)その最も大きくは越前宰相五十二万石を始めとして 作州(さくしゅう)津山十八万六千石、その他、合せて、 二百七十一万四千石を幕府の手に取り上げ、 三万有余人の我等と同じ浪人を生むに至った。 御一同よいか、只ひとりの吉良殿を討つ事は 即ち日本国の政道に批判の一矢(いっし)を報ゆる事じゃ、 各々方の、その赤き血を以って連判状に只今から何卒御署名を 願いたいので御座いまする!!」  固き誓いの 連判状に 燃ゆる真心 鬨(とき)の声 一人一人を 見渡して 何時しか突いた両の手に 涙が落ちる 内蔵之助
あゝ北前船男命の 北前船は 宝運びの 心意気 心意気よ 海が時化たと弱音を吐くな 沖のかもめが笑うじゃないか 風は追風 帆を捲き上げろ 屋号染め抜くソレソレソレ 自慢船  春の海ゆく 北前船は 歌が流れて 帆が揺れる 帆が揺れるよ ハイヤ節でも 越後へ来れば あの娘見染めて おさけに変わる 信濃追分け 港で仕入れ 江差 松前ソレソレソレ 蔵が建つ  冬の海ゆく 北前船は 可愛い女子も 乗せられぬ 乗せられぬよ お主ァ東か 儂ァ西廻り 北の海幸 南へ運びゃ やがて 花咲く嬉しい春だ おっとドッコイ ソレソレソレ 面舵よ三波春夫北村桃児浜圭介馬飼野俊一男命の 北前船は 宝運びの 心意気 心意気よ 海が時化たと弱音を吐くな 沖のかもめが笑うじゃないか 風は追風 帆を捲き上げろ 屋号染め抜くソレソレソレ 自慢船  春の海ゆく 北前船は 歌が流れて 帆が揺れる 帆が揺れるよ ハイヤ節でも 越後へ来れば あの娘見染めて おさけに変わる 信濃追分け 港で仕入れ 江差 松前ソレソレソレ 蔵が建つ  冬の海ゆく 北前船は 可愛い女子も 乗せられぬ 乗せられぬよ お主ァ東か 儂ァ西廻り 北の海幸 南へ運びゃ やがて 花咲く嬉しい春だ おっとドッコイ ソレソレソレ 面舵よ
長編歌謡浪曲 神戸を拓く清盛海は女子じゃ荒れると怖い 男は舟よ 清盛公の高笑い 六甲山を背中にして 大海原を眺めつつ 此処に港を築きあげ 人の幸福招こうぞ  「人々よ。港を築く為、諸国から集まり流してくれるその汗を、 清盛はありがたくお礼を申しまするぞ。」  沖の黒汐波乗り越えて 宝を運ぶ 男の船の晴れ姿 見守る神は厳島 大海原を眺めつつ かざす扇に陽の光り 神戸港の朝ぼらけ  国の未来を想いつつ 私財を投げ打ち壮大な 港造りに着手をなさる 山を崩して石切り出して 埋め立ててはみたものの 荒波寄せる岸なれば 思いの外の難工事  長男重盛心を痛め 行者を招き祈らせば 海神さまの魂鎮め 若い命の人柱 捧げなければ港は出来ぬ むごいお告げに重盛は 家来の松王呼び寄せて 父に密かに伝えよと 言われた時に松王は お情け深い 大殿さまのこの難儀 せめてお助け申すには 吾身が立とう人柱 覚悟を決めた健気さよ やがて定めの白装束 行者があげる経の中 ざんぶと海へ身を投げた 知らせを受けて清盛は 駒をとばして駆けつけて 波がうず巻く海面を 見つめて涙はらはらと 松王そなたは何故死んだ その真心は嬉しいが 人の命と引き換えに 港を造って何んになる せめて松王今一度 海の底から生き返り わしのこの手に掴まれと 泣いて叫んだ清盛公  「人柱を立てねばならぬとは何んたる迷信ぞ。 障りがあると申すなら、行者たちが、 神に祈りその障りを除くべきではなかったか。 これよりは石に南無阿弥陀仏の名号を書き記し、 それを提防の石とせよ。 更に一切経を石に刻み、港の礎石としようぞ。人々よ。 若き松王が神戸港の為、万人の為、人柱となった健気さを、 永く忘れずに居て下されや」  永久に栄えよ神戸の港 人々此処に大きく夢を懸けようぞ 松王愛しや波しぶき 大海原は語らねど 誰か伝えよこの志 拓く港の物語三波春夫三波春夫三波春夫沼井雅之・橘左門海は女子じゃ荒れると怖い 男は舟よ 清盛公の高笑い 六甲山を背中にして 大海原を眺めつつ 此処に港を築きあげ 人の幸福招こうぞ  「人々よ。港を築く為、諸国から集まり流してくれるその汗を、 清盛はありがたくお礼を申しまするぞ。」  沖の黒汐波乗り越えて 宝を運ぶ 男の船の晴れ姿 見守る神は厳島 大海原を眺めつつ かざす扇に陽の光り 神戸港の朝ぼらけ  国の未来を想いつつ 私財を投げ打ち壮大な 港造りに着手をなさる 山を崩して石切り出して 埋め立ててはみたものの 荒波寄せる岸なれば 思いの外の難工事  長男重盛心を痛め 行者を招き祈らせば 海神さまの魂鎮め 若い命の人柱 捧げなければ港は出来ぬ むごいお告げに重盛は 家来の松王呼び寄せて 父に密かに伝えよと 言われた時に松王は お情け深い 大殿さまのこの難儀 せめてお助け申すには 吾身が立とう人柱 覚悟を決めた健気さよ やがて定めの白装束 行者があげる経の中 ざんぶと海へ身を投げた 知らせを受けて清盛は 駒をとばして駆けつけて 波がうず巻く海面を 見つめて涙はらはらと 松王そなたは何故死んだ その真心は嬉しいが 人の命と引き換えに 港を造って何んになる せめて松王今一度 海の底から生き返り わしのこの手に掴まれと 泣いて叫んだ清盛公  「人柱を立てねばならぬとは何んたる迷信ぞ。 障りがあると申すなら、行者たちが、 神に祈りその障りを除くべきではなかったか。 これよりは石に南無阿弥陀仏の名号を書き記し、 それを提防の石とせよ。 更に一切経を石に刻み、港の礎石としようぞ。人々よ。 若き松王が神戸港の為、万人の為、人柱となった健気さを、 永く忘れずに居て下されや」  永久に栄えよ神戸の港 人々此処に大きく夢を懸けようぞ 松王愛しや波しぶき 大海原は語らねど 誰か伝えよこの志 拓く港の物語
長編歌謡浪曲 平家物語より 壇の浦決戦さても平知盛卿は 味方集めて最後の軍議 見せてくれよう平家の意地を われに錦の御旗がござる  汐の流れは見落とすなかれ 時を逃して戦さは勝てぬ 命惜しむな名をこそ惜しめ 壇の浦こそ墓所と決めよ  源氏兵船八百余艘 屋島沖合はるかに進む 片や平家は彦島出でて 次第次第に近づく戦機  時に寿永は四年の弥生 二十四日の汐風強く 赤と白との旗翻える 海の碧さよ波立ち騒ぐ 平家船数六百余り 汐の流れに勢い込んで 源氏攻め立て怒涛の如く あわや本陣危うく崩る  九郎義経眦(まなじり)あげて 恥を知れやれ遅れをとるな 吾に続けと真っ先かけて 太刀を振るって斬り込み給う  語り草なる八艘飛びに 敵も味方も肝打ち震え あれは鞍馬天狗の天狗の化身 鬼もたじろぐ猛虎の如し  どこに在わすか時忠卿は 目指す御座船(ござふね)三種の神器 漕げやそれ押せ邪魔立てするな ここが戦さの瀬戸際なるぞ 遂に平家は追いつめられて 哀れ総領宗盛卿は 味方落としてその責め負うて 源氏軍門自ら降る  勝つも負くるもこの世の習い 壇の浦なる謎又深く 波が逆巻く赤間ヶ関に 帝何処へ落ちさせ給う  今は還らぬ勇士の姿 波に漂う赤旗幾つ 十二単の衣がからむ 誰の形見か恨みは深し  どっと味方の勝鬨背中(せな)に 馬上静かに義経公は 何を祈るか渚に立ちて 春の夕陽を涙で拝む 春の夕陽を涙で拝む三波春夫三波春夫三波春夫久米大作さても平知盛卿は 味方集めて最後の軍議 見せてくれよう平家の意地を われに錦の御旗がござる  汐の流れは見落とすなかれ 時を逃して戦さは勝てぬ 命惜しむな名をこそ惜しめ 壇の浦こそ墓所と決めよ  源氏兵船八百余艘 屋島沖合はるかに進む 片や平家は彦島出でて 次第次第に近づく戦機  時に寿永は四年の弥生 二十四日の汐風強く 赤と白との旗翻える 海の碧さよ波立ち騒ぐ 平家船数六百余り 汐の流れに勢い込んで 源氏攻め立て怒涛の如く あわや本陣危うく崩る  九郎義経眦(まなじり)あげて 恥を知れやれ遅れをとるな 吾に続けと真っ先かけて 太刀を振るって斬り込み給う  語り草なる八艘飛びに 敵も味方も肝打ち震え あれは鞍馬天狗の天狗の化身 鬼もたじろぐ猛虎の如し  どこに在わすか時忠卿は 目指す御座船(ござふね)三種の神器 漕げやそれ押せ邪魔立てするな ここが戦さの瀬戸際なるぞ 遂に平家は追いつめられて 哀れ総領宗盛卿は 味方落としてその責め負うて 源氏軍門自ら降る  勝つも負くるもこの世の習い 壇の浦なる謎又深く 波が逆巻く赤間ヶ関に 帝何処へ落ちさせ給う  今は還らぬ勇士の姿 波に漂う赤旗幾つ 十二単の衣がからむ 誰の形見か恨みは深し  どっと味方の勝鬨背中(せな)に 馬上静かに義経公は 何を祈るか渚に立ちて 春の夕陽を涙で拝む 春の夕陽を涙で拝む
長編歌謡浪曲 戦国塩物語ぶどう畠の葉も枯れて 秋風そゞろ身に沁みる 甲府盆地の昏れに たなびく霧は戦国の 夢を包んで四百年  都は遠く海も無い この山国のくにたみを 愛しつゞけた信玄は 山の姿に何想う 類な稀なき英雄が その横顔にふと見せた 悲しき影を誰が知ろ  「何んと越後の謙信が塩を送ってくれたと申すのか!! うむうむ勇将鬼小島弥太郎を使いとして 上杉殿があの塩を………。 駿河の今川 相模の北條に 塩を断たれ甲斐と 信濃の領民の苦しみ難儀を見るにつけても予は断腸の想いであった」  思わずホロリひとしずく 閉じた瞼に浮かぶのは 永禄四年秋九月 川中島の戦場で 朝霧突いて現われた 馬上の武者は矢の如く 我をめがけて真っしぐら 「信玄覚悟」と斬りつけた 軍配持って受け止めて はじき返した太刀先に 眼光燃ゆる凄じさ これが越後の謙信かと 身の毛がよだつ想いした あの謙信が戦さを越えて 塩を送ってくれたとは 如何なる心の大きさか 武士の情けが 人の情けが身に沁みる  「勝頼よ、儂に若しもの時あらば、謙信殿に相談せい。これは遺言だぞ。 だが家老共、越後の塩商人から一両でも高く買え、 上杉の情に報いる武田の真心だ、それは又、甲斐源氏の力を示す。 ハハハハ、戦さじゃわい。」  勝頼聞けよ 者共よいか 年が明けたら 出陣ぞ 風林火山の 旗なびかせて 汐の花咲く 海を見ながら 東海道を 京の都へ 上るのだ 京の都へ 上るのだ三波春夫三波春夫三波春夫佐藤川太ぶどう畠の葉も枯れて 秋風そゞろ身に沁みる 甲府盆地の昏れに たなびく霧は戦国の 夢を包んで四百年  都は遠く海も無い この山国のくにたみを 愛しつゞけた信玄は 山の姿に何想う 類な稀なき英雄が その横顔にふと見せた 悲しき影を誰が知ろ  「何んと越後の謙信が塩を送ってくれたと申すのか!! うむうむ勇将鬼小島弥太郎を使いとして 上杉殿があの塩を………。 駿河の今川 相模の北條に 塩を断たれ甲斐と 信濃の領民の苦しみ難儀を見るにつけても予は断腸の想いであった」  思わずホロリひとしずく 閉じた瞼に浮かぶのは 永禄四年秋九月 川中島の戦場で 朝霧突いて現われた 馬上の武者は矢の如く 我をめがけて真っしぐら 「信玄覚悟」と斬りつけた 軍配持って受け止めて はじき返した太刀先に 眼光燃ゆる凄じさ これが越後の謙信かと 身の毛がよだつ想いした あの謙信が戦さを越えて 塩を送ってくれたとは 如何なる心の大きさか 武士の情けが 人の情けが身に沁みる  「勝頼よ、儂に若しもの時あらば、謙信殿に相談せい。これは遺言だぞ。 だが家老共、越後の塩商人から一両でも高く買え、 上杉の情に報いる武田の真心だ、それは又、甲斐源氏の力を示す。 ハハハハ、戦さじゃわい。」  勝頼聞けよ 者共よいか 年が明けたら 出陣ぞ 風林火山の 旗なびかせて 汐の花咲く 海を見ながら 東海道を 京の都へ 上るのだ 京の都へ 上るのだ
長編歌謡浪曲 天竜二俣城文亀三年即ち西暦一五〇三年の事、 二俣昌長が築城したこの城はところどころ崩れ落ちているとはいえ、 その石の色、城の型、さすが奥州二本松城につぐ 日本最古の城であると云うにふさわしく、 歴史の息吹きはそくそくとして訪れる人に何かを語りかけている。 天主閣のあった場所に立ち、西北を望めば天竜川は眼下に広々と豊かに流れ、 長がとそびえる鳥羽山、赤石山系を南北に見る。 南の山裾は浜松へ通ずる街道か。紺碧の空、白雲東方へ静かになびく風情。 時に天正七年九月一五日、徳川家康の長男岡崎三郎信康は、 父が向けた討手の使者天方山城守服部半蔵を此の池に迎えて、 自害して果てた。 天下統一の大望を持つ織田信長は、 娘の徳姫の良人である信康を殺せと家康に命じた。 時に信康年二十一歳であった。  秋の夕陽に 散る山紅葉 色もひとしお 鮮やかに 信康哀れ 流れも清き 天竜の 水の鏡に 映し出す 二俣城の影悲し  冬の夜空を 啼きながら 親を尋ねて 鳥が飛ぶ 信康哀れ 涙を抱いた 天竜の 瀬音悲しや さらさらと 二俣城を 照らす月  「その方達、おくれを取るなよ。 この信康覚悟を決めて待っていたぞ。 だが之だけは舅信長に!…… いや、お父上に伝えてくりゃれ。 三郎信康は天地の神に誓って、身にやましい事はなかったと、 最後まで真の武士であったと。……忘れるな!!」  脇差し抜いて 逆手に持って 座り直した 信康の 白装束が 痛ましや ああ 戦国の 恐ろしさ 力と智惠に 恵まれすぎた 人間ならば 吾子でも 婿であっても憎いのか 逃げて下されお願いじゃ 必死にすがる小姓の忠鄰 かぶりを振って信康は そなたの心は嬉しいが 逃げて何処に道がある その道こそは死ぬ事よ 吾子を斬れと言う親が 三千世界のどこに居る 今こそは儂は父上の 深い心が読めたのだ 乱れ乱れた日の本に 永く平和を築く為 鳴かぬなら 鳴くまで待とう ほととぎす 父の辛さがしみじみと 切ない程に胸にくる ああ 反逆児と人が言う 岡崎三朗信康の 悟る笑顔に 散る涙  三つの葉葵の 葉が香る 花の名残りの 井戸やぐら 信康哀れ 桜を浮かべ 天竜は 今日も流れる 悠々と 二俣城の 夢の跡三波春夫北村桃児春川一夫池田孝文亀三年即ち西暦一五〇三年の事、 二俣昌長が築城したこの城はところどころ崩れ落ちているとはいえ、 その石の色、城の型、さすが奥州二本松城につぐ 日本最古の城であると云うにふさわしく、 歴史の息吹きはそくそくとして訪れる人に何かを語りかけている。 天主閣のあった場所に立ち、西北を望めば天竜川は眼下に広々と豊かに流れ、 長がとそびえる鳥羽山、赤石山系を南北に見る。 南の山裾は浜松へ通ずる街道か。紺碧の空、白雲東方へ静かになびく風情。 時に天正七年九月一五日、徳川家康の長男岡崎三郎信康は、 父が向けた討手の使者天方山城守服部半蔵を此の池に迎えて、 自害して果てた。 天下統一の大望を持つ織田信長は、 娘の徳姫の良人である信康を殺せと家康に命じた。 時に信康年二十一歳であった。  秋の夕陽に 散る山紅葉 色もひとしお 鮮やかに 信康哀れ 流れも清き 天竜の 水の鏡に 映し出す 二俣城の影悲し  冬の夜空を 啼きながら 親を尋ねて 鳥が飛ぶ 信康哀れ 涙を抱いた 天竜の 瀬音悲しや さらさらと 二俣城を 照らす月  「その方達、おくれを取るなよ。 この信康覚悟を決めて待っていたぞ。 だが之だけは舅信長に!…… いや、お父上に伝えてくりゃれ。 三郎信康は天地の神に誓って、身にやましい事はなかったと、 最後まで真の武士であったと。……忘れるな!!」  脇差し抜いて 逆手に持って 座り直した 信康の 白装束が 痛ましや ああ 戦国の 恐ろしさ 力と智惠に 恵まれすぎた 人間ならば 吾子でも 婿であっても憎いのか 逃げて下されお願いじゃ 必死にすがる小姓の忠鄰 かぶりを振って信康は そなたの心は嬉しいが 逃げて何処に道がある その道こそは死ぬ事よ 吾子を斬れと言う親が 三千世界のどこに居る 今こそは儂は父上の 深い心が読めたのだ 乱れ乱れた日の本に 永く平和を築く為 鳴かぬなら 鳴くまで待とう ほととぎす 父の辛さがしみじみと 切ない程に胸にくる ああ 反逆児と人が言う 岡崎三朗信康の 悟る笑顔に 散る涙  三つの葉葵の 葉が香る 花の名残りの 井戸やぐら 信康哀れ 桜を浮かべ 天竜は 今日も流れる 悠々と 二俣城の 夢の跡
文左たから船紀州紀の国 和歌の浦 七十余日の 長時化を 衝いて乗り出す みかん船 梵天丸の へさきには 男文左の 男文左の 晴れ姿  汐の岬や 熊野灘 おも舵取り舵 抜かるなよ 海は逆巻く 大怒涛 八大竜王 念じつつ 八重の汐路の 八重の汐路の たから船  待ってましたぞ 紀の国屋 遠州灘をば 乗り切って お江戸に運んだ みかん船 百万両は 誰(た)が為ぞ 男一代 男一代 名は末代三波春夫大高ひさを倉若晴生長津義司紀州紀の国 和歌の浦 七十余日の 長時化を 衝いて乗り出す みかん船 梵天丸の へさきには 男文左の 男文左の 晴れ姿  汐の岬や 熊野灘 おも舵取り舵 抜かるなよ 海は逆巻く 大怒涛 八大竜王 念じつつ 八重の汐路の 八重の汐路の たから船  待ってましたぞ 紀の国屋 遠州灘をば 乗り切って お江戸に運んだ みかん船 百万両は 誰(た)が為ぞ 男一代 男一代 名は末代
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