女の坂道

春には散りゆく 夜桜に
秋には時雨(しぐれ)に 来ぬ人を
心に張りつく 過去(きのう)を剥(はが)し
わたしは今を 生きてきた
昇(のぼ)り降(くだ)りの 女の坂道

名もない草でも 咲くように
小石は拾って あげましょう
つまずき転んで 泣きたい時も
わたしは明日(ゆめ)に 生きてきた
少し振り向く 女の坂道

夏には日傘で 顔隠し
冬には小雪の 忍び逢い
涙が何処かで 待ち伏せしても
わたしは恋に 生きてきた
辿(たど)り着けない 女の坂道
×