石崎ひゅーい
僕はその光を頼りに十字路を行く。
2026年3月18日に“石崎ひゅーい”がニューアルバム『Tokyo City Lights』をリリース!新たな幕開けの楽曲となった「Season2」、TVドラマ『いつか、ヒーロー』主題歌「HERO」、セブン銀行CMソング「Sunny Days」に加え、アルバムのために新たに書き下ろした新曲を多数収録。
さて、今日のうたではそんな“石崎ひゅーい”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。第1弾は収録曲「Tokyo City Lights」にまつわるお話です。夢を恥じたり、過去ばかり見つめたり、自己嫌悪に陥ってしまうようなとき。宛もなく夜を歩いて、気づいたことは…。
年々“夢”ってやつが恥ずかしくなってくる。寝ている時のやつじゃなくて起きている時の方のだ。それを追いかける為に東京に来たのに、それに追いやられるように東京に居る。そうやって日本のど真ん中にも片隅があることを知る。
歳を重ねる度に1分1秒が短かくなっていく。街はそれを加速させる。ビル風が吹く喫煙所で吸う煙草みたいに自分の呼吸とは関係のない何かに急かされ、灰になっていく。
地元の友人と会うと“あの頃”の話をする。癒やしを乞うように。すべてを美化し、それをあてに酒を呑む。そんな自分が嫌いだ。白旗をあげているように思えてしまうから。
信号機の点滅に煽られるように暮らしている。届けたい言葉はクラクションに遮られてしまう。それを見兼ねてサイレンが鳴る。まるでエールのように。向かいのドーナツ屋の人だかりが羨ましい。それを脇目に家に帰る。曲を作ろうとするけど、できない。胸に手を当ててみるとポカンと穴が空いている。そこにメロディや言葉は存在しない。ノックをしても返事がない。
あぁ、またか。宛てもなく夜を歩く。からっぽをぶらさげながら何かを探すふりをして歩く。そこには無数の窓から漏れる光。都会で暮らす沢山の人たちの人生、物語、ストーリー。きっと僕と同じような気持ちを持ち合わせている人がこの光を照らしている。そう思うとふと心が軽くなった。僕はその光を頼りに十字路を行く。そこで鉢合わせたのが「Tokyo City Lights」という歌だ。
そして“夢”ってやつにもう一回向き会おうって決めた。
<石崎ひゅーい>
◆ニューアルバム
2026年3月18日発売
<収録曲>
01. 宝島
02. Tokyo City Lights
03. HERO
04. someday
05. 白熱
06. ポーカーフェイス
07. Sunny Days
08. しょうが焼き
09. 手品
10. Season2