男一匹の唄岡晴夫 | 岡晴夫 | 夢虹二 | 佐藤長助 | | 赤い夕陽は 砂漠の果てに 旅を行く身は 駱駝(らくだ)の背中(せな)に 男一匹 未練心はさらさらないが なぜか淋しい 日暮れの道よ 昨日ラマ塔の 花咲く影で チラと見た娘(こ)の 似ている瞳 男一匹 何も云うまい昔の夢だ 空にゃほのかに 七つの星よ 月の出潮は 心が濡れる 吹くなモンゴーの 砂漠の風よ 男一匹 明日(あす)の希望を心に秘めて 行けば鳴る鳴る 駱駝の鈴よ |
憧れのハワイ航路岡晴夫 | 岡晴夫 | 石本美由起 | 江口夜詩 | | 晴れた空 そよぐ風 港出船の ドラの音愉(たの)し 別れテープを 笑顔で切れば 希望(のぞみ)はてない 遥かな潮路 あゝ 憧れの ハワイ航路 波の背を バラ色に 染めて真赤な 夕陽が沈む 一人デッキで ウクレレ弾けば 歌もなつかし あのアロハオエ あゝ 憧れの ハワイ航路 常夏の 黄金月 夜のキャビンの 小窓を照す 夢も通うよ あのホノルルの 椰子の並木路 ホワイトホテル あゝ 憧れの ハワイ航路 |
港ヨコハマ花売娘岡晴夫 | 岡晴夫 | 矢野亮 | 上原げんと | | 赤いテールが にじんでとけて 消えてバンドへ ゆく石だたみ 海のかおりを 夜風が運ぶ 花を召しませ 召しませ花を いとしあの娘は ああ 港ヨコハマ 花売娘 今宵一夜を なごりに踊る 影がゆれてる 酒場の小窓 なぜか気になる マドロスさんか 花を召しませ 召しませ花を ちらりのぞいた ああ 港ヨコハマ 花売娘 ミルク色した 波止場の霧に むせび泣いてる 出船の汽笛 馴れた別れも 切ないものよ 花を召しませ 召しませ花を 声もとぎれる ああ 港ヨコハマ 花売娘 |
東京の空青い空岡晴夫 | 岡晴夫 | 石本美由起 | 江口夜詩 | | 鳩が飛び立つ 可愛い可愛い鳩が 東京の空 青い空 喜びの 鐘が鳴る 若い口笛 吹きながら 柳さらさら 銀座の街を 君と歩けば 明るい心 風がそよ吹く 緑の緑の風が 東京の空 青い空 憧れの 夢が呼ぶ 胸もときめく 恋の午後 お茶をのんだり シネマを見たり 寄せる笑顔に あふれる若さ 月が輝く バラ色バラ色月が 東京の空 青い空 麗(うるわ)しの 灯(ひ)が招く なごりつきない 街角で あすのプランの 指切りすれば さようならよの 別れも愉し |
涙の小花岡晴夫 | 岡晴夫 | 高橋掬太郎 | 上原げんと | | 雨の降る夜の 紅花黄花 何を嘆くか 肩よせて 儚い恋に 身をやつす 女かなしや 涙の小花 むりに笑えば なおなお辛い 別れ小径の 曲り角 諦めながら 泣きながら 女かなしや 又呼ぶその名 逢えぬ君故 しあわせ祈る 雨の夜ふけの 涙花 おしろい彫りの 夢一つ 女かなしや 心に秘めて |
あんこ可愛いや岡晴夫 | 岡晴夫 | 松村又一 | 上原げんと | | 赤く咲いても 椿の花は ほろり落ちそで 落ちぬとさ あんこ可愛いや 紅椿 どこのどなたに どこのどなたに 落ちる気か 島の御神火 燃えたつ夜は 胸に思いを こがすとさ あんこ可愛いや 紅椿 きょうも岬で きょうも岬で たれを待つ 沖の瀬の瀬で 潮鳴る宵は 夢で千鳥も 嘆くとさ あんこ可愛いや 紅椿 といた黒髪 といた黒髪 胸に抱く |
男のエレジー岡晴夫 | 岡晴夫 | 石本美由起 | 岡晴夫 | | 街の灯影に 背中を向けて 一人ふかした 煙草のにがさ 渡る世間を せばめてすねて 生きる男の 身のつらさ こんなやくざに 誰がした 義理と人情の 渡世に生きて 酒と喧嘩に やつれた命 頬の傷跡 淋しく撫ぜて 月に語ろか 身の上を こんなやくざに 誰がした 「夜空に輝く星か きれいだな 人間は自分で自分の運命が 解らねぇところがいいんだろう あゝ故郷(くに)のおふくろに 逢いてえなあ」 泣ける思いも 笑って隠す 青いソフトの 横顔淋し 今の姿じゃ 帰れもすまい 恋し母住む 故郷へ こんなやくざに 誰がした |
船は港にいつ帰る岡晴夫 | 岡晴夫 | 高橋掬太郎 | 細川潤一 | | 風の便りも 二月三月 絶えて聞かねば 尚恋し 想い出すほど 逢いたさ見たさ 船は港に いつ帰る 啼くは千鳥か 夜更けの頃は 夢も涙に 濡れて散る 独り明かせば 瀬音もかなし 船は港に いつ帰る どうせマドロス 浮寝の鳥に かけた情の たよりなさ 呼んでみたとて とどかぬ人よ 船は港に いつ帰る |
二人のパラダイス岡晴夫 | 岡晴夫 | 東條寿三郎 | 上原げんと | | プラチナの 陽をうけて 高鳴る胸よ はずむ若さよ 足取りも 軽やかに 丘を越えて行こう 行きましょう あゝ 君の空 僕の空 晴れて嬉しい 二人のパラダイス あこがれに バラはもえ ほほえみ交す 愛の瞳よ さっそうと 腕を組み 丘を越えて行こう 行きましょう あゝ 君の空 僕の空 小鳥さえずる 二人のパラダイス ロマンスの 虹かけて 雲湧く彼方 夢は招くよ 歌声を 合わせつつ 丘を越えて行こう 行きましょう あゝ 君の空 僕の空 のぞみ湧きたつ 二人のパラダイス |
港のエトランゼ岡晴夫 | 岡晴夫 | 矢野亮 | 渡久地政信 | | 流れ流れて たどりつく 知らぬ港は 青い霧 もっとお寄りよ 淋しじゃないか どうせ故郷にゃ 帰れぬ二人 俺もお前も エトランゼ 抱いたギターを 爪弾けば すすり泣きする いじらしさ そっと唄およ 切ない胸を 待てど来るやら 花咲く春が 俺もお前も エトランゼ 残る未練に ひかされて 風にまかせた 旅の空 ほって置いてよ 流しの唄は 届くあてない 儚い夢さ 俺もお前も エトランゼ |
おもいで酒小林幸子 | 小林幸子 | 高田直和 | 梅谷忠洋 | | 無理して飲んじゃ いけないと 肩をやさしく 抱きよせた あの人 どうしているかしら 噂をきけば あいたくて おもいで酒に 酔うばかり ボトルに別れた 日を書いて そっと涙の 小指かむ あの人 どうしているかしら 出船の汽笛 ききながら おもいで酒に 酔うばかり いつかは忘れる 人なのに 飲めば未練が またつのる あの人 どうしているかしら くらしも荒れた このごろは おもいで酒に 酔うばかり |
途中下車岡晴夫 | 岡晴夫 | 松村又一 | 島田逸平 | | 更けて淋しい 夜汽車の窓を 雨よ叩くか 切ない胸に 何で忘れよ 何で忘れよ あの日の夢を 君はやさしの 湯の町つばき ままよ今宵は 港の町に 途中下車して 人目をしのび 語り合いたい 語り合いたい しみじみひと夜 君はいとしの 湯の町つばき 小雨ふるふる 別れの駅に 情(なさけ)忘れぬ 涙の笑顔 さらばさよなら さらばさよなら また逢う日まで 君は心の 湯の町つばき |
逢いたかったぜ岡晴夫 | 岡晴夫 | 石本美由起 | 上原げんと | | 逢いたかったぜ 三年ぶりに 逢えて嬉しや 呑もうじゃないか 昔なじみの 昔なじみの お前と俺さ 男同志で 酒くみ交す 街の場末の おゝ縄のれん 生れ故郷の 想い出ばなし 今宵しみじみ 語ろじゃないか 昔なじみの 昔なじみの お前と俺さ こんどあの娘(こ)に 出逢ったならば 無事(まめ)で居るよと おゝ言ってくれ 誰が流すか ギターの唄に 遠い思い出 偲ぼじゃないか 昔なじみの 昔なじみの お前と俺さ 夢が欲しさに 小雨の路地で 泣いたあの日が あゝ懐しい |