縁(えにし)島津亜矢 | 島津亜矢 | 坂口照幸 | 水森英夫 | 南郷達也 | なんで実がなる 花よりさきに 浮世無情の 裏表 今は吹く風 沁みるとも 交わす目と目で 支えあう そっと寄り添う 影にさえ 明日が見えます 人世坂 心なくして どうして分かる 人の真実(ほんと)の その値打ち 意地を通して 泣こうとも 手酌貧乏 させません なさけ拾って 遠まわり バカもいいもの 人世坂 人の一生 折り合うように 出来ていますね 誰だって みんな縁から 始まって 「あなた」「おまえ」と 二人づれ 生きる姿の 中にこそ 道は見えます 人世坂 |
愛染かつらをもう一度島津亜矢 | 島津亜矢 | 星野哲郎 | 新井利昌 | | 花と嵐の 青春を 涙と共に 生きるとき 父さんあなたの 主題歌だった 古い艶歌が わかります いつかいっしょに 唄いましょうね 愛染かつらを もう一度 灯りさざめく 東京の 日暮れは夢の 吹き溜まり 父さん私は あなたの娘 負けはしないと 唇を 噛めば心に 聞こえてきます 愛染かつらの あの歌が 真実(まこと)つくした男道 破れたけれど 悔いはない 俺にはかわいい おまえがいると 酔えば口癖 お父さん どうぞ元気で 唄ってほしい 愛染かつらを いつまでも |
八重〜会津の花一輪〜島津亜矢 | 島津亜矢 | 志賀大介 | 村沢良介 | 池多孝春 | 明日の夜は 何国(いずこ)の誰か ながむらん なれし御城に 残す月かげ ならぬことは ならぬもの これがふるさと 会津の魂(こころ) 時は幕末 葵は枯れる 仰ぐなみだの 鶴ヶ城 八重は一生 女の 女の 女の誠を通します 「弟・三郎の形見の衣装を身にまとい 散るを覚悟で城に向かったあの日… あれは まるで昨日の事の様です 城 明渡しの夜 無念のうちに見上げた夜空に 煌々と輝いていたあの月が 目を閉じれば今もそこにあります あゝ 何故あれほど多くの命が 失われなくてはならなかったのでしょう… わたしたちは ただ国を ただ故郷を 守りたかっただけなのです」 胸に宿す こころざし 風が運んだ 日本の夜明け 青いガス燈 想いを照らす 馳せる希望の あかね雲 八重は一生 女の 女の 女の誠を通します 「散切り頭にちょんまげ頭 時代は 『明治』に変わり 押し寄せる維新の波は 誰をも飲み込む潮流となって迫ってきました ジョー、あなたと共に夢を馳せた世も 争いは絶えません わかっています わかっているのです 誰も争いごとは望んでおりません 人はもともとやさしいもの… そのやさしさを求める人々に 私は手を差し伸べ続けます その先に… その先に…」 明日は明日の 陽が昇る 峰にかかれる むら雲晴れる いのちひとすじ 慈愛の精神(こころ) 夢にこの身を 捧げたい 八重は一生 女の 女の 女の誠を通します |
海鳴りの詩島津亜矢 | 島津亜矢 | 星野哲郎 | 船村徹 | | 五体に刻んだ 赤銅色(しゃくどういろ)の シワが男の 五線紙だ 明るい娘に 育てたことが 冥土の母ちゃんへ でかい土産だと 笑う親父(とうちゃん)の 髭から背中から 海鳴りの詩が 聞こえてくる ヤンサエー ヤンサエー 酒断(さけだ)ちしてまで 口説いた女 死んだあとまで 恋女房 世間の女が カボチャに見えて ヤモメを通したね 男盛りをよ いばる親父の 胸から腕(かいな)から 海鳴りの詩が 聞こえてくる ヤンサエー ヤンサエー 母親知らずに 嫁いだ娘 無事に女房を してるやら 初孫祝って 酒のむまでは 倒れちゃなるまいと 波に揺れながら 力む親父の 舟から帆綱から 海鳴りの詩が 聞こえてくる ヤンサエー ヤンサエー ヤンサエー |
温故知新島津亜矢 | 島津亜矢 | 星野哲郎 | 原譲二 | | ながい道程(みちのり) 歯をくいしばり やっとここまで 歩いてきたな ごらん空には 流れ雲 背のびしないで 暮らそじゃないか 人生まだまだ いいことあるさ! 勝った負けたは 他人の値踏み いつか誰かが 教えてくれた 塩をつかんで 枯れ枝に まけば梅の香 ほろりと匂う 濃いめの人情で 行こうじゃないか! どんな時代も 肩よせあって 俺とおまえは ぶれずに生きる 温故知新だ 人の道 握りこぶしは 心でにぎり 笑顔が一番 自然でいいな! |
恋慕海峡島津亜矢 | 島津亜矢 | 阿久悠 | 弦哲也 | | 単(ひとえ)じゃ寒いと 袷(あわせ)を出して それでも震えて 胸かき合わせ この身で熱いは 二つの乳房 あんたが恋しと 無理を云う みじかい秋は 駆け足で ヒュルヒュル泣いて ヒュルヒュル泣いて 海峡過ぎる ああ やがて冬なのね あんた あんた 早く来て 一人にしていちゃ 心がゆれる あとから悔やんで もう遅いから 凍えた指先 息吹きかけて あんたが憎いと しのび泣く 知らない文字の 貨物船 霧笛を鳴らし 霧笛を鳴らし 海峡通る ああ やがて冬なのね あんた あんた 早く来て みじかい秋は 駆け足で ヒュルヒュル泣いて ヒュルヒュル泣いて 海峡過ぎる ああ やがて冬なのね あんた あんた 早く来て |
憂き世春秋島津亜矢 | 島津亜矢 | 新本創子 | 三島大輔 | | 風が頬うつ 雨が泣く あなたの背中に 隠れて越える 憂き世春秋 ふたり坂 いのち連れ添う しあわせに 賭けて悔いない 女です いつかあなたの 胸に咲く 雪割り草だと 云われてみたい 憂き世春秋 ふたり坂 こころ寄せあい 寒い夜は ともに飲みたい このお酒 苦労ひとつに 夢がある 笑顔をあなたと たやさずいたい 憂き世春秋 ふたり坂 花の咲く日へ 七曲がり 明日を信じて 生きてゆく |
度胸船島津亜矢 | 島津亜矢 | 星野哲郎 | 市川昭介 | | 人を押しのけ 出世のできる 柄じゃないぜと あきらめて 北へきたんだ 千島の海に 眠る親父を ゆりおこし 唄う男の 度胸船 親父来たぞと 吹雪を呼べば 風がほめるぜ よくきたと 写真だけしか 知らないけれど 海を見せれば 勇み立つ 熱い血をひく 度胸船 ころぶ兄貴を 弟がかばう 沖は地獄だ 戦場だ ホッケ大漁の 祈りをこめて 網に御神酒を ふりかけて 雪に放浪う 度胸船 |
感謝状 〜母へのメッセージ〜島津亜矢 | 島津亜矢 | 星野哲郎 | 弦哲也 | | ひとりだけの とき 誰もいない とき そっと小声で 呼ぶのです お母さん お母さん 呼んでいる内に 口の中が 甘く切なく なるのです お母さん お母さん あとになり さきになり 歩いた 砂山 あとになり さきになり さがした しあわせの星 お母さん お母さん あのときも 言えなかった あなたに贈る ありがとう 旅に泣いた とき とても寒い とき 窓に名前を 書くのです お母さん お母さん 書いている内に 胸は晴れて 生きる希望を みつけます お母さん お母さん あとになり さきになり 連れとぶ かもめは あとになり さきになり あなたと さがした倖せ お母さん お母さん あのときも 言えなかった あなたに贈る ありがとう お母さん お母さん あのときも 言えなかった あなたに贈る ありがとう あなたに贈る 感謝状 |
海ぶし島津亜矢 | 島津亜矢 | 塚口けんじ | 櫻田誠一 | 丸山雅仁 | おなご雪浪 かいくぐり 岬がくれに 船を待つ 髪を束ねて 日暮れには くずれ番屋で 飯を炊く ヤンアレサー 追分の 海で鮭をとる ヤンアレサー 男衆は 汗で銭をとる 砂にさらされ 転がって 浜にゃ涙の 廃船(ふね)一つ 飲んで踊った 万祝(まいわ)いも 爺(じ)さま婆(ば)さまの 語り草 ヤンアレサー 追分の 風に揺れながら ヤンアレサー 男衆は 腰で舵を切る おなご飛沫(しぶき)に 叩かれて 今日も大漁の 夢を抱く 凍る昆布を 引きながら 十の指から 血を流す ヤンアレサー 追分の 海で鮭をとる ヤンアレサー 男衆は 汗で銭をとる |
関の弥太っぺ(セリフ入り)島津亜矢 | 島津亜矢 | 宮沢守夫 | 村沢良介 | | 義理の重たさ 背にしょって 流れ道中 子連れ旅 一夜泊りの 草鞋をぬぐも なにかのご縁 無理を承知で たのみます どうか どうか どうかこの子の 親がわり 「手前‥呼び名は関の弥太っぺと申します おかみさん 理由は聞かずにこの子を預かっちゃもらえませんか きっと迎えに参ります 喧嘩渡世のこの身では 幼な子を刃くぐりの巻き添えには出来ません 身勝手なお願いではござんすがよろしゅうお頼申します」 昇る朝日に 手を合わせ 沈む夕日に また祈る 無事でいるやら 辛くはないか しあわせなのか 気にはしてたが 長の旅 やっと やっと やっと戻りの 甲州路 「早いもんだなァ‥あれから七年 逢ってむかし話をしたら あの子に悲しい思いをさせるだけだ‥ 云いたい事も聞きたい事も山ほどある 逢えば泣けて来てなにも云えないだろう ただ一目だけ大きくなったお小夜を見たら 土産に買ったこのかんざしを置いて立ち去ろう それでいゝ それでいゝ それだけでいゝんだ‥」 可愛いがられて 育てられ 嫁に行く日も 近いとか どんな親でも 命をわけた 親なら子なら せめても一度 逢いたかろう 関の 関の 関の弥太っぺ 男泣き |
波島津亜矢 | 島津亜矢 | 星野哲郎 | 船村徹 | 蔦将包 | 寄せては返す 波また波を あえぎただよう 木の葉舟 それが私の 人生ならば 一期一会(いちごいちえ)の 出会いを求め 夢という名の 舟を漕ぐ 雄たけびあげて 逆巻く波に 呑まれ叩かれ はいあがりゃ 板子一枚(いたごいちまい) 天国・地獄 明日(あす)の行方は 知らないけれど 風に向かって 舟を漕ぐ 大波小波 上げては下ろす 波に身をもむ 女舟 乗ればゆさぶる 外(はず)せば嘲(わら)う 泣くなくさるな 希望の二文字 胸にかかげて 舟を漕ぐ |
想い出よありがとう島津亜矢 | 島津亜矢 | 阿久悠 | 都志見隆 | | 想い出よ ありがとう やっと今 そう云える私 数えきれない 昨日に それぞれの 心をこめて 想い出よ ありがとう 哀しみも 苦しみも含め ときに憎んで いたけど それもまた 人生だった 逢って別れ 別れて出逢い 愛に泣き 夢に迷い 歌よりも 歌らしく 心を揺さぶる 想い出よ ありがとう ありがとう… 想い出よ ありがとう 時が過ぎ 懐かしさだけが 胸の扉を 叩きに 今日もまた 訪れて来る 想い出よ ありがとう ほろ苦い さよならも今は 愛の言葉に 思えて 乾杯の グラスを上げる 待ってはぐれ はぐれて探し 恋に酔い 酒にすがり 歌よりも 歌らしく 心を揺さぶる 想い出よ ありがとう ありがとう… 逢って別れ 別れて出逢い 愛に泣き 夢に迷い 歌よりも 歌らしく 心を揺さぶる 想い出よ ありがとう ありがとう… 想い出よ ありがとう ありがとう… |
道南夫婦船島津亜矢 | 島津亜矢 | 星野哲郎 | 新井利昌 | 池多孝春 | 親に貰った この血の中を 熱く流れる 命潮 元へ辿れば 父と母 いつも元気で いて欲しい 熱い祈りを 波に浮かべて 仰ぐ心の アヨイショ 駒ヶ岳 荒れる海辺に 縋って生きる 北の漁師は 波の花 群れる鴎も 仲間衆 こぼれ秋刀魚を 分けながら 地球岬を 右に眺めて 今日もあんたと アヨイショ 網を刺す 浜の女房と 呼ばれるからにゃ 雪も氷も 恐れぬが 浮気されたら わしの恥 二つ合わせて 一になる 愛の人生 海に咲かせる 夫婦船だよ アヨイショ ほまれ船 |
近松門左衛門原作「冥途の飛脚」より 梅川島津亜矢 | 島津亜矢 | さとの深花 | 村沢良介 | | 逢うこと叶わぬひとに逢いたくて… 逢いたくて… 重い不幸の罪科(つみとが)を 今は地の果てまでも追われる身 いとしい忠兵衛さまを誰が 誰がこうさせた みんな このわたし故… この梅川ゆえに… 情念(あい)をつらぬく この命 隠しきれない 阿弥陀笠 生きられるだけ 生きましょう 添える時刻(ぶん)だけ 添いましょう 人目忍んで 後や先 足も乱れる… 隠れ雪 忠兵衛さま この世に未練などありませぬ この梅川は あなたを離したくない… 身は粉々に砕かれようと 二人で燃えつきたい… あなたに逢えてこそ 女に還れました… 逢えて 逢えてよかった… 声を立てずに 泣くことは いつか覚えた 身についた 生きられるだけ 生きましょう 添える時刻だけ 添いましょう 罠にかかった 雉子(とり)のよに 闇におびえる… 峠越え お役人さまお願いで御座います… 見納めで御座います… お父上の嘆きが目に入り 忠兵衛さまはあの世へ行けません お情けあらばどうか どうか顔を包んであげて下さい 腰の手拭いで目を 目を 目を隠して下さい… お役人さまー… 罪の深さを 大和路に 詫びて死にたい この命 生きられるだけ 生きました 添える時刻だけ 添いました せめて冥途の 草枕 紅い血が舞う… 雪が舞う 忠さま… 忠さま… 忠兵衛さまー… |