片平里菜
愛するたびに
2026年4月1日に“片平里菜”がニューシングル「愛するたびに」をリリースしました。デビューから12年が経ち、少し大人になった片平里菜の渾身のラブソング。カップリング曲には、はかなく美しい夜を描いた「そんな夜を」、日本各地の民謡の囃子詞(はやしことば)を取り入れたフォークソング「うたのふるさと」、代表曲「女の子は泣かない」弾き語り room ver.】のセルフカバー。全4曲入りの渾身作となっております。
さて、今日のうたではそんな“片平里菜”による歌詞エッセイをお届けします。今、改めてラブソングを歌いたくなった理由とは。心の内側にある“恐れ”と向き合い、思ったことは…。
今度はまた自分自身に立ち返って、ラブソングを歌いたくなった。
ラブソングを歌っていたあの頃のわたしを、その歌を聴いてくれていた誰かを、今も愛する旅をしているわたしやあなたを、平和とは言い難いこの世界を、ぜんぶ抱きしめるようなラブソングを歌おうと思った。
誰かを愛するたびに溢れる気持ち。うれしくて、たのしくて、時々さびしくて、悲しくもなって。恋の始まりはいつでも甘美で、ゆっくり時間をかけて恋愛感情を消費し、普遍的な愛へと育っていく。けれど、次第に愛することに葛藤し、以前と同じような過ちを繰り返してしまう。
なんでだろう?と、心の内側を覗いてみると、大体そこには“恐れ”がある。
幸せを求めているのに心が満たされないわたしたちひとりひとりも、平和を願っているのに戦争を繰り返すこの世界も、おそらく、その根底には“恐れ”がある。
傷つきたくない。失いたくない。また同じ辛い思いをしたくない。今目の前の幸せをひたすらに生きていればいいのに、過去の傷ついたトラウマや未来への不安がよぎる。それは、注視すれば強くなり、蓋をすれば溢れ出し、壁を作れば感性は鈍っていく。そしてあらたな問題を引き寄せる。“恐れ”は生きるために必要だけど、あんまりたくさん持っていると、重たくて身動きができない。
だったら、抱きしめようと思った。どんな感情も、生まれた以上“悪”ではないから。“大丈夫。きっと大丈夫。”と言って抱きしめようと思った。
同じ失敗を繰り返しているようで、それはちょっとずつ違っていて、わたしたちは螺旋状に登り、自分自身を形成している。前へ前へと進んでいる。
そして手放して、いつかちゃんと愛せるようになる。まずは自分自身を。そして、誰かを。世界を。愛するたびに。
<片平里菜> ◆ニューシングル「愛するたびに」
2026年4月1日発売