終着の宿

海峡束風(たばかぜ) 夜どおし哭けば
わたしのこころも すすり泣く
ここは終着 おんなの宿よ
あなた忘れる 旅に来て
あなた恋しと 書く手紙

笑ってひとりで 生きられますと
だれかにゆずった 恋ひとつ
柳葉魚(ししゃも)かじって つよがりながら
ごくりひとくち ながしこむ
北の外れの 流氷酒(こおりざけ)

わたしは何処まで ゆくのでしょうか
未練のかばんを みちづれに
あれは始発の 上りの汽笛
できることなら あなたへの
汽車に乗りたい 帰りたい
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