恋に気付くのは

思い出すのにちょっと苦労するような
パッとしないイントロみたいにさ
喫茶店で聞き流してるくらいの
そんな出会いのあなただった

余裕で鼻歌歌ってみたりして
夏の坂道自転車で下って ふと
何気なく考えてみただけなんだ
「今何をしているんだろうな」って

風の匂いに乗って秋が顔を出して
切ない気持ちとあの声が重なって
おかしいと思った時にはもう遅い
頭の中離れない

もっと知ろうとして 近付こうとして
浮かされてるってわかっているのに
止められない抜け出せない 何もかも手に付かない
理屈じゃ何もくつがえせない

忘れようとして 抗おうとして
まだ戻れると思っていたけど
ドラマでは描かれないありふれたこんな夜を
恋と呼ぶのだろう

用事もないのにふらっと家を出て
深夜0時のブランコに座って ただ
会いたい気持ちと寂しさってやつを
ゆらゆらと比べている

今日までにした失敗 嘘も我慢も知って
簡単には見せられない傷もあるけど
背中まで埋まった甘い痛みが
続きをまた求める

何を好きになって 何に悩んできて
どんな景色の街で生まれたの?
知らないでいるうちが華だとはわかってる
それでも今は溺れてみたい

格好つけたって心は単純で
何て言えば笑ってくれるだろう
ラブソングじゃ歌われない平凡なこんな夜だ
恋に気付くのは

無意味なプライドでねじれてた心がほどかれてゆく
あなたの姿を見ているだけで
嬉しさと怖さと声が 愚かさと小さな愛が
同時に溢れて動けない

もっと知ろうとして 近付こうとして
浮かされてるってわかっているのに
止められない抜け出せない 何もかも手に付かない
理屈じゃ何もくつがえせない

忘れようとして 抗おうとして
まだ戻れると思っていたけど
ドラマでは描かれないありふれたこんな夜を
恋と呼ぶのだろう
ラブソングじゃ歌われない平凡なこんな夜だ
恋に気付くのは
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