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今日のうた

なきごと/キャッチーってなんだろう?

なきごと
キャッチーってなんだろう?

 2026年5月20日に“なきごと”がニューシングル「204号室」をリリースしました。タイトル曲は、TVアニメ『彼女、お借りします』第5期エンディングテーマです。初回生産限定盤と期間生産限定盤の2形態を同時発売。初回生産限定盤には「204号室」と「甘々吟味」(Glico「ポッキー」CMキャンペーンソング)の2曲を収録。期間生産限定盤は、キャラクターデザイン・平山寛菜による描き下ろしジャケット仕様となっております。    さて、今日のうたでは“なきごと”の水上えみりによる歌詞エッセイを3週連続でお届け! 第1弾は、今作の収録曲「 甘々吟味 」にまつわるお話です。ポッキーのCMキャンペーンソングとして書き下ろしたこの歌。「キャッチー」に向き合ってみたとき、見えてきた自身の答えは…。 ご無沙汰しております。 この度、3週連続の歌詞コラムを担当させていただきます!   このコラム、何度もかかせていただいてますが、 今一度、歌詞についての向き合い方を言語化して、 お届けできるのがいつも楽しいです。 またできて嬉しい!ありがとうございます…!   本日は、New ReleaseのSingleより、M-2「甘々吟味」について。   ぜひ、3週連続、水上の歌詞コラムにお付き合いください!   _______________________   “人生何が起きるかわからない”、とはよく聞くが、 「ポッキーのCMキャンペーンソングの書き下ろしが決まりました!」 と連絡が来た時、とんでもない世界線に自分が生きていると実感し、 心底びっくりした。   本当に人生、何が起こるかわからないものだ。   中、高校生までを、鍵っ子で、テレビっ子として生きてきた水上は、 ポッキーのCMソングには言わずもがなたくさん触れてきた。   ポッキーガールが楽しそうに踊る姿は物心がついた頃からみていたし、 カラオケでポッキーを振り回して歌っている友達をみていたし、 クラスメイトがシェアハピダンスを踊っていた(…私は隅からみていた) のは特に記憶に残っている。   私と同世代、あるいは年上の世代の人のほとんどは 同じようにポッキーのCMを身近に感じていたとおもう。   まさか、自分のバンドで起用していただけるだなんて… 夢にも思わなかったほど光栄なことでした。   私の思うポッキーのCMソングのイメージは、 “誰が聴いても好きになっちゃう、とんでもなくキャッチーなうた” だった。   なきごとの楽曲は、中毒性やキャッチーさに対して今までも褒めてもらうことも多かった。   が、しかし、我々なきごとはメジャーデビューして間もない、若手も若手のバンド。 大切なタイアップを任せていただいたからには、全力で寄り添いたいと思っている。   ならば、もっと、キャッチーで楽しく、たくさんの人に届きやすいものを! というのが、チームの総意だった。   音楽を作り、歌詞を作る人間として、 その“キャッチー”について、より向き合いたいと思った。 ……キャッチーを私なりに科学しようと……   本来キャッチーとは、 印象的であるだとか、記憶に残りやすい、という意味を持っている言葉だが、 音楽的な意味でのキャッチーはそれだけじゃない気がする。   歌詞のリフレイン(同じ言葉を繰り返す)が覚えやすいとか、 歌詞が面白くて言いたくなる言葉だとか、 真意をついていて記憶に残りやすいだとか。   それをキャッチーの指標にするにはあまりにも、 このひねくれてそっぽ向いたへそを持つ 私の主観がノイズになってしまうのだ。   これを読んでくれているあなたは、キャッチーをどう思うか。 ぜひ聞きたい。   話の景色が変わるのだが、 子どもの頃から音楽が溢れている家庭で育った。   家では常に音楽が流れているか、母が鼻歌(いや、歌っていたか)を歌っていた。 朝はお世辞にも上手いとは言えない母の歌声に耳を塞ぎながら起き、 用意してくれた朝ごはんを食べながら、 うろ覚えの間違った歌詞で何度も同じフレーズを歌う母へ 毎度歌詞を訂正しながら支度をしていた。   …私の中のキャッチーは、きっとこれなんだと思う。   言語化するのが難しいけど、お母さんがつい歌いたくなる曲、というか。 きっと私の音楽の聴き方と母の音楽の聴き方は違う。 求めているものも違う。 けど、それでも、歌詞がめちゃくちゃだとしても、 歌いたいという気持ちが勝つような、そんな曲。   今作で求められているキャッチーとは、 まさにうろ覚えでもなんか口にしてみたくなるような、 お母さんが一聴してご機嫌で歌っているような、 なんなら音楽に関係のない友達や、 その友達のお母さんが、ふと歌いたくなるようなものなのではないか。   と、思いました。   ならば、とつくった曲が   「甘々吟味」   これがキャッチーの正解なのかはわからない。 でも、キャッチーと向き合ったからできた曲だと思う。   だからこそ、歌詞にはいろんな気持ちを詰め込んだ。   学生の頃、軽音楽部で組んでいたバンドが私の全てだった。   当時のメンバーがポッキーの日に、ポッキーをクラスのみんなで食べる企画をした。 (しかも、11/11 11:11に合わせて数1の授業中…!) 人生でそんな経験をする人の方が少ないと思うけれど、あの日のことを歌にした。   楽しいこともたくさんあった学生時代、 そんな中でも思い出したくないような日々もあって。 酸いも甘いもあって人生だけど、 それを、受け入れるまでにとても時間がかかってしまった。   でも、きっと、いつか、気付ければいい。   大人になると、ムキになれないことが増える。 一概に悪も正義もなくなってしまうような感覚がある。 そもそも一言で言い切れるようなことも減ってしまう。   ムキになれるうちに、たくさん、世界を疑った方がいいし、 自身の正義が正義であるうちに、たくさん言語化しておいた方がいい。 少しだけ、自分が信じたいと思った大人がいれば、気持ちを話してみてもいい。 間違えていいから、自分を信じてみていい。   あの頃の自分に言えるなら、こんなものだろうか。   「甘々吟味」という楽曲は、 このように光だけを歌っているのではなく、 つまずいてしまった日々にもフォーカスしている。   この曲がおまじないのように、お守りのように、 受け取ってくれたあなたを守ってくれる曲になったらいいな と思ってつくった曲だ。   そして、私は言霊を信じている。 (終わらせたくない、という曲をかいた時に本当にRecが終わらなかった時から)   “甘々…煌々期…吟味…”   のセクションは、 【いつだってキラキラな日々であると味わえるように】 そして、 【私はいつだってラッキーで、 ばっちこい!ビタースイート(酸いも甘いも) ベイビー(愛してあげたい)!】 …みたいな(笑)   今日も朝ごはんを準備する誰かのお母さんが、 この曲を口ずさんでくれて、言霊でラッキーになったらいいなと。   それこそ、今の所、私が思う、キャッチーなのかなと。   <なきごと・水上えみり> ◆紹介曲「 甘々吟味 」 作詞:水上えみり 作曲:水上えみり・柿澤秀吉   ◆ニューシングル「204号室」 2026年5月20日発売

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